南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  自転車
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ブレシェルが、膝の手術を迫られ、6~12週間バイクに乗れない、来春のクラシックに間に合わない怖れがある、という11/18の報道の後、複数の記事が出た。

Breschel: Nu havde Saxo Bank været perfekt (spn.dk 11/19)
「ファビアンが去った今、サクソバンクは完璧なチームだよ」(ブレシェル)

Matti Breschel interview: Danish rider talks about all things cycling (velonation 11/20)

毎度のことながら、デンマーク人選手を扱う記事の色合いは、デンマーク国内メディアと国外メディアでは、違う。
velonationは、今年の5月、フランドルの後に行った、長いインタビューを載せた。

ここから、自分が思ったことを。

・隠していたこと、本当のこと

自分は、ラボバンク移籍発表後の彼の発言を読んだとき、「カンチェラーラから離れたかった」彼の思いを知った。
その後、今に至るまで、それが彼の本心であったことに、間違いはないのだろうと思う。

5月のインタビューで、カンチェがリーダーであるサクソバンクにいていいのか、とダイレクトに質問されたとき、彼は別の返答をしている。
自分がどこのチームにいようとファビアンは存在する、ファビアンを敵に回すより、同じチームに持った方がいい。
これはこれで理屈が通るので、velonationも引き下がったのかもしれない。

今振り返ると、このインタビューの時点で彼はラボバンクからオファーを受けていて、心が傾いていた、と考えていいと思う。
カンチェがサクソを去ることを想定していないのは道理だし、記者の指摘にあるように、リースはスポンサーを見つけていなかった。

当時、選手たちは、表では、「リースはなんとかすると思う」と口を揃えていた。だが、「自分たちの乗っている船は、沈むかもしれなかった」のは事実であり、脱出を考えるのは、不義理でも恩知らずでもない、とみるものだろう。

チーム側が、スポンサーは、なんとかみつける、信じて、残ってくれ、と選手に要請するのは、チーム側の都合としてありだ。
だが、最善を尽くしたけれど結局ダメでした、となったとき、責任はとってくれない。選手には、自分の身を守る権利があり、チームに忠誠を誓って一緒に溺れるリスクを負う道理はない。

カンチェのサクソバンク離脱が正式発表されたとき、自分は、すぐ、頭に浮かべた。
「ブレシェルが、『こうなるとは』とちょっと思っただろうな」

11/19付spn.dkの記事の通り、「最強のクラシックレーサー・カンチェラーラ抜きのサクソバンク」は、彼にとって、ラボバンクより「よい環境」だったかもしれなかった。

この件を巡って、自分は、あれこれと考えてみた。

彼は、ラボバンクに行くか、サクソバンクに残留するか、を迷った、と伝わっている。憶測記事は色々出たが、行き先の候補に、ルクスは挙がらなかった。見かけた記憶がない。
ルクスは、契約の切れる主力選手を端からかっさらった。でも、ブレシェルは外した?
オファーを出したが、断られた?・・どちらだろう?

彼が、「カンチェから離れたかった」ことを知ったとき、この推測が湧いた。
「ルクスは、『カンチェが来る』から、ブレシェルに声をかけなかった、のか?」

移籍発表時、デンマークメディアたちが、こぞって、「カンチェラーラの陰から出る」と書いたことは、「デンマークでは、この見方が定着していたこと」を示している。とすれば、彼の願望を、アンデルセンが十分認識していたことは考えられる。

ブレシェルがルクスに呼ばれなかったのは、「彼等のグループ」、サクソバンクの中核の「互いに強く結びついたグループ」の一員ではなかったから、という言い方もある、だろう。
カンチェは、「このグループ」の一員だった。ルクスは、「最初から」カンチェの参加を見込んでいた。ゆえに、ブレシェルをリストに入れなかった。カンチェをチームメートに持ち続けることを彼が望まないことを判っていたから。

・・のかどうかは、判らない。「ありうるかも?」という説のひとつ、に留まる。

ブレシェルは、ツール期間中、チームにはメランコリックな雰囲気があった、と語ったが、実のところ、メランコリックだったのは、彼本人だったのではないだろうか。
ルクス行きを決めているメンバーは、思い悩むことなく、日々のレースに集中していただろうと思う。フランクを失った当初は、ダメージを感じていただろうが、頂上決戦は、それを吹き飛ばすことができたのでは。(フォイクトとオグレディの仕事っぷりは、後で考えると納得する)
残留を決めている2人のソレンセンは、今までと変わらず、リースとチームに対する忠誠を尽くした。とすると、「惑い」を抱えた立場にいたのは、ブレシェルくらいしかいなかったことになるのだ。

velonationのインタビューの中で、彼は、サクソバンクに来る前に、Rolf Sorensenと密な関係を持っていたことを語っている。
ロルフ・ソレンセンは、現在ラボバンクに関与していて、ラボバンク行きを決める際の要素のひとつになったことを、移籍発表後に喋った。
こういうふうに、移籍には、人間関係が影響するケースは多い。「デンマーク人ネットワーク」で、フグルサングは、アンデルセンとの間に強い結びつきを作った結果、ルクスを選んでいる。

リースは、カンチェの離脱発表直後に、ブレシェルが残っていれば、と惜しむ発言をした。
「カンチェがいるから、ブレシェルは出て行った」のに、カンチェにも出ていかれては、文字通り、踏んだり蹴ったりである。

そのまたおまけに、現在カンチェは、モニュメント制覇を目論み、来季の目標はLーBーLとロンバルディア、そして世界選RR、と公言している。
つまり、ブレシェルの熱望するパリ・ルーベとフランドルのパヴェのレースは、カンチェは「もういらない」のである。
となると、ブレシェルは、カンチェと同じチームで共存が可能だった、という皮肉な話にもなる。

といっても、これは後になってする話で、彼の選択が誤りだった、とはいえない。彼がラボバンクに返答した時期(ツールの直前~序盤と思われる)、カンチェやサクソバンクの真実は、察しようがなかった。
更に、サクソバンクは、コンタドールの獲得によってスポンサーを得て、生き延びたが、コンタドールのドーピング問題が起こった現在、「またもや」、先行きが不透明になっている。

膝の手術の話は、いやな感じだ。膝の故障は、よくある、職業病みたいなものだが、移籍しょっぱな、というのが悪い。信頼関係をすでに築いているチームにいるならともかく、まずはチームに馴染んで、信頼関係を作るところから始めないといけないのに。ラボバンクは、明確に、春のクラシックのエースを期待して、彼を取っている。
心配してもしょうがない。記事にあるように、春に間に合わずとも、世界選に希望を持つことにしよう。
(カンチェとどちらを応援するかって?状況次第だろう、今年みたいに。今年、最終盤、集団に彼が残っていることを認めて以降、「よし、いけるぞ」、立ちはだかるのはフスホフト、それ以外は相手と思っていなかったという非デンマーク人観戦客は珍しかったかも)
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