南の国の太陽、空の色の獅子

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●記者会見

メディアの国籍によって伝えるニュアンスが違うので、多数を読むべし。
スパのホテルにて。出席者は、フランク、ファビアン、クレーデン、ホーナー、ディレクター2人。
質問のほとんどはフランクに集中。

Cyclisme/ Frank Schleck : "Au fil des semaines, ça risque d'être long"(Le Quotidien)
・・これが一番長く、判りやすい。
Fränk Schleck: „Ich weiß nicht, wo ich stehe“
(Luxemburger Wort)
Fränk Schleck: «Aucune idée de ce qui va se passer dans la troisième semaine»(Luxemburger Wort)
Frank Schleck nimmt Führungsrolle an(Tageblatt)
RadioShack-Nissan kämpft gegen die Rückschläge(radsport-news)
Frank Schleck as 2012 Tour de France looms: ‘The goal always has to be to win’(velonews)

ルクスメディアたちの調子は一様。フランクがリーダーの役割を引き受けた、と報じている。
自明であったとはいえ、本人の口からちゃんと聞きたい、と確認。

「僕は、TdFのリーダーになりたくないと言ったことはないと言いたい。僕が言いたかったのは、責任を取れるだけの理想的な準備をしていなかった、という意味だよ」
「僕らは、TdFで勝利を目指すためにここにいるし、最善を尽くす。僕ひとりが責任を負う選手じゃない。ファビアン、アンドレアス、クリスもいる」

「最後に、来年、アンデルセン、アンディとドイツのチームに行くという噂については?」
「噂だよ。知っての通り、アンディと僕は、契約があと2年ある」
・・チーム公式記者会見だから、当然、この答弁。

ファビアンは、五輪が最優先でTdFの最後まではいない、と公言したという報道(毎度のBlick)を否定し、ベストを尽くす、2008年と同じ、と返答した、とか。
・・これも、チーム公式記者会見だから、当然。
Cancellara - der Tourist bei der Tour(Luxemburger Wort)

RTL・・映像付。雰囲気が伝わる。
チームの状況は非常にシビア(というか事実上崩壊)なのだが、動じないベテランたちの図太い感じが。
写真

●給料不払い問題

RadioShack-Nissan riders complain to UCI over non-payment of salaries(velonation 6/28)

Blickが書いたRSNTの給料不払い(遅延)問題をUCIに確認した結果の記事をradsport-news.comが書き、それをvelonationが解説している。

自分は、元記事から追っていて、解釈を保留にしていた。
Blickは、扇情的な週刊誌のノリの媒体なので、他で裏を取れるまで待った。radsport-news.comが裏を取ってくれたが、読解に迷ったので、velonationの記事は有り難い。

5月に3人の選手が給料不払いを訴えたことは事実。但し、UCIは詳細を明らかにしなかったので、どの程度深刻な問題かは不明。

似た事件は、2009年アスタナで起こった。というvelonationの解説に、「あー、あったあった。言われるまで忘れていた」。
給料が支払われず、ランスが、アスタナのロゴが薄くなったジャージで走っていた。
あのときもゴタゴタの極みで、チームは存続が危ぶまれ、コンタドールは出て行きたがった。でも、彼は契約が残っていて、残留せざるをえなかった。(・・アレ?今のRSNTも、エースが長期契約・・)

そういうぐちゃぐちゃ状態でも、アスタナは、TdFに圧勝した。表彰台独占を本気で狙ったくらいダントツに強かった。
でも、今、USADAが、ブリュイネールとランスは、2009年もドーピングをやっていたと告発していて、もし認められたら、2009年の戦績はパア?
・・大混迷のアスタナの連想が、RSNTの将来の予想の役に立つのか、わからなくなってきた・・

●ゼッケンナンバー

11 SCHLECK Frank
12 CANCELLARA Fabian
13 GALLOPIN Tony
14 HORNER Christopher
15 KLÖDEN Andreas
16 MONFORT Maxime
17 POPOVYCH Yaroslav
18 VOIGT Jens
19 ZUBELDIA AGIRRE Haimar

●アンディ

Andy Schleck mit Freundin im Zirkus Roncalli
昨夜、GFとサーカスを見にでかけたところをパパラッチされている。

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●ノーコメント

「ジロの件、次にランスのドーピング問題。貴方はRSNTに不満で、新チームへ行くという噂があるが、これについては?」
"I can not say."
Fränk Schleck: 'Ik kan niet met de toppers meestrijden' (Het Nieuwsblad 6/27)

自分は、cyclingnewsの引用記事を先に読んだ。
cyclingnewsがHet Nieuwsbladを引用して記事を作るとき、原文を忠実に翻訳するケースが続いていたので、今回もそうだろう、と元記事をすぐ確認にいかず、後回しにしたら、そういうときに限って、「おい、違うじゃねーか」。

Het Nieuwsbladが最後に置いた上記のやりとりを、cyclingnewは、引用しなかった。
ブリュイネールとの問題は今はない、という発言で記事を終わらせ、あたかもブリュイネールとの不和と新チームの噂を否定したかのように伝えているのである。

元記事は、フランクが新チームの噂について「言えない」と返答したことで記事を結び、「インタビューの全文は、27日の本紙をお読み下さい」
・・ベルギーにいたら、買いにいきますわな。

2週間前は、「契約がある」の公式発言で逃げていた(アンディ)。
そうせず、ノーコメントというのは、噂を認めたと受けとられてもいい、ということである。
まだ、本人たちは、公式には何も喋れないので、ここまで。そのうち、本人以外から話が漏れてくるだろうと思う。

フグルサングは毎度、口が軽く、他のメンバーがきちんと黙っているときに、ひとりペラペラ喋る。
ブリュイネールが、自分にポイントを稼がせないよう、レースに出さない、という愚痴を、メディアたちは、サクソバンクに移籍するとか、UCIのルールの是非という話題にまで広げている。
私の思うには、これは、とりたてて取り上げる(珍しい)ケースではない。選手がボスと揉めたら、出たいレースに出してもらえないのは普通に起こるし、あからさまな揉めごとがなくても、何等かの事情で冷遇されることは起こる。

●フランクの思い

フランクの本音について、自分の意見を書く。

フランクは、Het Nieuwsbladのインタビューで、「TdFのキャプテンは御免」発言を繰り返した。
これが最初に報じられたのは、TdSが終わった直後のインタビューだったので、もしかしたら、まだアドレナリンが出ている状態で、冷静な頭ではなかったかもしれないし、時間を置いて、と思っていた。

私は、読んだ最初から、これは「ブリュイネールに対するあてつけ」だ、と思った。

そう受けとらなかった人に、説明を書く。

一度、諸々を「まっさら」にして、昨年以前を、思い出してほしい。
フランクが、これまで、TdFに、どういう態度で臨んできたか。
TdFで、どう戦い、何があったか。
昨年、何位だったか。

彼にとって、TdFは、最も大事なレースだ。
TdFの総合優勝が、彼の夢だ。
2008年、彼は、纏っていたマイヨ・ジョーヌを、ラルプ・デュエズで失った。それも、他チームの選手ではなく、「チームメート」に奪われた。

周りが何を言おうが、人から夢を奪うことはできぬ。
昨年、アンディと表彰台に上がった彼は、これからも、アンディと一緒に夢を追うつもりでいた。
そうだと思う。

アンディが負傷で出場を断念するという緊急事態に面したとき、「自分もやる気ありません」となるか。
昨年の彼であれば、アンディが離脱したら、落胆し悲しみつつ、一人でも頑張る、と言っただろう。
2010年のアンディがしたように。
そしてアンディは、先日のTdSでしたように、"Go Bro GO GO GO"と兄へ応援を送っただろう。

今回、彼は、「キャプテンをやりたくない」理由を、何だと言ったか。
ジロからずっとレースに出て、コンディションは今がピークで、TdFの3週間もたせるのは無理。やる前から予想できる。結果が悪くて、批判されるのはいや。

この言い分を、理は通っている、と抵抗なく飲み込み、「じゃあ誰がキャプテンをやるのか」と書くのは、「フランクについての情報を何も持たない」人であろう。

文字面では、誰かを攻撃(批判)してはいない。
しかし、ほんのちょっと考えれば、わかる。

TdFでトップコンディションを維持できないレーススケジュールを、彼に強いたのは誰か。
・・レーススケジュールを決めるのは選手(フランク)ではない。

予定されていたスケジュールを変更し、コンディション調整ができなかった状態で一生懸命頑張ったのに、結果を出せなかったと彼を批判したのは誰か。

答は明白だ。
ブリュイネールである。

「TdFのキャプテンは御免」発言は、名指しはしなくとも、メディアを使って、ブリュイネールに伝えたもの、と私は解釈する。

アンディの欠場とブリュイネールのドーピング事件が報じられた後、このときまでの間に、ブリュイネールと彼が会話をしたかといったら、していない可能性が高いと思う。

ブリュイネールは、メディアに向かって、彼のジロのリタイアを批判した。その「お返し」である。

フランクは、「本当は」どうしたかったか。

TdFにコンディションを合わせたかった。

ジロの急遽出場の可能性がメディアで報じられたとき、「何も聞いていない。僕はこれからアンディと一緒にシエラネバダにトレーニングへ行くんだ」と言った。

フランクにとって、ジロは、価値がない。
ジロを目指す選手には申し訳ない言い方だが、自転車RR界では、選手たちはそれぞれ、価値を認めるレースが違う。その多様性が認められた世界だ。

