南の国の太陽、空の色の獅子

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●TdF2013のコース

来年のTdFのコースプレゼンは、10/24に行われる。
コースの一部の情報が伝えられた。

今季とうってかわって山岳が厳しくなる、という噂はあった。
「ラルプ・デュエズに2度登る」「モン・ヴァントゥー登場」
極めつけ、「最終日前のITTが、登り」・・だとか。

「TTダメで山の得意な、そこの人、いらっしゃ~い」と言われたみたい。

今まで書かなかった話だが、ITT100kmの今年のコースでは、アンディの勝機はゼロで、表彰台すら上がれなかった、と思っている。だから、此方としては、捨てても惜しくなかった。
本人も同様だったのでは、とは言わないが(サボリ説を何度も書いてきたが、明確に意識しての振舞だとは言い切れない)、事後に、「出ていても勝ち目はなかった」という「欠場の正当化」は可能だったろう。

「チームTTと山岳ITT」と「フラットITT100km」とでは失うタイムに雲泥の差がある。
(まだ情報不足で、登って降りるという説もあり、そうだとすると下りでけっこう失うが、ど平坦に比べればまし)
さあ、やる気出しましょー!と言いたいところだが(世間一般は言うだろうが)、それは、「フランクがいれば」の話で、フランクがいなくて、彼にやる気が出るのやら。

表では、フランクを理由に「やる気出ません」とは言えない。自転車界トップクラス、チーム内で最高額のギャラを貰って契約している身には、それはできないことは、わかりきっている。本心は、外野には伝わらない。
現在も、「シーズンが終わる前に復帰したい」と口では言う。先日のインタビューの中で、そう言ったという。
でも、それが本心とは、私は思っていない。

●フランク

アンディのやる気を左右する(と私が思っている)フランクの処遇だが、WADA規程を読み返して、考えてみる。

最も重要なポイントは、「禁止薬物が体内に入ったルートをどう説明するか」である。
仮に、事件直後の彼の発言、「誰かに盛られた」が事実であるなら、「ルートの証明は、99.999%不可能」だ。
この説に固執するなら、出場停止2年から減じる余地は、ルールにはない。
ルートを証明することが、絶対条件である。それができないと、罰の軽減はできない。

弁護士の立場になって戦略を考えるなら、「事実であってもなくてもなんでもよいから、ルートを特定し、過失がなかったとルクスのアンチ・ドーピング機関の人間に受け取ってもらえる説明を作り上げ、WADAから異議申し立てをくらわない程度に、出場停止期間を短縮してもらうことを目指す」

「僕は無実だ、誰かに盛られたんだ!」と当人が言ったら、
「プロ選手を10年やってて、『厳格責任』というWADA規程の原則を知りません、なんて通用しないわよ。
禁止薬物が体内に存在したら、それだけで違反になっちゃうのよ。
自分で摂ろうが、誰かに盛られようが、関係ないのよ。
2年の出場停止になって仕方ないのよ。それがルールなんだから。
2年くらうのがいやなら、どうしたらいいか、知恵を絞るしかないの。さあ、相談しましょ、何か手がないか」

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【USPSの陰謀】今後の進展

興味深い記事がいくつか出た。
USADAのCEO、Travis Tygartのインタビュー(レキップ)、
フランス・スポーツ省の大臣、Valérie Fourneyronのインタビュー(ルモンド)

ポイント
・USADAは、アームストロングの件のファイルを今月末までにUCIに送る。
ようやく、UCIが全容を知ることになる。
マッケイドUCI会長は、先日、CASへの控訴を行う可能性は低いと発言している。

・現フランス当局は、USADAを支持。
AFLD(フランス・アンチ・ドーピング機関)は、USADAに協力し、1999年以降のアームストロングのEPO陽性の6サンプルの技術文書を提供したことが確認された。

AFLDは、2009~2010年に、TdFでのドーピング検査について、UCIと厳しく対立した。
2009年、UCIが(ランスとブリュイネールの在籍する)アスタナを優遇し、正当な検査を免れさせた、とアスタナのドーピングとUCIの隠蔽の疑惑を指摘して批判した。
その後、AFLDのトップが辞任したのは、当時アームストロングと懇意だったサルコジ大統領による政治的圧力の結果と解釈されている。

今年、サルコジ政権から代わった社会党政権の現職大臣は、AFLDの独立性を評価し、AFLDとUSADAへの支持を表明している。

・USADAの持つ証拠は、ブリュイネールの公聴会でオープンにされる。
Tygartは、ランスが証人に呼ばれ、宣誓した上で嘘をつけば偽証罪に問われる可能性を示唆した。
この一言は、ブリュイネールが公聴会を回避するかもしれない、という憶測も招いている。

自分は、AFLDとUCIの大喧嘩を、失念していた。
今回の記事で、「あー、そうだ、あったあった」と思い出したが、当時は、どちらに正当性があるのか判断できず、争いの持つ意味も判らなかった。今回も、指摘されるまで、頭の中で繋がらなかった。やれやれ。

日頃、ドーピング関係記事は、読んで、そのまま流す。疑惑報道も、クロ確定になるまでは、どんどん流して、記憶に留めない。いってみれば「推定無罪」の対応をしてきた。
その過去の膨大な数の様々なピースが、繋がって、ひとつの形を浮かび上がらせることになる、多分。

