南の国の太陽、空の色の獅子

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Stuart O'Grady : «J'ai tout vu, j'ai tout connu»(Le Quotidien 6/28)
素晴らしいインタビュー。あとでもう一度読み直して噛みしめたい。

Ensemble on peut faire de belles choses. Si Fabian va là, si Jens Voigt va là, si les frères Schleck vont là, c'est fini…
機械で英訳
→Together we can make beautiful things. If Fabian is there, if there is Jens Voigt, the Schleck brothers so go there, it's over ...

Brian Nygaard on Tour de France: ‘It’s not just Andy versus Alberto’(velonews 6/27)
これは流し読み。



【コンタドール事件】迷い

「原因は肉なのか」の事実認識は、いまだに迷う。あるときには片方に傾き、そうかと思うと、翌日、反対側に傾く。どちらかに定まらず、揺れ動いている。

クロに傾かせる要因のひとつは、「状況説明の不自然さ」である。

報道によって此方に伝えられた、コンタドールの状況説明は、こうだった。
2度目の休養日、ブエルタのオーガナイザーからの差し入れの肉を、チームのシェフが調理し、チームの選手たちが食べた。
一緒に食べた選手たちのうち、食事後にドーピング検査を受けたのは、コンタドールだけだった。
チームの中で検査を受けたもう1人のヴィノクロフは、この日、一緒に食事をせず、その肉を食べなかった。

オーガナイザーの持ってきた肉はバスク産で、バスク産の肉は、クレンブテロールで汚染されていた可能性が十分ある。クレンブテロールが検出される原因は他に覚えがない。辻褄が合うから、肉が原因に間違いない。

このストーリーをすんなり受け入れた人もいるが、私は、ひっかかった。
何にひっかかったのか。

「チームの出した食事が原因で、彼1人だけが陽性を出した」ことには、「不自然さ」を感じる。

チームの複数人数から検出されていたなら、食物汚染という主張は受け入れられやすかった、と思う。
クレンブテロールというのは、元々は喘息や気管支炎の治療に使う薬で、スポーツ選手の間では、減量して筋肉を増強するために使用されているものだという。
そういう効用の薬物であるなら、「ツール期間中に、チームぐるみで故意に摂取する」ことに意味がないので、考えにくい。

血液ドーピングはどうか。
ツール開始前に、クレンブテロールを摂取し、血中にまだ残っていたときに(うっかりして)採血してしまい、その保存血液をツール期間中に身体に戻す。これをチームぐるみでやって、複数人数から同日にクレンブテロールが検出されるには、同じ時期にクレンブテロールを摂取し、同じ時期に採血をし、同じ時期に戻す、ということをしないといけない。
可能性としては起こり得るが、現実には少し無理がある感じがする。
さすれば、複数人数からクレンブテロールがでたなら、食物汚染の蓋然性が高い、となるのではないか。そういう理屈だ。

現実には、コンタドール1人からしか検出されなかった。提出したストーリーは、「なぜそうなったかという辻褄」は合っている。
しかし、チームの出した食事が汚染されていたなら、チームの選手複数から検出されるのが「自然」ではないだろうか。

他のチーム競技では、そういう事例が出ている。先日、サッカーのメキシコ代表の選手の複数からクレンブテロールが検出され、当事者は食物汚染と主張している、という報道があった。
メキシコは、中国と並び、クレンブテロール検出は食物汚染によるとWADAが認める事例が複数発生している国である。

もう一点。
このストーリーに登場する人物は、「全員、コンタドールの利害関係者」で、第三者は1人も含まれない

全員が、彼が有罪になるのは「都合がよくはない」という立場にいる人間、言い方を代えれば、「身内」である。
全く利害関係がない、とみなせる人物が、1人も関与していない。

このことは、「証言の信憑性」を低下させる。
のちに、スペイン国内の政治家たちが無罪を要求して介入したことが、これに更に拍車をかけることになった。



上記の件は、事件発覚の初期に気づき、いまでも消えずに残っている。
しかし、ひっかかりを感じるのは事実にせよ、では、彼が血液ドーピングをしたという「具体的なシーン」を想像しようとすると、また、首を捻ってしまう。こちらの説にも、ひっかかるものがあるのだ。

「クレンブテロールをツール前の時期に摂取し、採取した血液に残留していた」という仮説だが、ドーピング検査は、レース中だけでなく、365日抜き打ちで行われる。
いつであろうと、禁止薬物であるクレンブテロールを摂取するのは、危険ではないか。故意に摂取をすることがありうるだろうか?

