南の国の太陽、空の色の獅子

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●スタンス

私のスタンスを記しておく。
現時点では、フランクがシロかクロか(彼の主張が真実なのか嘘なのか)の判断はできない。
結論保留のまま情報収集を続ける。

コンタドール事件のときと同じである。彼のときも、私は、事実認定に迷う状態を延々続けた。
あの経験は無駄ではなく、今回役に立つ。
通じる点が多数ある。同時に異なる点もある。比較検討は理解の助けになる。

私は、驚きはしなかった。この世界では普通に起こることで、想定をしていない方がおかしい。
そもそも、フランクは、前科(オペラシオン・プエルト)のある選手である。
(今になると、「ここまで無事で、私は運がよかった」と言うべきかも、とすら思う)

「残念」とか「悲しい」といった短絡的・感情的な反応もしない。
彼が嘘をついているのであれば、「潔く罰を受け入れなさい」であり、嘘をついていないのであれば、本人たちに寄り添って、憤ったり嘆いたりする。
怒るか嘆くか諦めるかはそのときにならないと判らない。

いずれにせよ、する反応は、事実がどちらであるかによって、まったく違う。
シロクロの事実認定ができない現在は、どちらもせず、保留にするほかはない。それが理だ。

●メモ

思いついたいくつかを記す。
コンタドール事件との比較からの観点。

・100ピコグラム/mL

今回、検出されたキシパミドは、100ピコグラム/mL。
コンタドールのクレンブテロールは、「50ピコグラム/mL」で、当初から「超微量」と解説された。
今回はその2倍。

超微量のクレンブテロールにはパフォーマンス向上の効果がない、という意見が堂々と流布したが(スピード違反0.1kmオーバーで免停2年みたいなもの、という、WADAの血液ドーピング説を無視した大外しの批判まであった)、今回は、量に関係なく、物質そのものにパフォーマンス向上の効果はない。

コンタドールのときは、世間のかなりの割合が、「原因は肉」という主張を、「最初から」受け入れた。
彼は、UCIから、「超微量だから」、原因が何かを探す時間をたっぷり与えられ、主張を特定した後も長い間、陽性結果の公表をしない、という待遇を受けた。

フランクは、その時間は与えられなかった。原因をこれから探す、とBサンプル陽性発表のリリースに記している。

・チームとの関係

コンタドールがCASで無罪を勝ち取れなかった原因の一つとして、「事件を起こしたときの所属チームの協力を得られなかったこと」があるのではないか、とは、CASの判断が出た後、あれこれ考えた中で思い浮かんだことのひとつである。

他の競技で、クレンブテロール検出の原因が食物汚染であるとアンチ・ドーピング機関・連盟に認められた事例は、ことごとく、所属するチーム・団体が、汚染であることの証明に全面的な協力をした。組織として動いたことによって認められた、とみなしてよいと思う。

対して、コンタドールは、在籍するチームの協力を「全く」得られなかった。
彼は、アスタナの契約更新のオファーを断り、移籍を決めていた。アスタナは、出て行く選手の無実を証明することに益がなかった。有罪になって一向に構わない。
チームメートやスタッフが個人として協力したが、チームは動かなかった。

もし、在籍するチームが彼の無実を信じ、無実の証明に協力を惜しまなかったとしたら、違った何かかあったのではないか?

翻って、フランクは、「コンタドール以上に」、不利な境遇にある。
不利さの程度をいえば、「コンタドールの50倍」ではないか。

なぜなら、「チーム・オーナー、ベッカと、GMブリュイネールは、フランクがドーピング有罪になると都合がよい」。

財政難でシュレク兄弟への給料を払っていないベッカは、フランクが有罪になり、これを理由に解雇できれば、堂々と給料を払わずにすむ。
彼は、チームをもう2年続けると公式表明しているが、これまでに報じられた実態からすれば、可能にはみえない。チームの主要メンバーたちが、チームに打撃を与え、チームを畳む理由を提供してくれるなら都合がよかろう。

自らのドーピングで永久追放処分に面しているブリュイネールは、敵対してきたフランクを道連れにするのは悪くなかろう。死ねばもろとも、地獄へ道連れ。
フランクへの支持を表明したブリュイネールの文章を読んで、「あなた、高笑いしてるでしょ。機嫌のよさが文章に溢れているわよ」。

RSNT内の人間関係のドロドロメチャメチャさの実態が明るみに出るのは暫く先であろうが、「ここまできたら、嘆くとか悲しむとか通りすぎて、映画か何かを見る気分で流すしかないわよ。まさに、『これも人生』」。

●移籍先の噂

ヴィノクロフが、「アンディだけなら欲しい。フランクはいらない」という旨を彼等のエージェントに回答して、アスタナとの話は終わった、という記事をレキップが書いたそうだ。他メディアが引用している。

交渉が行われたのがいつか不明だが、フランクが陽性を出す以前だろうと思う。陽性を出した今は「言わなくても当たり前」のことだから。

ドイツ新チーム説は、仮に話が進んでいたとしても、フランクのドーピングでご破算になったと推測するものではないか。
ドイツはドーピングに厳しく、それがゆえにプロチームを失った国だ。もし、Alpecinと話が進んでいたら、関係各方面に多大な迷惑をかけることになったのでは。話がなかったことを願いたい。


でも、フォイクトの発言がひっかかっている。もしかしたら、本当のことだったか?と。
今、私の心が痛むのは、兄弟当人より、巻き添えを食った、彼等に近い人たちのことだ。

フォイクトは、何度も言った。シュレク兄弟のどちらかにマイヨ・ジョーヌを着せて、引退したいと。
私がフランクの無実を願うとしたら、フォイクトはじめ彼を信じた人々のため、かもしれない。
彼等が寄せた信頼と友情をフランクが裏切ったという現実を受け入れるのは厳しい。

ただ、私は、フランクは「弱い人間」だと認識をしてきた。周りの人々は、そのことをもっとよく判っている、と思う。
アンディは強い心を持つが、フランクの心は弱い。とても弱い。

彼の「弱さ」を受け入れていた人は、彼が何をしたとしても、彼を受け入れ、赦すことができるかもしれない。


7/20、フランクが各メディアに送ったリリース

Press Release

The search to find out how the substance entered my body continues


Mondorf-les-Bains, 20th of July 2012 – Today I witnessed the analysis of the B-sample in the afld-lab in Châtenay-Malabry (France). The result of the counter test was positive but for me nothing changes: I just know that I did nothing wrong! I will therefore continue my search to find out how the substance could have entered my body.

At the moment we are analyzing minute by minute what exactly I have been doing, eating, drinking on the days before the control and on the 14th of July itself, whom I met, what materials I came in contact with, what nutritional supplements I took...

The medical world states that this product, when performing in extreme conditions such as in a cycling tour, is very dangerous; it can even cause death. Therefore I really need to find the cause that clarifies how this product ended up in my system: since I didn’t take anything, I assume it must have been given to me by someone, or it could have happened through an accidental contamination, or it could be caused by something that is not yet known to me since we are still undertaking a number of analyses.

Since these extra analyses will take a few days, I will communicate again from the moment I have received the results of the extra tests.

Fränk Schleck
Email: mschmid@pt.lu


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●アンディ

Andy Schleck : «Aujourd'hui, on est dégoûtés»(Le Quotidien 7/18)

毎度のフランス語→英語機械翻訳

What is your reaction after the announcement of this abnormal control?