でも、ボスの命令には、従うほかなかった。

ブリュイネールは、アンディの負傷欠場発表の日まで、フランクに対して、TdF出場を約束していない。キャプテンも約束していない。

だから、フランクの「TdFのキャプテンになりたくない」発言を読んだとき、私は、「えーと、ブリュイネールは、まだ、貴方に向かって、キャプテンの指名はしてないでしょう?諸々の状況からして。
だけど、そうするしかないことが明らかなので、『さんざん苛めておいて、僕が喜んで受けるとでも?僕は、自分の戦績はどうでもいいんだもんね。クレーデンにやらせればいいでしょ』とあてつけを言ってる、という解釈でいいのかな?」

最終的な落としどころは、「クレーデンと2人リーダー」で、これはフォイクトが早々に書いたので、彼等グループの共通認識だった、と推測。
RSNT公式サイトが、クレーデンとフランクを並べた画像を掲示したので、チームが公式の方針として認めたのでは、と思っている。

「チーム」と書いたが、これが指す意味は、ブリュイネールなのか、その他なのか、RSNTの活動が現在「誰の意思」によって決められているのか、今後はどうなるのか、此方には判らない、というのが現状である。

*ブリュイネールとフランクが直接話していない、という推測の根拠。
RSNTでは、ディレクターたちが数人ずつ選手を担当し、日常のチームと選手とのコンタクトはディレクターが行う。ブリュイネールが直接選手とコンタクトする機会は少ない。
ホーナーが、TdFのプレセレクションに漏れた原因は、これがためにブリュイネールとの意思疎通に齟齬が生じたことで、直接話して、解決することができた、とホーナーは記した。
フグルサングも、TdFメンバーから漏れた決定は、アンデルセンを通して聞かされた。

これを読んだとき、アンディは誰の担当にされたのか、アンデルセンから引き離されて、ギャロパンか。うん、そうだ。
あ~、これも、今季の彼の不調の原因か。・・と思った。(おもいつきで、結論ではない)

●F1と自転車

昨日、ピレリタイヤのテストで、スパ・フランコルシャン(サーキット)に来てます、今朝はあいにく雨です、という浜島さん(フェラーリ)のツイートに、私の反応は、「RSNTのメンバー、スパ(のホテル)入りしてるんじゃない?」
探してみると、ファビアンが、チームメンバーと一緒に朝食中、「外は雨」。

モンフォールは、自宅が近いので、ホテル宿泊をしていない。トレーニングで合流し、途中で自宅に立ち寄って休憩。
クレーデンが撮った写真に写っているのは、モンフォール、フランク、フォイクト、ファビアン。
A.ギャロパンもいることから、9人全員連れ立っているのではと思うのだが、写っているのがこのメンツというのは・・?

クレーデンの立ち位置はなんなのか、ちょっと理解が難しい。
シュレクグループとけっこう馴染んでいる。
一つ思い出すと、ホーナーが、プレセレクションを外れたとき、クレーデンが自分を公然と批判する文言を書いたが、チームメートに対してする行為ではない、と逆批判した。
なるほど、この2人はそういう関係か、と此方に伝わる。


ここまで書いてアップしようとしたら、新しい記事が出ていた。
Cyclisme/Alain Gallopin: «Frank a toute notre confiance»(Le Quotidien 6/28)
現場の指揮官、A.ギャロパンが、選手各人に言及している。
フランクとクレーデンがリーダーで、表彰台が目標、と述べている。
フランクが、キャプテンになりたくないと表明したことを認めつつ、彼を信頼している、と。(チーム側がそうするしかないのは、火を見るより明らかだった)

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●TdFを前に

2010・2011年、総合優勝候補の一人としてスポットライトの中にいたアンディは、今年TdFに参加せず、所属チームRSNTは、ボスが不祥事で現場に来られないどころか、来季の体制がどうなるかも不透明。
盛り上がらないこと夥しい状況だが、TdFは、そんなことに関知せず開催されるし、RSNTの選手とスタッフは、TdFへ行く。

1年前、TdFの前に、自分は達観した文章を作っている。

人間にとって大切なことは、掲げた目標がどれだけ大きいかではないし、それを達成できるかどうかでもない。
2011/06/22 : TdFスタートまで10日


うまくいかないな、と思う折、ふと、ウェイラントの事故を思い起こす。
そうすると、多くを望まず、平穏を取り戻せる。

アンディがいなければ、現地が雨で、下りの路面が濡れていると聞くと、滑って転ぶんじゃないかとか、スプリントステージの終盤の猛烈なスピードのプロトンを見ると、クラッシュが起きないか、起こっても巻き込まれず無事にゴールできるかとか、ああだこうだの心配をせずにすむ。暢気に、TdFを楽しむことにしよう。

Voigt: "Die schmerzhaften Lektionen bleiben haften" (radsport-news.com 6/25)
フォイクトのインタビュー。
メインの話題は、15回目のTdf参加について。
ブリュイネールの不参加は当然とばかりのすげないコメント。インタビュアーはこの話題には深入りしない。

RadioShack-Nissan: Auch Gerdemann vor dem Abschied (radsport-news.com 6/26)
ゲルデマンは、今季、大きなレースにほとんど出してもらえず、TdFメンバーからも外された。「ブリュイネールがマネージングを続けるRSNT」からは出て行くことが確実とみられている。
先日浮上したドイツのスポンサーの新チームがオファーしているドイツ人選手の一人、という憶測がある。

●ベッカについて

ベッカを悪くいう向きがあるのは、生業が不透明という点のせい?と思う。
不動産というが、ルクセンブルクは小さい国で、マーケットが小さく、大きく儲けることは考え難い。どこから稼いでくるんだ?それは、チーム発足前に、Inner Ringが書いていた。
この点は自分も考えたが、「確かに正体がはっきりしないが、この国には、そういうのもありなんじゃない?」

F1チーム・ロータスのオーナー、ジェラール・ロペスとエリック・ルクスは、ベッカのビジネスパートナーだ。最初、本当か?と疑い、裏がとれたとき、自分は、呑み込めた。
ロペスたちは、ルノーからF1チームを買い、なんだかんだありつつ、今もチームを持っている。更に、どこかの自動車メーカーの買収話に時々名前が出、出てくる金額は巨額だ。

ルクセンブルクという国は、金融で立国している。別の言い方をすれば、地下で金が動いている。
だから、いまいち正体不明(グレー)にせよ金を動かせる人物がいても、不思議はないんじゃないだろうか。

生業がものづくりの超有名企業だからといって、「スポーツ界でまっとうな活動をする」とは限らない。
トヨタは、普通の人の目からみれば立派な大企業だが、「F1ファンのスタンスから見たときは」、彼等のF1での活動には、言いたいことが腐るほどあった。(罵詈雑言の限りを尽くしたこともある)

この比較は極端にしろ、ロペスとルクスとベッカのスリーショット(場所はLEOPARD TREK発足のプレゼンテーション会場)を見たときは、「な~~んか胡散臭げな雰囲気を醸し出しているおっさんたちだけど、贅沢言ってる余裕ないわ。いずこも資金に苦労してる。とにかく金がないとどうにもならない。金出してくれるんなら、ごちゃごちゃいわん」
自分は、慢性金欠病のルノーF1で、金の心配に延々付き合ってきて、その続きの感覚である。

ブリュイネールを引き入れたベッカの判断が誤りであったことは、明白になった。
私は、

「あの~~、貴方、ヨハンのことをちゃんと知ってて、その上での判断ですか・・?」とベッカに聞いてみたくなる。
・・大喧嘩が起こっても、不思議ないと私は思ってますが。(2011/9/3)


と書いたとはいえ、「絶対ダメ!!」と言い張りはしなかったから、「それみたことか」と言える「お偉い」立場ではない。
現況に対して、適切な対処を望むだけである。(もめて醜い光景が展開されることにはならないでほしいというか)

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●新チームの噂・再考

一晩経つと、前日とは別のことを思いつく。

昨年の合併時の自分の記述を読み返して、気づいたことがある。
私は、「合併の実情」がどういうものなのかをあれこれ推測していたが、正式発表の前、一旦、「レキップの記事」を信じて、「レオパードは終了する」と思いこんだ。

「レオパード・トレックは終了する」、すなわち来季継続するチームの運営母体はレディオシャックで、ルクスのチームは、解散(消滅)する。
シュレク兄弟他の主力選手複数がレディオシャックへ移籍し、ベッカは、レディオシャックに資金をある程度出す


蓋を開けたら、違っていた。

今回の話を、改めて考えてみる。
トレックが、共同スポンサーとしてドイツの企業と話をしている。というのは、「レディオシャックの代わりのスポンサーを調達している」という意味にも受け取れないか。

1年前、レオパードとレディオシャック2チームをスポンサードしていたトレックは、タイトルスポンサーを持たないレオパード(ベッカ)に、スポンサー(レディオシャック)と、ブリュイネールのマネージンググループをあてがって、1チームに整理した。
それが都合いいと思ったからだが、今、そのプロジェクトから「ブリュイネールを排除せざるをえない事情」が起こった。
ゆえに、「合併を解消」する。

ブリュイネールと繋がったスポンサー・レディオシャックは、ブリュイネールと一緒にお引取り願い、代わりに別のスポンサーをみつけて、レオパードにあてがう。
それで問題なし。

「新チームが発足」という話でなくても、上の話でも、「辻褄は合う」のである。
アンデルセンに、Dirk DemolとAlain Gallopinも加わる、という箇所も、だ。いや、実は、3人の名が並ぶとなると、上の話の方が蓋然性が高いのでは、と思った。

レキップはじめ他国メディアたちは、ベッカを気に入らないのか排除したいのか知らぬが、ベッカがチームをたたみ、兄弟が移籍する方向の話を毎度書く。
1年前、自分は彼等に騙された。

兄弟が、ブリュイネールだけでなく、ベッカとも別れたい気持ちでいる可能性は、十分想定できる。
ブリュイネールを追い出しても、もう元には戻らない、終わりなんだ、と。
そう言われたら、「はい、判ります」。

でも、逆でも(別れなくてもいい)、「判ります」。
「彼等の関係」についての情報が少なすぎるため、此方には、どちらなのか判断できない。
だから、どちらも否定せず、両方のケースを想定する。

もうひとつ指摘。
新チームの立ち上げは、「時間的に」かなり無理のある話ではないか?という疑問が浮かぶ。
シュレクグループが、仮に早くから計画していたとしても、トレックがブリュイネールを排除する決定をできるのは、先日のUSADAの処分が出てからではなかろうか。
連邦捜査局の捜査は2月に終了し、刑事事件の訴追は逃れたが、USADAからは逃れられない、という情報が入っていたとか?

