南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  フィギュアスケート
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もう1枚のポストカード。
98年世界選手権、ミネアポリス。
自分がジェーニャにつかまった日。

FPで4回転を2度転倒した姿を、私が忘れることはない。のちに、「機械のように正確」なジャンプを跳び、転ぶのは考えられないとまでいわれるほどの選手になった彼だが、私は「クワド2回、3A1回、計3回転んだ」彼を覚えている。

自分は跳べる、跳べるはずだ、と、一度失敗した4回転にもう一度挑んだ日の彼は、15だった。
世界選手権に出場できる規定年齢に達しておらず、世界ジュニア優勝者の特例で、出場者中の最年少だった。

EXに登場した姿は、まるっきりロシア人形だった。赤色の民族衣装、陶器のような白い肌と赤味を帯びた頬、つんと尖って高い鼻、細く尖った顎、赤く薄い唇、くせのないまっすぐで薄い色の短い髪の彼が、帽子を目深に被ると、造り物のお人形さんのよう。
そのお人形が、踊る踊る。リンクを完全に支配し、観客を煽り、惹きつけ、魅了する。僅か15才にして、すでに「リンクでは王様」だった。

彼のEXの演技は、その後現在に至るまで、ユニークでエンターテイメント性が高く、話題になったものも複数あるが、この日のEXの衝撃に勝るものはない。
「この年齢でこれほどまで完成度が高くて、この子はこの先一体どうなるのだろう?」
恐怖を伴った驚愕だった。

私はこれからもフィギュアスケートを見続ける。生観戦の負担も大きくないから、おばあちゃんになっても見に行かれるだろう。

けれども、98年ミネアポリスと同じ程度の衝撃に出会うことは、もうないかもしれない。
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