南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  自転車
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Jスポのツール放送内でクイズの景品のひとつとして紹介された本。
書店に並ぶのは8月といっていたので失念し、思い出して、図書館で調達した。

7連覇のレース内容の時系列の要点の描写と、09年ツール直前までの情報が書かれているので、ツール前の予習には最適だったのかもしれない。
自分は、自分の見ていない年や、見たけれど当時は注意を払わなかったり、忘れていた事柄に、「なに、××はこの年、このチームだったの!」「あ、なるほど、そうだったのね」「そうそう、こういうことがあったな」となり、思わずメモをとりながら読み進んだ。

だが、読み終わると、意外なことに、奇妙な「終了感」が襲ってきた。
「これで、ランスについてはおしまい」
彼に対する関心が急速に萎んでいったような感覚。

ツールが終わる前までは、復帰の理由や彼の本心は気になるテーマだったが、終わった今、関心はなくなった。
彼は、ツールに勝ちたかった。8枚目のマイヨ・ジョーヌを目指した。でも、彼より強い選手がいて、負けた。・・それだけのことだ。ツール後の本人のコメントのどこかにもあったと思う。

私は、今年のツールが始まるとき、コンタドールで決まりと思っていた。「実力が図抜けており、対抗馬が存在しない」と。だから、巻末の、ランスが勝つ可能性があると述べる、ランス側に立つ人々の言葉を、冷ややかな目で見る。
理解はできる。ランスが出るなら、勝算があるから出るのだ。彼は、そういう男だ。私もそう思う。
でも、コンタドールに勝てるという見通しは、コンタドールを侮っている。

今年示されたのは、コンタドールの強さだ。
来年、彼が、もう一度、ランスを叩き潰す光景を、楽しみに待とうじゃないか。

なんとも不敵なセリフが出てきたが、これは、06年に自分が抱いた、ミヒャエルはフェルナンドに負ける、そうなる、という感覚と同種のように思える。
偉大な選手であろうとも、否、偉大であるなら尚更に、彼を倒す次の世代が出てこなければならない。それができないなら、その競技(ジャンル)は終わりだ。

一時代を作ったスーパ-スターの復帰を、一般世間の大衆が歓迎するのは結構だが、その競技を見続けようという立場からすれば、それは「ちょっとしたデザート」でいいのであって、主役に返り咲く必要はない。
現役選手のレベルが、引退した選手に劣っては困る。

過去の英雄の幻影にすがる光景はどこか見苦しく興醒めする。「次の王よ、早く出て来い!」と思う。
幸い、自転車ロードレース界には現れてくれた。次は彼と競える相手がでてくること。このままぶっちぎられてもそれも困る。



目次に、「フランス報道界はなぜランスを叩いたのか」「ランスというブランド、ツールというブランド」など、非常に興味をそそられる章のタイトルが並んでおり、期待をしたのだが、読んでみると記述の中身は深くない。
ドーピング問題の扱いも、物足りない。「甘い」と感じる。
総括すると、「ランス派」の参考書のひとつ、であると思う。
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