南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  F1
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遅ればせながら読了。

実は、川喜田さんからコメントをいただいたとき、記述のどの部分に対する感想なのかが判らなかった。
ブログとサイトと合わせると、相当な量の文章を書いている。全般ではなく、何か特定の話題だろう、うーむ、となった。思い当たるのはホンダに関してだが、いまいち自信がなく、ちょっと気になる。
「多分、本書を読むと判るのでは」と保留にしていたら、当たりで、合点した。

第4章「ホンダF1はなぜ自壊したのか?」の内容の多くは、自分が過去に書いたことと重なっていた。
「第3期ホンダの敗戦は「ホンダという企業そのものの変質」が根本的な原因だったと僕には思える」(P.236)とあるが、私は、03年の時点で、あっけらかんとその旨を書いている。
「ホンダ神話 教祖のなき後で」  (03/7/15)
ホンダに関して思いついたこと  (03/7/16)  

1~3章の、第3期活動の時系列の記述内容のほとんどは、過去に世に流れたもので、取り立てて目新しい情報の提供はなされていない。
F1を伝える日本メディアは、基本的に「ホンダヨイショ」だったが(川喜田さんいうところの「大本営発表」と「戦時報道」)、批判的な憶測・意見を述べる個人が皆無ではなく、ちょろちょろと出ていたし、ネットをみれば、ファンの間では、事実をついているように思える「ネガティブな」憶測・解釈が流布していた。

そのため、感じる所がこれといってなく、スイスイ読み進んだが、あと少しで終幕という処で、ある表現に、ページを繰る手が止まった。

スーパーアグリは、ホンダという父が、亜久里という母に身籠らせて産ませた子供。

口ポッカ~ン。
そうか。この言い方があったか。
これぞ、言い得て妙。

自分は、「アグリを生み出した責任は、ホンダと亜久里さんのどちらか」を論じたが、どちらかを優位に置く必要はなかったのだ。
「鈴木亜久里の挫折ーF1チーム破綻の真実」追記 (08/12/8)
「鈴木亜久里の冒険―走れ、F1ビジネス!!」  (08/5/31)

ひとりでは子供は生まれない。親は2人いていいのだ。
そして、どちらが父でどちらが母かといえば、つきっきりで赤ん坊の世話をしなければいけない母親が亜久里さんで、面倒をみるよ、と口約束をした父親が、ホンダだ。
女は、男の援助をあてにして、子供を生んだが、男は女を捨てた。女は赤ん坊を養うことができなくなり、赤ん坊は死んでしまったのだ。

こんな喩えは、今まで聞いたことがなかったが、喩えとして絶妙だ。
うけにうけ、これだけでこの本1冊の価値がある、とまで言いたくなったが、先を読むのを再開すると、川喜田さんは、更に別のヴァージョンを付け加えていた。

僕はスーパーアグリへのサポートを申し出たホンダが、生まれてくる「子供」の将来への責任を欠いたままで、鈴木亜久里を妊娠させたと思っている。また亜久里の方も、一旦「ホンダの子」を身籠ってしまえば、その先は父親であるホンダが何とかしてくれると考えて、一世一代の「勝負」に体を張ったのかもしれない。

だが、ホンダには父親だという責任感も意識もなく、その代わりに「打算」があった。彼にはすでに7年も連れ添った「BARホンダ=ホンダレーシングF1」という「本妻」がすでに存在していた。しかし、そこで養い切れなくなった「琢磨」という息子を、身籠らせた亜久里に預けることで目前の問題を片付けようとしていたのだ。


本書では、この記述の前に、BARとジョーダン2チームへのエンジン供給に関して、「BARとジョーダンによるホンダF1本妻の座をめぐる争い」と記している。
自分は、01年当時、週刊プレイボーイにあった「ホンダの本妻と愛人の争い」という喩えに転げて喜んだ。(01/03/01
本書を読んで、8年前のあの記事の書き手が川喜田さんであった、と確認できた。

・・しかし、「鈴木亜久里を妊娠させた」・・この箇所を読んだ読者のみなさん、目を剥きませんでしたか・・
私は、「いいのかよ、こんなこと書いて~」と固まりました・・自分だったら、「父親と母親」で止めて、こういう即物的(動物的)な表現は選ばないよな・・

上記のような「表現のユニークさ」を別にすれば、第4章の総括・考察も、自分には目新しくなかった。理由ははっきりしていて、根幹の部分は、昨年12月のニッカンススポーツのコラムに既に書かれていた。
あれを読んだ時点で、共感し、川喜田さんのホンダに対する思い入れも知ったので、今回は既知だった、ということである。
ゆく川の流れは絶えずして~ホンダ撤退に関して(2) (08/12/13)
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