思いつく答。確実性が非常に高いマスキング剤があるなら、できる。痕跡を消せることが判っているなら、使用は可能だ。
今回、検出されたクレンブテロールは、最新鋭の高性能の分析機器を備えたケルンのラボでしか検出されないほどの超微量だった。
検体を送られたのが他のラボであれば、検出されなかった、と伝わっている。

「薬物使用の隠し方」についての深い知識・情報は、我々一般大衆が簡単に入手できるところに公開されてはいない。
自転車RR界の「建前」では、禁止薬物は検査で発見できることになっていて、深い知識を持たない観客は、その「建前」を信じている。

しかし、過去の話を、少し探してみれば、いつの時代も、常に、「発見できないケース」が存在したことは、疑いようのない歴史的事実だ。
EPOは、長い間、検出する方法がなかった。血液ドーピングも、実施の物的証拠は取れない。捜査という方法でしか見つけることができなかった。そのため、開発されたのが、バイオロジカルパスポートという手法だ。

「検出の性能の低さ」という厳然たる事実が存在するゆえに、コンタドールの件の推測は、非常に難しい。

「検査性能の低さ」は、同じ肉を食べ、同じようにドーピング検査を受けても、検出される人と検出されない人がいる、ということもありうる、という想定も生む。
仮に、同じ肉を食べたチームメートも検査を受け、検出されなくても、食物汚染であった可能性を完全に否定はできない、という意味である。

コンタドールの主張には、不自然さはある。だが、事実でないと結論づけることもできない。



但し、事実であったなら、この人は「物凄く運の悪い」人であった、ということになると思う。

順に挙げよう。

・バスク産の肉は、クレンブテロールで汚染されていた可能性が十分ある、とコンタドールの弁護団は主張する。
しかし、中国やメキシコと異なり、バスク、広げてスペインで、ドーピング検査でクレンブテロール陽性反応を出した事例は、彼の他には知られていない。

私は、他の競技を広くフォローしてはいないが、事例が出ていれば自転車界にも伝わってきていたであろうから、ないのだと思う。
つまり、「スペイン産の肉を食べて、検査で検出される」のは「非常に稀」である。

このことは、「汚染肉が存在したとしても、その率は、中国やメキシコほど高くはない」ことを意味している。
ブエルタのオーガナイザーは、その率が高くはない汚染肉を「たまたま」買って、「よりによって」自国の英雄に持って行って、食べさせてしまったことになる。

・ツール中、選手たちは、毎晩、肉をせっせと食べるのだろうか。
これは、チームによって異なると思う。
09年ツールのサクソバンクでは、肉を満足に食べさせてもらえず、出される肉はチキンで、これについて特にファビアンがブーブー不満を言っていた、という話を読んだ。(食事に文句の多いのは、ファビアンとアンディ。・・クリスの話)

2010年のアスタナのメニューは知らないが、牛・豚肉を毎日せっせと食べていたのではないのではないだろうか。
ブエルタのオーガナイザーが休養日に差し入れたのは、いつもとは違う食材だった。
いつもは食べていない食材に、よりによって、禁止薬物が入っていた。

・同じ肉を食べたチームメートは検査がなく、「よりによって」食べなかったヴィノクロフだけが、検査を受け、おかげで、コンタドール1人からしか検出されなかった。
上に記したように、チームメートたちからも出ていた方が、食物汚染という主張は信用された、と思う。
しかし、「たまたま」そうならなかった。

・検出されたクレンブテロールは超微量で、ケルンのラボでなければ、発見できなかった。
検体が他のラボに送られていたら、検出されずにすんだ。しかし、ケルンに送られ、検出されてしまった。

上の事柄のうち、どこかが外れていれば、今の事態にはなっていなかった、と思う。「たまたま」の事柄が積み重なり、物事がことごとく、彼に都合の悪い方に転んだ。そういう話になる。

可能性としては、ありうる。
しかし、こういう文章は浮かぶ。
「グランツールの勝ち星を積み重ね続けている、最強の王者といわれるこの選手は、それほどまで『運の悪い人間』なのか?」

(続く)
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