南の国の太陽、空の色の獅子

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・晴れた日に

「君が今年のチャンプにおなりよ」
表彰台の中央で朗らかに笑うジェンスを見ているとき、この台詞が浮かんだ。

予選終了時点で、「勝者としてのロスの顔」と書いたのは、決勝での勝利に疑いが欠片もなかったからだった。
ジェンスの後ろでは波乱が起こるかもしれない。でも、先頭を走る彼には関係ない。

この冬、自分がF1を見るのをやめる時期(潮時)がきたのかもしれない、と思っていた。
だが、どうやら、まだ、そのときではないらしい。

見ている間、楽しかったし、レースが終わったとき、気持がよく、次戦も見よう、という意欲が湧いた。

・ブラウンGPがなぜ勝利を得るのか

私はF1の技術面にはまったく疎く、見るときの観点は「人間」だ。F1が技術の競争であるのは確かだが、マシンを作るのは人間だし、走らせるのも人間である。
絵画であれば、作者とは切り離して、作品そのものだけを鑑賞することが可能で、自分はそうすることが多いが、F1とは、マシンの展示会ではない。レースであり、クルマは、レースの道具、とみなす。
F1を、「自動車を使った人間同士の競争」と解釈するスタンスなので、人間に焦点を当てる、という見方をする。

この観点から考えてみると、ブラウンGPとは、実質を見るなら、最初はBARという名であった、今季創設11年目のチームである。
2年目からホンダがエンジン供給をし、その後ホンダが買収、3年後に売却、という経緯を辿った。

ホンダが関わったおかげで、日本語の情報が多く出回ってきたが、このチームでは、ホンダが関わった全期間を通して、「元BARのイギリス人たちと、ホンダの日本人たちとの間との軋轢」が続き、解決することがなかった、ような印象を受ける。

このチームの内部事情に関しては、偏見、応援(身贔屓)、勘ぐり等による大量の憶測が流れ、どれが事実だったのか、いまだに判別が難しい。
しかし、総括すれば、「BARとホンダ」「イギリス人と日本人」の間の軋轢は存在し、ひとつのチームとして成長・進歩をすることがなかったのではないか、と思う。

ホンダが離れたことにより、指揮系統が一元化され、内部闘争がなくなって、チーム運営が効率的に進むようになったことは十分考えられる。

そして、気前のいいパトロンであったホンダが突然離れたために、チームの存続が危機に瀕した。チームが解体せず、存続するためには、これまでと同じ心構えではいられない。
自分たちのチームを守り、自分が雇用され続けるためには、レースでいい結果を出して、スポンサーを獲得しないといけない。チームの構成員全員が、これまでとはまったく異なるモチベーションをもって仕事に取りくんでいるのが、今のブラウンGPではないだろうか。

「真剣なやる気」というのは、空回りするケースもあるが、チーム存続の危機感は、構成員の結束力を高め、いい方向に向かわせるのかもしれない。
05・06年に連覇したルノーの成功の理由については、ミシュランタイヤに最適化したマシンが速かったといった技術面の説明の他に、ゴーンの就任によって絶えず撤退を脅かされ、その危機感でスタッフのモチベーションが高かったという解釈が可能だった。

この見方を採用するならば、「ブラウンGPの成功は、ホンダの撤退がもたらした」のであり、ホンダが残ったなら、成功したかどうかは疑わしいことになる。
具体的な例をひとつあげれば、KERSの採用をホンダサイドが強いて、マシン戦闘力は低下したかもしれない。
つまり、「残留しても」ホンダの名が成功を得ることはなかった、と考える方が当たっているのかもしれない。これは、「撤退しなければ、この勝利はホンダのものだったのに」よりも、ホンダを侮辱する意見だとは思うが。


*付記*
05年のルノーF1チームは、ルノー本社から、2年先の07年に、F1活動を続ける保証を与えられていなかった。明確な保証は、翌06年までだったと思われる。
このことは、フェルナンドの契約交渉という事実によって裏付けがされている。

ルノーは、05年の春に、05年で現契約(3年契約)が満了する彼に対して、06年からの3年間の更新契約を提示しなかった。「したくてもできなかった」という解釈が、最も妥当である。
彼のマクラーレン移籍を引き起こしたそもそもの原因は、この「3年先の保証を与えられない」ルノーの事情であった、と私は理解している。
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コメント

偶然見つけて、すごいと思いました
RIHOさん、普段は人のブログを読むことも、ほとんどない僕なのですが、偶然、このブログを拝見し、物凄くバランス感覚に富んだ思考と明快な論理性、そして、懐の深いモノゴトの理解力にアタマが下がる思いがしました。F1ジャーナリストなんて、名乗っている自分が恥ずかしいぐらい。遠くから見ていても、いろんな事が分かっている方だと思います。ともかく、驚いたのと、上記のような感想をご本人にお伝えしたくて、このコメントを書きました。驚かせてしまったらごめんなさい。

川喜田 研

2009/04/02 00:31URL  川喜田 研 #-[ 編集]


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