南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  自転車
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CAS postpone Contador hearing(cyclingnews 5/26)

コンタドール側からの申し出により、CASの審議の日程が延長され、その結果、ツール開始前に判決が出ない可能性が高くなった、との報道がされた。

解釈に首をひねる。
どういうことだろう?
コンタドール側に勝算があるなら、予定通りスケジュールを進め、ツール前に身の潔白を証明するのが一番いい。
「自分から」その機会を捨てたのは、何故だろう?
彼等は、ASOが、無罪が確定していない状態の彼を出場させる、と読んでいるのか?

私は、ASOは「判決が出ていない場合は出場させない」だろう、とずっと思っていた。
理由は、「彼が出場して、優勝し、シャンゼリゼで祝福を受けた後、有罪となる」事態は「なにがあっても」避けたいだろうから。

彼がツールに出場すれば、今年も勝つ可能性が高い。優勝後、有罪となって、2010年・2011年の優勝剥奪、という羽目になったら、目も当てられない。
ツール・ド・フランスに、これ以上ない傷を付ける。マイヨ・ジョーヌが汚名に塗れる。地に堕ちる、といってもいいのではないだろうか。

まず間違いなく無罪で、有罪になるリスクはゼロに近い、とASOが読むなら、出場させる選択はありだ。だが、CASの評決に、確信的な予想ができるのだろうか?

現在、ランスの件が、世を賑わせている。もはや、ランスがドーピングをやっていなかったと思うフランス人はおるまい。
フランス当局は、当時、躍起になって証拠を挙げようと頑張ったが、ついに叶わず、7勝を持っていかれてしまった。
2009年、ランスとコンタドールの在籍したアスタナにも疑惑はかけられていた。
ASOは、現在進行中のランスの件に直接に関わってはいないが、影響は受けていると思う。コンタドールの出場を認めるか拒否するかは、「『更なるドーピングの王者を生むリスク』を背負うか否か」の選択といえるのではないだろうか。

ASOは、コンタドールの件に関しては、CASの評決がツール前に出ることを望む旨だけをアナウンスし、それ以外は一切口をつぐんで過ごしてきた。
ニュースを少し当たってみたが、ASOの判断についての情報・考察はみつけられなかった。レキップが一番あてになると思うが、まだ不明。

翻って、コンタドール側の思惑だが、ツールに出たい意向があるのなら、日程を引きのばすのは、釈然としない。
無罪を確定させることが、一番利益になるはずだ。確定しないと、ASOから拒否される可能性を残す。
それなのに延期した、考えられる理由は、「情勢が不利で、別の弁明を作成する必要があると判断した」
言い替えると、「ASOからツール出場を拒否されるリスク」より、「今の弁明では有罪になるリスク」が大きい、という判断があった。
この解釈しか思いつかないのだが、他に何があるだろう?

「時間が経つと、有利になる証拠が手に入る、という何かしらの見込みがあった」・・現時点で勝算があるなら待つ必要はない。
「ASOと裏で交渉済みで出場の約束を取り付けてある」・・まさか。
むしろ、「ジロに出場できたから、ツールも大丈夫だろう、という楽観的な読み」の方がまだありそうな。ジロとツールでは事情が違う、1年前のツールで陽性を出したのだし、有罪になった場合、ツールは2年分の優勝剥奪になり、蒙るダメージが大きい、と自分は思うが、同じ判断をしない可能性はありそう。

逆に、「ジロを取れる目処がついたことで、ツールを敢えて捨てる賭けに出た」・・ASOが拒絶するなら、仕方ない。今年のツールは諦める。来年がある。有罪にならぬよう万全を尽くすことが優先。という計算ずくの戦略。・・はてさて?

ところで、現在開催中のジロでのコンタドールの強さを見て、こう思った。
「『一昨年までの彼』が戻ってきた。改めて、昨年のツールは、『最悪中の最悪』のコンディションだったのだなあ」

昨秋ドーピング疑惑が発覚したとき、「ドーピングをやって、あんな弱かったなんてありえない(だから、やっていないと思う)」という意見があったが、その観点を取り上げるなら、まったく逆に、「コンディションがボロボロに悪かったので、追い詰められて、手を出した」という解釈も可能なんだよな、と思った。

陽性を出したのは、トゥールマレ決戦の前日で、かつサクソバンクとの契約がまとまったちょうどその日だった。「明日、何があっても(槍が降ろうと)アンディに負けるわけにいかなかった」瀬戸際に、彼はいたのだ。
TTが終わって結果が決まったとき泣いていたが、そうなるくらい、昨年の彼は、考え得る限り最高度に追い詰められた状況にあったと思う。

(「アンディに負けるわけにいかなかった」の意味は、「サクソを出ていくアンディの代わりのエースとして、アンディより高額の条件で契約するのに、今年アンディとの直接対決で負けたら立場がない」)

念のため書いておくが、これは、ただ単に「置かれた環境」の話に過ぎず、彼がドーピングをしたという根拠にはならない。
(私は今も、彼がやっただろうと判断するに足る材料を持っていない)



ある日Jスポで、自転車中継の合間に、マリオン・ジョーンズのドキュメンタリー番組を放映していた。
たまたま目に入ったのが、ドーピングを告白する前の、「自分は、誰より多くの検査を受けている」と否定するシーン。
あらま。この台詞、他の誰かも言ったぞ。

これらの例が示すように、検査を誰より受けていて、バレたら名声を失うから、危険を犯さないだろう、と思われているようなウルトラスーパースターでも、やってるケースはあるのである。
検査では発見できないケースは、いくらでもある。
アメリカでは、検査では検出できず、捜査で発見、というケースがよくある。検査は、費用がかかる割に、すりぬけられてしまい、効率が悪い。WADAが、今後は、これ以上検査の回数を増やすより、捜査優先にしたいという話が、暫く前に出ていたが、こういう状況の反映だろう。
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