南の国の太陽、空の色の獅子

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クリス・アンケル・ソレンセンの09年ツール日記には、面白い記述が複数あって、紹介しようと思いつつ先延ばしになっていた。
これ以上延ばすと、09年に何があったか忘れられそうなので、今のうちに。

・ファビアン

ファビアンは、元気のあるとき、「とてもとてもうるさい」(すごく強調)。
消耗して元気のないときは、一転して静かになる。判りやすいことこの上ない。

彼の出す音を「シュノーケル」とは、オグレディも言った喩え。知ってしまえば「こういう人」で済むが、初めて一緒になったときは、「なんだこりゃ?」になる、らしい。

・第3ステージ

横風分断が起こり、色々な話題を振りまいたステージ。
リースが選手たちに無線で伝えたときは、「遅すぎた」。
周知の通り、マイヨ・ジョーヌを着ていたファビアンは、元々比較的プロトン前方にいたことと、持ち前の圧倒的な独走力で、大急ぎで前へあがってゆき、ぎりぎりで前集団に滑り込んだが、彼以外は全員、後方集団に残された。

前を追っている間、メンバーたちは、「パニック状態」だったという。
リースが、無線で、何か聞いても、誰も、返事をしない。必死で、余裕が全然ないから。
返事がないから、リースは繰り返す。
何度目かに、誰かが一言いった。「ビャルヌ、悪いけど、今忙しいんだ」
この科白を発したのが誰か確信はないらしいのだが、「フォイクト」じゃないかと書いている。(「フォイクトさん、素敵」となる話)

「人生でこんなに疲れたことはない」。
この日、クリスは、翌日のチームTTのために体力温存したかったが、レースの序盤・中盤、オーダーで、何度もフロントに出て仕事しなければならなかった。そのため既に消耗していたところにこれが起こったのでヘロヘロになったそうだ。

レース後に、リースがインタビューで自分等選手を批判するのを聞き、不満を感じた旨を記している。
TVでは外側しか見えなかったが、あのとき、チーム・サクソバンクでは、そういうことが起こっていたのであった。

・第4ステージ

チームTTのやり方について説明をしている。
事前に、様々なことを細かく決める。
例えば、パンクが起こったときの対処。アンディがパンクしたら、ファビアン1人が止まり、残りのメンバーは走り続ける。ファビアンがアンディを連れて戻る、という手順。
調子の悪い(力の低い)メンバーを列の中に置く。プランでは、ニキとアルヴェセンだった。

走り始めたら、オグレディ、次にフランクが悪く、プランを変更して差し替えた。
ニキが、ある所でフランクをプッシュした。審判にみつかったら罰せられるが、そのくらいフランクが悪かった。

このように、レース中、そのときどきの状態に対応して走るため、チームカーが、常に指示を出す。
(この箇所を読んだとき、無線廃止が実施されたら、チームTTが一番影響を受けるのでは、と思った。
後ろで誰かがトラブルで離れても、先頭をひく人が気づかず、置いていく危険がある。
互いに気を配って走るようにせざるをえないか、もしくは、後ろについたチームカーが、ものすごく性能のいい拡声器を装備して、騒音公害と苦情がくるくらいどなりまくるとか。いずれにせよ、速く走ることに専念できず、タイムが落ちそう)

ラスト10kmで勝負するのが作戦だった。平坦だから、ファビアンが力を発揮できる。
それで、中間計測では、マイヨ・ジョーヌがランスに移りそう、というのがパアになったのであった。

尚、クリスは、アスタナのゴールシーンをホテルのTVで見て、「ライプハイマーが最後のコーナーを回るのが下手で、マイヨ・ジョーヌを失った」と解釈している。

クリスは、TTが得意ではないから、このステージの前には、「ものすごく」緊張していたのだそうだ。
ローテーションで先頭に立ったとき、コーナーは、先頭のライン取りによってタイムロスが決まる。先頭が下手だとみなに迷惑をかける。
チームTTという種目が、TTが得意でない選手には負担が極めて大きいことはかねてから聞いていたが、具体的な話が面白かった。

・第12ステージ

前日アルヴェセンが落車で鎖骨骨折し、その後、リースの機嫌が悪くなった。シュレク兄弟は、リースに近づけない、と感じていた。

些細なことがフラストレーションになる。
今朝は、アンディが、オムレツにトマトが入っていたと文句を言った。トマトが嫌いだから。
ファビアンとアンディが、食べ物についてあれこれ言う。
但し、アンディは、トマトはダメだが、ケチャップなしでは暮らせない。

・第16ステージ

ブライアン・ホルム(HTCディレクターのデンマーク人)が、ゲルデマンに、新しいニックネームを付けた。
"Lady Gaga"

私は、このくだりがひっかかって、今でも、Lady Gagaの名を聞くと、連想でゲルデマンが出てくる、という妙な状態だ。(逆はないのだが)
一体、「どういう意味で」つけたのだろうか。
このときゲルデマンに何かあったのか。今となっては謎である。

第20ステージ

モン・ヴァントゥー。
レース前、チームバス内でのタクティクス・ミーティング。
「アンディを勝たせるためにエネルギーは使わない」「我々は闘いに白旗を挙げている」
「フランクをポディウムに上げるため100%使う」

モン・ヴァントゥーで、アンディが自分の勝利を狙わず、フランクの総合順位引き上げのために働いたのは、リースが指示した作戦であり、アンディが個人の判断で行なったものではない、という解釈は、自分も当時した
しかし、メディアでは、そういう言説はなく、アンディ個人に責を着せ、チーム(リース)には言及せずアンディを批判したものばかりが目についた。

アンディが、批判を自分の身ひとつで受けて立ったのは、フランクを表彰台に引き上げることが彼自身の望みであったことに間違いはなかったからだろう。
しかし、チームの作戦としてリースが発令した事実がある以上、アンディ1人に責を負わせるのは、正当な見方ではないように思う。
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コメント

レースそのものとは全然関係ないのですが。
クリスのツール日記は以前こちらで紹介されてから、翻訳サイト使いつつちまちま読んでいたのですが、個人的にツボにはまったのが、クリスとフォイクトが同じPSPのゲームの進行具合を競ってた話でした(7/16の日記。ニキが勝ったステージの話です)。

09年ツールのサクソバンクのメンバーは個人的にはこれ以上ないベストメンバーだったので、2度と見られないと思うとさびしいです。
2011/11/08 22:02URL  きら。 #-[ 編集]


きら。さん

以前から繰り返してますが、人間関係の把握は実に難しくて、本当のところはどうなのよ?と常に課題になってます。
それでも、チーム・サクソバンク関係の情報を集めるようになって3年目で、そこそこのセンにはいきましたかねえ。

でもね、「言葉」は、ある程度まで重要だけれど、「真実の心の内を表しているのは、言葉より行動(身体の動き)」ということは、今年改めて確信しました。
今年見たあるひとつのシーンを、私は暫く忘れないと思います。解釈が人によって違うことは判っていて、同意しない人に同意を求めることはしないので、主張はせず、こっそり仕舞っておきますけどね。
2011/11/09 21:12URL  RIHO #-[ 編集]


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