Andy Schleck: I'm 100, not 110% behind Frank. We took a huge blow to the head because it has never taken illegal. I can swear on my mother's head! For our part, we are sure of ourselves. You know, we train together all the time, we are preparing together all the time, we run all the time together, even if it's a little less true this season. And I can tell you and you repeat that we have never taken anything. Now we have to wait but if the B sample is positive, the complaint is ready to be filed.Now, you just wait for further developments. But we are determined to defend themselves.

Have you talked to Frank since Tuesday night?

Yes. He is in shock. He does not understand what is happening. Me neither, I do not get it. I can not blame anyone but it's still weird. Obviously, this is not a product found in food is a drug. If you are sure you did not take anything, it is because it is something else, it comes from elsewhere. And that, I did not explain it. Personally, I'm angrier than disappointed.

Why?

Because what happens is very sad. If we dope and we're caught, you can be disappointed but when you do not take anything that is disappointment, misunderstanding prevail. Our close friends know that we do not dopons, we have never done and we never will. On something like this, in view of certain reactions, there is a sense that some were expecting something.Today I can tell you is disgusted with the bike. I love this sport more than anything but now it's really hard for me and for the whole family.

For you, there is no ambiguity, you support your full brother?

Of course! Whole family and close friends are around Frank. And we are determined to fight for him.


●スケジュール

Bサンプルの開示は7/22(日)。
結果の公表の後、書類がUCIからルクセンブルク自転車連盟FSCL、それからアンチ・ドーピング機関ALADに送られる。
Die weiteren Prozeduren im Fall"Schleck"(Tageblatt)

●アスタナ説

Les Schleck auraient dit 《oui》a Astana(L' Essentiel)
根拠があるのかないのか不明。
フランクが出場停止処分に面している立場にあることを無視したかのごとき不思議な記事。

もうひとつ、アスタナがGCエースを欲し、予算があることは周知だが、ニーバリの名がずっと取り沙汰されてきた。ニーバリの去就情報は現在ペンディング状態。

L' Essentielの記述を他メディアがこぞって引用しているが、radsport-news.comは、Alpecin説をさらっと付記している。

●ドーピング否認の主張の難しさ

Bradley Wiggins: I can never dope because it would cost me everything(guardian)
ファビアンがツイッターでリンクしていた、ドーピングに関するウィギンスの見解。
内容は実にもっともで、私は彼を疑ったこともないが、最後の方まできて、ふいに、「前に、同じ調子の文章を読んだ記憶が・・?」
誰だっけ。
・・ランス。

ランスは、自分は、「チーム、スポンサー、支持者」のみならず「癌からの生還者」を背負っている、と主張していた。
彼等の信頼を失うわけにいかないんだ、と。
その主張には、説得力があった。
そうだよね、万が一にもバレたら、失うものが大きすぎる。
アメリカ人は、「正義」や「公正」が大好きだ。
ランスが「不正」をして勝利を手にしていたとバレたとき失うものの巨大さは、ウィギンスが失うものの比ではない。

・・だけど、やってたんだよな。
論理が誤っていた理由は、
「確実にバレないようにする方法があるから」
USADAを信じるなら、ミスって陽性を出してしまったときは、UCIが揉み消してくれた。鉄壁である。

だから、「バレたとき失うものが大きいから」という理由は、本人にとって間違いでなくても、「客観的な観点では」、説得力がない。
「自分は誰より多くの検査を受けて、陽性を出したことが一度もない」と並んで、「ドーピングをやっていない理屈として挙げると逆効果」な件なのである。

フランクについていえば、バレたら、自分のキャリアのみならずアンディのキャリアまでも潰すことを、彼は、十分認識している、と思う。
そのリスクを負ってやらない、と彼は主張するかもしれない。

しかし、その言葉に説得力がないことを、ランスを見てきた自分は、知っているのである。

●キシパミドとは?

Schleck, the Tour and doping: what's xipamide?
Xipamideとは?の説明。
身体に入ったルートの可能性は、
1.他の禁止薬物のマスキング剤
2.食品・薬・サプリメントの汚染
3.血液ドーピングの残滓
2及び3は、コンタドール事件のクレンブテロールと同じ理論。

Vergiftet oder verblödet?(radsport-news.com)

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「贔屓の相手に悪いことが起こるとき、事前に感づく」私のカンは、いまだ衰えていなかったようである。
ここ数日、「新しいショッキングなニュースが出てくるような気がして」、毎回ビクビクしながらcyclingnews.comにアクセスしていた。
そうやって構えていたせいか、全然、びっくりしなかった。
「最も悪いニュースではなく、それよりましだから」かもしれない。

このケースを予想をしてはいなかった。
だが、「いつか、シュレク兄弟が陽性を出す日が来るかもしれない」ことは、想定していた。

自分が彼等に興味をひかれたのは、08年TdFで、この年の秋、フランクのドーピング事件が起こった。
何度も書いているが、フエンテスへの送金を本人が認めたことを知ったとき、「こりゃダメだ。出場停止になる。アンディも一蓮托生で、行動を共にするのでは?」と、腹を括った。

それから4年。これで彼等のキャリアが終わっても、「4年楽しかったわ」で済ませようと思っている。
「4年前に出場停止になって元々」だから。
・・どうなるかまだ判らないが、ここまで想定しておく。

レディオシャックのシュレクから陽性反応、ツール・ド・フランス(AFPBB News)
いわゆる故意のドーピングではない可能性もあることを記している丁寧な記事。
とりあえず、Bサンプルと本人の弁明待ち。

自分は先日、あっさり「1年休養ですな」と書いた。
(実は、「1年で済むのか」疑問になってきている。・・当たらないといいが)
7/10


・・当たっても自慢にも何にもならない。


Andy Schleck: “110Prozent Vertrauen in meinen Bruder”
アンディが、電話インタビューに答えている。

Clouds loom over RadioShack-Nissan in Pau
・フォイクトのコメント。

ドーピングの話題に熱心なradsport-newsが、参考になる記事を次々アップしている。
Voigt und Greipel enttäuscht über Schlecks positive A-Probe
RadioShack-Nissan: Wie einst Team Coast?
RadioShack-Nissan vor einem Scherbenhaufen
Doping mit Diuretika: Eine veraltete Methode
Fall Schleck erschüttert die Tour

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瞬間を生きる哲学 <今ここ>に佇む技法 (筑摩選書)瞬間を生きる哲学 <今ここ>に佇む技法 (筑摩選書)
古東 哲明

筑摩書房 2011-03-16
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私は毎日、明日のために生きていた。明日の試験のために勉強する。明日のなにかのためにこれをやる。でも先生たちは、いま音楽をやっているのが幸せといっておられた。その違いって大きい。こんなに充実して、こんなに生き生きしている人がいるとは思ってもみなかった。それまで私は、今日やりたいことをやって、明日どうするんだろうって思ってたんですよ。

第5章、永遠の瞬間、2.永遠を生きる人々
鈴木重子のインタビューの引用


私も長い間、「明日のために生きる」種類の人間だった。
明日の試験のために勉強し、明日や将来や老後の生活費のために働いた。
常に、未来のために、現在の欲望を満たすことを我慢して暮らしていた。