今回の事件は、Tygartが述べるように、ランス・アームストロングという選手単独が特定のレースでドーピングをしたしないというレベルではない。
USPSが、チーム内で組織的に数年に渡り継続して実行し隠蔽してきたドーピングの実態が、チームに所属した人の複数が認め、証言したことによって、明らかになった。そう理解するのが正しい。

ゆえに、USADAの主張の全容の公開を楽しみに待ちたい。

「負け戦をしないUSADA」という台詞が事実なのか、判断には保留をつけていたが、ここまでの流れで、USADAには絶対の自信がある、万人を納得させられる証拠を手にしていることに疑いを残す必要はなくなった、と思う。

【RSNT】移籍情報

・Bob Jungels
9/22、RSNTへの移籍(2年)をルクス国内メディアが一斉に報じる。
RSNTがメディアに送ったリリースには、ブリュイネールのコメントも載っている。
しかし、RSNT公式サイトは、いまだ掲載せず。通常、プレスリリースがメディアに載ってからワンテンポ遅れて掲載するのに、しない。
意味は、各人、推測のこと。

・ファビアン
Blickが、9/19付でファビアンが残留するという旨の記事を載せ、他国メディアが引用。
メディアは、「フォイクトのブログ」を根拠にしての記事は書けなかったらしい。我々ファンから見れば、Blickの記事よりも遥かに事実認定に役立つ情報だったが。

・ザウグ
9/20、サクソバンク・ティンコフからアナウンス。

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フランク及びブリュイネールの処遇の結果が出るのはまだ先なので、それまでの間、ドーピングに関して改めて勉強してみることにした。
「基礎」の知識を、存外、持っていないのである。

・アンチ・ドーピング機関とは

きっかけは、「魔女狩り」というランスのUSADAに対する誹謗と、それに賛同する人が大勢いるのを見て、キツネにつままれた気分になったこと。
なぜ、こんな詭弁(論理のすり替え・ごまかし)が通用するのだろう?
それとも、私の認識が誤っているのか?・・確認せねば。

ものすごく原理的な所から出発する。
競技におけるルール違反とその罰則は、競技規則によって定められている。
競技規則は、各競技の統括団体が制定している。統括団体には、国際××(競技名)連盟、という名前がついている。

だから、ランスは、自分を罰する権限があるのはUCI(国際自転車競技連合)だ、USADA(アメリカ・アンチドーピング機関)にはない、という主張をし、それに納得する人がいた、ということか?

では、USADAは、ランスの主張するように、権限を持たない機関なのか。
また、「アンフェア」なことをする機関なのか。

そもそも、USADAに限らず、「アンチ・ドーピング機関」とはいかなる機関で、各競技連盟といかなる関係にあるのか

回答を得るための資料は、日本自転車競技連盟、日本アンチ・ドーピング機構、日本オリンピック委員会等のサイトに掲載されている。
規程や解説が日本語で記載されているので、判りやすくて有難い。

日本自転車競技連盟
日本アンチ・ドーピング機構
日本オリンピック委員会

まず最初に、「アンチ・ドーピング活動とはなんぞや」から始めよう。

アンチ・ドーピング活動

国際的なアンチ・ドーピング活動は1960年代から国際オリンピック委員会(International Olympic Committee : IOC)が中心になって行ってきました。
しかし、アンチ・ドーピング活動は独立した組織が中立の立場で行うべきであり、また、スポーツ界が一致して取り組むだけでなく社会全体が取り組む問題であることから、IOCと各国政府の協力によって1999年に世界アンチ・ドーピング機構(World Anti-Doping Agency : WADA)が設立されました。
<中略>

そして2003年3月、国際的に共通で全ての競技に適用されるアンチ・ドーピングの共通ルールとしてWADAの世界アンチ・ドーピング規程(WADA規程)が採択され、アンチ・ドーピング活動の基本原則が定められました。
WADA規程ではドーピングとして8項目を定義しており、ドーピング検査の陽性以外に、証言などによるドーピングの証明、ドーピング検査拒否、ドーピング検査妨害、共犯関係のスタッフの行為などもドーピングと規定されています。

国内のアンチ・ドーピング機関としては2001年に財団法人日本アンチ・ドーピング機構(Japan Anti-Doping Agency : JADA)が東京北区西が丘の国立スポーツ科学センターの建物内に設立され、国内ドーピング検査の標準的手順の作成、ドーピング・コントロール・オフィサー(DCO、検体採取の現場を管理する検査員)の認定、ドーピング・コントロールの実施、アンチ・ドーピング教育、などの国内のアンチ・ドーピング活動を統括して推進しています

出典:日本オリンピック委員会/アンチドーピング
強調は私。


WADAが設立されたのは1999年で、その後、各国国内のドーピング機関が設立された。
アメリカ国内のアンチ・ドーピング機関The U.S. Anti-Doping Agency (USADA)のスタートは、2000年である。

