南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  自転車
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フランク及びブリュイネールの処遇の結果が出るのはまだ先なので、それまでの間、ドーピングに関して改めて勉強してみることにした。
「基礎」の知識を、存外、持っていないのである。

・アンチ・ドーピング機関とは

きっかけは、「魔女狩り」というランスのUSADAに対する誹謗と、それに賛同する人が大勢いるのを見て、キツネにつままれた気分になったこと。
なぜ、こんな詭弁(論理のすり替え・ごまかし)が通用するのだろう?
それとも、私の認識が誤っているのか?・・確認せねば。

ものすごく原理的な所から出発する。
競技におけるルール違反とその罰則は、競技規則によって定められている。
競技規則は、各競技の統括団体が制定している。統括団体には、国際××(競技名)連盟、という名前がついている。

だから、ランスは、自分を罰する権限があるのはUCI(国際自転車競技連合)だ、USADA(アメリカ・アンチドーピング機関)にはない、という主張をし、それに納得する人がいた、ということか?

では、USADAは、ランスの主張するように、権限を持たない機関なのか。
また、「アンフェア」なことをする機関なのか。

そもそも、USADAに限らず、「アンチ・ドーピング機関」とはいかなる機関で、各競技連盟といかなる関係にあるのか

回答を得るための資料は、日本自転車競技連盟、日本アンチ・ドーピング機構、日本オリンピック委員会等のサイトに掲載されている。
規程や解説が日本語で記載されているので、判りやすくて有難い。

日本自転車競技連盟
日本アンチ・ドーピング機構
日本オリンピック委員会

まず最初に、「アンチ・ドーピング活動とはなんぞや」から始めよう。

アンチ・ドーピング活動

国際的なアンチ・ドーピング活動は1960年代から国際オリンピック委員会(International Olympic Committee : IOC)が中心になって行ってきました。
しかし、アンチ・ドーピング活動は独立した組織が中立の立場で行うべきであり、また、スポーツ界が一致して取り組むだけでなく社会全体が取り組む問題であることから、IOCと各国政府の協力によって1999年に世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency : WADA)が設立されました。
<中略>

そして2003年3月、国際的に共通で全ての競技に適用されるアンチ・ドーピングの共通ルールとしてWADAの世界アンチ・ドーピング規程(WADA規程)が採択され、アンチ・ドーピング活動の基本原則が定められました。
WADA規程ではドーピングとして8項目を定義しており、ドーピング検査の陽性以外に、証言などによるドーピングの証明、ドーピング検査拒否、ドーピング検査妨害、共犯関係のスタッフの行為などもドーピングと規定されています。

国内のアンチ・ドーピング機関としては2001年に財団法人日本アンチ・ドーピング機構(Japan Anti-Doping Agency : JADA)が東京北区西が丘の国立スポーツ科学センターの建物内に設立され、国内ドーピング検査の標準的手順の作成、ドーピング・コントロール・オフィサー(DCO、検体採取の現場を管理する検査員)の認定、ドーピング・コントロールの実施、アンチ・ドーピング教育、などの国内のアンチ・ドーピング活動を統括して推進しています

出典:日本オリンピック委員会/アンチドーピング
強調は私。


WADAが設立されたのは1999年で、その後、各国国内のドーピング機関が設立された。
アメリカ国内のアンチ・ドーピング機関The U.S. Anti-Doping Agency (USADA)のスタートは、2000年である。

なるほど、まだ10年少々という新しい組織であり、かつ、各競技連盟から見れば、「必ずしも此方と利害・理念が一致しない」組織である。

「50年ドーピングを続けてきた自転車RR界の人々」から見れば、「あとからしゃしゃり出てきて」「外から難癖をつけてくる」存在・・と解釈しても大外れではないのではないか。

しかし生憎、上の文面にある通り、アンチ・ドーピング活動は、現在では、「スポーツ界だけでなく社会全体が取り組む問題」であるとIOCと各国政府とが合意した国際的な方針になっている。
アンチ・ドーピング、具体的にはWADA規程を否定するなら、オリンピックには参加できない。オリンピックに参加したいなら、WADA規程に従わなければならない。

2003年7月の国際オリンピック委員会第115回会議において採用された修正案に従い,IOCによって認められるために,国際競技連盟が世界ドーピング防止規程(規則26および44)を採用して,実行しなければならないことをオリンピック憲章は規定する.

オリンピックへの参加資格のために,競技者,コーチ,トレーナー,あるいは役員は世界ドーピング防止規程(規則41)をすべての局面で尊重し,従わなければならない.

その結果,2004年7月22-23日の会議においてUCI理事会は世界ドーピング防止規程を受け入れ,これら2004年8月13日発効のアンチドーピング規則第1版でなされるように,規程をUCIの規則に組み入れることを決定した.


これは、UCIアンチ・ドーピング規則の冒頭の文章である。

「2004年からの規程」では、それ以前の時代にレースをやっていたランスには「知るか、そんなもん」なのは道理である。

更に、「公式に定められた方針」に関わらず、アンチ・ドーピングそのものの是非という根本問題の論議は存在する。
また、アンチ・ドーピングは認めても、WADA規程の細部及び規程の運用について、多くの問題が指摘されている。
それゆえ、競技者とそれに寄り添うファンからは、WADA規程・運用に対する不満の申し立ては多い。

実のところ、自分も今回改めてWADA規程を読んで、「この規程は、競技者側が不利すぎる」、「不平等条約みたいだ」と思った。

取締りを強化し罰則を厳しくすれば犯罪が減る効果があるとは限らず、隠蔽に走るケースが増える、ということはよくいわれる。
ドーピングもこのパターンで、1900年代は単純な薬物使用が主だったが、検査が厳しくなるに従って、検査で検出できない手法が次々導入されている、とは、アンチ・ドーピングの専門家たちの主張である。
検査を今以上増やしても対費用効果が薄い、捜査に重点を移す、という方針をWADAが述べたのは、最近のことだ。

このジレンマを解決する妙案があるかは疑問で、「なあなあ」の妥協を図りたいUCIと、原則主義のWADAやUSADAとの間での衝突は避けられないのではないか。

(本日ここまで)


●RTLの写真

RTLは、昨年、Leopard Trekを「我がルクスのチーム」として扱い、レースイベントの写真は、LTをメインにして掲載していたが、今年の掲載の仕方が、なかなか凄い。

RSNTの中の、元Leopard Trekの選手の写真をメインに掲載する。
旧レディオシャック組がゼロではないが、「扱いの差」が、明確にある。

世界選手権チームTTは、全部で8枚。
すべて、RSNT。うち、チーム編隊5枚、フォイクト3枚。
(フォイクトさんの胸毛を見たい人はこちら

世界選手権チームTT

尚、ルクス国内では、Bob Jungelsが、来季、Leopard TrekからRSNTに昇格、と言われている。
そうなればRTLとしては写真のターゲットが増えてよさそうだ。このままだと撮る被写体が不足する。
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