己の死に対する恐怖と、今自分のいる場所は自分が本来いるべき場所ではないという感覚から逃れられなかった。

そういう日々の後に、「今ここにいること、そのもの」に歓びを感じ、充足を得ることができるようになった。
本書で描かれる「今この瞬間を生きる」ことの幸福を見出した。

「特別ななにか」をなさなくてよい。
「未来の何かのため」に今を生きるのではなく、「今ここ」の充溢をかみしめること。
生を全肯定すること。

かつての私は、このような思考はできなかった。
歳月のなせる技である。



翻って、「年若くても、最初から、それができる人」もいるのだった。
20そこそこの青年の趣味が「釣り」で、L-B-Lを勝ったお祝いに、兄弟で買ったのが、家の近くの「池」?
ひがな釣りをする生活が満足?
自転車選手でなかったら、フィッシャーマン(日本語訳だと「漁師」)か森林警備員、という発言に首をかしげた自分は、都市住民というより、「未来の目標に向けて邁進することをよしとする」時刻社会にどっぷり浸かった人間であることを示していただけだった。

今のアンディに憂いがあるとしたら、自分がTdFに出ていないことではなく、一人でTdFに出ているフランクだろう。
自分が一緒にいないことが、兄にどれだけ負担をかけているか、判っているから。
彼にとって、自転車レースよりも、兄の方が、「大切なもの」だから。

まこと、「気に入る相手」は、自分の「現在の」価値観や倫理観や人生哲学を映し出したものなのである。


ここまで書いた後、「現時点で、来季の仕事場がちゃんと決まっているかどうか判らないなあ。現チームを離脱する課題がまだ解決していないような雰囲気も・・
でも、問題解決作業をやるのは彼ではなくて周りだから、お任せで、本人は気に病んでいないだろう。
代わりに、フランクにかかっているストレスがすさまじくて、胃に穴が開いても不思議ないくらい。大丈夫かなあ。
といっても、パパもいるし、味方になってくれる人たちもいるだろうし(大勢が騙されたから)、一人で背負っているのではないからなんとかなるだろうけど」

とんでもない状況に見舞われているとは思うが、昨年も書いた通り、彼等は一人でなく「一家」で対処するので、外野が心配する必要はないと思っている。(命の危険に晒されているわけでもないしね)

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RNSTに関する報道は、この後、次々出てくるだろうから、一度区切って、今日時点で自分の思うことを書いておく。

来季、このチームは存在しないし、「サクソバンクから行動を共にしたシュレク兄弟の仲間たち」も多分、バラバラになるだろう。

まだ判らないこと、釈然としないことは、色々ある。
奇妙に感じるのは、情報を流したのが、自転車RR界から距離のある「ドイツのメディア」であること。
過去2年くらいの自分の感覚では、重要な件では、レキップとガゼッタの情報力が強かった。

この世界は狭い。チームが潰れそうで、転職活動をする人々が出れば、必ずバレる。
憶測としては、
・メディアやUCIが、情報の公開を「TdFが終わるまで」待ってあげている。

UCIは、給料支払いの件でUCIに不服を申し立てた選手の名をradsport-news.comが問い合わせたとき、伏せて、回答しなかった。
「シュレク兄弟とファビアンのスター選手3人であること」を、隠した。

情報を掴んだメディアが、SZ (Süddeutsche Zeitung)だけ、ということは、考え難い。
他は書かないのに、ここだけが記事にしたことには、何等かの意味がある。
報道というのは、そう読み解かなければならない。

しかし、では何を意味しているのか、ということが、自分には判らない。
TdFが終了し、8月になれば、移籍を公表できる。期日を過ぎるまで伏せておくのが関係者の利という判断?

これまでに出た移籍先の噂
シュレク兄弟
・ドイツ新チーム(Alpecin)
「レキップが書いた」という点は、信憑性を高める。しかし、その後、この話は潰れたという説がドイツ側で流れた。
・アスタナ
Alpecinの名が出る前、挙げられていた。
ニーバリがアスタナでない、としたら、ありえる話。
TdF第12ステージで、フランクとヴィノクロフが並走しているシーンを見て、「その話かね」という発想が沸いた自分。

ファビアン
・サクソバンク
今年スポンサーに加わったティンコフが、2013年はドリームチームになる、数人と契約した、名はまだ明かせない、という発言をした。これに、「ピ」ときた。
リースは、ファビアンとの交渉を否定したが、現時点では否定するのが当たり前で信憑性ゼロ。

フグルサング
・3つのチームと話をしていて、サクソバンク60%、オメガファーマ30%, アスタナ20%、とマネージャーが発言(110になるが)。

SZ (Süddeutsche Zeitung)
Aufstand der Volkshelden
Aufruhr im Herzogtum
Tageblatt
Vor dem Aus? - Leopard S.A dementiert
Fuglsang verklagt RadioShack
Ekstra Bladet
Fuglsang har sagsøgt RadioShack
sporten.dk(BT)
Astana vil ha' Fuglsang som Tour-kaptajn

ちなみに、私は、
「そうか。アンディは、『給料貰わずに仕事できるかい』だったか。
フグルサングも、モロに、『給料なしで仕事したくない』だよなあ」

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●「今」を生きる愉悦

今年のTdFの中継を、私はとても楽しんでいる。
第8ステージも第10ステージも、わくわくした。
昨年は、こんなふうにレースそのものを楽しまなかったと思う。

●フランク

アンディは釣りに行き、釣った魚の写真をフランクに送る。
彼は、へこんでいる兄を励ます。いつもそうしているように。

フランクは、アンデルセンとも、毎日電話で話している。

sporten.dkが掲載したインタビューの一部のデンマーク語→英語の機械翻訳。
(下手な日本語訳は作らず、そのままにします。おおよその意味は判ると思います)

What does it mean for you to drive with Andy?

- Andy means everything to me.
I always say that we love cycling.It is our passion, but it's not our life. Our lives have to be home with family.
Spending time with my parents, Andy and my older brother. And especially now, when I have a wife and children. That's my life.
Cycling is my passion, but it's nothing compared to Andy and my family.

Can you feel in yourself that you are not running with Andy this year?

- Yes. I can feel it every day. I do not know how to explain it, but I miss him.

What I talk about when I call together the Tour de France?

- We speak of course of course, but most of the time he sends me pictures of him are out fishing. I'm actually not very happy.
While I go out and ride my bike for six hours, then I get messages on your phone with pictures of fish he just caught.
It is not that sweet of him, but the laughs we.

Does he have any advice for you, now that he sits and sees the Tour de France on TV?

- He just says to me that I should enjoy it and have fun. It keeps my spirits up. The tactical talks we do not know much about.

Can you imagine that you and Andy are going to run on two different teams at a time?

- No! We stop cycling before it's going to happen.
I can quite clearly say that it will never ever happen.

You keep contact Kim Andersen during the Tour de France. What do you use him?

- I talk to him at least once a day. We talk about the race and what I can do better.
He is incredibly important for me because he tells me that I do well.
He is proud of me. He says that if there comes a day when things are not going so well for me, so it is quite normal with the program I had. He is happy for what I have accomplished so far.