なるほど、まだ10年少々という新しい組織であり、かつ、各競技連盟から見れば、「必ずしも此方と利害・理念が一致しない」組織である。

「50年ドーピングを続けてきた自転車RR界の人々」から見れば、「あとからしゃしゃり出てきて」「外から難癖をつけてくる」存在・・と解釈しても大外れではないのではないか。

しかし生憎、上の文面にある通り、アンチ・ドーピング活動は、現在では、「スポーツ界だけでなく社会全体が取り組む問題」であるとIOCと各国政府とが合意した国際的な方針になっている。
アンチ・ドーピング、具体的にはWADA規程を否定するなら、オリンピックには参加できない。オリンピックに参加したいなら、WADA規程に従わなければならない。

2003年7月の国際オリンピック委員会第115回会議において採用された修正案に従い,IOCによって認められるために,国際競技連盟が世界ドーピング防止規程(規則26および44)を採用して,実行しなければならないことをオリンピック憲章は規定する.

オリンピックへの参加資格のために,競技者,コーチ,トレーナー,あるいは役員は世界ドーピング防止規程(規則41)をすべての局面で尊重し,従わなければならない.

その結果,2004年7月22-23日の会議においてUCI理事会は世界ドーピング防止規程を受け入れ,これら2004年8月13日発効のアンチドーピング規則第1版でなされるように,規程をUCIの規則に組み入れることを決定した.


これは、UCIアンチ・ドーピング規則の冒頭の文章である。

「2004年からの規程」では、それ以前の時代にレースをやっていたランスには「知るか、そんなもん」なのは道理である。

更に、「公式に定められた方針」に関わらず、アンチ・ドーピングそのものの是非という根本問題の論議は存在する。
また、アンチ・ドーピングは認めても、WADA規程の細部及び規程の運用について、多くの問題が指摘されている。
それゆえ、競技者とそれに寄り添うファンからは、WADA規程・運用に対する不満の申し立ては多い。

実のところ、自分も今回改めてWADA規程を読んで、「この規程は、競技者側が不利すぎる」、「不平等条約みたいだ」と思った。

取締りを強化し罰則を厳しくすれば犯罪が減る効果があるとは限らず、隠蔽に走るケースが増える、ということはよくいわれる。
ドーピングもこのパターンで、1900年代は単純な薬物使用が主だったが、検査が厳しくなるに従って、検査で検出できない手法が次々導入されている、とは、アンチ・ドーピングの専門家たちの主張である。
検査を今以上増やしても対費用効果が薄い、捜査に重点を移す、という方針をWADAが述べたのは、最近のことだ。

このジレンマを解決する妙案があるかは疑問で、「なあなあ」の妥協を図りたいUCIと、原則主義のWADAやUSADAとの間での衝突は避けられないのではないか。

(本日ここまで)


●RTLの写真

RTLは、昨年、Leopard Trekを「我がルクスのチーム」として扱い、レースイベントの写真は、LTをメインにして掲載していたが、今年の掲載の仕方が、なかなか凄い。

RSNTの中の、元Leopard Trekの選手の写真をメインに掲載する。
旧レディオシャック組がゼロではないが、「扱いの差」が、明確にある。

世界選手権チームTTは、全部で8枚。
すべて、RSNT。うち、チーム編隊5枚、フォイクト3枚。
(フォイクトさんの胸毛を見たい人はこちら

世界選手権チームTT

尚、ルクス国内では、Bob Jungelsが、来季、Leopard TrekからRSNTに昇格、と言われている。
そうなればRTLとしては写真のターゲットが増えてよさそうだ。このままだと撮る被写体が不足する。

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●インタビュー映像

RTLがアンディのインタビューを放映
http://sport.rtl.lu/cyclissem/news/314919.html(9/17)

3ヶ月ぶりにメディアの前に姿を現す。
発言内容が判ったら追って。

●北京五輪

思い立って、北京五輪の自転車RRの録画を見返した。

4年前だが、はるか昔のことのように感じる。
それは、アンディを見てきたこの4年間の濃密さを意味しているのだろう。

4年前の私は、彼についてほとんど知らず、自転車RRの五輪や世界選手権にも疎かった。
「アンディは、4年後、機会がまたある」などと、ど素人しか書かないことを書いた。
実際には、この北京が、メダルを獲れる唯一の機会だった、で終わるかもしれない。そう思うと、返す返す勿体無かった。

ゴール直後にハンドルを叩いて悔しがった姿を見て、この子は見どころがある、と思った。
だが、この後、彼がこんなふうに悔しさをあからさまに態度に表すのを、私は一度も目にしていない。

●【RSNT】移籍情報

フォイクトが、ブログの中で、チームを離れるメンバーの名を並べている。
Jakobの話の後に、Robert Wagner, Daniele Bennati, Oliver Zaugg, Joost Posthuma …

ザウグとポストゥーマは既知だが、未発表。
私の頭に浮かんだ発想は、「ここに挙げなかった人(元レオパード・トレック)は残る?・・いや、まだ言えないだけ?」

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●【RSNT】移籍情報

・out
ワグナー(ラボバンク)
ベンナーティ(サクソバンク・ティンコフ)

・in
デヴォルデル(ヴァカンソレイユ)

<噂>
・out
ザウグ(サクソバンク・ティンコフ)

