南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  散歩
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先日、東京大学のキャンパスツアーに参加してきた。

自分が東大本郷キャンパスに興味を持った趣旨は、不忍池の西側に広がるキャンパスは元加賀藩上屋敷で、その時代の名残が残っていることと、現存する校舎(建築物)も見ごたえがありそう、と思ったこと。重文群ではないが、見る価値がありそうだ、というカンが働いた。
だが、大学と無関係の身は、キャンパスに立ち入るのは、どうも気おくれがする。
行ってみたいと思いつつ行きあぐねていたら、大学側が、一般人対象のガイド付きのツアーを実施していることを知り、これはいい、となった。

ツアーの案内ページを読み、大体こういうもの、とイメージを持って出掛けたわけだが、期待以上のものを見ることができた。

・壮観なるかな、ウチダゴシック

広大な敷地(東京ディズニーランド+東京ドーム1個分)に立ち並ぶ建築群には、共通の様式が伺える。戦前(昭和初期)の建物の様式はほぼ同じであり、新しい建物にも、キャンパス全体のデザインへの配慮がある。
昭和初期の建物の様式は、重厚で、堅固、荘重。

明治に建てられた建築物の大半は関東大震災で焼失してしまい、その後建てられた建物は、「上下さかさまにしても壊れない」堅牢さをコンセプトにした、というジョークを医学部1号館前でツアーガイドから聞かされたが、堅固という印象は、全体に一貫して見うけられた。

帰宅後、少し調べると、震災後に復興した建物群は、工学部教授の内田祥三(後に第14代総長)の設計によるもので、ゴシック調であることから、「ウチダゴシック」と呼ばれているという。

そう名付けるに相応しい建築群である。医学部2号館のファサードや、対になった医学部1号館・理学部2号館の佇まいも気に入ったが、自分が最も感動したのは、医学部1号館前から北に伸びるメインストリートだった。

メインストリートは、総合図書館の西側を伸び、文学部3号館、法文1号館・法文2号館の中を突き抜ける。法文1号館・法文2号館は、ゴシック調の三廊式で尖頭アーチを持つアーケードでもって、通りを通している。
新しい文学部3号館も、法文1号館・法文2号館に似せたアーケードを作っている。
こういう街路プランとデザインを見るのが自分は好きだ。

ここまでで十分満足したが、次に総合図書館の内部に入って、 呆気にとられた。
総合図書館は、外観だけ取り上げても、他の建築物にまして重厚で、1階の室内には高い天井から幾つものシャンデリアが下がっている光景が窓の外から見えた。

しかし、ガイドさんの後について気楽にゲートを入ったら、思ってもみなかった目の前の光景に「口ポカン」となった。
正面に出現したのは、「赤絨毯を敷いた大階段」。

「高さはさほどない建物だったから、内部がこうと思わなかった。こんな大階段のある建物、他に何があったっけ?」と驚き呆れながら登っていくと、同行の友人の一人が、「参議院みたい」。同じように思ったらしい。

流石に国会議事堂まではいかぬと思うが、敢えて挙げれば、東京国立博物館本館か。
大ざっぱにいえば東博や科博と通じる。だが、それらが比較的最近改修工事を行っているため、明るく、からっとした印象を与えるのに対し、ここは、一言でいって、「古色蒼然」。

閲覧室は十分な採光が確保されているようだが、閲覧スペースでない大階段周辺の空間は、茫洋と広がり、昔ながらの図書館・博物館の類の雰囲気を保っている。

建物内に入れるのは図書館だけ、というツアーの事前の案内を少し残念に思っていた(できれば色々入ってみたいと思った)が、唯一入れたその図書館の内部のインパクトが強烈で、これの前では大概のものは霞むからいいか、と思った。

・ガイド

今回ツアーを楽しめた要素のひとつは、ガイドをしてくれた学生さんがよかったことだった。

約15人の参加者に、2人が組になって付く。自分の参加した回を担当したのは、共に女性で、1人が法科、1人が理系(新領域創成科学研究科という部外者の身には意味不明だった名称)の大学院生。

メインを務めた1人は、ハキハキと、よく通る、ガイドに向いた声を持っていた。
2人とも、見知らぬ(物見高い)おばさん・おじさんたちに対して、愛想よく、きちんと応対をしてくれた。
最初は気づかなかったが、時間が経つにつれ、段々と、「頭がよい」ことが此方に通じてきたことには、(当然の事実にしろ)感心するものがあった。

・キャンパスツアー

キャンパスツアーという名のものは、受験を検討する高校生対象のものが、あちこちの大学で実施されている。しかし一般人向きはあるまい、と思っていたら、東大にあったのには、正直吃驚した。
私大なら、宣伝として判るが、国立大学で?
それも、天下の東大なら、ほっておいても、あちらから入りたい人がやってきて、広報活動をする必要もあるまい。と思った自分は頭が古い人間で、独立行政法人化によって、色々変革を求められたらしい。
ツアーが始まったのは2004年なので、明らかに独立行政法人化の影響である。

日曜日のキャンパスには、グラウンドなど一部を除いて学生の姿はほとんどなく、一般の人々が通行していた。
三四郎池の端では、数組の親子連れがいて、小さな子供を遊ばせていた。
子供たちやカップルや女性連れなどが行き来し、公園と同じような風情である。近隣に住んでいる人々が、勝手知ったる憩いの場所として利用しているようだった。

帰宅後、マップを再度見、建築物に関する記述を読むと、今回は行かなかった工学部・理学部・農学部のエリアにも、興味をひく建物があった。
気楽に入れることが判ったので、次は1人で出掛けて、気儘に見て歩こう。
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