Fränk Schleck: Andy sender fiskebilleder


wort.lu(de)は、毎日、フランクのインタビューを載せる。
Fränk Schleck: "Kann noch eine Etappe gewinnen"
Fränk Schleck: „Es war ein schwieriger Tag“
Le Quotidienは、毎日ではなく、時々。
Cyclisme/Frank Schleck : "Wiggins peut jouer défensif"
状況把握は、この2つのルクスメディアで。チーム公式が載せる発言は大本営発表。

●USポスタルドーピング事件(←この名称が適切のように思う)

アームストロング氏が再度申し立て、元同僚には永久追放処分が下る(日本語記事)

理解していない向きが多いようなので、砕いて言うと、今回、アメリカのアンチドーピング機関によって告発されたのは、「ランスとブリュイネールが組んで運営してきたチーム(USポスタル、ディスカバリーチャンネル、アスタナ)では、彼等の指導の下、ドーピングが組織的・日常的に行われていた」という旨である。

連邦捜査局が捜査を打ち切ったのは、アメリカではドーピングそのものは刑事罰対象になっておらず(フランスやドイツではなっているので、警察がガサ入れする。国によって違う)、別の罪状で挙げるしかなく、その立件が難しかったのであって、ドーピングの実施が認定できなかったことを意味しない、と私は受け取っていた。
昨年、捜査の記事を最初に読んだときから、「詐欺?なにそれ?別件逮捕みたいなもんじゃん、苦しいなあ」と、立件をあてにしなかった。

代わって「ドーピングそのもの」を規制する機関であるUSADAが乗り出してくれば、話は別である。
USADAの自信満々の態度は、彼等の手にはよくよくの証拠があるという推測を生む。

USADAが告発した6人のうち、医師とトレーナー、Michelle Ferrari, Pepe Marti、Luis Garcia del Moralの3人は、永久追放処分を受け入れた。
つまり、罪状を認めた。

ランス、ブリュイネール(現RSNTのGM)、セラヤ(現RSNTのチームドクター)の3人が足掻くが、「6人のうちの3人が受け入れた」、という点は、もっと注意を払われてよい、と思う。

・・以上の現状把握に立つと、
「旧LEOPARD TREK=RSNT応援の身としては、頭が痛いんですけど」

この件の「とばっちり」を直接くらう「現役で自転車RRをやっている人間」は、RSNTと契約している人々にしかみえない。
他チームは、とりあえずは、関係ない。(以前のドーピングの事実が明るみになって、火の粉がとんでいって浴びる人が出るかもしれないが)

数ヶ月後に公聴会が開かれ、ブリュイネールが永久追放処分を課される可能性は十分ある、とみなすものではないか。
CASに控訴し、仮に勝てたとしても、仲裁が出るまでの間は有罪状態になる。(コンタドールとは異なる)

来季のチームのための選手との契約交渉は、今進めなければならないが、そういう立場にある人間が、人事交渉をやるのか?
選手たちは、彼を、交渉相手として扱うのか?

私の頭の上に疑問符が踊っているのは、マッケイドUCI会長の「寝ぼけた」発言が代表するように、自転車RR界は、この件を無視しよう(ないかのごとく扱う)としているみたいにみえること。

フグルサングがUCIポイントを取れるレースに出してもらえないのは移籍するからとか話題にされたが、「いや、今このチームで起きているのは、そういう枝葉の問題と違うでしょ。屋台骨に関わる問題に晒されているんじゃないの?」

なぜ、「ブリュイネールは有罪にはならず、来季RSNTのGMをやる」ことを前提に、ものを言えるのだろう。
どうしてそうなるのか。一体なんなんだろう。・・誰か説明してくれませんか。

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●1週目終了

・RSNTの方針


stage 8のスタート前、チームの方針は絞りきれていなかったが、1週目を終了して、落ち着いた、ようである。

stage 7終了時には、クレーデンがこのあと力を取り戻す希望を残していたが、stage 8でもついてこられなくなったとき、切る(諦める)ことを決めた。
マイヨ・ジョーヌグループには、スベルディア、ホーナー、フランクの3人がついていくことができた。
逃げていたギャロパンを吸収して4人になり、ゴールではギャロパンのためにスプリントをした。

結果、チーム総合が、スカイを抜き、トップに立った。
これにより、「チーム総合1位」が、現実的なターゲットとして浮上した。

個人総合で3位以内の望みがなくなっても、チーム総合という方法でパリで表彰台に上がることができる。
レディオシャックは、ランスが落車して個人総合を失った2010年にそれをやった。今年も同じ発想である。

ステージ優勝は、依然、目標のひとつとして残っている。

・フランク

「トラウマの2008年」に似た思いを味わう羽目になった。
stage 6でのチームの決定(リーダーの自分を見捨てた)が大いに不満である本音を、wortのインタビューで吐き出している。

翌日stage 7では、「クレーデンはリーダーだから」、自分は彼を待って、タイムを失った。
しかし、納得できなくても、スポーティングディレクターの決定には従わなければならない、10年選手をやってきて、この世界ではそうしなければならないことを知っている。
チームメートたちは自分をリスペクトしてくれるし、チームメートたちとはうまくやっている。
そう彼は言ったという。

おおよそ想像はつく。
チームメートたちは、stage 6で、誰ひとりとしてフランクを助けにいかず、みずみす2分失わせたことに、なにがしかの蟠りを抱いたであろう。
山岳で足がなかったクレーデンを見捨てたことは正当化できても、落車に巻き込まれたフランクは事情が違う。

stage 8後
Cyclisme/Frank Schleck : "Je suis juste loyal"(Le Quotidien)
stage 9後
Fränk Schleck: „Nicht am absoluten Maximum“(wort.lu/de)
ブリュイネールのブログ

・モンフォール

stage 8の最後の1級山岳で、マイヨ・ジョーヌグループのペースアップについていかれなかった。
山頂前での50mが、ゴールで1分になってしまった、と嘆いた。

しかし、気を取り直し、翌stage 9・ITTは、スベルディアを5秒上回る、きっちりしたタイムを出し、総合順位7位をキープ。

この後の厳しい山岳では、stage 8のように置いていかれる場面が続くであろうが、頑張って下さい。

●先の話

・アンディ

Andy Schleck: vorzeitiges Saisonende?(wort.lu/de 7/9)
紹介記事:End of season for Andy Schleck?(cyclingnews)
wort.luが、アンディはシーズン終了になるかも、という記事を載せた。

「周りは判っていたけれど、口にしなかっただけ」のことだと思う。
(欠場発表会見での「ブエルタに出たい」という発言を真に受けた人もいたであろうが)
自分は先日、あっさり「1年休養ですな」と書いた。
(実は、「1年で済むのか」疑問になってきている。・・当たらないといいが)

・新チーム
Team Alpecin plant mit einem Budget von 13 bis 20 Millionen Euro(wort.lu/de 7/6)
ソースはdpaで、ドイツ語メディアだけが流した。
Alpecinが自転車チームを持つ意思を表明した(これまでは噂だった)が、来季スタートには、時間が少なすぎ、2014年になるのでは。
トレックが会合を持ったこともリークされているが、トレックはLeopard S.A.と独占契約をしている。
と、兄弟の来季の移籍先としては障害があることを伝える記事。(見出しと内容が乖離)

●ブリュイネール事件

繰り返すが、私は、ランスがどうなろうとどうでもいいのだが、この件は、「玉突きで」シュレク兄弟の来季を左右する、と思っているので、気にかける。

戦況は、本日時点までに報道されたものでは、USADAが優勢。
しかし、ランスは、「金」だけでなく、「政治力」を持っている。
政財界の多方面に人脈を持っているのが彼の強みで、「彼が名誉を失うことが都合がよくない勢力」の力を使えれば戦況は判らないのではないか。と、全く安心できない。