●国内選手権

・ドイツRR
1.ウェーグマン
2.ゲルデマン
3.Julian Kern (Leopard Trek)
http://www.leopardtrek.lu/news/kern-takes-third-place-germany

・ブリュイネールの反応
RSNT公式サイトは戦績に見合った記事を公平に作ったが、ブリュイネールは、ファビアン(TT優勝)とディディエ(RR優勝)におめでとうツイートをしておきながら、フグルサング(TT優勝)を無視。

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(追記あり)

新チームの噂に各メディアが言及している。
いずれも他記事の引用で、独自情報を発信しているものはない。

New beginning rumoured for Schlecks on team backed by Trek and German sponsor (velonation 6/23)
噂の内容を考察している。
新チームの柱がTrekという点は、合併後、チーム名から(UCI規定で)外されたことがTrekは不満で、新しい構造のチームを望んだ、という推測が可能。
兄弟のベッカとの長期契約は、ベッカが経済的他諸問題を抱えているという最近の噂が事実であれば、解決(解消)が可能。
以上、ありえる話だという意見を述べ、いずれにしても移籍情報がオープンになるのは8月1日以降なので、ファンはそれまで待つべし、とうまくまとめている。

昨日記さなかったが、新チーム説の中には、「スポンサーがドイツの会社なので、ドイツ人選手が集められる、RSNT外のドイツ選手複数が声をかけられている」というくだりがある。
これが情報の流出元、ということは、ありえる。

2年前に立ち上げたときのLeopard Trekは、ドイツ色の濃いチームだった。ルクスのチームを名乗っても、現実にルクスの人材は兄弟以外にほとんどいないから、他国のどこか寄りになる。新チームがドイツ寄りになるのは問題ないだろう。

自分の思うところでは、「また」新チームをやる場合の一番の問題は、「マネージメント」を誰がやるのか、という点だ。記事では、アンデルセンになっているが。

ほんとかね、とまだ鵜呑みにしていないが、肯定する材料をひとつ思いつく。
1年前の合併は、「Trekが主導した」ことが、伝わっている。
その点を思い出すと、今回、プロジェクトの失敗に直面したTrekが、「事態を解決せにゃいかん」と先頭に立って動いている、ということは考えられる。

ゴタゴタして面倒だから、ほって逃げてもいいのでは、とも思ったが、合併の張本人というだけでなく、現在のコマを手放したら、そのままでいいわけではない。代わりになるトップチーム(看板になる選手)を調達しなければならず、仕事の必要があることに変わりはないのである。

しかし、である。
組んだ相手のうち、ブリュイネールはドーピング事件で「とりあえず」手を切るにしても、ベッカが経済的問題でチームを維持できないとしたら、それを把握できずに契約したトレックは、随分「甘い」企業、とみなさざるをえない。そして、次は大丈夫なんですか?という見方も出る。

ベッカが経済的問題を抱えているという話は、「チーム誕生の2年前から」、メディアは延々書き続けていた。
1年前の合併時も、金の問題だと決め付ける向きは多かった。しかし、それが事実であるかは「現時点では」まだ証明されていない。
来季、ベッカがチームを維持するかそうでないかで、ようやく事実が明確になる、と思う。(随分時間がかかったが、やっとすっきりする)

Deutscher Rennstall mit den Schlecks und Cancellara? (radsport-news.com 6/23)
ドイツメディアは、ドイツ国籍のチームが誕生するか?という点に注目する。
ミルラム消滅でドイツ国籍のプロチームが一つもなくなった後、復活が望まれていた。
他記事はどこも、ファビアンには言及していないが、ここは、Leopardがごそっと行く、という解釈をして、ファビアンも一緒、と捉えていると思われる。



追記

2013 neue Mannschaft für die Gebrüder Schleck?(Luxemburger Wort 6/24)
地元ルクスのWortも、独自情報は掴んでいない。
しかし、この記事からは、情報を流したのがレキップとDe Telegraafの2つであることが判る。

情報が2箇所から出ていて、かつ内容が具体的。
となると、この話の信憑性は高そうだ。
私は1年前、合併が報じられたときも、翌日に、信憑性が高い、と判断した。

・・仲間たちがぞろっと行けて、バラバラにならないですむなら、私はいいです。
チームとして成功するかといったら、ものすごく怪しくて、また分解するかもねと薄情なことも思うが、お膳立てしてくれる人とついてきてくれる人たちがいる限りはいいんじゃないですか。
(実際、よくぞついてくる。どうしてか?という問には、先日フォイクトが縷々綴った文章が回答になるだろう)

もし、De Telegraafの書いた通り、Dirk DemolとAlain Gallopinも来るなら、彼等とつながっている旧レディオシャックの選手もついてくるだろう。
Gallopinは、アンデルセンがリースの下でそうであったように、ブリュイネールの右腕だ。となると、現チームから「ブリュイネールを外した」形で、ごっそり動く、ということもありえる。



兄さんの目には天使に見えるかもね、の根拠。

AndyBaby

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●ブリュイネール、TdF欠席

My decision to not attend the Tour de France.
6/22夜、ブリュイネールが、自身のブログでTdF欠席をアナウンスした。

当然という見方もあるが、ちょうど1年前、ドーピング問題只中にあったコンタドールは、出場を強行した。
WADAとUCIが、スペイン車連の無罪放免の決定に異議を申し立てているという状況だった。
7ヶ月後、CASで有罪が確定し、記録抹消の憂き目にあった。
そうなる可能性が判っていながら、出場を認める人がどっちゃりいて、ブーイングを受けるのが判らないとか驚いたという台詞が公然と横行したのには、自分は開いた口が塞がらなかった。
自転車RR界は、ドーピング疑惑に「とてもとてもとてもとても寛容」なのである。
1年前のあの事例を鑑みれば、今回、欠席が確実とは言い切れなかった。

UCIやASOは、来るなという権利・権限を持っていない。決めるのは、ドーピング疑惑を抱えた人物の所属する「チーム」だ。
今回は、チームの所有者が、行かせない決定をした。
RSNT公式サイトが6/15に掲載した文面と、プレスオフィサーのリークから、そうと解釈できる。

●兄弟の去就

噂が出始めた。
L'avenir des Schleck sera-t-il en Allemagne?(L' Essentiel 6/23)
これは、レキップの掲載記事の紹介。
カチューシャとアスタナが接触してきたが、新チームの可能性がある。
スポンサーは、トレックとドイツの会社の共同。アンデルセンが加わる。

Schlecks to found new German-sponsored team in 2013? (cyclingnews.com 6/23)
こちらの元は、De Telegraaf。
大筋は上記と同じ。De Telegraafがレキップを引用したのか、別ソースなのかは不明。参加メンバーにディレクターのDirk DemolとAlain Gallopinの名が加わっている。

いずれにしても、今、少なからぬ人々が、裏で走り回っているのであろう。
(騒動の中心に存在する人物=アンディは、実務は全部人に任せて、のほほんと過ごしていて、大変なのは周り・・だと思う)

●ランスを信じるか否か

ランスはシロではない、と私に感じさせた最初のきっかけは、「彼のアシストたちが、別のチームに移籍した後、次々にドーピングで挙げられたこと」だったと思う。
ハミルトン、ランディス、ベルトラン、エラス。
1人ならスルーできる。2人でもできなくはない。それを超えると、話が違う。

ランスの下にいたときは手を染めていなかった、と考えるよりも、ランスの下にいたときは、チームが隠蔽作業を組織的に徹底して行い、管理したから、摘発から逃れられたが、今はそれができず、脇が甘いから、という解釈の方が納得できる。

もう1つ。
ランスの同時代のライバルたちのドーピングの割合の圧倒的な高さ。
「ツール・ド・ランス」の著者の指摘を再掲すると、

7連覇中、ランスが一緒にポディウムに載った選手は、合計8人。そのうち
5人(バッソ、ウルリッヒ、ルムシャス、ヴィノクロフ、ツェーレ)が、ドーピングで有罪。
2人(ペロキ、クレーデン)は、ドーピングの捜査上に上がり、最終的には無罪もしくは罪を問われず。
ドーピング疑惑に全く関わらなかったのは、1人(エスカルティン)。

ランスの時代、ツール総合上位の選手たちの大多数がドーピングをやっていたという事実は、証明済みである。
この状況で、ランスだけはやっていなかった、とみなすのが自然か。

いや、彼だけはやっていなかったんだ、と譲らない人は、今も数多くいる。
私は、「ライバルたちがみなやっている状況で、自分だけはやらない、という選択を、ランスがすることは、考え難い。彼は、あらゆる手を尽くして勝利を求めた人だ。されば、自分が明らかに不利になる選択をする理由がどこにもない」と思う。

私は、彼の自伝2冊、評伝2冊、ブリュイネールの本1冊、を読んだ。
すべて、彼を肯定・正当化する立場の本である。その上で、そう思う。

7度のF1チャンピオン・ミヒャエル・シューマッハーもまた、勝つために、ライバルたちの誰よりも努力をする人間だった。
「いつも大きな夢を抱いて、いつも望むものを手に入れてきた。そのために必要なことはなんでもやってきた」

1997年最終戦ヘレスで、彼は、ライバルに体当たりして、タイトルを獲ろうとした。
故意ではない、という彼の主張を、ファンの半分くらいが信じた。

私は、長い呻吟の末に、故意であったことと、故意の体当たりは罪であることを認定し、「自分の愛した相手が嘘つきの悪魔であること」を承知の上で、ファンをやることを選択した。
だから、ランスもまた嘘つきであるという認識にも、何等抵抗を覚えない。彼等は、同種の人間だと思う。

くるりんと現在に戻って、「あっはー、彼等と比べると、アンディは天使だなー」
あくまで比較の発想。今まで天使にみえたことはない。あ、でも、フランクの目には、天使に見えるのかな?

