南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  自転車
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●トレックの思惑

Trekの事情と思惑が判らない、と書いてきたが、8/15付のcyclingnewsの記事からのリンクに、参考になる過去のニュースがあった。
Bontrager development team needs title sponsor to continue(8/15)
Trek set to take title sponsorship role at RadioShack-Leopard in 2014(5/27)

cyclingnewsは、5月末の記事で、こういう事情説明をしている。
Trekは、RSLTへの直接投資を増やすことを決めた。
ベッカはこれ以上の金をチームに使いたくなくて、Trekとグエルチレーナにチームのライセンスを売りたがっている。
残る問題は売却価格で、これを巡る攻防戦をやっている。

私は、この記事が出た当時、一度読んだ。が、Tageblattの記事の影響を強く受け、こちらの記述にはあまり注意を払わなかった。おかげで、その後、憶測があらぬ方向へも広がってしまった。

今、改めて、「こうなんじゃないか?」を整理すると、
・Trekは、今季チームを立て直したグエルチレーナの手腕を評価して、来季以降のチームの運営を任せることにした。チームの構築についても、彼に裁量権を与えた。
Trekの絶対条件は「カンチェラーラをキープすること」で、それを実現できれば、その他にはさほど注文・制限はつけなかった。

・グエルチレーナは、Leopard Trekの設立時、チームのコアである「シュレク兄弟+アンデルセン」から招かれて、プロジェクトに参加した人間である。
その経緯から、シュレク組との間には信頼関係があり、今も継続している、と想像することに無理はない。

・仮にTrekのシュレク兄弟に対する信頼が薄れている、あるいはフランクのドーピング歴を歓迎していなくとも、グエルチレーナの希望を受け入れた、ということは考えられる。
・グエルチレーナは、今季スタート時のどん底の状態からTdF前までのアンディを注意深く見てきた上で、彼を手放さないことを決めた。アンディがフランクを必要としていることを理解しているので、最初からオファーは兄弟2人に出した。

だとすると、ベッカによるフランクの放逐への関与も、こう解釈できる。

グエルチレーナとTrekは、フランクの放逐を望んではいなかった。グエルチレーナがフランクの復帰を予定して、シーズン後半のレーススケジュールを送っていたのは、本心からで、欺瞞でもなんでもない。
けれども、現在のオーナー・べッカの決定には口を挿めず、従うしかなかった。
Trekは、現時点では、RSLTの「スポンサーのひとつ」にすぎない。選手の解雇の権限はベッカにある。

●上り坂の途上

自分は今まで、可能性を「幅広く」想定していた。今になると「我ながら、よくぞここまで悪いことを考えつくもの」。
一度、「こういう可能性も想定できる」と相当ひどいことを書いてアップした直後、思い直してひっこめたことがある。
公開されていたのは数分だったので、読んだ人はいないと思いこみ、拍手がひとつ送られていることに、後日に気づいた。

*あの拍手を送ってくださった方へ。
多分、このブログをいつもお読みくださっているのだろうと思います。有難うございます。
拍手ごと消してしまって申し訳ありませんでした。この場でお詫びします。
ただ、これはないよな、と自分でも思ったもので。

「Trekは、本心では、シュレク兄弟を望んではいない」ことを私が想定したのは、兄弟に対する「私自身の評価」が、そのくらい「低い」からである。

アンディが、2009~2011年のようにTdFの総合優勝争いをすることは、この先見込めない。
仮に当時のレベルに戻ったとしても(ないと思うが)、TTが伸びることはないので、TT・登坂力共に優れる若手たちとは競えない。
かつて描いた「彼がマイヨ・ジョーヌを着てパリへ行く」夢は、完全に消滅して終っている。

その評価の上で、楽観的な話を書く。

グエルチレーナについて自分はいまだ疎いが、彼は今季、非常に辛抱強く、アンディの回復を待った。アンディに対する信頼が揺らいだ言動は、私の目に触れた限り一度もなかった。
メディアや世間の人々がどれほど批判したときでも。

チームのボスがエースを庇い通すのは、チームとして当然、という見方もできる。しかし、今回のケースでは、グエルチレーナは、やろうと思えば、アンディを見限ることは可能だった、とみていいように思う。
ベッカがチームをたたみ、Trekがファビアン中心のチームを持つ意向を固めたことを知らされた後、彼の手には、シュレク兄弟を切る選択肢があった、と。