そして、それよりもまずいのは、UCI及び自転車界が、「全体としては」、USADA側につくことがなさそうにみえること。

コンタドール事件のときに再三書いたが、自転車界の人間は、「総体としては」ドーピングを容認している。
ちょうど、「サッカーのファウル」と同じようなもの、という感覚があるのではないだろうか。
「ルール違反の行為」だが、「みつからなければいい」し、「それもゲームのうち」で、「罪悪感は全くない」。・・とは、最近思いついた。

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最初の山岳ステージstage 7を終わって、総合1位からのタイム差は、
スベルディア 0:59
モンフォール 1:09
クレーデン 2:29
フランク 3:43

総合リーダーに設定した2人の上にアシスト2人がいるという「チームとしては困った」事態になった。
stage 5までは、チームメンバー全員が同じ目標に向かい、喜怒が一致して、いい雰囲気で過ごしてこられたと思うが、その幸せな日々はstage 6でフランクが落車に巻き込まれたときに終わった。
今のRSNTには、満足して幸せな人と、そうでない人の両極が、同居している。

●stage6で、フランクがタイムを失った件

遅れたのは彼とポポヴィッチの2人だけで、残り7人は無事だったので、リアルタイムで私は、「チームメートたちから離れた位置にいたのか?」と疑った。

記事を読み歩き、そうではなかったことを確認した。
彼は、チームのメンバーと一緒にいた。
トレインの中でのポジションが後ろの方ではあるが、一人でいたのではなかった。
そしてモンフォールが、彼の護衛についていた。
これは、Demolとモンフォールの発言で確認できる。

モンフォールは、フランクの護衛役の自分を「ガーディアン・エンジェル(守護天使)」とインタビューで語り、第6ステージ後、「フランクは自分のそばにいた」とブログに記している。

フォイクトは、クラッシュが起きたとき、自分は前から9番目にいた、ファビアンは、クラッシュの原因を作った当人・ヴィガノが、隣にいたと発言した。
以上を合わせると、RSNT及びフランクの位置取りが明らかに誤っていた、とはいえないだろう。

しかし、昨年のLTでは、プロトンのスピードが上がり危険があると判断する局面では、レースの序盤・終盤問わず、アンディは、護衛(オグレディ)と共に、前方からのカメラバイクに映るくらい前の位置に上がっていた。
あの「やりすぎ」にみえたほどの「徹底した危険回避行動」を、もしも今年のフランクがとっていたら、今回の落車を避けることができた、と思う。
「本気で」マイヨ・ジョーヌを狙っていないフランクは、それをしなかった。

思い出せば、彼は、2010年にも、同じ失敗をしている。
第3ステージのパヴェで落車してTdFを失ったのは、危険回避行動をアンディはパーフェクトにしたのに対し、彼は、ほんの少し欠けたことが、原因だ。

その後、チームメートが誰もフランクを助けに下がらなかったことについては、意見が色々ある。
後日に判る情報があると思うが、現時点での情報で少し書く。

方針を決めたのはギャロパンとDemolで、彼らが「フランクを捨てる」ことを決めたことに、自分は「特別の理由」は見出さない。

ギャロパンの説明は、理が通っている。
ひとつ。チームは、最初から、総合リーダーとして、フランク以外にもうひとり、クレーデンを設定していた。
ひとつ。ギャップを回復するには、残り距離が短かかった。

2010年第2ステージをなぜ再現しなかったのか、という問いは、どうやらファビアンも受けたらしい。
しかし、あのときとは条件が違うことは、明らかだ。
あのときは、
1.2人のリーダーが、2人とも、遅れた
2.他チームのリーダーたちのほとんども遅れ、前のグループを牽く意欲のあったチームは1チームしかなく、リーダーたち全員を救済する合意が、チーム間で成立した

むしろ私は、2009年第3ステージで、ランスとファビアンが入った前方集団を、サクソバンクの残りのメンバーがパニック状態になって追ったが、おいつかなかったときを連想する。
総合を考えれば、ファビアンはシュレク兄弟のいる集団に下がって牽いた方がいいはずだが、リースがその指示をしなかったのは、「彼が下がって牽くには、遅すぎる」という判断だったらしい。

もし、今年、アンディが出場していて、後方に残されたのがアンディであったら、チームは、ファビアン一人を残して全員を下げ、アンディを迎えに行く指示を出したと思う。
しかし、フランクはアンディではない。

今年のRSNTのチーム方針では、今回のケースでフランクを切り捨てたのは自明だった。
その証拠に、私は中継を見ている最中、誰も助けに降りてこないのを、全く不思議に感じなかった。

そして、フランクを捨ててクレーデンにシフトした彼らの決定は、自分の首を絞めることになるんだろうなあ、と思った。
クレーデンに、フランク以上の総合順位を狙う力がある、とみなせる材料(根拠)が、何もないからである。今季のここまでの彼を見て、そう判断している。
明日の山岳初日に、早々に遅れる可能性は低くない、と思った。

●stage 7

予想的中で、クレーデンは早々に遅れた。

彼には、ホーナーとフランクが、アシスト役についていた。
残り2.9kmあたりで、クレーデンが、自分はきつい、足のあるフランクは先にいけ、と、送り出した。
ホーナーが、最後まで彼につく役を引き受けた。

・・という説明は書いていないが、クレーデンが、2人の名をあげて、サポートの感謝をツイートで書いているので、そうだと思う。

スベルディアとモンフォールは、アシスト役を命じられておらず、リーダーを置いて先に行った。
その結果が、2人が上位でゴールし、フランクは、おいつくことができずに、彼らの後ろでゴールした。

クレーデンのアシストを命じられていなかったら、フランクは、彼らより前でゴールできた、とみるものだろう。
ウィギンスたちにどこまでついていかれたかは、やってみなかったから不明にせよ。

スベルディアは、ドーフィネからの好調を維持しているようだし、モンフォールは、いつもの力を発揮した。
しかし、この2人は、トップクラスの登坂力は持っていないから、この先の超級山岳で、大差をつけられることを予想しておくものだ。

登坂力が最も高いフランクが、前日落車で2分失い、TTでも失うことが判っていて、TT力がフランクより上のクレーデンが山岳初日に2分遅れては、明日から誰をリーダーにすればいいのやら。

といっても、その問題は、チーム側の課題にすぎない。
チーム内には、stage 7が「よい日」だった選手もいる。

モンフォールは、「いつものように」自分のペースで登り、結果に満足した、と記した。
この先、うまくいけば、昨年のブエルタのように、ある程度の総合成績を手に入れられるだろう。
彼は、「シュレク兄弟の忠実なアシスト」役として、このチームに招かれ、その役目を果たしてきたが、今回のツールでは、自由の身になれるチャンスが巡ってきた。
(自分が彼の成功を望むのは、「地道にアシストをやってきた人が報われる」図を好ましく感じるせいであろう。これといった特徴もユーモアもない地味な人だが)

Schleck's Tour de France challenge unravels on the road to Metz(cyclingnews)
フォイクトの日記
RadioShack-Nissan down to a single card after starting 2012 Tour de France with a full hand(velonews)
Cyclisme: Une chute qui change tous les plans(Le Quotidien)