●インタビュー記事

Kim Andersen: ‘Andy en Fränk scheiden is geen goed idee'(Het Nieuwsblad 9/14)
紹介記事:The Schlecks needed to stay together says Andersen(cyclingnews.com)

Voigt hoping to support Cancellara and Schleck in 2013(cyclingnews.com)

アンデルセンもフォイクトも、フランクが出場停止処分で来季走れないことを想定して喋っている。
フォイクトは、わかっている。サンプルA・Bとも陽性なら、出場停止になるのがルールだ。2年前、コンタドール事件が報道されたとき、そう発言したのは彼である。
だから、フランクが出場停止になることは受け入れる。でも、彼は自分の友人だから、彼を見捨てない。
そういうことだと思う。

●ランスについて

私は、ランスが7連覇時にドーピングをしていたからといって、7連覇の価値が下がるとは思っていない。
理由は、当時、競争相手たちもドーピングしていたので、「競争の公平性」の瑕疵が少なかったから。

ルールを律儀に守ってドーピングしなかった選手たちもいたのは確かだが、では仮に同条件だったなら、彼等がランスを負かせたか、といったら、多分、それはない。
当時、高い才能と競争心を備えた選手たちは、ドーピングをやることを選択した。そうみなしてよいと思う。

ランスの7連覇は、ドーピング「のみ」によって成し遂げられたのではない。勝利に対する尋常ならざる執念で、ありとあらゆる手段を講じ、あらん限りの努力をした結果だ。ドーピングは、その努力・工夫の中のひとつに過ぎない。
そういう評価を、私はしている。

この考え方に立って、「2006年以前のことは不問にする。ほじくりださない」が、かねてからの私の持論だった。
なにしろドーピングをやってない人の方が少ないのだから、ほじくりだしたら、きりがない。
今回、ランスの優勝を剥奪したら、誰が繰り上がるか、と並べたら、ドーピング有罪で処分を受けた人・処分を受けなくても疑惑大有りの人ばかりで、不毛極まる、という事実が、それを如実に示している。

だから、7連覇当時のことは棚の上に上げてよい。
しかし、今回私が無視できないのが、2009~2010年のことである。

なぜ、2009年にこだわるかといえば、この頃は、「TdFの総合上位は、ほぼ全員ドーピングをしている」状態ではなかった、と私が思ってきたから、である。

実際には、ランスがドーピングしていた、とするなら、その事実認識が崩れる。
一箇所の事実認識の崩壊は、関連する他の崩壊の連鎖を呼ぶ。ドミノ倒しのごとく。

この年の総合順位は、上から、コンタドール、アンディ、ランス、ウィギンス、フランク、クレーデン、ニーバリ、ヴァンデヴェルデ。

コンタドール。
この年、彼が、エースの座を巡って、復帰したランスと衝突したことは周知だ。ブリュイネールはランスにつき、コンタドールはチーム内で孤立した。

USADAの主張通り、この年にランスとブリュイネールが、以前と同様に、ドーピングを駆使していたとしたら、同じチームにいたコンタドールは?
彼は、ランスとブリュイネールのしていることを知っていた?
コンタドールもドーピングしていた、ということが考えられるか?

アンディ。
彼は、ドーピングをせずに、ドーピングをしたランスよりも強かったのか?
ランスが、アンディを自分のチームに欲したのは、彼がそう思っていたからか?それとも、アンディもドーピングしていると思っていたのか?

ウィギンス。
ガーミン所属の彼は、クリーンであったとみなすべきだろう。
総合系への変身を始めた年で、登坂力がついた彼に脅威を感じたアスタナ・サクソバンク両陣営から、ふるい落としのターゲットにされ、最終的に、表彰台に届かなかった。
ランスがドーピングしていたなら、彼はウィギンスから不正な手段で表彰台を奪った、と言うことができる。

2009年と2010年のアスタナとレディオシャックには、リアルタイムで根強いドーピング疑惑が掛けられ、色々な報道が出ていた。
しかし、当時は、確定的証拠を挙げることができず、逃げられた。

事実は何だったのか?
「2009年と2010年のアスタナとレディオシャックのドーピングの実態」は、「それから僅か2シーズン後の今季のブリュイネールがRSNTでドーピングを画策しなかったのか?」の点に繋がる。

ゆえに、「過ぎたこと」で済ますことはできないのである。

「2006年頃までドーピングをやっていた人間たちは、全員、今も信用できない」という見方は、辛辣だが、残念なことに、彼等が改心したと信じるに足る根拠が存在しない。

出場停止処分を受け、復帰した選手の中には、真摯に反省した態度を示す人もいるが、そうでない人の方が多い。
故意はなかったと否定し通すと、多数のファンが信じる。だから、選手の多くがしらを切る。
彼等の言葉が真実か嘘か見分けるのは困難を極める。

ランスの話に戻る。
私は、ランスの7連覇の価値を否定しない。
しかし、2009年の復帰後にドーピングしていたのであれば、彼は、自分の7連覇の価値を、「自分の手で」貶めた、と思う。

自転車RR界の中の人々の多数にとっては、タイトルを獲らなかった2009年に、彼がドーピングしたしないはさほどの問題ではないであろうが、私の考え方は違う。
「総合上位を争う選手の中に、ドーピングしていない選手が存在した」2009年にドーピングするのは、「利己心と傲慢さが、一線を越えた」とみなす。

