南の国の太陽、空の色の獅子

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棚を整理していたら出てきたもの。
アエロフロートの機内誌。1999年春の号。

3ページに渡るインタビューが掲載されている。

ージェーニャ、あなたは16歳ですが、スポーツをしていない多くの同年の少年たちより年齢が上だとは感じませんか?

もちろん感じます。私は11歳で私にとっても家族にとっても、とても重要なことを決心しなければならなかったのですから。私にはとても具体的な人生の目的というものがあります。それを達成するために何をしなければならないか、はっきりわかっています。自分を信じ、自分の力で全てを得ることになれているのです。おそらく私はずっと前に大人になってしまったのでしょう。


11歳での決心というのは、ミーシンコーチの指導を受けるため、生まれた町を離れ、一人でサンクトに移り住んだことを指す。
彼は、私が最初に見た14歳の頃から、「妙に大人びた子」だった。顔立ちや身体つきは子供だが、表情が不思議な感じだった。子供らしくない。
ロシアまで現地観戦に行くコアファンの方々がネット上にあげてくださっていたレポートを読むと、感情に波がありそれをストレートに表に出すヤグディンとは対照的に、どんなときもしゃらりとした顔で、機嫌が悪かったり気まぐれだったりすることがなく、いつも淡々と冷静な子らしい。
大きな大会でもナーバスな様子はみせず、飄々として、どこか不可思議な感じの子。

ミーシンコーチが目をかけ、秘蔵っ子として育てていたから、甘ったれでもおかしくないのだが、全然そうではなかった。
彼のひととなりについて自分が知りえたことは僅かだ。ヤグディンは、自分は大人の命令に黙って従うことが嫌いで、敢えて逆らうタイプの子供であったが、プルシェンコは、命ぜられたことに全く逆らわなかった、と自伝「オーバーカム」(2005)で記述した。

ヤグディンの記述を信じるなら、まるでジェーニャは自主性や自立心というものがなく、盲目的にコーチに従っていた生徒のようだが、自分の目には当時、ジェーニャとミーシンコーチの関係はそういうふうには見えなかった。
ミーシンコーチがジェーニャを溺愛していることは明らかだったが、ジェーニャはコーチの過多な愛情をうまく捌いているような感じがした。信頼しているが依存はしていない。

彼は、15にならぬ前から、人生の目標を持っていた。スケートで強くなって、いい戦績を収め、お金を沢山稼いで、家族を呼び寄せて一緒に暮らす。スケートで家族を養えるようになる。
11歳でサンクトに来たとき、周りの生徒はみな自分より年上で、自分は一番ちびすけだった。早く上手くなりたかった。導いてくれる人間はミーシンしかいない。彼の指導で練習して、順調に上達してきた。ミーシンは信頼に値する。だから、彼の言うことに従う。自分にとって一番重要なのは、上手くなることだ。
多分、97年、14歳のジェーニャは、同じときに16歳になっていたヤグディンより、成熟していたのではないか。「オーバーカム」を読んで、そう思った。

この記事の頃、つまり16歳の頃、彼の演技は、ひとつの完成の域に達していた、と思う。
身体はこの1年で大人になり、ジャンプの技術が上がって4-3をプログラムに入れられるようになり、高い技術力に裏打ちされた精緻な表現力に磨きがかかった。

彼は、精神的な面だけでなく、スケートの演技の面でも、「大人になる」のが他人よりずっと早い子だった、と思う。

異様な早熟というのは、当人にとって後の人生の幸福に繋がらないケースがあるが、彼に関してはその心配は杞憂だった。
彼は、望んだもの、五輪の金メダルを手に入れ、ミーシンコーチとの信頼関係を今も維持し続けている。
彼等は、互いを裏切らず、忠誠を守った。彼等ほどに長きに渡って続いた深い関係は、スケート界でそうはない。このことは、彼等2人にとって、この上なく幸せなことだったのではないだろうか。

*一応付記
女性関係には難がある。息子を儲けたのに、別れた妻にとられて、自由に会えない状態。常に誰かいないとダメなたちで(ママの証言)、懲りずに再婚するらしいが、今度はどのくらいもつのか甚だ疑問。・・このへんはもはや私は知らないふり。
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