ところで、クレーデンが、RSNT公式サイトのレースレポートの記述が事実でない、と文句をツイートで書いている。
「ステージ最初の頃からすでに調子がよくなかった」とクレーデンは言った、とあるが、そんなことは言ってない、最初はよかった、最後の4kmだけだ、と。

チーム公式が、「選手本人が言っていない」台詞を言ったと書くのは普通にある。
チーム公式サイトの記述は、「大本営発表」というやつである。RSNTに限らない。サクソバンクもそうだった。
選手と親しい、選手の母国メディアが載せる発言や、本人のツイッターやブログに、チーム公式と違うことが書いてあったら、前者が選手の本音である。

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原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―
安冨 歩

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原発関連の本を色々読んできたが、これまでにない読後感。
キツネにつままれたような気分。

前書きを7ページほど読んで、ものすごく期待をした。
本文で何を書いてくれるだろう。

本文を読み始めて、内容・文章共に、「アレ?」
期待感がガタガタに崩れ始め、「いや、きっと得るものがある」と我慢して最後まで読み終わり、「なんだったんだ、この本。いや、この著者って一体」と一種呆然。


私を興奮させた前書きの記述は、日本が原発にのめりこんでいく過程は、戦前の戦争に突き進んだ過程のみならず、バブル時代の銀行の暴走に似ている、という指摘だった。

著者は、京都大学経済学部卒業後、86年から88年まで、住友銀行に勤務したそうだ。
バブル直前の「人々が集団発狂していく」すさまじさに耐えきれず、辞めて、大学院に戻った。

ああ。住友銀行。
住友が通った後にはペンペン草も生えない、といわれていた。他の銀行に比べ、格段にえげつない、と。
私は当時、不動産業界にいた。住友銀行ほどではないにしろ、狂乱のただ中にいた。
今考えればどうみてもおかしいことが、誰もおかしいと思わず、通用した時代だ。
私自身は、著者とは違い、会社の中で「神経が麻痺して、まともな思考ができなくなった」人間の一人だった。

「住友銀行で働いているような、一人ひとりはそれなりの見識を持っている(はずの)立派な社会人が、なぜ、集団になるとあんなにも愚かなことに、過労死する人を出してまで邁進する」のか。

著者は、日本社会が「暴走」を繰り返してきたことを指摘し、いかにすれば暴走から離脱できるかの問題を考えたい、と述べる。
本書で展開している「東大話法」は、その研究の中の一考察である。

「ネーミング」が目新しいし、これはこれで結構だ。
だが、私は、「どうも、近づかない方がよさそう」。

著者は、「ヒトラーとその追随者・支持者がなぜ生まれたのか」という研究に言及し、紹介をしている。
このテーマは、私自身が長く関心を抱き続けていたものだった。
著者の言及は、私の関心の対象と一致している。しかし肝心な部分でズレがある。

著者の引用した沖縄戦死者の遺書を、私は、著者と同じように解釈する。
そして私は、「特攻」の話を読む度に、「自分が日本人であること」が嫌になる。
「特攻の存在を許した日本人」を嫌悪する。
特攻ほど、自分が日本人であることを憎いと思わせるものはない。

かくのごとく、私は「暴走する日本人」に深い嫌悪を抱いているが、著者のように、「日本社会が暴走をしなくなる」希望を持っていない。
過去、「同じことを、繰り返している」のだから、これは性というもので、どうしようもあるまい。

私自身が、狂った時代の中に置かれれば、巻き込まれ、自分が狂っていることに気づかず突き進む人間の一人なのである。
著者は、自分の職場の人間が狂っていると気づき、離れた。
私には、それができなかった。

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●本日も無事

落車で負傷者が続出する「いつものTdFの光景」が始まった。
RSNTは、全員無傷でゴールし、今日も目標をクリアした。
単なる運ではない。マイヨ・ジョーヌを守るため、集団前方で仕事し続けたからである。

RadioShack-Nissan plans working well at Tour de France(cyclingnews)

●来季の話

情報が段々集まる。
Schleck-Becca: Es hat mächtig gekracht(wort.lu/de)
wortが、シュレク兄弟とベッカの間での諍いの存在を、公に報じた。
ベッカのスポークスマンCarlo Rockが、兄弟は悪いアドバイスを受けている、と述べたと。
そして、現在兄弟の法律顧問をやっているAlbert Wildgenは、Leopard S.A.創立時のメンバーで、昨年会社を辞めた人物だという。
ベッカと決裂したことの証明。

まさに、2009年のアスタナ状態になってきた。
はっきりしたことは、「今季の兄弟のかつてない大乱調(絶不調)の原因は、チームマネージメントとの衝突」
アンディは、やる気をなくして、完全に「一年休養」ですな。

あらまー、であるが、しょうがないですね。
何もかも思い通りになるわけがなし、特にアンディは、プロ入り以来悪いことが何もなく過ごしてきたので。

多分、アンディは、ブリュイネールの顔を見るのも嫌で、彼に会うと具合が悪くなって、レースができなくなるんだと思う。

ブリュイネールが初めて現場に来たパリ~ニースで、彼が現地に到着するやいなや、逃げるようにあっというまに帰ってしまった。
あのとき、ン?と感じた。

ドーフィネでの落車は、意図したわけではないが(それは無理だと思う)、嫌いなやつがいて、「ここにいるのはイヤだった」のでは。
メンバーはレディオシャック組ばかり。レオパード組は全員TdSに送られ、アンディはひとりだけ、仲間から隔離されて、よそのチームに放り込まれたようなものだった。

この上、TdFで3週間、毎日顔を見続けるなんてやだ!命令きくのいや!でとんずらを決めた。
本人の耳に聞こえたら、「いや、本当に怪我して痛いんだってば!」と言うであろうが、「痛いのがウソだとは言ってません。ストレスで、痛くなるのよ。フツーに起こることです」

Voigt slår fast: Ved intet om nyt hold(sporten.dk)
前日報じられたフォイクトの発言を、新チームに行く、と解釈したBTが、即刻反応して、問いただした。
返答は当然、知らぬ存ぜぬ。
現役を来季やるかどうかもまだ決めていない。
・・これも、過去3年繰り返されている恒例の光景。

●crazy and beautiful

Hardly Serious with Jens Voigt
第3ステージを伝える日記の写真は、山岳ジャージを着たモルコフと一緒にゴールするシーンである。
逃げのスペシャリストとして名を馳せたフォイクトが、3日連続逃げ続けた元チームメートに大いに敬意を払ったことは頷ける。

最後の登りで苦しんでいた彼に追いつくと、「俺についてこい、ゴールまで一緒に行こう」と声をかけた。
そして、サクソバンク時代の昔話や、TdFがいかにcrazy and beautifulかを喋りながら、ゴールまで行った、という。

そう。TdFは美しい。
望んだものが手に入らなかったとしても、美しい。
それを伝えてくれるフォイクトの文章が好きだ。

Category :  自転車
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●平穏

今日はスプリンターチームがコントロールに参加し、RSNTの仕事量は少なくてすんだ。

フランクは、ガチガチの保護状態でないので、少し冷や冷やする。
昨日はボトル運びをしていたし、今日は集団のペースの上がっている残り13kmあたりで集団の後ろの方に一人でひらひらしていたり。
といっても、ファビアンと並んで喋っている光景は、「いつもと同じ」。
この2日間、チームの「人員配置」に神経を尖らせ、注視していたが、解除してよさそう。