そういう人物として私の記憶に残ることになると思う。

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健康不安と過剰医療の時代健康不安と過剰医療の時代
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2010/04/23 : がん検診を受けない選択
このページには、「がん検診」「受けない」のキーワードでのアクセスがコンスタントにある。
その方々にお勧めできる本。

章によってレベル差があるが、参考になる点を何かしらみつけられると思う。
X線・CTによる放射線被爆のリスク、がん検診のみならず検診全般の有効性・必要性の問題が提起されており、がん検診を受診するか迷い思案しているとき、どうするかを決める一助になるだろう。

第7章の著者は、子宮がん検診を受けて、異常なしとの結果をもらった直後に、子宮筋腫と診断されて子宮を摘出し、子宮がん検診の有効性に疑いを持った自身の経験を記している。

ついでに、私の経験を書き添える。

母をがんで亡くした後、自分もがんになる不安を抱き、胃がん検診を受けに行った。
ところが、バリウムをうまく飲み込めず、むせて、肺に逆流してしまった。
誤嚥といい、珍しくはないらしい。検査技師は、「この後、もし熱が出たら、医者に行って下さい」。

その通りに熱が出たので、医者に行き、レントゲンを撮ると、白い影が、肺にしっかり映っている。
今までキレイな肺だったのに、検診でこんなことになるなんて本末転倒もいいところだ、とげんなりしながら、「どうすればいいんですか?」
「背をトントンとやって、吐き出すしかないね」
「その方法しかないんですか?」
「全部出すのは無理で、残っちゃうかもしれない」
「残ると、どういう影響が出ますか?」
「肺炎の原因になるかもしれないね」

「年とると、肺炎が原因で死ぬんだよねえ。私が肺炎で死んだら、コレのせいだったかもね、ということかい」
心の中でそう思った私に、更に追いうち。

「あの検診は、全然役に立たないよ。やめときなさい。胃がんが気になるなら、内視鏡検査を受けなさい。胃カメラね。あれだとみつけられるから」

その後、がん検診の有効性の確認を含め、がんについて色々調べ、逐次、知識の更新に努めている。
「無知」さでバカをみるのは自分なのである。

(意識して勉強しているというより、一定期間おきに、身近でがんで死ぬ人が出たり、総合病院へ付き添いに行ったりするので、それが更新の機会になっている)

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断り書きをしておく。

私は、自転車RR界のドーピングに関して、まったく疎い。
ツールに興味を持ったきっかけはランス・アームストロング、という、世界中に掃いて捨てるほどいる一般大衆の一人である。
「この人、ドーピングしてたわね」となるまでには数年かかった。
そして、今も、「実態が一体どうなのか」が判らない。なにしろ、自転車界側と、ドーピングを規制する側とでは、全然違うことを言っている。

何が事実なのか、誰の言うことが本当なのか、どうやって判断をすればいいのか?
こうかなああかな、ああちがうか、いややっぱりこう?ぐでぐでうだうだもにょもにょを延々続けている。

現時点での認識は、
・2006年くらいまでは、トップクラスの選手はほぼ全員がドーピングをやっていた。(若干の例外有り)

・「この世界の全員が共犯」だったので、外部の人間を騙すことが可能だった。ランスによってこの競技を知ったヨーロッパの外の国の大衆(私を含む)なぞは、飾った表面しか見ないから、簡単に騙せた。

・チームの関与には、程度に幅があった。率先して組織的・徹底的に実行したチームから、一部の選手に行わせたチーム、積極的に奨励はしないが選手がやるのを黙認するチームまで。

チームの関与の程度に関わりなく、バレた場合、罰を受けるのは専ら選手で、基本的にチームは関与を認めず、選手を切り捨てて、逃げた。
形の上で、ドーピングをやるか否かは、選手の選択だったから。チームは強要はしていない、選手が選択したのだ、という言い逃れが成立した。

「真っ正直」な選手たちにとって理不尽な時代だった、と思う。
他の選手たちがやっていて、自分もやらなければ戦績を出せないことが明白で、チームからプレッシャーをかけられたとき、「倫理」によって、敢えて不利な選択をすることのできた選手が稀であったことは想像に難くない。

といっても、「ドーピングはこの競技の一部」と、抵抗なく、正当化するのに苦労しなかった人もいれば、「他人より有利になる方法」を積極的にやりたがった人もいただろう。倫理の問題を抱えた人はごくごく一部だったのかも。
「競争」の場には、「優越欲の強い」人間が集まるから、自転車界全体がドーピングにどっぷり浸かって過ごしてきたことは、不思議な話ではない。

さて、以上は、数年前までの話。
現在はどうなのか。
これが、難問だ。

見方1:ここ5年くらいで、かなりクリーンになった。
クリーンであることが間違いないガーミンが戦績を出せるようになったのがその証拠。
検査体制も厳しくなっているので、その効果があった。

見方2:クリーンになったのか疑わしい。
・ほんの少し前までドーピングを組織的に遂行し、罰せられることもなくいい思いをした人間たちが、今も、チームのGMやドクターとして堂々と残っている。選手たちも同様。

