南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  展覧会
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■フェルメール展(東京都美術館)


・個人的満足度・・・・★★★★★
・他人へのお勧め度・・・・★★★★★


・お勧め理由
1.実物を見よ
フェルメールの絵画の色彩、光、質感は、印刷物その他では伝わらない。
絵画はすべからくそうであるが、伝わらない度合は、作品・作家によって差がある。フェルメールは、度合が大きい部類に入ると思う。

2.展覧会の質
フェルメールが一度に7点来日という機会はそうそうない。
デルフトの作家たちの作品という組み合わせも、全体構成としてよいと思った。
自分はデルフトの作品群の知識を持たず、初めて見たが、興味をそそられ、じっくり見た。
後述するようにフェルメールをとりたてて好きではない自分が、来てよかったと思ったことが、他人にも勧められる理由。

・展示の工夫
様々な展示の工夫がされていた。
展示室に入った瞬間、雰囲気がいつもと異なることに気付いた。理由は、絵画を直接壁にかけず、彩色を施した壁を製作し、そこに展示してあるため。
そして、色を部屋ごとに変えてある。こういった設営は、イベント会場では普通にみるが、美術館内で常ではない。
作品の名称・解説は、壁に直接記載してある。スペースに困らないから、比較的大きな文字で、解説も日本語と英語二ヶ国語。通常は、プレートに書いて絵画のそばに掲示するもの。

順路の途中に、30数点といわれる現存するフェルメールの全作品の原寸大のパネルを壁一面に並べたスペースがある。
当該展覧会に出品されていない作品の模造を大量に並べるのは珍しい。原寸大ということも意図したものだろう。
自分も興味を持って見いってしまった。企画としてよかったのではないだろうか。

都美術館は、古い建築で、展示スペースとしては決して上質ではない。
企画展示室は3層に渡り、観覧者は狭い階段を歩かされる。動線がよくない。展示物の搬入用の巨大エレベーターの前を通ることは、新しい美術館ではないだろう。
とかねがね思っていたら、平成22年度から2年間休館して、全面改修工事を行う予定とのこと。(東京都美術館・全面改修に伴う全面休館

・フェルメールを探して
全作品パネルの前では、観客たちの間から「これとこれを見た」「私はこれが好き」といった会話があちこちから聞こえてくる。
自分はまず、今回、直前に出品不可となった「絵画芸術」がどんな絵かと探した。
サイズが大きく、完成度の高い絵で、「展覧会の目玉になるはずだったのでは。ドタキャンで担当者大変だったろう」と思った。
次いで、「所蔵 ウィーン美術史美術館」に、「自分、行ってるから、見ているのかな?記憶にないけど、当時はフェルメールに興味なかったから、見たけど覚えてないのか・・」
他の絵と夫々の所蔵を見ていくと、ルーブル、ナショナル・ギャラリー、行った美術館の名があるが、やはり覚えがない。行ったとき展示されていなかった可能性もあるが、そうではなく、自分の関心外で、素通りした可能性の方が高そうだ。
勿体ないことをしたとちらと思ったが、いちどきにすべての絵に関心を持つことは不可能だから、昔は昔、今は今である。

・光
順路を回り、紹介ビデオの上映や売店も見終わって、さて帰りましょうかと出口へ向かった。階段を1フロア降りたところで、更に下へ降りる前に、ふと眼を上げると、エレベーターの踊り場をはさんだ向こうの展示室のつきあたりの奥の壁に展示してある「手紙を書く婦人と召使い」が、私の眼にとびこんできた。
サイズはさほど大きくない絵だ。距離は遥か遠い。それが光を放ち、私の足を止めさせた。
吸い寄せられるように、展示室へ向かった。

もう一度、絵の前に立つ。フェルメール独特の光がここにある。つい先ほど、「絵画芸術」を見られなくて残念と思ったが、代わりにこの絵が来たのだから、よかった、と思った。

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