南の国の太陽、空の色の獅子

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ツール・ド・フランス2011 現地便り 寺尾真紀
その1
その2
その3
最終回
このレポートの存在を今まで知らなかった。

この方は、昨年Jスポ実況に登場し、現地から個性的なコメントを発し、印象に残っていた。
しかし、レオパードに焦点を当てたjsportsのコラムは、あまり感心しなかった。
この種類の記述は、過去の知識・情報を持っていないことがマイナスに働く。表面に現れたものだけでなく、裏にあるものを推測し、全体像を作り上げて描写するには、豊富な知識に裏打ちされた洞察力が要る。

翻って、シクロチャンネルのレポートは、取材経験が長くないことがプラスに作用している、と思った。
この世界を知ってからまだ時間が経っていない人間ならではの、手垢の付いていない、初々しい感覚がある。
長く関わってきた人間は、「慣れてしまった」部分があり、蓄積した知識による「先入観」や「自分の考え」で文章を書く。何のせいなのか(何が一番問題なのか)自分で分析できていないが、日本語のレポートで自分が読んでよかったと思うものにはこの2年ほど滅多に出会わない。

第18ステージのこの部分の記述は、キャリアの長いジャーナリストには書けないだろう。そして、読んでよかったと私が感じるのは、こういう文章だ。

緩やかにカーブしながら徐々に高度を上げていくロータレ峠の途中でプロトンを待っていたわたしは、ラジオ・ツール(無線情報)が唯一の情報源だった。風は強く、逆の方向に顔を向けなければ、時には呼吸もできないほど。アンディ・シュレクがゴールまで60kmの地点でアタックをかけた、という情報が流れたときも、この強風の中、一人でブリッジを試みる彼の姿を想像し、そのうち「集団はまたひとつになった」という無線を聞くのだろうと思っていた。しかし予想とは反対に、集団とアンディとの時間差は、コールされるたびにどんどん広がっていく。そのとき、きっと『この日』がそうなのだ、という思いが急に胸に湧いてきた。これからアンディ・シュレクの名前を聞くたびに、わたしは必ずこのレースを思い出すだろう。彼について考えるとき、何かのものさしとして思い返すのはこのレースのことになるのだ

「自分自身の感覚」を記述している。大仰な表現は何もしていない。自分の言葉で書いている。それゆえ、伝えたいことが読み手に伝わる。
私が「伝えてほしい」と思っていたことを、伝えてくれている。

●作戦を決める主体

第18ステージの記述では、レオパードがあの作戦を決めた段取りの詳しい描写がされている。
選手たちが、互いに話合って決めた、という話である。
これを読んで、自分は、「ツールでもそうなのか」となった。

サクソバンク(CSC)では、その日のレースで、いつどこで誰がこれこれする、という計画(作戦)は、リースが決めて、「こうしろ」と選手に命じていた。と、私は思っていた。
選手たちは、「リースが、朝、計画をもってくる」と発言するし、選手たちが立てた計画、という発言は読んだことがなかった。
映画「OVERCOMING」や、サストレの離脱後の話などからして、「リースはそういうタイプのボス」で辻褄があう、と思った。

そして、これが普通なのかそうでないのか、他チームがどうかということは知らなかったし、注意を払わなかった。
先日NHKが放映したアンディのドキュメンタリーは、「事実確認をしなければ」という点が複数あった「私を戸惑わせる、タダモノでない代物」だったのだが、そのうちのひとつが、「L-BーLの作戦会議のシーン」だった。

アンデルセンが、選手たちに意見を求め、選手たちがポンポン意見をいい、まさしく「選手たちが話合って、決めていた」。
作戦をこういうふうに決めていたとは思わなかったから、吃驚し、戸惑った。

「ヤラセ、てことはないよな・・する意味がない。放映は後日だから、収録させてもマズいことはないと判断したと考えればホンモノだよな」
(この場での「アンディのリーダーシップぶり」も「ええ?」なのだが、この話題は後日に)

この伏線があったので、第18ステージの大作戦は選手たちの発案で、話合って決めたもの、という話は、飲み込むことができる。
それと同時に、「リースの立てた計画に従って動く」より、「自分がこうしたい、こうしよう、と決めて動く」方が、選手にとって望ましいことではないか、自主性を尊重してくれるボスの下の方が、そうでないボスよりいいのでは?と思った。

選手たちがプランを立案し、話し合い、合議制で決めるのが、有能なひとりのボスが決めて、指示するよりも、「結果」がいいかどうかは、判らない。
レオパードをいえば、今季の戦績は、決して成功とはいえない。春のクラシックは、2・3位のコレクションで、1つも勝てなかったし、ツールで総合優勝もできなかった。
それからすれば、正しいことではない、のかもしれない。

けれども、選手たちは、「自分で決めたことの結果は、自分で負える」のではないだろうか。

*レース戦略(作戦)は、ボスが全部決めて、「こうしろ」と選手に指示する、というのは、ミヒャエルのフェラーリ時代、作戦会議では、ロス・ブラウンが、選手を前に「ここはこうする、こうなったらこうする、とプランを事細かにとうとうと喋り続け」、選手は黙って聞いて、一言も発しない、という話を知っていたので、こっちでもそうなのね、とあっさり納得した・・ような気がする。
(何かにつけ、発想がF1とリンクしてしまう自分の癖)
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