・ドーピング技術は、摘発の技術といたちごっこで、常に進歩していく。医療技術の転用だから、手に負えない。医療技術は日進月歩で新しいものが開発・推進され、止まることがないから。

・大きな問題は、「UCIに、アンチドーピングを本気で推進する気がない」こと。
UCIは、自転車界がビジネスとして成功して、UCIに金が入ることが都合がよい。アンチドーピング活動は、自転車RR界は相変わらずドーピングまみれだという悪い評判を減じて、スポンサーを招き入れたいがため。
「こんなにキレイになりました」とアピールをしたいのが目的だから、看板になるスター選手がドーピングでクロになるのは困る。だから、隠蔽したがり、アンチドーピング機関との対立という事態を招いている。

前者は、自転車界の内側にいる人の外向けの公式答弁あるいは自転車界に好意的な人の意見で、後者は、アンチドーピング機関寄りの人の意見。

さてはて、どれを採用しよう?
いずれかに決める根拠は、まだない。
これから、うだうだごちゃごちゃ延々続けていく。

設問「フランクは、今年のTdFでドーピングをやったのか?」の回答に辿り着くまでの長い道のりは、始まったばかり。



ランスの事件は、人々が「オメルタ(沈黙の掟)」を破って真実を話す契機になるなら、それが最大の効用ではないかと思う。
これまでも、告白する人々はいたが、「自転車RR界の真の全体像」を提示するまでには至らなかった。

ヴォータースが、(自分のチームの)ヴァンデヴェルデ、ザブリスキー、ダニエルソンにはドーピングしていた過去がある、とcyclingnewsのフォーラムに書いた。
話の主眼は、先日、ヤクシェが、ドーピングを告白した自分は、自転車界で理不尽な扱いを受けた、と批判を言ったのに対し、自分がヤクシェを雇わなかったのは、ドーピングの問題じゃない、能力と人格の点でヤツは欲しくなかったんだ、という反論で、3人の名は、その文脈の中で出したのだが、「ん?」である。

Vaughters confirms past doping by Danielson, others at Garmin(cyclingnews)
Vaughters outs Garmin riders for past doping in online forum(velonews)

ヴァンデヴェルデとザブリスキーは、USADAの証人といわれている。まもなく公式に名が出るから先に書いた、ということ?
velonewsは、ヴァンデヴェルデが今季で引退する可能性を記している。



*追記

「ドーピングが存続するにしても、そのレベルは低くなるだろうと想像してみて下さい。数字を示しましょう。10%です!
2003年には、ドーピングをする選手は全体の10%を切るだろうと想像してみて下さい。よろしいですか!私は王でも王党派でもありませんが、こう言いましょう。私はこれでいいのだ、と」


2009/10/02 : 「総合ディレクター ツールを語る」(ジャン=マリ・ルブラン)

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困った。

人は、多数の情報の中から、「自分に都合のいいもの」を探し、選び取り、都合の悪いものは、ないかのごとくに無視をして、「自己正当化」をする。
自分は今まで、この「ありがちな」思考パターンそのままをやっていた。
「アンディはドーピングをしているかいないか」の認定について。
そのことに、ようやく(今頃)気づいた。

私は、フエンテスへの送金記録という確たる証拠から、フランクがドーピングをしていたのは事実と認定していた。
であれば、なぜ、彼が、「今も」ドーピングをやっているかもしれないとは考えなかったのだろう?
やっていたのは2006年までで、今はやっていないとみなすことのできる「根拠」は何ひとつない。それなのに、なぜ?

自分にとって不都合だからだ。
フランクがやっているとみなすなら、彼とシャム双生児のように繋がっているアンディも同様である可能性が高いとみなすのが、論理的な思考だ。

それは自分にとって「都合が悪い」から、「考えるのを止めた」。
要するに、「思考停止」というヤツである。
砂の中に頭を入れるダチョウだ。自分が見たくないものは見ない。聞きたくないことは聞かない。考えたくないことは考えない。愚か者の代名詞。

やれやれ。

現在の私の知識からすると、アンディの言動は、ドーピングをやる選手のパターンに一致する。
・アンチドーピングについて語ったことがない。ドーピングした選手を批判したことがない。
コンタドール事件のとき、全く批判をしなかった。コンタドールは、不正な手段で、彼からマイヨ・ジョーヌを奪った可能性もあったのに、疑いや批判をただの一言も口にしなかったのは奇妙ではないか?
・1年の中でツールの3週間しか強さを発揮しない。他のレースでは競争力の変動幅が大きい。

私の持っていた、否定する理屈
・フランクが、プロになって数年間、ぱっとしない選手で、トップ選手になったのが2006年以降、すなわちドーピングによるという推測が成り立つのに対し、アンディは、ジュニアのときから才能を高く評価されていた。
2人の生まれ持った才能には、かなりのレベルの差がある。フランクは、ドーピングして、やっとこさっとこトップレベルだが、アンディは、ドーピングしなくてもトップレベル、ということはありうる。

