南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  フィギュアスケート
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先週、代々木で開催された国体(正式名称:冬季国民体育大会フィギュアスケート競技大会)を観戦してきた。

感想、第一声
「こんなにすばらしいものを無料で見せてもらっていいんでしょうか?」

感想その2
本大会を心底から楽しむことができた自分は、どうやら、「フィギュアスケート競技そのもの」を見ることが好き、と言えそう。

今回、深い充足感を得たことで、来シーズン、NHK杯と世界選手権が代々木(またはさいたま)で開催されるのに、チケットを入手できず観戦できないという事態に諦めがつきそう。・・な気がした。

「世界のトップの争いを見ることだけが楽しいのではない」と判ったことが、大いなる収穫。

来シーズンの観戦問題が頭に浮かんだ観客が、国体の会場に他にいたかどうか知らぬが、自分にとって、世界選の日本開催は、ストレスのタネだった。
NHK杯も東京と聞いた日には、うんざりした。勘弁してもらいたい。

しかし、考えてみると、「正規ルートで定価でチケットを購入することが困難」な状態は、来シーズンがピークと予想してもいいのではないだろうか。
来季が最悪の状態で、それ以上悪化はせず、好転に向かう。・・多分。

いざとなれば、「来季1年、自分の内ですっとばして」、なかったことにすればよい。
乱暴な発想だが、前向きな対処である。
自分にはどうしようもないことに不平不満を並べても仕方ない。こういう時期もある、と受け入れないと。

翻って、今回の国体。

・観客が少ない

国体なるものには、初めて来た。
観客はそれほど多くはあるまい、でも入場無料だと入るかな?宣伝もやってるし、鈴木さんと織田君出場が記事に出たし、とも思ったが、自分のこれまでのスケート観戦を基準にすると「非常に」少なかった。

休憩時間にトイレで「全く」並ばなかった。

代々木体育館にスケートを見に来て以来「初めて」の経験である。
これは、現地観戦経験者には意味が通じると思う。

(経験のない人に説明すると・・スケート観戦では、女子トイレには必ず長い行列ができます。うっかりすると、休憩時間内に順番が回ってこず、焦ることになります。それで、観戦熟練者は、対策をします。行列大嫌い人間の自分は、裏技を使います。勿論他人には教えません)

ベストの席で見ることができた。

入場無料、全席自由。通常ならSS席が、出入り自由。

後にも先にもないであろう、ど真ん中、ジャッジ席正面の前列(高さを含めていうと、真正面は貴賓席)に座って見た。

そこで見ていて、「自分が、なぜ、フィギュアスケートに惹かれるのか」に気づいた。
「他のスポーツ・パフォーマンスにはない、フィギュアスケートの持つ特質が何か」も。

自分の見知らぬ選手、見たことがないほど(低い)点数の演技を眺めながら、「それでも、見ようという意欲を、私に抱かせるものの正体」を考え、答に至った。
(それが何かについては、もう少しまとまってから書きたい。いずれにしても、「中央前列の席」から見たゆえに得られたものだった)

別の観点から、観客について。

「内輪」の色合いが濃い。
多分、過去の大会はいつもそうだったのではないだろうか。
フィギュアスケートがブームになったので、今回は、「赤の他人の一般観客」も数多く来たが、国体という大会は、本来、競技者及び関係者を参加者として成立している大会だろう。

それで、今回の代々木も、南スタンドの3分の2は、選手団・関係者席として確保してあった。
ところがそこにはパラパラとしか人がおらず、一般観客に開放した端の一部のブロックを、熱心なファンが埋め尽くすという、反対側の北スタンドから眺めると、ちょっと妙な光景になっていた。(北スタンドはすべて一般に開放)

選手団席は、スカスカとはいえ、各県チームの人々が陣取って、自県選手の応援をする。
「××、ガンバ!」「△△、落ち着いていけよ!」
野太い男の声の声援がとぶ。

リンクの出入り口近くのリンクサイドには、チームメートたちが大量に集って、応援する。
少なくても10人、多いと50人近くがわらわらと柵に鈴なり。電線に止まったスズメみたいにみえる。
あそこにあんなに大勢の人がたかって応援する光景は、普段見ない。
国体というのは、県別対抗戦であり、大人数の団体戦なのである。

南スタンドの一般観客席に陣取っているのは、早い時刻に来場した熱心なファンである。
自分のいる北スタンドとは雰囲気が違う。
あちらの様子を見て、自分がかつて出掛けたフォーミュラニッポン(自動車レースの国内選手権)を、連想した。
国内戦のサーキットには、F1のように大量の観客は来ない。少数の熱心なファンがいて、彼らは日本国中をおっかける。
どこのジャンルも共通するということだ、と気づく。

・選手たち

知らない選手たちを、「どういう選手なんだろう?」という新鮮な興味をもって見た他方、馴染みだが、久々に見た選手もいた。

村主章枝さん、澤田亜紀さん
村主さんは、今季も、全日本選手権の出場権を取れなかった。
澤田亜紀さんは、2011シーズンで引退していた。

私は、この2人を、7年前に、同じここ代々木で見た。
2005年全日本選手権FS。

ありありと思い出す。
澤田さんが、第3グループの最終滑走だった。彼女の演技中、リンクサイドに現れて待機している最終グループの面々に目を奪われ、澤田さんから目を外してしまい、両方見たい、目が二組ほしい、と思ったものだ。

トリノ五輪代表を賭けた緊迫の最終グループ、スタオベの連続の最後が、村主さんだった。

今、現役を続ける村主さんに対しては、否定的な見方もあるだろう。日本女子のトップであった名声に傷をつけることになる、力の衰えた姿を見たくないという意見もきっとあるだろうが、私は、今回、彼女を見ることができてよかった。

何を目指すかは、人それぞれあってよい。
金メダルがすべてでもなければ、ジャッジの出す点数がすべてでもない。

澤田さんは、とても楽しそうに滑っていた。
滑ることを心から楽しんでいるように見えた。

・代々木の空に満月

競技終了後、いつもと違って空いた駅への道を、すたすた歩いた。
陸橋の上から、正面に、満月が見えた。
代々木の空に満月。

空気は冷たいが、不快なほどではない。
今ここを歩いていることそのものを幸せに感じた。

競技結果
競技日程
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