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●国内選手権

各国国内選手権が進行中。

・デンマーク
フグルサングがTT優勝。
彼のタイトルは2010年に次いで2度目。
リザルトを伝えるデンマークメディアたちは、これでTdFメンバーに選ばれないなんて、と不満ぶちぶち・ねちねち。

Congrats @jakob_fuglsang for his TT-championwin in Denmark.After the not selection and left home from the tour you should get a turboboost
前日に自身もTTタイトルを獲ったファビアンのツイート。

・ルクセンブルク
キルシェンが去った後は事実上無競争で、レオパード誕生後は更に加速。
兄弟はTTをパス。RR(6/24)だけ出る。
アンディが欠場するが、昨年は別チームだったディディエがチームメートに戻って味方に。

●RSNTのツール

各チームが続々ツールメンバーを発表し、抱負や方針についてのコメントを合わせて出しているところが多いが、RSNTはリストだけでコメントなし。
そりゃそうである。
このチームのツールは、「事実上、終わっている」ので。

だって、「USポスタルからランスが欠場する」ようなもの。
ブリュイネールは、RSNTで当時と同じことをしようとした。年初のチームプレゼンテーションを見て、"All for Andy”がチーム方針だ、と私は記した。(1/9

メディアと一般世間には、フランクが代わりにキャプテンになることに疑問を持たない向きもある。フランクが、「キャプテンはやりたくない。クレーデンがやればいい」と公言したことを読まなかったのか、なかったことにしているのか。

ブリュイネールは、TdFのキャプテンはアンディ一人で、前年の体制・兄弟ダブルエースにはしない、と公言した。
フランクに、TdFの準備を中断させ、突然、ジロのキャプテンを命じた。
精一杯頑張ったが、落車でやむなくリタイアしたら、たいした怪我ではないくせに、と公然と批判した。
フランクを信頼せず、貶めた。
今になって、TdFのキャプテンをやれ、と言ってきたって、知るか。
今までずっと命令に従ってきたが、いい加減にしろ。そっちの勝手ばかり言うな。
・・という腹で当然ですね。
フランクは、「ツールのキャプテンはやりたくない」の台詞を言い放つために、TdLとTdSでしっかり力をみせつけたんでしょう。

彼は「あけすけ」には言わなかったので、言外にそういう意味があるとは受け取らない人が多いみたいだけれど、ここまでの兄弟とブリュイネールの抗争の経緯を追ってきた身には、ブリュイネールに対する兄弟の大逆襲、ドッカーンと一発、にみえる。
(アンディが、欠場という、文字通りの自爆によって、「致命傷」を既に負わせたが、その後、念を入れて、更に叩きのめす)

ブリュイネールは、兄弟自身の希望を無視し、自分の方針を押しつけ、その上フランクを公然と侮辱した。そういう振る舞いをしても、兄弟は、大人しく自分に服従し、操り人形になるし、まして報復をしてくるはずはない、と思いこんでいたらしい。浅はかにも。

私の解釈が正しいかどうかは後日に判ると思うが、「ジロのリタイア後の、ブリュイネールのフランクに対する批判」は、「ものすごくまずかった」と私は思う。

シュレク兄弟にとって、「信頼」は、人間関係において非常に重要なものだと思う。
彼等は、「深い信頼と尊敬と愛情」で結ばれた人々とグループを作り、その中で暮らし、レースをしてきた。
ゆえに、「ブリュイネールがフランクを信頼しなかった」ことは、両者の関係の破綻の「決定打」になった可能性がありはすまいか。

実際に、RSNTが今年のTdFをどう戦うか、の点は、まだ不確定の可能性があると思う。
ブリュイネールが現場に来るか来ないか、現時点で確定しているのかどうか。

シュレクグループは、ブリュイネールが決めようが決めまいがに関係なく、自身の方針にある程度の目処がついている。
ファビアンは、「心おきなく」、自分の目標、五輪の準備に集中する。それができることになって、都合がよかった。

フォイクトは、あっけらかんと、「アンディとフランク」の代わりに、「フランクとクレーデン」になるのさ、それでいいでしょ、といわんばかり。
あの~、チーム(ブリュイネール)がそういう方針にしたとは、まだ聞いてませんが、貴方がそういうなら、そういうことになるんでしょうかね?

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●予想・補遺

昨日、かなり自信のあるノリで予想を書いたが、過去を振り返ると、自分はこれまで、兄弟に関しての予想を、外し続けてきたのだった
直近で、ブリュイネールとうまくいかない可能性や、今年TdFのゴールのパリへ辿り着かない、という予想が当たったので、調子に乗ったが、それ以前を忘れていた。

2010年。
新チームへの移籍説は早くから存在していたが、なかなか採用せず、リースがスポンサー問題さえ解決できれば、残留するだろうと思っていた。
2011年。
ベッカが、レディオシャックと合併という大ナタを振るうとは、思いもしなかった。

ということは、現在の残留予想も、「大外し」かも。

そのことに気づいて、改めて考えると、私の現在の予想は、「シュレク兄弟が仲間たちとバラバラにならないでほしい」という「願望」の反映、なのである。

実際には、兄弟は、リースのときと同様に、ベッカと別れたいと決心しているかもしれないし、サクソバンクから兄弟についてきた選手たちも、この2年のチームの混乱に嫌気がさし、別れる気でいるかもしれないのである。

そうと自覚したので、「自分に都合の悪い予想」を排除せず、「希望的観測」をせず、「残念な結果になったらなったで、しょうがない」という気分でいることにしたい。

(一日でコロッと変わって面目ない。・・昨日の文章に拍手を送って下さった方宛)

別の観点からの発想をひとつ。
自転車RRのチームは、簡単に生まれ、簡単に消える。
ベッカのチームも、来年消えても不思議はない。

どうもこの業界は、自分が思ったようにはいかないみたいだから、手を引きます、とベッカが店じまいを決めればそれまで。
そうすれば、兄弟は自由の身になって、どこにでも移籍できる。円満に合意できそう。

・・なんでもありの、いい加減な話になってきたが、それはありえないと決めつけない、ということで。

コンタドールの件も、無罪になるのでは?と思ったし、外すんだよなあ。
ん?「自分に都合の悪い方」を予想すると、いい方になって、「自分の都合のいい方」を予想すると、悪くなる傾向にある?
となると、ひたすら「悪い方」を予想すればいいのか?・・論理も何もない話になってきた。

●フグルサング

Fuglsang looking to leave RadioShack-Nissan over Tour de France snub (cyclingnews.com 6/21)
移籍説が報じられているが、彼は、2年前、サクソバンクを出るときも、1年前の合併騒動のときも、「キャプテンになりたい」と発言した。
同じ台詞を繰り返して、3年目。
その都度、彼にサクソバンクに残留して欲しい・戻ってきて欲しいという願望を込めて、デンマークメディアが報道し続けて、3年目。
(毎年、注意を払っている身は、忘れないのですよ)

2年前は、「ルクスチームに行ったら、何年たってもシュレク兄弟のアシストなのに」とデンマークの方々から指をさされながら、「ツールでアンディを助けたい」と、アンディについていった。(チームだけでなく住居も彼の部屋の下に)
1年前は、合併するとキャプテンの数が増えて競争が厳しくなる、他チームも検討する、と言い、マネージャーがリースと接触したと報じられながら、結局、残留。

今季、チームからジロのキャプテンを約束され、スケジュールを過ごしてきたが、ジロ直前に、膝を悪くしたと、キャプテンを降りた。
チーム側から見れば、大きなチャンスを与えたのに、その責任を果たせなかったのは、フグルサングの側である。

TdFは、シーズン前から、フグルサングのスケジュールに入っていなかった。ジロとダブルは難しい。それは本人も了解していた。
ジロを降りたからTdFに、という彼の都合だけで、TdFのメンバーは決められない。チームにはチームの都合がある、という言い分は、チーム側に立派に成り立つ。実際のブリュイネールの思惑が何であるにせよ。

ジロのドタキャンは、チームからの信頼を失い、評価を下げて当たり前、と私は思うが、この考え方はおかしいだろうか?
ドタキャンする選手に、チームは重要なレースのキャプテンを信頼して任せることはできない、と思うのだが。

実は、「事実は、表向きとは違って」、フグルサングが、ジロ前に、「膝の具合がちょっとよくないんだけど」と深く考えずに喋ったら、フランクを出場させたかったブリュイネールが、願ったりとばかりに、「君には将来がある。我々も評価している。今回は無理をしないで、止めておこうか?ツールもある。今、確実に約束はできないけど、考える」と持ちかけ、「確かにコンディションが万全でなくて、結果を求められるのは厳しいんだよな・・ツールに出してもらえるなら、その方がいいかな。アンディと一緒にツールに出たいな。アルデンヌにも出してもらえなかったし、ツールに行きたいな・・」と、ジロの辞退を了承した、なんていう話だったら、別だが。