Horner content with new role in Tour de France(cyclingnews)
ホーナーがリーダー、という説は、どうやら「アメリカ人」たちの「願望」であったようである。
第1ステージで早々にタイムを失ったことを、「アメリカのメディア」たちはすんなりのみこまなかった模様。
今回の自分の役割はアシストで、リーダーはクレーデンとフランクだと、本人が明確に説明している。

●来季の話

・新チーム


New German Team Alpecin in the making?(cyclingnews)
元記事:Alpecin-Pläne sorgen für Wirbel: Was ist dran?(de.eurosport)
具体的な話がボロボロ漏れてきた。

フォイクト「具体的なオファーはまだ貰っていない。でも、火のない所に煙は立たないさ。多分、選手として1年、その後マネージメントに、というオファーをくれるんじゃないかな」
・・示唆どころでない。

Schleck hopeful on Tour rebound, says he’ll honor his RadioShack contract(velonews)
Andersen denies rumours that he will move from RadioShack to new German team with Schleck brothers (velonation)
フランクは、オウムの如く同じ返答を繰り返し、アンデルセンも否定。
BTによれば、アンデルセンも、RSNTとの来季の契約があるという。
契約期間の残っている人に聞いても、聞くだけ無駄。契約のない人に聞いて下さい。

・ドーピング事件

RSNTとの契約の残っているメンバーがすんなり離脱できるかに大いに関わっているのが、ブリュイネールのドーピング事件である。
現在の自分にとっては、はっきりいって、ランスはどうでもよい。
彼は既に、自転車RRでの仕事を終えていて、無関係だ。

現在進行形で関わっているのが、ブリュイネール。
過去、チームの指揮官として、チームぐるみのドーピングを行っていたという罪状は、選手個人のドーピングとは意味が違う。
そして、「みんなで赤信号を渡っていた7連覇時代」だけではなく、ついこのあいだの2009~2010年も続けていた、となれば、「過ぎたことだから、どうでもいい」ですませられるか。

それとも、最終の決着がつくまでは、雇い主もスポンサーも無罪扱いをして、自由に活動できる?
今後、彼の自転車RR界での立場がどうなるのか。この点が、自分にはまだ把握できない。

USADA has right to ban Bruyneel worldwide, McQuaid says(cyclingnews)
UCI has no plans to suspend Bruyneel or RadioShack Nissan doctor Petro Celaya(velonation)

Category :  自転車
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●デジャ・ヴ

RSNTの本日の目標は、
1.マイヨ・ジョーヌのキープ
2.GC要員の2人、フランクとクレーデンを守る

第1ステージのコースは、アルデンヌクラシックのようなアップダウンが続く。RSNTが、ほぼ丸一日、レースをコントロールした。
他のチームは協力しなかった。リクイガスに要請したが断られた。
働いたのは、フォイクトとポポヴィッチの2人。

終盤にレースが動き出したとき、ファビアンの傍について守る選手はいなかった。「自分でどうにかして下さい。宜しくお願いします」状態。
残り20km付近で起こった2つの事故(モンフォールが落車に巻き込まれてバイクが壊れ、ギャロパンがパンクして、プロトンから遅れた)のせいではなく、今日のチームのプランでは、ファビアンはアタックする予定がなかった。

ファビアンは、自分の力でマイヨ・ジョーヌを守り、2人のエースは、無事にゴールした。
フランクは、登りで一度遅れ、ホーナーが待って、先頭集団に復帰させた。ホーナー自身は、遅れてゴールした。

Horner helps Schleck avoid losing time in Seraing(cyclingnews)
Fränk Schleck: "Je me suis mis en confiance"(wort.lu/fr)
La "Cancellara dépendance"(wort.lu/fr)
Fränk Schleck: „Ein guter Tag für uns“(wort.lu/de)
Cyclisme: Ils sont pas beaux ces RadioShack?(Le Quotidien)

●モンフォールの家族

RSNTのツールメンバーの中に、ベルギーがホームである選手が一人いる。
モンフォールのサポーターは、プレゼンテーションやプロローグに足を運び声援を送ったが、ファンクラブは、第1ステージの日、ミーティングをコースの途中で開き、彼がやって来るのを待っていた。
中継ではちゃんと見えなかったご家族をしっかりレポートした地元TV局の映像
「アレ!パパ!」と可愛い声をあげるお嬢さん。

昨年のTdFでは、ファビアンが料理したときの食事に家族を連れてきていたモンフォール。
そのとき私の書いた文章が、「モンフォールの坊やはとても可愛い

・・可愛いわけです。女の子だったのだから。

男の子だと私が判断した理由は2つあった。
・生まれてまもなく、レオパードのジャージのデザインの服を着せ、帽子を被せた写真を、ツイッターのアイコンにずっと使っていた。

赤ん坊にあわせた、小さな帽子。ミニチュアをわざわざ作って着せたのか、と目を引いた。
帽子を目深に被せていたので、顔は見えない。見えても、赤ん坊だと性別の判別はできなかったにせよ。
ジャージはともかく、帽子を被せるというのは、女の子ではなく、男の子では?と思った。

・モンフォールの子供の頃の写真の中に、おかっぱの金髪の、よく似た写真があった。
「まあ、パパと瓜二つ」
で、男の子と思ったのだった。

名前が判れば間違えなかったが、彼は、写真は載せたが、名前を記したり、話題にすることをしなかった。それで、間違いをなかなか訂正できなかった。

Category :  自転車
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●Prologue

・ファビアン


8年前、同じ場所・リエージュでのプロローグで勝った23才のファビアンを見たときを、覚えている。
若々しく、美しい顔を持つ人だ、と思った。

今日の勝利を、信じてはいなかった。
「彼が勝つのが当たり前」だった時期があったけれども、それから随分時間が経った気がする。
決して「当たり前」ではない。

・写真から

各国メディアがズケズケ悪い評判を書きまくっている最中に堂々と会場に現れているベッカ
今更ではあるが、チーム内での選手の呼称
PoPo, JENS, TONY, HAIMAR, KLODI, CHRIS, MAX, FRANK, FABIAN

●J SPORTS presents ツール・ド・フランス2012スペシャルトークショー

6/29夜に開催されたイベント。
ustream中継の録画を見た。
ゲストの土井さんが、RSNTに関して興味深い発言をしている。(00:58~)

・レース会場で傍から見ても、RSNTの選手たちは派閥に分かれている。レオパードとレディオシャック。
・白戸さんの「アンディは、ほんとに折れてるんですか?」に、翌日登れていたから、折れてはいないと思う。プロトンの中でも、そういう話が流れている。

プロトンの一員で、ドーフィネを走った自身の経験からの話は貴重だ。
RSNTのチーム内分裂状態は、プロトンではずっと噂されていたのではないか。

但し、土井さんの話は、うのみにしない方がいい箇所もある。

カンチェラーラは、どちらの派か判らないかんじで、みんなと仲良くやっている、と言ったが、レーススケジュールを確認すると、土井さんは、今季、ファビアンと同じレースには1回も出場していない。
土井さんのブログと、RSNTのリザルトページをつき合わせると、そう。(間違っていたら、ご指摘下さい)

