南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  スポンサー広告
tag : 
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

Category :  自転車
tag : 
昨年、ルクス新チームが、色々な件の正式発表を遅らせる戦術をとったことで、長い期間、憶測が飛び交い、此方は少なからず苛々する日々を過ごした。
だが、報道をチェックしていたお陰で、「各メディアに関して」得たことが幾つかあった。少し書いておきたい。

Luxemburger Wortは、信憑性が高い

ルクセンブルクの地元紙Luxemburger Wortが「煽り度の低い」メディアであることは、以前から認識していたが、今回、「信用するに足る」事例を示した。
カンチェラーラのルクス移籍を、発表前に、断定して報じたのは、ここが最初である。
リースが契約解除を発表した9月18日の翌日の9月19日

9月21日に書いた自分の推測は、おそらく当たっていた、と思う。
Wortの記者は、「想像」で書いていない。ソースが存在した。
この時点でカンチェのルクス移籍は決定していて、そのことを知っている人間が、ルクス国内には、複数いた。その中の誰かが情報源(意識的なリークか、うっかりしてバレたのかどちらなのかは不明)、という推測に無理はないと思う。

別の観点からの発想だが、ルクスという国は「小さくて」「人間の数が少ない」。それがために、人の繋がりが緊密、なのではないだろうか。
何を言いたいかというと、ごく小さいコミュニティだから、互いに知っている割合が高い。知り合いを6人辿ると世界中の人と繋がるという説がある。とすると人口50万のこの国では1人辿ったら全員知り合い。
さすれば、Wortの記者の知り合いの中にレオパードの関係者がいても不思議でもなんでもない。

同じ発想で、フラビオ・ベッカが以前からシュレク一家と知り合いなのも、ロペスと知り合いなのも、全然おかしくない話。
日本とは「サイズがかけ離れている」から、日本人の自分とは、ベースの部分の意識でズレるものがあるのではないか、とは今回自分が気づいたことである。

(「ルクセンブルク」という国籍だけをよすがに、「F1に注ぎ込む金がそれだけあるなら自転車界の同胞に金出して~!」とロペスに叫んだ自分の妄想も、まるっきり外れてはいなかったという話)

「1次ソースにあたれ」は鉄則

cyclowiredは、日本で数少ない自転車専門の情報サイトの一つで、自分もお世話になっているが、ときどき、トンチンカンな記事を載せる。

代表例を挙げる。
ツール制覇を目指すカンチェラーラ 1年前倒しでサクソバンクを離脱(9/21)
Wortのスクープの出た直後で、トンチンカンさが際立ったが、「なぜ筆者(Gregor Brown) がこのようなトンチンカンな記事を書いたのか」を分析してみよう。

筆者は、ネットに載った他メディアの複数の記事を読み、それらを繋ぎ合わせ、自分の想像を加えて、ストーリーを作り上げて、1本の記事にしている。この手法で書いている記事を、複数見かける。

この手法が「間違ってはいない」ケースもある。
しかし、他メディアの「読み方のレベルが低い」場合、「事実認識を間違え」、その結果、大外しのトンチンカンな記事を生むことがある。

上のカンチェの移籍記事を作る際に間違いを犯した原因は、「デンマークのBT紙が発信した記事の性格を理解していなかった」ことにある。

当時、デンマークメディアを連日チェックしていた自分は、彼等が、サクソバンクを我がデンマークの誇るチームとして扱い、離脱組(ルクス移籍組)に敵対心を持っていることを、否が応にも認識させられていた。
BT(sporten.dk)は、その中でも、ルクス憎しの急先鋒だった。

彼等は、カンチェの離脱を疑い、「てめえも出ていくのか。裏切り者」という目を持っていた。
ブエルタ中に、彼等独自のルートによって、リースとカンチェの関係が破綻したことを嗅ぎ出し、離脱発表の数日前から、その方向の報道を始めていた。
2010/09/18 : カンチェ移籍騒動

彼等はカンチェをマークしていた。それゆえ、9月17日にカンチェがチームに無断でレースをやめて帰路に着いたとき、空港で彼を捕まえ、話を聞くことができたのだろう、というのが、私の推測だ。
自宅に戻ったカンチェは、その後だんまりをきめこみ、18日に契約解除をリースが発表した後、22日までメディアに言葉を何も与えなかった。
17日にマドリードの空港で捕まえて、彼から去就に関する言葉を引き出すことに成功したメディアはBTだけで、他のメディアはどこも、BTの記事を引用して、記事を書いた。

「アルベルト・コンタドールと同じチームで走っている限り、ツール・ド・フランスで総合優勝は狙えないだろう」
この台詞は、9月17日付のBT(sporten.dk)の記事の中にある。

これを口に出したときの彼は、既にルクス移籍を決めているが、まだ発表はできない立場だった。
BTの記者は、「サクソバンク離脱は不可避」と腹の中で思っている。相手は口を割らないから、「移籍を考えているのは、コンタドールが来るからか?コンタドールと一緒は好ましくないか?」等、あれやこれや質問をして、言葉を引き出そうとした、という想像は容易だ。

言質は与えまいとするカンチェと、事実を探り出したい記者との虚虚実実の駆け引きの会話があり、その結果、記者が作って発信したのが17日の記事である。

BTの記事は、以上のような「背景」がある、という認識を持って、読む必要がある。
背景を把握せず、カンチェの発言部分だけを取り出し、文字面を真に受けて、想像を膨らませると、Gregor Brownが書いたような記事になる、のである。

カンチェがとりたてて意識して、この台詞を言ったとは限らない。記者の質問の流れの中で返しただけ、の可能性もある。
BTは、カンチェのサクソバンク離脱確定は事実と認めていたが、移籍先がルクスであるとは、まだ認めていなかった。
そう思いたくない、「認めたくない」という意識があったのではないか、という推測が浮かぶ。
コンタドールと同じチームだとツールで総合優勝を狙えない、という台詞は、シュレク兄弟のチームも否定することを意味する、という「解釈」をし、自分に都合がいいので、これを選んだのかもしれないのだ。

以上の解釈は、「BTが、サクソバンク分裂騒動をどのように報道してきたか」の流れを把握していれば、思いつくことだと思う。
この一件が示していることは、「1次ソースにあたるべし」という、「記事の読み方」の基本中の基本である。

尚、cyclowiredの記事については、少なからぬ日本人の自転車ファンが、記述を真に受けて、カンチェはツール総合を狙っている、と思い、ルクス移籍が発表されたとき、嘘ついてたのか、という反応が出るんじゃないか、という観点で、あまり有難くないと思った。
実際には、発表を遅らしに遅らし、その間リークが重なり、世間でほぼ既成事実化されてから発表したため、以前の発言を覚えている人がいなくなったようで、蒸し返す言葉は見かけなかった。

同様の現象は、デンマークのリース支持者の間でもあった。時間をかけ徐々に浸透させたおかげで、発表時に、「裏切り者!」の非難の合唱を浴びずに済んだ。
ニガードが発表を遅らせた目的は、この件が一番ではないと思うが、結果として、デンマークからの悪口をかわす効果も生んだので、成功だったな、と思っている。
スポンサーサイト

コメント


この記事に対するコメントの投稿
















この記事に対するトラックバック

トラックバックURL
http://leonazul.blog87.fc2.com/tb.php/825-6f76546c
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。