いくらなんでも、この陰謀はないと思うが、ブリュイネールは、冬から、フランクをジロに出すプランを再三に渡り否定しなかった。
他方で、フグルサングがジロのリーダーを約束されていると言っているのに、おかしいじゃないか?とずっとひっかかっていた。
その経緯があるから、勘ぐりたくなるのである。

ジロ前にフグルサングは、指の骨折の治癒具合を伝えていたが、膝の話は全くしなかった。
ジロ辞退が報じられた前後の様子に、私は、えも言われぬ胡散臭さ、を感じた。「なんかヘンだ」と。

この件はさておき、フグルサングの移籍は、「三度目の正直」か、それとも「二度あることは三度ある」か。
蓋を開けてのお楽しみ。

記しておきたいのは、2010年初めに、シュレク兄弟が、新チームに連れて行きたい選手としてマネージングサイドに伝えたのは、「カンチェラーラ・オグレディ・フグルサング」の3人だったこと。
そして、アンディは多分、今も、フグルサングに「傍にいてほしい」と思っているであろうこと。(・・そんなの聞いてみなきゃ判らないって?そりゃそうですが)

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シュレクグループの腹は不明、と書いたが、推測できるものもある。
・フォイクト
シュレク兄弟と行動を共にする。
現役をいつまで続けるかは、毎年考え、契約を1年ずつ更新しているが、続ける場合は、シュレク兄弟と一緒にやる。
これまでの言動から、そう思って間違いないと思う。

彼は、サクソバンクを離れてルクスチームに合流した昨年、TdFでシュレク兄弟のどちらかにマイヨ・ジョーヌを着せてキャリアを終われば完璧だ、と言った。
兄弟は、長年の友人。コンタドールは友人ではないから、彼を助けてマイヨ・ジョーヌを獲らせたいという気は起こらない。
昨年TdFのラルプ・デュエズで、今年で引退することも頭にあったけれど、TdF終了後、兄弟から、4年契約してよと言われた、キャプテンからそう言われちゃ、来年もやるしかないよ、と喋った。
「今年が最後のツールだよ」の台詞は、3年くらい前から「毎年」読んでいるような。

・フグルサング
アンディについていく。
チームの待遇(ギャラやポジション)も考慮するが、基本的にはそうする可能性が高い。
理由は、アンディと同じ「野心が低い」気質で、アンディとは「一つ屋根の下で暮らしている」親友だから。
男と女の関係と同じく、仲のよさが変わるときがくれば離れるであろうが、それが変わらないうちは、アンディについていくと思う。

彼は、「TdFで、アンディ以外の選手のアシストをする意欲」はない。
他チームへ行けば、「アンディを敵に回す」ことになる。そういう立場を敢えて選択する可能性は低い。
昨年、アンディに決まったGFが出来たことで、それ以前と多少関係が変わった可能性もあるけれど、自転車の上にいる時間は彼女が入ってくるスペースはなく、以前のままだから、大丈夫か。(彼も美人のGFがいるし)

●ベッカはどうするか

ベッカの置かれた状況と、彼がどうしそうか、を少し考えてみよう。

彼が自転車RRチームを起こしたのは、自国ルクセンブルクのスター、シュレク兄弟の存在ゆえである。
「シュレク兄弟ありき」で、ブリュイネールと契約したのも、「シュレク兄弟をツールで勝たせる」ことが目的だった。

ブリュイネールは、ツール9勝の実績を持つ。その腕を見込んで、チーム運営を任せた。
が、蓋を開けると、昨年よりひどい戦績である。
さっぱり勝てない。どころか、カンチェラーラは、パリ~ルーベを負傷で棒に振った。
それでも、ツールで成功すれば、これまでの失敗はチャラにしてもいいと辛抱して待ったら、あろうことか、アンディが負傷してツールに出られないという。
ツールが始まる前に、終わってしまった。

ベッカは、「負傷続きは、運が悪かっただけ。ブリュイネールに、この事態の責任はない」とみなすだろうか。

そう想像するのは無理がある、と私は思う。
「確かに、個別の負傷は運で、仕方あるまい。しかし、リーダーたちがことごとく負傷し、チーム全体がここまでうまくいかないのは、運営に何等かの問題があると考えるのが妥当ではないか」

先日のRTLのインタビューでは、ベッカは、不満はおくびにも出さず、悠然とした態度でブリュイネールとチームを信頼している旨を述べた。
これは当然である。今、チームメンバーを動揺させることを口から出して何の得にもならない。
どう考え、何を決めたとしても、発表は、しかるべき時が来てからである。

ゆえに、私の予想は、「ベッカはブリュイネールを切る」。
これが外れるとしたら、
・ブリュイネールが、私の認識を超えた「ひとたらし」で、ベッカをまるめこむ腕があった。
・切りたくても切れない事情がある。「経済的」事情など。
・ベッカが、私が想定できる範囲から完全に外れた思考の持ち主だった。

シュレク兄弟は、ベッカと4年という異例の長期契約を結んだ。通常、長くて3年で、4年は聞かない。
長期間拘束される契約を彼等が了承したには、それなりの理由があったと思う。
彼等の国は、とてもとても小さい。この先、自国で暮らすなら、きっと両者が会わずに済ますことはできないのではないか。
されば、問題が発生したなら、解決する努力を、するのではないだろうか?

兄弟の移籍説が流れているが、ベッカとの契約解除は、本当にどうにもならなくなった最後の決断ではないだろうか。
ベッカがバカでないなら、「ブリュイネールとシュレク兄弟とがうまくやっていかれない」のであれば、選択するのは後者であって、前者ではないのでは。

実は残念にも彼は(私のみなすところの)バカであるのかもしれないけれど、希望を持って、先行きを見守ることにしたい。

補足
・ドーピング事件に触れなかったが、この件は上乗せに過ぎず、根本問題はすでに存在した、というのが私の見方。
・シュレク兄弟が現契約を解除して移籍するには、おそらく、2年×2人で、6~7億円という巨額(正確な額は不明)が必要になる。

・ブリュイネールがTdFに行かないことを自分から選択する可能性を、RSNTのプレスオフィサーPhilippe Maertensが示唆した、という報道が出ている。
Verzichtet Bruyneel auf die Tour de France? (radsport-news.com 6/19)

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●Tour de Suisse

リザルトは、総合でフランクが2位、ステージは2位3回(ファビアン2回、フランク1回)。
一時は掴めそうにみえた勝利をすべて逃し、またも一つも勝てず。

「1位以外は価値がない」という考え方にたてば、評価は「失敗」である。
他方、「シーズンの目標はこのレースとは別にあり、それに向けての途上」という考え方にたてば、必ずしも失敗とはいえない。

ファビアンは、鎖骨骨折から回復の途中である。彼のすべきことは、五輪のTTの日に最高のコンディションになっていること。

メンバーは、8人中5人が昨年のLTのツールメンバーで、コンビネーションはよかった。
最終日第9ステージで、フランクを発射するまでチームプレーはうまく機能した。

逆転を狙ったが及ばなかったことについては、超級山岳グラウベンベルクでアタックしたとき、誰もついてこず、一人きりになったことが見込み違いだった、とレース後にフランクは語った。
ゴールまで長いので、2・3人で行きたかった、思惑通りにいかなかった、と説明している。

●ツールメンバー

TdSが終了した翌日6/18夜、RSNTはツールメンバーを発表した。

Fabian Cancellara, Tony Gallopin, Chris Horner, Andreas Klöden, Maxime Monfort, Yaroslav Popovych, Fränk Schleck, Jens Voigt and Haimar Zubeldia

Directors: Alain Gallopin and Dirk Demol

ホーナーのインは、驚くことではない。
velonewsが、この件を逐次取材・報道しており、既に察せられた。
RadioShack mum on Bruyneel status; Horner might be back in Tour
Horner speaks: Olympic selection, a Tour spot and RadioShack’s woes

フォイクトは、先日のコラムで、まるで既に発表済かの如く、堂々とツール行きを書いていて、ちょっと笑えた。
彼は、TdSにもドーフィネにも出場しないことが決まった時点で、でもTdFのメンバーだ、と通知を受けていたのだろう。

唯一の予想外は、フグルサングのアウトである。
確かにシーズン当初の予定には入っていなかった。が、最近の状況からは、入ると予想していた。
ブリュイネールが外した理由は、ぱぱぱと複数思いつく。どれなのかはまだ分からない。

この1週間で、RSNTは大激震に襲われ、ツールの体制と戦略を根本から再考することを強いられた。
まず、絶対エースであったアンディの欠場。
次に、ブリュイネールのドーピング事件。

後者については、正規の決定がまだ何もされていないので、RSNTのツール参加そのものに影響はないと思われるが、選手たちへの影響が想定できる。

現在、来季の契約話が進行している時期だ。
旧レオパードの選手のうち、2013年の契約があることが判っているのは、シュレク兄弟(~2014)、ファビアン、ベンナーティ、ローレッガー(~2013)の5人。
フグルサング、モンフォール、フォイクト、ワーグナー、ゲルデマン、ポストゥーマ、はない。
ニッツォーロ、ザウグは不確か。

残留は、ブリュイネール側と選手側、両方が合意した場合のみだ。
彼等はRSNTの将来をどう踏んでいるか。

ドーピング事件の影響で考えられることのひとつは、ブリュイネールが、「彼を裏切らない選手」を留めておく努力をすること。
ツール参加を望むホーナーの発言は、「僕は裏切らないよ。味方だよ。信用していいからね」というブリュイネールへのアピールに溢れていて、これにも笑えた。(40過ぎた海千山千の方々は食えない)

