南の国の太陽、空の色の獅子

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●人の常

ブエルタ期間中、チーム(リース及びマクギー)とエースたち(シュレク兄弟とカンチェ)の間には、明らかに、「いざこざ」が起こった。
選手たち3人は、「リースの決めたこと」に不満を抱き、納得をしなかった。

アンディを追放処分にされたシュレク兄弟は、ブエルタ期間中はことを荒立てないでいたが、後になって、文句を言った。アンディは、最後まで残ってフランクを助けたかった。そのためにブエルタに来たのだから。
片や、帰りたいのに、残れと命じられたカンチェは、判りましたと従うことをせず、勝手にやめて、帰ってしまった。

帰りたくない人が無理やり追い返され、帰りたい人が帰ってはダメといわれ、全員不満ぶーぶーで、最後は、職場放棄を引き起こす事態に至った。
ここにはもはや、チームと選手の間に、信頼も尊敬もない、とみなすほかあるまい。

異論を承知で書くが、ブエルタでリースのやったことは、「グラン・ツールを闘うチームのマネージメント」としてはお粗末だった、という見方ができる、と思う。

リースは、アンディとオグレディを罰した理由を、チームのルールに反したから、と説明した。
だが、2人を欠くことは、チームの戦力の大幅低下を意味する。
チームは、何のために、ブエルタに来て、レースをしているのか?チームにとっての優先順位は何か?

「チームのルール」は、チームの戦績よりも優先順位が上なのだろうか。
そもそも、ルールというものは、「何のために」存在するのか。

リースは、ブエルタに参加していなかった。休養日に、ポッと来た。
その日まで、チームの選手とスタッフは、連日の灼熱の中、レースをしてきた。グラン・ツールの厳しさは今更述べるまでもない。
現場のメンバー全員のしてきた仕事は、リースの決定によって、無駄になった。

リースによる、アンディとオグレディの追放は、「論理的に考えれば」、「現在のチーム」の利益に反する行為であった、と思う。
「来季のチーム」の利益、という観点では別である。だが、「現在ブエルタに参加している選手とスタッフ」の利益には反する。

2人が返された後、残されたメンバーの士気がどうなるか、リースは判っていて、そうしたのか。彼は、用を済ませると、選手とスタッフを残して、帰った。「選手・スタッフと共にレースはしなかった」。

改めて考えれば、カンチェが、5年間在籍したチームでの最後のレースを、ボスの命令に背いて、途中で帰るというのは、「相当な」行動だ。
彼は、リースの元で、大きな成功を収めた。リースに対して、恩義も感謝も感じている、と考えてよい。それなのに、最後の最後に、「ばっくれる」とは。これでは「喧嘩別れ」のようなものではないか?

フランクは、アンディを失ったことを全く納得していなかったが、リースと円満に別れよう、という判断でもって、我慢をして、ブエルタ最終日を終わらせた。
オグレディもまた、リースのチームでの最後のレースを円満に終わらせたいと望んでいた。(その望みはリースに却下され、追い払われたが)
それだけに、カンチェの「終わらせ方」には、疑問が残る。



乱暴な言い方だが、「このメンバーでブエルタを円満に終わらせようというのは、最初から無理があった」のだと思っている。

私は、フランクが、ブエルタで総合優勝を狙いたい、と公言したとき、首を傾げた。実際に彼を含めた複数のルクス組がブエルタに出ることになったとき、「これは奇妙な話」と思い、どこか不安を感じた。
具体的にいえば、「リースに、『フランクを総合優勝させてやろう』という気がある・・のか?」という疑念である。

チーム側が残留を望んだのに出ていく選手とチームとが「感情的にうまくいかなくなる」のは、人間の心理として、あって当然だ。
コンタドールは、残留を要請していたアスタナを振り切ってサクソバンクを選んだことを公表した後、アスタナではもはやレースをしなかった。それが互いのための、正解なのである。

チーム・サクソバンクのメンバーたちが心を一つにしてグラン・ツールを闘うことは、今年のツール・ド・フランスで、既に、できなくなっていた。
選手とスタッフたちは、バラバラになってはいなかったかもしれぬが、ボスのリースは、昼間のレースで相対しているコンタドールと、来季を共にする話を、裏で続けていた。

7月25日、ツール最終日、レース終了後のからっぽになったチームバスの中で、リースは、コンタドールとの契約書にサインをした。(自伝の記述)
その日から後、リースにとって「自分のチームのエース」はコンタドールであって、シュレク兄弟ではなくなった、のだろうと思う。

敢えて言うなら、ブエルタでの「いざこざ」の元は、フランクがブエルタの総合優勝を望んだことにある。
フランクは、気を遣うタイプの人間だし、今回のサクソバンク離脱・新チーム設立・移籍に当たって、注意を払って行動してきたように見受けられるが、最後に、綻びが生じて、我が身に返ってきた。

もしくは、ブエルタでのチーム・サクソバンクの内部崩壊は、チーム・ルクセンブルク誕生が引き起こした事件のひとこま、といっておこうか。



●もうひとつの人間模様

9月6日にリースがブエルタに来た用件のひとつは、コンタドールとのいくつかの契約のサイン、という報道が当時あった。
カンチェと契約解除の話をした後、コンタドールと会ったことになる。リースは、コンタドールに、カンチェの離脱を知らせていたのだろうか。話していなかった可能性もあるのではないか。まだ確定はしていなかったから。

もしも、リースが話をせず、コンタドールが、来年のツールではカンチェに牽いてもらえる、と思い込んでいたとしたら、ちょいと哀れな話だな。

と、最初思った。が、ちょっとまった。
コンタドールが、UCIから、クレンブテロール陽性反応が出たことを知らされたのは「8月25日」で、このことはずっとリースに話さなかった、と本人が語った。

つまり、9月初めにブエルタで会った2人は、お互いに、「隠し事」をしていた、のではないか?
より重大な問題を隠していたのはコンタドールの側で、ことによっては、来年のツールがふっとぶどころかキャリアの危機である。これに比較すればカンチェの離反なぞは些細な問題だ。
けれども、当時の当事者たちは、互いに、知るよしもない。

こういう出来事もまた、今年のブエルタの裏側で起こっていたのだった。
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