南の国の太陽、空の色の獅子

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●見通し

8月8日の天皇のビデオメッセージ放映後、暫くの間、新聞・雑誌の関連記事を読んでいた。
如何せん知識・情報が低レベルの身だから、解釈に迷う。幅広い論考・見解を知りたい。

自分の関心のひとつは「今後どうなりそうか」の見通しで、先日その目処がたった。

安倍首相のブレーン、百地章が、「生前退位できるよう皇室典範を改正。一代限りの特別立法は無し」の意見を表明した。(8月26日「朝まで生テレビ」)
彼が言った以上、この路線でいくと考えていいのではないか。

百地は、7月のNHKの報道直後は、「生前退位反対。摂政で対応」とコメントしていた。
皇室典範改正などもってのほか。日本会議の基本方針からすれば当然なのだが、天皇直々の言葉と、世論調査で判明した世間の支持を見て、対応を変えたらしい。

どういうことかと考えてみると、彼らの現在の第一目標は憲法改正で、具体的方法として「緊急事態条項の創設」から着手することを決めている。
本音の望みは9条改正だが、これはまだ反対者が多く、実現が難しい。そのため、多数の同意を得られやすい内容のものから始めるという作戦を採用した。

目標実現のためには、天皇の生前退位問題が延々議論になって憲法改正の作業に支障が出るのはまずい。
皇室典範改正は不本意ではあるが、大きな目標のためには目をつむる(譲歩をする)のが得策。
さっさと片付けて、宿願の憲法改正を進めたい。

百地のコメントの豹変の裏は、こんなところではなかろうか。

右派の一部には、生前退位を認めるには憲法改正が必要という説を唱えて、天皇問題を憲法改正につなげようという動きもみられる。しかし日本会議は、その方法は採用しないようである。

また、特別立法という方法は、皇位継承は皇室典範の定めるところによるとする憲法第2条に違反する、という見解(憲法解釈)を、百地は表明している。

とはいえ、実際に皇室典範の条文改正の検討に入れば、議論が色々出ることは予想できる。
最低でも「皇太子が不在のままでよいか」「秋篠宮の身分をどうするか」は決める必要があり、これは「皇位継承」すなわち「女系・女性天皇」の議論に飛び火する可能性を孕んでいる。

憲法改正に関しては、日本会議が政権に及ぼす影響力が強く、彼らの思惑が実現する可能性が高い、と読むのが基本だが、かといって彼らの力が鉄板とはいえない。
事態がどう進んでいくか不確実性は残る。

●天皇制の終焉の可能性

天皇の意見表明は、一般には、「生前退位の希望」と受け取られ、報道もそうである。
しかし、「真の意図」、「ことの本質」は、それではなく、「皇位継承問題」ではないか。

「現行の皇位継承ルールのままでは、皇統の将来に渡る安定的な継続に大きなリスクがある。政府が適切に対応してくれるのを待ち続けたが、何もなされぬまま今に至ってしまった。これ以上先送りしないでくれ」

私が当日すぐ思いついたこの解釈は、複数の人が述べている。
あのメッセージのキモは、最初と最後の段落にある、という解釈をしたのも私ひとりではない。

「男系男子限定ルールは、皇統が途絶えるリスクがある。そのリスクは、許容可能レベルを超える」という判断は、合理的・論理的な思考をできる人なら採用する、と思う。
安倍政権は、女系天皇に反対し、解決策として旧皇族の復帰を主張する。しかし、旧皇族を復帰させる具体的な法律制定の作業を進めることはしない。
自分の在職中に皇位継承資格者がゼロになる等の切羽詰った事態にならなければ手をつけなくてよい、と将来に問題を先送りし続ける。

旧皇族復帰の問題点については、小泉政権時の「皇室典範に関する有識者会議報告書」が明快・的確に述べている。
「今上天皇との共通の祖先は約600年前の室町時代までさかのぼる遠い血筋」だそうだ。

この報告書を今回の天皇のメッセージと併せて読むと興味深い。
「象徴天皇の制度は、国民の理解と支持なくしては成り立たない」ことを前提とみなし、論理的・合理的に述べている。
そして、天皇のメッセージは、この報告書を貫く原理及び論理展開と矛盾するところがないように、私には思われる。

それでも、「天皇制は、男系男子継承であることに価値があり、女系では価値がなくなる」という「価値観」を、一部の人は持っている。
彼らが女系に反対し皇位継承ルールを変更させないことによって何が起こるかといえば、時間の経過と共に、皇位継承資格を得る可能性を持つ人々が、どんどん年を取り、どんどん数が減っていく。

以前はうまくいっていた制度が、時間の経過によって不都合が出て、このままでは将来の破綻が予想できるが、根本的な改革をせず、破綻するときまでずるずる続ける。
現在の日本では、その現象が多々みられる。年金制度がそれで、天皇制も同類なのかもしれない。

ただ、今上天皇は、「自分の一族の存亡の危機」である自覚から、問題を次世代に残さず、自分の代でなんとかしよう、それが責務と考えているのではないだろうか。
天皇の内面の推測はなるべく避けたいが、「合理的・論理的な思考ができて、思慮深く、責任感の強い人」であれば、そうではないか、それが理にかなう、と思う次第。

付記すると、私は、「天皇制、なくなるなら、それでいいじゃん」派である。
今上天皇個人に対しては、その言動から、尊敬の念を抱いている。しかし、「国家の制度」としては、話が別である。
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