USADAの指摘通り2009・2010年にもドーピングをしていたとすれば、スベルディアも抱え込まないといけない。
ディスカバリー時代からのポポヴィッチは、言うに及ばず。(ドーピング怪しさ10点満点の人)
合併時に、彼を連れてきたのは、一種の口封じでは、とは、昨年チラッと思ったこと。ランスの捜査が進行中だったので。

プレセレクションで外したホーナーをチョイスして、代わりに一人落とすとき、「事実を知る」選手たちは、保身のために外せなかったのかも。
といっても、実は、フグルサングは、一貫して、入れるつもりがなかった、ということも、ありえなくはない。

翻って、シュレクグループ(旧レオパード、具体的には、シュレク兄弟、ファビアン、フォイクト、フグルサング、アンデルセン)の腹は、まったく不明である。

ブリュイネールの件は、正式決定がまだ何もないから、表では動じずしゃらりとした顔で受け流すのが当然。
TdFを2週間後に控えて、波風は立てない。多分、TdF期間は、何もないかのように過ごす。

何等かの動きが出るとしたら、TdF終了後。
五輪も終えて、「1年前と同じように」8月末くらいになる可能性も。

2年前、サクソバンクを離脱するとき、彼等の腹は年の初めには決まっていたが、正式発表まで延々隠し続けた。
表では口が固いというかウソが上手いというか。ファビアンがリースに契約解除を伝えたのがツールマレ決戦前日の休養日だったとは、私は想像しなかった。

現在、彼等の間では、色々なことが、ものすごい勢いで検討され、交渉しているのではないか、と思う。
ブリュイネールとの不和は急に起こったものではなく、ドーピング問題の存在も分かっていたから、「突然振って湧いた事態」ではなく、検討はある程度まで進んでいたとみるものではないか。

ちなみに、シュレク兄弟は、ブリュイネールに対して不満・批判を明確には述べないが(ブリュイネールから責められたので少し反応しただけ)、彼等はこれまでもいつもそうである。
サクソバンク在籍時、リースに対する不満を口に出さなかった。表向きは、ボスに服する姿勢を保つ。
長兄スティーヴは、先日ルクスメディアのインタビューの中で、弟たちがブリュイネールとの関係で問題を持っているのは事実だ、でもブリュイネールが現在のボスだ、と、此方に解釈の幅を持たせる発言をしている。

ひとつ指摘しておくと、RSNTは、来季のプロチームライセンスを持っていない。
昨年、合併して、前年4年のライセンスを付与されたLEOPARD S.A.が継続申請をしたら、何の理由か分からぬが、交付が遅れた上に、今年1年に縮められた。

複数年を持っていても、毎年審査され、問題ありとみなされれば取り上げられるので、年数自体にさほど意味はない。
だが、「GMのブリュイネールのドーピング疑惑は、チームライセンス取得に問題ないか」という疑問が思い浮かぶ。

USADAが今回告発したのは、「ブリュイネール以下、チームぐるみのドーピング」で、レターの6人のリストの筆頭に記されているのは、ブリュイネールの名なのである。
報道がでかでか書くランスの名は、末尾、一番最後、である。

最終的には無事で済むかもしれないが、現在はどうなるか定かではない。この状況は、選手からみてリスクではないだろうか?
ポイントが足りないと書き立てられているサクソバンクとどちらが危険?

ブリュイネールは、UCIと決していい関係を保ってきてはいない。UCIルールに不満を唱え、独立リーグに参加した1チームとも言われている。
UCIは、共謀隠蔽の件だけは認められないが、それを除けばブリュイネールを庇う理由はなく、これを期にお引取りねがうのも悪くないということは?
対外的に、ドーピングまみれという自転車RR界のイメージは除きたいので、厄介者は追い払いたいとか。
それとも、共謀隠蔽の件が人質になるか?

ツールでキャプテン役はやりたくない、というフランクの発言が広まったが、真意は不明である。
ソースはTdS終了直後のインタビューで、裏にあるものを読み取ることも、一時的なもので、あまり気にしなくていいとも、解釈は定まらない。
裏の解釈は3通りほどある。(毎度、よくそんなに思いつくと自分で思うが、出てくるものは仕方ない)

インタビューの元記事
Frank Schleck: «Je pense que j'étais le plus fort»
同調するアンデルセンの発言の元記事
Dansk boss melder Fränk Schleck ud af ræset om Tour-sejr
引用記事:Schleck doesn't want captain's role at Tour de France

TdFスタート前日、6/29に、スパのHôtel de la Source(ベッカがオーナーの、チーム御用達のホテル)で記者会見を行う予定、とルクスメディアが伝えている。
ということは、昨年やったルクスでのプレゼンテーションはやらないのか?
アンディが出ないのでは優勝は狙えず景気よくないので、やらないのは納得するが、最初からその予定だったのか、留意しておく事柄のように思う。

●去就情報

Personal ambition means Posthuma wants to leave Radioshack Nissan team
ポストゥーマが、地元メディアに対して離脱の意思を口に出したと報じられた。
ドーフィネ出場予定が直前ドタキャンになった時点で察せられたこと。

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●なぜ今頃?

この話題は、読んで気持ちよくはならないので、自分も、気がすすまない。
しかも、記事が英語ばかりで日本語はないに等しいので、辛いなんてもんじゃない。冗談ぬきで苦行みたいなものだ。
そのため保有する知識・情報レベルが質量共に低いことを自覚しつつ、自分の現在の理解をメモしておく。

「なぜ今頃?」という問に対する答は、単純に言えば、「年月が経ったから」だと思う。

ランスは、現役時代、検査でただの一度もひっかからなかった。
(公式には、である。その意味は後述)
ゆえに、有罪とされなかった。

なぜ、今になって、アンチドーピング機関が有罪を認定したか、といえば、「ランスはドーピングをしていた、と証言する人間が、複数出現したから」だ。
証人がなぜ出現したかといえば、「事実を知る」チームメートの大多数が、これまでは、「黙っていることが自分の利益であった」が、年月の経過と共に、必ずしもそうでなくなった、からではないか、と思う。

「なぜ今になって?」と言われたら、「発想が逆。今になったから」
年月の経過が、人の口を塞ぐことをできなくした。

USADAのレターは、複数の選手たちが証言したことを記している。
証言したのが誰かはまだ明らかにされていない。

事件発覚後発表されたUSAのオリンピック代表メンバーに、ランスの元チームメート、ヒンカピー、ライプハイマー、ヴァンデヴェルデ、ザブリスキーが入らなかったことが、憶測を呼んでいる。

昨年、連邦捜査局に対してランスのドーピングを認める証言をしたと噂されたヒンカピーは、つい先日、今季をもって現役を引退することを発表している。

●隠蔽工作

私は、ランスを知った当初は、本人の主張を信じ、彼はクリーンだと思っていて、その後、考えを変えた人間である。
ザックリ言うと、「知識を持っていないと、騙される。知識を得て、自分の頭で考えることができるようになると、判断が変わる」

彼はシロだと自分が思った根拠の第一は、「万が一でもバレたら、失うものが大きすぎる。名声を失うリスクを負わないだろう」だった。
これは、一見、十分に論理的で、説得力があるかのようにみえる。
しかし、この理屈が正であるためには、「やったらバレる」という事実が、前提として必要だ。

自分は当初、「やったらバレるリスクがある」のだと思っていた。
検査で検出される人がいて、有罪判定されるケースがあるのだから、逆に、検出されないなら、使っていない。
そう考えるのは、間違っていないようにみえる。

事実は、「使ったら、必ず、もしくは高い確率で、検出される」のではない。
「使っても検出されないようにする(隠蔽する)方法が存在する」のである。

EPOが長く「検出する方法がなかった」ことは、明確な事実として、どこにでも書いてある。
EPOの検出技術が確立され、運用されて暫くすると、次は、血液ドーピングという手法に主流が移った。

血液ドーピングも、最初は検出できず、横行したが、他人の血液の輸血は、生化学的に検出可能なので、ヴィノクロフやハミルトンはこれで捕まった。
しかし、自己血液の輸血は、「今だに」確立された検出方法が存在しない。

先日決着をみたコンタドール事件の迷走も、根本の原因は、この点にある。というのが私の理解である。

血液ドーピングは、現在の知見では、検体の分析のみでは、実施を認定できない。

ドーピングをしたい側と禁止したい側の技術戦争では、常に、やりたい側が新たな方法をみつけ、禁止したい側が検出方法を探すいたちごっこで、常に、禁止したい側が後手に回る。

血液ドーピングが認定されるには、ドーピング行為を目撃したと証言する証人や、血液バック等の証拠が他に要る。
こういった証拠は、警察の捜査がないと、入手が難しい。

コンタドール事件では、WADAは、2010年ツールでコンタドールがドーピングするのを見たと証言する証人を入手することができなかった。
用意できた証人は、「目撃した時期が別」だったので、本件の証人としては不適、とCASに採用されなかった。

ドーピングは、巧妙・周到にカムフラージュをすれば、検査をすり抜けられる。
捕まるのは、「カムフラージュ作業でミスをして、うまくやり損ねた」、お間抜けさんたち。
お利口さんたちは、捕まるヘマはしない。
最高レベルの注意と集中力をもってすれば、みつからずに行うことが十分に可能である。

ツールで勝利を得るために払う努力・周到さ・注意力の高さは、他の誰にも負けない、「すべてにおいてあらゆる方策を尽くし、レースの当日、自分は、他の誰よりも努力してきた、と強固な自信を持てるだけのことをする」とは、ランスとブリュイネール自身が誇っていたことであった。
この勝利に対する尋常ならざる執念と努力を、ドーピング隠蔽作業にも注ぎ込めば、完遂することは可能だった、そうみなすのが理に適う、と思う。

検査で一度も陽性を出さず、「私は誰より多くの検査を受けている」という台詞でドーピングを否定し続けたマリオン・ジョーンズは、最終的に、使用を自白した。
スーパースターの地位にあり、誰より多くの検査を受け、陽性を出さずにいることが、シロの証拠にはならないことを示した、これ以上ない例である。

●UCI×USADA(・WADA)?

