南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  散歩
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建築好きの間で自由学園といえば、目白の「自由学園明日館」が著名である。
フランク・ロイド・ライトとライトの弟子の遠藤新が設計した建物は、現在は学校の校舎としては使われておらず、一般に公開されている。
自由学園明日館公式サイト

学校の移転先の「南沢キャンパス」は、明日館から西へ約10kmの東久留米市にある。(池袋から西武池袋線急行で約15分の「ひばりヶ丘」駅下車徒歩8分)

都心の狭い敷地の明日館と異なり、広い敷地に幼稚園から大学までの校舎が点在する。
建物の設計者は、遠藤新と新の次男・遠藤楽で、5棟が東京都選定歴史的建造物の指定を受けている。

明日館の建物の内部のデザインに非常に魅力を感じたため、似た傾向の建築群らしき南沢キャンパスも見学したい、とかねてから機会を窺っていた。
今年、緑の美しい季節に、見学会に参加することができた。

現地を訪れて印象深かったのは、第一に「キャンパス全体の景観」である。
味わいのある建物群が、豊かな緑と調和し、心地よく美しい景観を生み出している。

この心地よさを写真に撮って記録しようとしたが、写真では「雰囲気」を写し取ることがなかなかできず残念だった。

●女子部

明日館に通じるデザインをみつけられるのが女子部の建物。
上の写真が食堂。中庭を挟んだ体操館から撮ったもの。
内部には、明日館と同様、年季の入った木製の椅子とテーブルが並ぶ。

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女子部は学校敷地の北側で、南側に比べて10㎡ほど低くなっている。元は田圃で、水はけが悪い。
西側の少し高くなった場所に講堂、中央北に食堂と教室、南側の低地に体操館と広い芝生地を配している。

遠藤新の特徴を感じられる講堂

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食堂に連なる教室棟
懐かしく馴染みのある昭和の香りを漂わせる木造建物
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体操館を北側から
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南面
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水平のラインを強調し、地に這うように芝生と一体となったデザイン
(ライトの提唱したプレーリースタイル)
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●初等部

敷地の北側は、縄文時代の集落跡で、竪穴式住居跡や土器片が出土している。
その上にあるのが初等部で、建物は、平屋の教室棟と食堂棟から成る。

教室棟
エントランスの大谷石を積み上げた柱は遠藤新の特徴
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食堂棟
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内部のデザインは、女子部食堂と通じる。白壁に木の水平のライン。
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●男子部

男子部は女子部の後に建設され、経済上の問題で規模・デザイン共に女子部より劣る。
そのためか、あるいは予定の見学時間が迫ったからか、内部見学はなく外観のみ。

正面は体育館。両翼の1階にはアーチがあるが、植栽に隠れて見え難い。
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●ここで学ぶということ

見学会の参加者の中に在校生の親御さんがいらして、会話を交わす機会を持った。
一般の学校とは大きく異なる独特な教育方針の学校生活について、具体的な話を色々伺い、感心することしきり。

人によって向き不向きはあるし、賛否あるだろうが、「こういう教育を受けていたら、自分ももっと違った人生を送れたかも」と一種羨望のような台詞が口をついて出た。

昭和初期に建てられた木造の建築群が、当初の姿を留めて保存され、今も現役の校舎として使われているのは、この学校の「普通でない」教育理念によるところが大きいのだろう。

校内を行き交う生徒さんたちの姿を見ながら、彼等の多くは、自分の過ごした学校が特別な場所であったことに、大人になった後に振返って気づくのだろうな、と思った。

自由学園公式サイト
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