だから、直接見ての話ではない、と思う。
ファビアンがレディオシャック勢とも仲良くやってきたことに道理はある。
彼は、「春のクラシックレースのために、ブリュイネールが構築した、彼をリーダーとするグループ」(私は「カンチェラーラ班」もしくは「クラシック班」と呼んだ)を持っていて、このグループの選手(彼のアシスト部隊)は、旧レディオシャック勢が多かった。
そのため、好きでないから仲良くしない、という贅沢な真似はできなかった、という推測ができる。

「アンディの彼女の誕生日がドーフィネの最終日だから帰った、と言ってる選手もいる」
ドーフィネ最終日が誕生日だったのは、アンディ本人である。彼女も同じとか?
という点は置いても、アンディの負傷はたいしたレベルでない、という憶測がプロトンの一部にある、という話を聞けたのは面白い。

かくいう私も、欠場発表記者会見の当日、「仮病じゃない?」と疑った一人だ。

「サボリ説」は、翌日撤回し、そのままにしてあるが、負傷の度合いが深刻でない可能性は大いにある、と思っている。
レントゲンで、骨折は確認されなかった。MRIで、出血が認められ、これは骨折していることを示している、と医師は説明したが、「100%骨折しているとは限らず、していない可能性もあるんじゃないの?」

診断と説明をしたのは、アンディの「パーソナルの」医師だった。
であれば、いくらでも依頼主の望む診断を語れる。
MRIの画像の意味は、素人には判らない。専門家が見たら怪しいなら、「今週撮ったアンディの写真」を持ってくる必要はない。それらしき写真を調達してくればすむ話だろう。

事実はまだ闇の中だが、彼が「TdFをほっぽる」可能性はあるよね、という見方が、私に限らずプロトンでもある、と受け取っておく。

栗村氏が、ホーナーがエース、と「デタラメ」をJスポ実況でも喋っていて、どこで読んだのやらと思うが、見当たるのはcyclingtimeの記事くらい。

Category :  展覧会
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■マウリッツハイス美術館展(東京都美術館)

今年度集客NO.1候補の展覧会が、本日(6/30)スタート。
混雑回避のため、「初日昼過ぎ」を狙って訪問。
作戦が当たり、混雑は、全く気にならないレベルだった。

友人共々満喫した展示内容に関しては省略。他の点を記す。

・動線の問題点

改修前の東京都美術館の企画展示室の最大の難点が、「動線の悪さ」であった。
この問題点がどう解決されたかに、自分は注目していた。
どうだったか。

会場内で、私が動線に関して話をした係員、延べ5人。

企画展示室は、地下1階~地上2階の3層から成る。地下1階が入口で、上層へ誘う順路。
2階まで見終わり、下階の展示を再度見るため、戻ろうとしたが、見回しても、ルートがすぐには判らない。

係員に尋ねると、通してくれたのが、曇りガラスのドア。
開けると、下りのエスカレーターのホール。
でも、仕切りのテープが張ってある。それを一時的に開けて、どうぞという。
正規ルートではない?妙に思ったが、通してくれるから、はい、と通る。

ところが、その後、もう一度、同じ所を通ろうとすると、先程とは別の係員から、制された。

先程通してもらったのだが?と押し問答をしていると、3人目の係員がやってくる。
事情を説明すると、通って結構です、と了解。
しかし、さっき通してもらったと此方が言ったから、という感もある。

その後、もう一箇所、展示室と下りエスカレーターのあるホールとの間にあるドアの前に立っている係員に、「このドアは出入りをしてもいいのでしょうか?」と尋ねると、返答が、わかりにくい。

トイレに行くという事情のある人はお通しする、という。
自分の用事は、トイレではない。
「通りたいときには、通っていいんですか?」
「事情のある方はお通しするということです」

話を整理すると、どうも、「原則的に、3フロア間を自由に行き来できるルートは作っていない」ということになる。

「最後まで見て、もう一度下階の展示を見たい場合の原則のルート」は、「エスカレーターで2フロア下の地下1階まで降り、退場動線と入場動線とが隣接している箇所で、係員に声を掛け、仕切りテープを開けて、会場内に入れてもらう」。

3フロアをつなぐルートは、実は、エスカレーター以外に、物理的に、存在する。
それも、エスカレーターホールに出ず、展示室の内部に、2つ。
階段と、エレベーター。

しかし、階段室のドアには、「関係者以外使用禁止」の表示が張ってある。

エレベーターには、車椅子のマークが大きく表示されている。
一般客利用禁止との表示はないが、係員は、下のフロアに降りたいと言った自分に対して、使用していいという案内をしなかった。
車椅子が優先なので、という説明をする。

展示を最後まで見た後、ルートを逆に戻って見る客は、全体の一部であることは間違いない。
しかし、存在する。
自分の知る限りの展覧会場は、自由に行ったり来たりでき、できない所は、思い出さない。

ここも、行ったり来たりできないわけではなく、係員に声を掛ければ、通してくれるので、それでいいという意見もあるであろう。
しかし、自由気侭に見て回りたい身としては、不満を感じる。
私は、今日、計4回、関門を通った。

解決方法として簡単なのは、階段を使用可にすることではないか、と思う。
エレベーターを使わせろとは言わない。階段で十分である。
改修前は、階段を上がったり降りたりしていた。
階段を使用させることには、不都合があるのだろうか。

私の今日の経験は、改修後、最初の企画展の初日であったこと、に原因がある可能性が十分あると思う。
大量集客を予想しているので、混乱を避けるため、客を一定の方向に流し、逆らう流れを歓迎しない意図もあるかもしれない。

・グッズの販売

会場出口の先に、関連グッズを販売するショップが設置されている。
友人は、「本のしおり」を欲しい、と探したが、端から端まで探しても、みつからない。

Bunkamuraでの展覧会の方が、魅力的なステーショナリー系のグッズが充実していた、とは、友人と共通の感想だった。

奇をてらったものはあった。
「あれ何?・・ようかん?・・とらやの羊羹だわ」
「とらや?」
青色のラインの入った特製ようかん。

ポストカードを見ていると、「真珠の耳飾りの少女」のカードが、複数種類ある。
店の中を見回っているショップの方が、たまたま立ち寄り、部分だけの一枚を指して、「これは、原寸大です」と我々に説明。

なにげなしに眺めていた私は、「え?原寸大?」と興味を引かれた。
友人は、「原寸大」という理由で、買うという。

私はショップの方に向かい、「原寸大、という説明をつけるといいですよ。売れますよ」
「あ、そうですか」
(もし、この先、表示がされたら、私の発言のせいです)

グッズに関する本題はこの先である。

企画展会場の外、建物出口の近くに、美術館常設のショップがある。
そちらへ向かうと、「真珠の耳飾りの少女」等フェルメールのグッズが複数置いてある。
それも、企画展会場には置いていなかった商品が多数。
3Dメガネとか消しゴムセットとかミラーとか色々あるわあるわ。被っていない。

探索していると、友人が欲しがっていた、本のしおりを発見した。
「しおり、あるよ~」
「ここに来てよかったわ。欲しかったのよね。来なかったら買えないところだった」

混雑していた企画展のショップと異なり、こちらは、人はまばらである。

「企画展のショップとは別の商品を置いているなら、こちらにもあると案内表示をして誘導すればいいのに。売れるわよ」