USADAのレターの中には、ランスは、2001年ツール・ド・スイスの検査で陽性を出したが、UCIに手を回して、揉み消すことに成功した、という記載がある。
この話は、既に1年前に、噂として出回った(日本語記事)。

USADAがこの件を明示したとなると、ランス一味のみならず、UCIが共謀して隠蔽した、という告発をしたことになる。

UCIの「お手盛り」は、コンタドール事件の際に、我々の目に止まった。
彼の検体からクレンブテロールが検出されたとき、本人だけに知らせて、他言せぬよう伝え、検出機関の地元ドイツのメディアからすっぱぬかれるまで隠していた事実が知られている。
CASへの申し立てにおいても、WADAとUCIの間には、見解に相違があった。

この事情を考えると、UCIは、USADAに組せず、ランス側につく可能性が十分ある。
しかし、USADA側の立証力が強力であれば、CASで負ける危険がある。

今後の展開は、「USADAの証人は誰で、名を出して表で証言するのがどれだけいるか?」及び「USADAの本気度と能力」次第ではないだろうか。
と、今のところ考えている。

●再度の参考図書の紹介

ラフ・ライド―アベレージレーサーのツール・ド・フランスラフ・ライド―アベレージレーサーのツール・ド・フランス
ポール・キメイジ 大坪 真子

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ランスの告発に精力を傾け、ランスの天敵といわれてきたキメイジの著作。
もし本件を勝利したら、ぜひまとめて本を出して貰いたい。といっても日本語訳は出ないか・・

総合ディレクターツールを語る総合ディレクターツールを語る
ジャン=マリ・ルブラン クリストフ・プノー 三田 文英

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2009年に書いた自分の感想
ツール・ド・ランスツール・ド・ランス
ビル・ストリックランド 白戸太朗

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本書の中には、ランスとブリュイネールは、発見されないドーピングの研究に励んでいた、というくだりが「さらっと」紛れ込んでいた。原書ではどういう文章なのだろう?と首を傾げたもの。

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滅多にやらぬが、全文を引き写す。
理由は、他サイト掲載の文章は、いずれ消えてしまうから。
とっておきたいと思った一文。


Hardly Serious with Jens Voigt
June 16th, 2012

Pure Class

The Tour de France won’t be the same without Andy Schleck. Not even close.

By Jens Voigt

This week Andy Schleck, my longtime team leader, announced he wouldn’t ride the Tour de France because of injuries sustained in a crash at the Dauphiné. I’ve been asked what it’s like to lose my leader and what it means for my RadioShack team.

But my very first thought was, “What the hell! Forget about losing our leader! I only care about Andy—my friend.”

I’ll just plain miss Andy, for being Andy.

I’ll miss Andy, the man who went ballistic on the stage up the Galibier in last year’s Tour. We talked about that attack before the stage, and he agreed to it, knowing full well that if he failed the fans and the media would butcher him for making such a “stupid” move.

But he straightened his back, took responsibility like a true champ, and went along with our beautiful and risky plan. And he went out there and ignited the fireworks.

I love Andy’s devil-may-care attitude.

I’ll miss the man who, after his dropping chain and then was attacked by Contador, got back on his bike and chased all alone. And after the stage, when the press asked him about what happened, he said not one bad word. He took that hit like a man.

Andy showed character beyond his age. He acted with class, even though I knew he was furious about what had happened.

I’ll miss Andy the boy too. The boy who comes through the team bus 20 minutes before the start of a stage in the Tour saying, “Have you seen my cycling shoes?” Generally he is joking, but he loves our shocked faces, not to mention those of our sport directors.

He can do that because we all know that every now and then Andy is not joking. Once in a while somebody has to race back to the hotel Formula 1 style to get his shoes …

I’ll miss Andy in the Tour for being relaxed on the rest days. Like last year, when he came with me to chill out by the river and watch some locals fishing. Andy’s a great outdoorsman. At the Tour he’s always coming up to me asking if I brought a new fishing magazine or a diving or hunting magazine, and then we talk about our latest fishing experiences. It was Andy who showed me how to catch big pike. He explained where to put the knots and where to place the hooks.

And then later, when his brother Franky’s wife and their little daughter, Leah, came to visit us, I enjoyed watching Andy being totally in love with his little niece, carrying her and laughing with her.

I’ll miss Andy, the little brother in the Tour, who always has these discussions with his big brother Franky in Luxembourgish. Franky still feels responsible for his little brother, and the little brother tries to tell his older brother, “I’m OK. I’m grown up now.”

If nothing else, it’s a very entertaining part of our long bus transfers.

I’ll miss Andy the great bicycle racer, the racer who saved our asses in so many Tours with stage wins, white jerseys, podiums—the Andy who won a Tour for us.

I’ll miss one of our leaders, miss his positive attitude, and how he says with total calmness and self-confidence before some killer hard stage in the Pyrenees or Alps, “No worries, boys. Today’s gonna be a good day for us!”

So yes, Andy’s absence is going to change our plans in the Tour quite a bit. But I believe that Franky and Klöden are both hitting their form perfectly about now, so I think we still have two great chances to go for the podium. OK, maybe we won’t start as top favorites, but such a situation has advantages too. Like this, we can hide and wait a little, maybe surprise a few people one day.

This situation may force us to ride with more improvised tactics than in previous years. And if somebody would come up to me and ask, “Hey, Jens. Feel like going into the break today?” Well, you know the answer I’ll give.

“Does a bear shit in the woods?”

But mostly I love Andy, and it hurts me to see him suffering. All I can say to him is what older and wiser men have said. “Shape comes and goes, but class always stays with you.”

And there’s no arguing whether Andy has class.

http://bicycling.com/blogs/hardlyserious/2012/06/16/pure-class/


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【ブリュイネール事件】RSNTへの影響

関係記事がうんざりするほど氾濫していて、くまなくフォローするのはとてもじゃないが無理である。
事実認定に関して判断がつかないので報道を追っていたコンタドール事件とは異なり、自分の内で「クロ」だと結論がとうに出ているので、報道に関心を惹かれないせいもある。
自分のニーズ、「RSNT(実質は旧leopard trek)に所属する選手・スタッフに及ぼす影響」の観点だけを、最低限おさえておきたい。

メディアたちは、この2日間に色々なことを書いている。
「RSNTは、TdFに出場できないかもしれない」
「シュレク兄弟は、他チームへの移籍を考え、エージェントが交渉を始めている」
「チームオーナー・ベッカは、ブリュイネールを首にしようとしている」
「ベッカは色々問題を抱え、RSNTでは給料支払いが遅延している」

どれが事実か判断するにはまだ材料不足だ。
はっきりしているのは、ランスとブリュイネールは徹底抗戦すること、くらい。

RSNT公式サイトは、6/15付で、"LEOPARD S.A. statement regarding USADA investigation”のタイトルの声明を掲載した。

声明の主語は"LEOPARD S.A."で、"Mr Bruyneel"は、LEOPARD S.A.がcollaborationした相手、の扱いである。
決定はまだ何もされていないが、"LEOPARD S.A."がブリュイネールとの共同作業を終了する可能性を、この声明から汲み取るのは、間違いとはいえまい。

2週間後にスタートするTdFには、ブリュイネールを参加させないと表明すれば、ASOからRSNTの出場を認めてもらうことは容易だろう。
スポンサー・レディオシャックとトレックはどう考えるか。10ヶ月前、合併会合をした面子が協議して、結論を出すことになるのではないか。



ここまで書いて一度アップしたが、その後、RTLに、重要な記事が掲載されていることに気づく。
6/15付のベッカのインタビュー。

インタビュアーは、上記の様々な不穏な憶測報道についてもストレートに質問し、ベッカはペラペラ返答している。
が、悲しいことに意味を全く理解できない。
英語かフランス語かドイツ語のサイトがどこか紹介してくれないと、どうにもならない。

雰囲気では、「前向きな」感じがする。といっても、この人、表向きはいつも愛想いい。腹の中は分からんな。

アンディの「移籍はしない」という発言の出所は、RTLのインタビューだった。
2014年まで契約がある、という台詞は一般的な公式発言だから、意味はない、と解釈するもの。

London Calling: Zehn gehen nach Olympia (Luxemburger Wort 6/14)
アンディは、6/14、ルクセンブルクのオリンピック代表のプレゼンテーションに出席している。


さらに追記。

RTLのベッカの発言の紹介を含む記事をみつける。
想像した通り、ブリュイネールに対する信頼を保持している、チームとブリュイネールはツールへ行く、と述べたとある。
Cyclisme: Beaucoup de questions en suspens (Le Quotidien 6/16)

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●アンディの負傷

ブリュイネールを崖下に突き落とすのにあまりにタイミングがよすぎたので、昨夜は、「レントゲンに写らない程度の骨折?ほんとに4週間以上かかるの?2週間くらいでなんとかなる程度ということはない?
この子の負傷は分からないんだよなあ。やる気ないとき、いつも具合悪くなる。昨年のシーズン終わり、世界選含めてずっと休んだ理由が、『歯』。