・彼は、2007年ジロで総合2位になったが、これは彼のグラン・ツール初出場レースだった。どのくらいの競争力があるのか未知数の21才の彼に、リースがドーピングをさせて、結果を求めたことは考え難い。
しかも、このジロの開催直前に、バッソがドーピングへの関与を認め、その後、ジロ開催中に、リースは、現役時代にドーピングしたことを認める会見を開いた。そういうドーピング事件で大騒動の最中にやってはおるまいと考えてもいいのではないか。

・そして、兄を越えたいと思っていないアンディは、フランクの競争力を上げさせて、自分は素、ということも起こりうる。
この仮説は、昨年のTdFで、2人の戦闘力がほぼ同じレベルであったことの説明になる。

結局、「彼はクロではないだろう」という判断は、「検査で陽性を出していない」ということを唯一の拠り所にしている。
検査で陽性を出さないことは、シロの証明にはならない。そのことを、私は200%知っている。
が、どうやっても言い訳のできない確たる証拠を目の前につきつけられるまでは、「自分にとって都合の悪い」認識を受け入れることには抵抗する。

それが、今まで私のしてきたことだ。

気づいた今は、一歩前進だ。初めてではなく、ランスで経験したので、どうにかできる。
彼のときも、結論に達するまでには時間がかかった。幸い、事実に自分で気づいて、消化・解決をしたから、現在の騒動と醜態に、平然としていることができる。

リースの行為についての証言・情報が、連日バンバンあがってきている現状では、新旧CSC(サクソバンク)在籍選手の誰の名が飛び出してきても、全く不思議ない。
(私がこれを書いている今夜にでも)

ハミルトンの本は、アメリカ時間の今日書店に並ぶ。
中身はポロポロ漏れ出ているが、ヒンカピーの名があるそうだ。

USADA側が、「証人として立てば、絶大な信用力を持つ(決定打といってよい)」ヒンカピーの名を、彼が引退レースを終わらせるまでは伏せていたという推測の蓋然性は高い。
この点はハミルトンも配慮済みだろう。

この他では?・・私の頭上直撃弾が来るかもしれないことも覚悟しておく。
(火の粉とか延焼とか生ぬるい話ではすまなくなって、戦場になりそう)



BTが配信する大量の記事のほとんどが、「ハミルトンは嘘をついていない」と判断できる材料になっている。
リース擁護派には厳しい。読者からは、リースをサポートしろ、リースの不利益になる報道をするな!という攻撃が多数きているという。

他に、cyclingnewsが載せたヤクシェのインタビュー
Jörg Jaksche: Doping, hypocrisy and a dog called Bella
これから、ヤクシェの過去の記事を探して読む。

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●フォイクトのダイアリーから

情愛とユーモアに満ちた、先日のフォイクトのダイアリーの記述から、話題いくつか。

・若者たち

彼は、RSNTに残留する理由の一つとして、若い選手たちを導く仕事を挙げた。
Ben King, George Bennett, Nelson Oliveira, Giacomo Nizzolo.

キングは、ダイアリーで、ベテランの選手たち(フォイクト、ホーナー、クレーデン)が共にいることの有益性を記している。彼等は、助言や励ましを与え、そして、お手本になる。
USA Pro Cycling Challengeでのフォイクトの活躍は、インパクトが強かったらしい。
彼の契約更新は、今週のいいニュースのひとつだよ、と書いている。
Ben King Diary: Suffering into old man strength

こういう話は、読んで気持ちがよい。年を重ねた人間は、次の世代の人間を導き育て、バトンを渡していくのが務めだと思う。
いい年になったのに、「自分自身の成功・勝利の喜び」ばかりを追い求めるのは、「未成熟」の人間のすることだ。私は、09年末、復帰したランスに対し、手厳しい指摘をしている

「『USポスタル時代を再現する』ことに、何の意味があるの?『年寄りでも若い者に負けん』ことを示したいとでも?
私の目には、『昨年、コンタドールに力負けしたのが悔しくて悔しくて、どうにも我慢ならなくて、彼を叩き潰して、うさを晴らしたい、とムキになってる』だけにしか見えないな」

人間は、年齢を重ねることによって成熟していくものだ。若いときは、一途に自分の欲望を満たすことに励んでよいが、ある程度の年齢になれば、自分の勝利・成功という利己的な欲望にしがみつくのはやめるのが、「人間として成熟すること」だと思う。


「復帰した3人の帝王」の中で、私が復帰を「完全に肯定して、高く評価をする」のは、ジェーニャ一人だけだ。(彼に関してはいずれ書きたい)

・ファビアンの去就

フォイクトの記述は、ファビアンの去就に関する情報を読み手に与える。
RSNT残留が確定事項である、ということ。

これまで、ファビアンの去就は、確定するに十分な材料がなかった。
来季まで契約が残っていることは、イコール残留確定を意味しない。2年前、「9月半ば」まで、リースは、ファビアンに関して、「契約がある」という発言を繰り返していた。ブリュイネールの「契約がある」の台詞は、2年前のリースと同じなのである。

地元紙が残留を推測する記事を書き、98%くらいの信憑性があると思ったが、確定には足りなかった。
そのためIAM(来季設立されるスイスのチーム)が彼と話をしたといった記事も出ていたが、彼の去就に関する話題はこれで終息する。