その上で兄弟を残したのは、「情」ゆえかもしれない、という想像が湧く。
もしもそうであるとしたなら、兄弟にとって状況はそれほど悪くない。

私の想像では、今の2人は、来季に向かって、前向きだ。
フランクが今季後半レースができなくなったことには落胆したが、来季になれば、また2人で走れる。
2人にとって、一番大事なのは、「2人一緒のチームでレースをすること」で、もう1年それが叶うことは決まった。

2人とも、「低い場所からの再出発」であることは理解している、と思う。
「比較する時期」を、「2010~2011年」においたら、今の彼等は「落ちぶれた」が、直近の「2012年」におけば、「谷底で倒れて動けないでいた状態」から「立ち上がって」、「上り坂を登っている途上にいる」、とみなすことができる。
前に居た高さまで戻ることはできないとしても、上を向いて歩いていかれる毎日は幸せだ。

ご本人たちに聞いたわけでもなく此方の勝手な想像だが、そのように都合よく解釈しておいて悪いことはあるまい。



私は、今年の初め、フランクが2年の出場停止になり、その間アンディもレースをやらず、その後2人一緒に走れるチームと契約がまとまらず、フェードアウトする未来を想定し、それでいい、と思っていた。
「4年間楽しかったわ」で終わってよい、と。

フランクのドーピングが故意である確率は高い。されば報いを受けるのが理に叶う。

予想外に出場停止が1年で済んだ後、彼のレースへの復帰をどう受け取るか悩んだ。
それが4月末。

その後、ハミルトンの本を読み、TdFを見、日々新たなことを仕入れながら過ごしていくうちに、少しずつ気分が変わっていった。

2012年TdFのフランクも、2008~2011年のTdFのアンディについても、この先、私は、徐々に、真実に近づいていくだろう。
それは、きっと、ランスのときと同じように、遅々とした歩みだ。
真実は、一挙に目の前に現れるものではない。覆っていた砂が、少しずつ崩れて、部分部分が少しずつ見えてくる。

それと共に、「自分がその真実を受容する道」もまた、みえてくる。

私は、ランスがクロという結論を出したとき、「クロであったこと」も「嘘をついていたこと」も、責めなかった。
「嘘をついたことを許せない」とは思わなかった、と記憶している。

クロ認定の確定に達する前に、私の心は、別の理由で、彼から離れ始めていた。
2009/12/02 : 来季に向けて

(今の私には、ランスに対して怒りの類の感情はない。それよりも、かつて言葉を尽くして賞賛したくせに、掌を返して、同じ口で、汚い言葉で非難を並べ立てる人々の醜悪さと恥知らずぶりに、怒りを含んだ嫌悪を感じる)
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コメント


始めてコメントいたします。
上記の削除されたブログに拍手をしたのは私です。わざわざ明記して下さって有難うございました。
拍手をして30分後くらいに、また見に来たので、?と思っていました。
私がアンディを知ったのは、ジロで岩肌の細い道をシャカシャカ立ち漕ぎしていた時でした。何年も前からツールは見ていて、好きなライダーもいましたが、ちょーどその頃はお気に入りは無く、只々レースを見ていました。
確か総合2位になったジロのレースから私はアンディの走る姿が好きになり、サストレがツールで優勝した時の見た目からは想像し難い、アグレッシブなアンディの大ファンになったのです。
その後、アンディに関するブログ等を探し回り、こちらにたどり着きました。
長々と書いてしまいましが、私はあなたの書くこのブログの大ファンで、少し前に自転車関係から離れるかもしれないと書かれていた事に、とても淋しく感じました。
どうか、これからもこのブログを続けて下さい。勝手な事を言ってますね。
2013/08/19 00:50URL  ユキ #-[ 編集]


ユキさん

はじめまして。
お伝えできてよかったです。

文章本体をひっこめたことは適切だと思っていましたが、拍手がどうにも気になっておりまして、これで、つかえがとれました。

私も、2008年ツールの彼に魅せられて、今に至っています。
当初、深入りしないよう、意識的にセーブしていたのですが、はまっちゃいました。

カリカリせず、やっていければいいなあ、というのが現状です。
此方が心配する必要のないタイプですしね。(濡れた下りのある日を除けば)
2013/08/20 00:14URL  RIHO #-[ 編集]


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