南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  自転車
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■ 解釈

Jスポの放送の解説が「激しい的外れ」に終始しただけでも興を削がれたのに、日本語の情報サイトを見ると、同じく的を外したレースレポートが目につくので、敢えて記載。

第20ステージに際してサクソバンクが設定した目標は、「総合でアンディ2位、フランク3位」だった。
コンタドールは視界の外。アンディは、コンタドールと競う気もなければ、ステージ優勝も眼中になかった。彼が望み、目指したのは、「フランクの3位」だった。

コンタドールの位置は、どうでもいいのだ。闘う相手は、フランクの上にいる3人で、彼等を振り落とし、フランクを連れて、逃げたかった。第17ステージでやったことを再現したかった。だから、ああいう闘い方をしたのだ。

この解釈が合っている自信があるのは、アンディ、フランク、リースのコメントをチェックする努力をして過してきたため。
メディアに載る公式コメントは、外面を飾ったり、ライバルを欺いたり挑発したりといった作為があったり、ニュアンスを誤解して此方に伝わったりすることがあるから、注意が必要だが、第20ステージに際してのサクソバンクの方針に関しては、本人の発言をそのまま受けとっていいと思う。
アンディは、第18ステージTT後に、兄弟表彰台をまだ諦めていない、とコメントし、翌日の第19ステージ後、最終決戦モン・ヴァントゥーを控えて、twitterに書いたセリフは、明日、フランクを表彰台に連れ戻したい、である。(自分の順位には言及してない)

第17と18ステージの放送を見ていれば、アンディの言葉が本心、という見方に、反対する人は少ないのではないだろうか。
彼等は、心から、相手の成功を願っている。そして、互いがそうであることを知っている。だから、相手のために尽くせる。
人の心の動きに鈍い人でも、第18ステージでのスタート前の2人の姿で、この2人の絆がどれだけ深いか、「2人で闘っている」かを察すると思うのだが・・(いや、Jスポ実況陣は、判っていなかったな。男ってそういうものだ。女で勘づかない人はほとんどいなかろう)

兄弟の望みがかなわなかった第一の原因は、フランクの力が、ランスを上回らなかったことで、2番目に、ランスが、総合3位キープの方針を採ったこと。

もしもランスが、ポジションキープではなく、第17ステージ終了後の発言から変わらず、総合2位を目指して、アンディへの攻撃を試みていたら、展開は違っただろう。
ランスが行けば、アンディは自分の2位を失わないため、(心ならずも)フランクを捨てることになっても、追わざるをえない。
フランクのサポートを諦めざるをえないシチュエンションになれば、自分のために戦えた。

ひとつの見方をすれば、昨日のレース展開を決めた鍵は、フランクの存在だった、と思う。
総合1位と2位のガチンコ勝負が展開されなかったのは、2位のアンディが、自分の順位のためではなく、ただひたすら、フランクの順位のために、走ったからだ。

■ 仮の総括

最終の総合順位は、実力を反映した妥当なもの、と思う。
表彰台は、主役たちがきちんと揃った「収まりがとてもいい」図。
ツール・ド・フランスの過去と現在と未来。

コンタドールが現在のトップであることには、欠片の疑問もない。
ランスの評価は、複数の見方が可能だ。3年のブランクの後の復帰戦でこの位置は見事、という見方もありだし、本人は最終盤まで2位を獲る気でいたから、もう1人に上をいかれて3位なのは些か不本意だった、ともいえる。
同様に、アンディにも、ふたつの見方がある。ランスの上を獲ったのは、望みうる最高の順位で上々、といえる他方、コンタドールには、登りでもTTでも歯が立たず、コンタドールを脅かす存在ではなかった、という辛い見方もありだ。
「コンタドールを除いた中では一番よかった」ことの受け取り方は夫々である。

■ 第19ステージ、ランスの執念

書きたいことは色々あるが、とりあえず、この件を。
第19ステージは、TTとモン・ヴァントゥーのつなぎのレースで、総合に動きはない、とみられていたが、ゴールシーンで、私は叫ぶ派目になった。(声は出さず、心の中だが)
「まずい~!ランスとタイム差がつく~!なんで集団割れるの!」
(その間、Jスポ実況席は、「別府~!」と絶叫・大騒動。叫ぶ問題が違う)

ランスは、先頭のスプリント集団についていっている。アンディはランスをチェックしていたが、スプリントについていけなかった、らしい。そして、「フランクは?」といいたそうに(いつものように)後ろを振り返りながらゴールラインを越えていく。

あ~あと、画面の総合を待つ。結果は、4秒。

ランスは、第17ステージで総合2位をアンディに奪われたが、取り戻す意欲を持っていた。第18ステージTTで、たった15秒しか取り戻せなかったのは、大誤算だった。
ランスはまだ、山岳でアンディの前に出たことが一度もなかった。モン・ヴァントゥーでアンディから1分14秒を奪えるという自信があったかというと疑問だ。

だから、第19ステージで、いくばくかでも削れるなら、とスプリントにくらいついたのだろう。彼は、第3ステージで、集団前方に位置したことで、アンディやコンタドールから40秒を奪った。
彼は、諦めなかった。望んだものを手に入れるためには、できる限りのことをする。それが彼だ。
諦めたのは、多分、モン・ヴァントゥーを登っている最中だろう。執拗にアタックを繰り返すアンディに、ついていくことはできたが、彼の前に出ることは無理だ、とどこかの時点で判断をしたのだろう。
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