*但し、これは「読解」の一種なので、読み手全員が同じことは考えないのかもしれない。
2年前、ファビアンの8/30のダイアリーの文章を、移籍したいという意思の表明だと解釈して、そう記したら、反対意見が押し寄せてきた。このとき、「私もそう解釈した」という賛同の意見は一通も来なかった。

【USPSの陰謀】火の粉が飛んできた

タイラー・ハミルトンが、9/5に自伝を出版する。自分の行ってきたドーピングの仔細を記述し、その中で、「ビャルヌ・リース」の名を出した。
ランスの件からは、火の粉が飛んでいって浴びる人が出る(USPS外で、いもずるで名が出る)、誰が出てくるか、身構えて待っていたら、第1号がリースだった。

ハミルトンは、1995–2001・USPS、 2002–2003・CSC、2004・フォナック、である。
2003年TdF第1ステージの落車で鎖骨にヒビが入りながら走りぬいて総合4位。第15ステージでは、落車したランスを待つか、集団に迷いが生じたとき、行くな、ランスを待てと集団を制してランスを助けた姿が非常に印象的で、覚えているが、あのときの在籍はCSCだったのだ。(指摘されるまで忘れていた)

彼は、USPSからCSCに移籍した後も、ドーピングを続けていた。
リースは彼に血液ドーピングを薦め、彼が承諾すると、フエンテスを紹介した。そしてフエンテスの指導でドーピングする支援をしていた。そういう旨を記述したのだそうだ。

すっとんでいったメディアに対し、リースは、フエンテスとは知り合いではない、会ったこともない、これ以上はコメントしない、と返答し、その後は、ノーコメント。
スポンサーのサクソバンクとティンコフは、リースに対する変わらぬ信頼と支援を表明。

しかし、それで収まる話ではない。
デンマークのアンチ・ドーピング機関と自転車連盟は、看過しない。
ADD: Hamilton bekræfter formodninger
DCU-formand: Riis får et stort problem

デンマークのBTは、ガンガン記事を書きまくっている。
チーフ・エディター、Olav Skaaning Andersenは、リースの信用に大打撃を与える、という見解を記す。
BTs chefredaktør: Tror mest på Tyler

リースよりハミルトンを信用する見解の裏づけは、リースとフエンテスとの関係は、これだけではないこと。
バッソ、そしてフランク・シュレク。
BTの作った、リースのチームに在籍し、ドーピングをした選手のリスト
Riis and doping riders
私が知らなかったのは、ドイツ人Jörg Jacksche(2004年CSCに在籍)が、自分が血液ドーピングをしていて、リースは十分それを知っていた、と2007年に発言した、という事件。

バッソのときもフランクのときも、リースは、自分は無関係と言ってきた。2007年に、自身の現役時代のドーピングを告白したとき、バッソやハミルトンがフエンテスと関わっていたことは知らなかった、と明言した。
ハミルトンの今回の暴露は、リースの主張すべてを覆しかねないインパクトを持つ。

Hamilton var systematisk dopet hos Riis
リースのチームのキャプテンであったハミルトンやバッソは、リースと非常に近い関係にあったという。彼等が、リース、そしてチームドクターやソルニエたちに知られずに、「ばれないテクニックで血液ドーピングを行う」のは不可能だろう。
リッコのような例もあるが、基本的に血液ドーピングは「チームの支援」の下で行われる、とみなすのが妥当だ。

あまり知られていないが、WADAコードのドーピングの定義は、検査で禁止薬物が検出されること「だけ」ではない。

2.8 競技会において、競技者に対して禁止物質若しくは禁止方法を投与すること、若しくは投与を企てること、競技会外において、競技者に対して競技会外で禁止されている禁止物質若しくは禁止方法を投与すること、若しくは投与を企てること、又はドーピング防止規則違反を伴う形で支援し、助長し、援助し、教唆し、隠蔽し、若しくはその他の形で違反を共同すること、若しくはこれらを企てること。


今回USADAは、この2.8の定義を、ブリュイネール・医師・ソルニエに適用した。
チームのGMに、これを適用して罰した事例を、今回の事件の他に私は知らぬが、ハミルトンの記述が事実と認定できるなら、リースもブリュイネールと同罪である。

そして、火の粉は、私にも降ってくる。
私は、フランクがフエンテスの顧客であったことを認定していたが、リースが支援していたとは考えていなかった。
ハミルトンの書いたように、リースが選手たちに「教唆・支援していた」とすると、話がやばい方向へ進んでいく。

私が関心を持ったのは、「リースの率いる2008年チーム・サクソバンクで走るアンディ・シュレクとそのチームメート」である。
「この『チーム』は、2006年までドーピングを支援・隠蔽していた」事実がある、と認定せねばならないとなると・・・

これからまだまだ情報が出てくるので、おいおい考えよう。(先は長い)



【F1】カンのいいこと

先週、チャンピオンシップ首位で前半戦を折り返したフェルナンドについて、文章が沸き出した(久々に)。
が、同時に、夏休み明けのベルギーでいやなことが起こる予感がバリバリする。
予感がかなり強いので、書くのをやめておいたら、見事的中。
・・文章を書くのは、シーズン終わってからですな。