南の国の太陽、空の色の獅子

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Saxo Bank Sungardの公式サイトは、昨年以前の画像を一掃したが、こちらのサイトは、映像を全部残していて、かつ今年度作ったのは1本のみで、事実上、昨年までのアーカイブサイトになっている。
昨年のツール第19ステージ、ファビアンがアンディのTTを見ている姿を見て、思い巡らしたこと。


10か月前、アンディに向ける彼の眼差しを見た私は思った。
「1年後、彼は、アンディの代わりにコンタドールを守るのか。そんなことが、現実として起こりうるのか」

起こりうるとは思えなかった。

けれども、その時の私は、彼が自分のキャリアをどう決めたのか、推測するに十分な材料を持っていなかった。
彼は、自分の去就について口をつぐんでいた。契約解除をリースに通告したのが、トゥールマレ決戦前日であったことを、リースの自伝の記述によって私が知ったのは、11月だった。

今になると、なぜ、彼が敵に回るという未来を一瞬でも想定したのか、不思議にすらなる。
第19ステージの日の、この顔を見ていたのに。
この眼差しと表情が示している感情を、信じなかったとは。

(「感覚」では、信じた。けれども、「合理的な理由がない」と、「理性」(理屈)で、打ち消した)

来年のツールでは、コンタドールを助ける、すなわち「敵になる」つもりでいたのであれば、こんな目でアンディを見ることはない。
敗北が確定して落胆しているアンディに、満面の笑みを浮かべて、正面からまっすぐにみつめて話し掛け、両手でアンディの肩それから頬を抱いて称えるという振る舞いをするはずがない。
来年も仲間だ、来年またコンタドールに挑もう、その意思が通じあっているから、できる振る舞いだ。

言葉は、偽りであることがある。だが、眼差しは、嘘をつけない。
目を見れば、真の心は判る。多くの場合そうだ。(例外はある。詐欺師と、生まれついての嘘つき)

言葉と態度とで、意味することが異なるとき、本心は、態度が示す方だ。
彼がルクスへの移籍を正式に発表したのは11月末だった。けれども、彼の態度は、7月から、いつも、そのことを示していた。違っていたのは「言葉」だけだった。今になれば、そう思う。



この人のパーソナリティを、自分はまだ、掴めていない。
目にする記述は、「一面」しか取り上げておらず、それ自体は事実にしても、納得のいく「全体像の描写」に、まだ出会っていない。

「エキセントリック」な部分のある人みたいだな、と思ったのは、08年北京五輪後、燃え尽き症候群に陥ったことを知ったときだ。
自分の理解では、柔軟な思考のできるタイプは、燃え尽き症候群にはならない。成熟した精神を備えた人も、ならない。精神のバランスを取ることが巧みではない人間がかかる症状だ。

クリス・アンケル・ソレンセンの09年ツール日記の中での彼の描写にも、注意を惹かれた。
クリスは、サクソバンクに残留したことが示すように、シュレクグループの一員でなく、彼等を「外から」観察していた。その目から見たとき、ファビアンは、「特筆する」面があった。
書いたクリス自身には自覚はないのかもしれぬが、「チームメートたちへの言及」の観点に注意し、「クリスの感じていたこと」に思いを巡らすと、解釈が奔放に浮かんでくる。

契約解除までして彼が移籍したことを、現時点では、ひとつの解釈によって納得している。(暫定の解釈)
彼は、周りにいる人々から離れて、別の環境へ移りたくはなかった、のだ。今の人間関係を失いたくなかった。
それは、アンディがチームを選ぶときの優先順位第1位が「フランクと一緒」であることと本質的に同じで、「人間関係が一番大事」だったのだと思う。

世の中には、「金」だという人々がいるが、私は、こう指摘したい。その解釈を口から出す人は、「自分は金で決める」と、「自分自身の価値観を表明しているだけ」だよ、と。

自分なら契約金額で選ぶし、「他人も自分と同じ」だと思いこんでいる、そういう人々は、金よりも優先したいもの(今回のシュレクグループの場合は「緊密に結びついた人間関係」)を持っている他人がいることを想像できない。
自分と異なる価値観を持つ人がいることを考えつかない。「想像力が欠如している」というのが、自分の意見だ。

「金で決めた」「金に目が眩んだ」という蔑視は、96年にミヒャエルがフェラーリに移籍したとき、さんざん言われたので、自分は慣れている。
今回のケースで、ひとつ付け加えておきたいことは、もし彼が「金で決めた」のであれば、レオパードでなくBMCを選んでいたのではないか、という点だ。
レオパードのオファーがそれなりの額であったことは想像できるが、BMCのオーナー、アンディ・リースは、彼を獲得するためなら、金に糸目をつけないようなノリがあったと思う。
もし、彼の側が、ルクスはこれだけ出すと言ってる、と賃金交渉をしたなら、上積みしただろう。そのことを彼は知っていたが、BMCと交渉はしなかった。移籍交渉の真実は闇の中だが、そう推測していいのではないかと思っている。
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