南の国の太陽、空の色の獅子

Category :  自転車
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●3つめのグラン・ツール

3つのグラン・ツールのうち、一番うまくいった、といっていいと思う。
1つめのジロは、第4ステージで去った。
ツールは、総合優勝という目標を達成できなかった。(このツールの戦績が、チームに雇われた人々に、リストラという大きな不幸をもたらした。・・まだ確定的な結論にはしないが、この解釈の蓋然性は高いと思っている)

2つのグラン・ツールは、チームに雇われた人々にとって「破滅的な失敗」であった、という見方が成り立つ。
その見方からすれば、3つ目のブエルタは、僅かな救いだった。リストラ実施が確定した後で、チームメンバーの処遇を変える役には立たなかったから。

スタート時に設定した複数の目標は、100%達成はならなかったが、総括すれば、満足してよい結果だった。
とりわけ、第1ステージ・チームTTの勝利は価値があった。
総合10位以内を目指していたフグルサングとモンフォールは、最終的に11位と6位。2人とも10位以内なら万々歳だったから惜しかったが、OKだろう。
何回も機会を逃したベンナーティは、最終週になんとか1勝を挙げ、チームメートたちの働きが無駄に終わらずに済んだ。

●モンフォール

モンフォールがフグルサングより上の順位を取ることは、私が密かに抱いていた予想だった。

フグルサングは、過去2年半見てきた。モンフォールの力の確認をしたのは、移籍してきた今季以降だが、2人を比べると、「モンフォールの方が上」が、自分の見立てだった。

私は、フグルサングが、グランツールの長く厳しい登りをしっかりしたペースでこなすのを、今まで一度も見たことがない。
短い登りや易しい登りはこなす。だが、長いものは、できない。
ツールでは、昨年も今年も、与えられた山岳アシストの役割を果たすことができなかった。

TTは、強い。そして難関・超難関でない山岳はこなせるので、中規模のステージレースには向く。
しかし、難関・超難関山岳が連なるグランツールでは、「上クラス」のクライマーたちについていかれない。

対してモンフォールは、難関山岳を、そこそこのペースで登る能力を持っている。但し俗にいう「自分のテンポで登る」タイプなので、緩急の激しいアタックに対応するのは得意でない。

以上が私のブエルタ前までの認識だった。
さほど厳しくない山岳とITTを終った時点では、フグルサングがモンフォールより上にいた。
ITTでは29秒上回り、短い登りではフグルサングの方がアタックに対応ができ、対モンフォールで少しずつタイムを稼いだ。
しかし、本格山岳連戦が始まると、立場は逆転する。クイーンステージの第15ステージ・アングリルで、1分8秒の差をつけて先着した時点で、モンフォールが総合順位で上に立つ。

チームはスタート時から、フグルサングにアシストをつけて、守らせていた。
彼の方が総合順位が上である期間そうするのは当然だが、難関山岳に入って彼が遅れ始めると、付き添っているザウグが、彼を引きあげる姿が時々見られた。
「フリー」だったモンフォールは、「自分の力で」フグルサングより前の位置にいて、前でゴールし続けた。

2人の最終のタイム差は、1分45秒。
アングリルの1分8秒と、第17ステージの1分13秒。総合優勝争いの決戦の場にもなった2つの頂上ゴールステージでの差が、決め手になった。

モンフォールは、さほどの野心をもってブエルタに臨んではいなかったようだった。
ツールの消耗からどのくらい回復しているか分からないし、15位以内くらいを目安にしていた。
チームTTを先頭でゴールしてマイヨ・ロホを着、ITT後には2位につけたフグルサングの舞いあがった発言とは対照的に、大きなことは全く言わない。

彼は、自分には、トップレベルのクライマーたちと競える登坂力がないことを知っている。総合5位に上がった後、順位を維持できる「甘い」見通しは持たなかった。
順位は、他の選手との相対的なものだ。自分より登れる人が多かったら仕方ない。「これ以上は自分にはできない」所までやったら、その結果を受け入れる。

今回、彼は、「やれる限りのことをして」、その結果が総合6位だった。昨年フランクが5位だったことを思い出せば、上々の上々である。
第3ステージの日に届いた、世界選手権のTT代表に選ばれなかった知らせに失望を隠さなかったが、ブエルタの戦績は、多少の埋め合わせになったのではないか。

関連
2011/06/20 : Tour de Suisse終了

モンフォールの坊やはとても可愛い。と思う。(ファビアンがエプロン姿で料理して給仕した日、モンフォールが家族を伴ってテーブルに着いていた)
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