ジロをドタキャンしたフグルサングが、膝がすごく悪いと言っておいて、ジロ開幕早々トレーニングしていて、さっさとケロッとなったし、ジロをリタイアしたフランクも、TdLから元気に走ってるし、みんな実態がさっぱりわからん」
と疑ったが、一夜明けて確認すると、今回は、そういうことではないようである。
そもそも、他のレースはすべて捨てようと、TdFだけはほっぽることはしない、とみなすのが当然だった。

私は、「TdF中に落車リタイア」の予想はしたが、最初から出ないことは予想しなかった。
不意をつかれた。
といっても、大差はない、ともいえるかもしれない。

ファビアンが落車した3月には、ブリュイネールのチームは毎年ツールのエースを落車で失っていることを指摘した。
ブリュイネールの「疫病神」が発動した、という見方も成立するだろう。

他方、アンディの自爆でブリュイネールが地獄に道連れにされた、という見方もありだと思う。

アンディの欠場によって、ブリュイネールは、「リーダーから追い落とそうとした」フランクを、リーダーにせざるをえなくなる。
TdSの残りのステージをまあまあの出来で終われば、「フランクを尊重しろ」のシュレク兄弟の要求を呑まざるをえまい。
両者の抗争において、兄弟側が「勝った」ということ。

●ホーナー

RSNTのツールメンバーセレクションに関して、別の所で軋轢が生じていたことが発覚した。

ホーナーのアウトの理由は、負傷ではなかった。ブリュイネールが、意図的に、彼を落とした。
velonewsが双方の言い分を掲載している。
Horner on Tour selection snub: ‘My back is fine’(velonews 6/12)
Bruyneel clarifies RadioShack stance on Horner decision(velonews 6/12)

ホーナーは、背中の負傷は問題ない、と言う。ツールに向けてのコンディション調整のために、直前のTdSに出場はせず、休みたかった。昨年、TdSにもドーフィネにも出なかったから、今年も同じスケジュールにしたかった。

ところがブリュイネールは、ツールメンバーはTdSとドーフィネのどちらかに出た選手から選ぶ方針で、ホーナーにもTdSの出場を要請した。
ホーナーがTdSの出場を断ったので、ツールメンバーから自分から降りたとみなした。が、彼の言い分。

ホーナーは、TdSを断ったがためにツールから外されるとは夢にも思わず、落胆している。
ブリュイネールは、今年のチームは、昨年のレディオシャックと異なり、セレクションが厳しいので、ホーナーを優遇しなかった、と主張する。

この記事だけでは、ブリュイネールの本当の腹は分からない。

私が気になったことがひとつある。フォイクトは、TdSにもドーフィネにも出場していない。
TdLの後、TdSのメンバーに入らず、Ster ZLM Toer(6/14-17)に名がある。
でもプレセレクションに入っている。
私は、彼は9人に入ると思っていたが、ブリュイネールはどう考えているのか、さて。

●ランスのドーピング事件

ブリュイネールにとって、上の件より深刻になるかもしれない問題が、一夜明けたら、出現していた。

USADA(アメリカ・アンチドーピング機関)がランスのドーピング有罪を認定したとWall Street Journalが報じた。
Armstrong charged with doping by USADA
Armstrong and authorities comment on doping charges
USADA makes formal doping charges against Armstrong, Tour titles at risk
Bruyneel could face lifetime ban if USADA charges are upheld
(記事は続々出てきて追いつかない。徐々に追う)

連邦検察当局による刑事事件(詐欺)の捜査が、今年2月、打ち切られたが、捜査資料を引き継いだアンチドーピング機関が、ドーピング規定違反の処分を出した。

この件では、ランディスやハミルトンの証言を読んで、「細部はおいても、概ねは事実だろう」と自分は思っていた。
日本国内のメディアは「臭いものに蓋」で、ほとんど伝えてこなかったから、日本人で知っている人は少ないだろうが(昨年9月、Jスポがランス7連覇記念特番を連日放映したときは、アメリカではこれだけ伝えられている最中に、笑い話にもならんぞ、原発事故並みのマスゴミの情報統制じゃないか、となった)、海外の情報をある程度仕入れていれば、そういう判断になる。

7連覇当時、フランス当局が、証拠を挙げようと躍起になっていたことを思い出す。そして、ツールの総合ディレクター、ルブランが、ランスが7連覇してひっこんだ翌年、いなくなってせいせいしたと、あからさまな嫌悪を示したことを知ったとき、ランスがシロであることはないな、と自分は思った。

念のため記すと、私はランスを賞賛したファンだが、盲目ではないので、こういう認識をする。
自伝等の「公式に伝えられる彼の人間像」からの類推だけでも、彼は「ばれないドーピング」を追求したのが当然だと思う。
彼を崇拝する信者であっても、盲目ではない人は、同じ思考をする。一例が「ツール・ド・ランス」の著者

この件は、アンディに、影響を及ぼす可能性がある。
処分対象6人の中に、現在RSNTの在籍者が2人いる。ブリュイネールと、Pedro Celaya医師。

おそらく今後、法廷闘争になり、結論が出るのはかなり先だろう。
UCIがどう対応するかも、まだ分からない。UCIは、もみ消したくて、ランス側につくのかもしれない。

だが、彼等を雇い続けることを、ベッカが選択するか。
戦績上の大失敗の上に、このトラブルは、ブリュイネールと手を切る後押しにならないか?

気になるのは、1998年から「2011年」まで組織的にドーピングを展開していた、というくだりである。
2006年くらいまでは、トップ選手ほぼ全員がクロ(赤信号をみなで渡っていた)、で片付けても、2009~2011年もとなると、問題が出そうである。いもづるで他にも名が出てくるのでは。

レディオシャックは、UCIのドーピングターゲットリストで、クリーンさランキングの最下位(22チーム中22位)のチームだった。
ポポヴィッチが爆笑の「10」、クレーデン「7」。
今まで「読まなかったふり」をしていたが、今になると・・

●アンディのいない7月

ランスが去った後、関心の度合いが薄まっていたTdFで、「バンビちゃん」を見初めたのは、2008年。
その後、毎年、彼を見るのが楽しみだった。
わくわくして7月を待った。

今年、アンディのいない7月が来る。

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ドーフィネでの負傷が思ったより重傷で、TdFには出場しない、とルクスメディアが報じた。
RTLが、本日16時より記者会見を中継するとのこと。
RTL: Andy Schleck net am TDF, Pressekonferenz live op RTL.lu

あれこれはその後で。

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●ツールメンバー

6/11付で、RSNTはツールのプレセレクション14人の名簿を公表した。
Fabian Cancellara, Jakob Fuglsang, Tony Gallopin, Linus Gerdemann, Markel Irizar, Andreas Klöden, Maxime Monfort, Yaroslav Popovych, Gregory Rast, Hayden Roulston, Andy Schleck, Fränk Schleck, Jens Voigt & Haimar Zubeldia

シーズン当初予想と違ったのは、この時点でホーナーが外されたこと。
Horner to miss the Tour de France(velonews 6/11)
背中の負傷に苦しんでいるため、とRSNTのプレスオフィサーがメディアに説明している。
(velonationはTim Vanderjeugd、velonewsはPhilippe Maertensから回答を得る)

彼のアウトは、TdSのスタートリストにあった名が直前でディディエに差し替えられたとき、自分も感づいた。
通常、RSNT公式は、レース出走リストを、前日には掲載する。ところが、TdSのリストは、当日まで載せなかった。ドーフィネでアンディのリタイアという騒動が起きて、対応に忙しかったとしても、妙だな、と思った。

最終選考の予想。
シュレク兄弟、ファビアン、クレーデン、フグルサング、モンフォール、フォイクトが当確。
実質残り2席。ポポヴィッチ、ギャロパン、スベルディア、ラストの誰か。
velonationも、自分と同じ読みを掲載している。
Both Schlecks in but Chris Horner out of RadioShack-Nissan Tour de France pre-selection(velonation 6/11)

先週掲載されたホーナーのインタビュー。
Horner staying stateside ahead of Tour de France (cyclingnews 6/8)
面白い話を色々述べているが、ツール不出場を思わせる箇所はなかった。

●シュレク兄弟×ブリュイネール抗争・補足

両者の「争点」は、「フランクを尊重するか否か」。

ブリュイネールは、ツールで勝てるのはアンディで、フランクにはできないから、アンディに集中する、という考え。
兄弟は、フランクを最初からアシストとして扱うのは嫌。
フランクは、自分の戦績を望み、弟のアシストに徹することを了解していない。
アンディは、弟として兄を尊重し、兄を踏み台にしたくない。兄を犠牲にして勝利を手に入れたいとは思っていない。

その結果が、昨年のLTの作戦と結果で、「この関係が変わらないなら、アンディは永遠に優勝はできないかもねえ。この先長くやれば、ライバルが軒並み不運に見舞われて、たまたま転がり込む年が1回くらいあるかもしれないから、それを気長に待つしかないんじゃないの」という台詞はあっさり出てくる。

本人たちがそうしたいなら、そうすれば。他人が、変えろ、と言ったって無理なんだから。
アンディは、コース上で1回取ったら、「僕は取ったからもういい。次はフランクに」と本気で言い出しそうだし、取れない年が続いていいんじゃないの。
「人生かけて、マイヨ・ジョーヌを欲しい。そのためには何でも犠牲にする」と死に物狂いで頑張る選手が他にいるなら、そちらが獲ればいいのである。
以前、人生かけて勝利を求めた人を応援していたから、そう思う。

先程、昨年の第20ステージTTの映像をチラッと見た。
「最後にTTで逆転されて、マイヨ・ジョーヌを失うのって、普通に考えると、ものすごくガックリしそうで、こんな悔しい思いをするのはもう嫌だ、がんばってTTの力をつけよう、と発奮してもいいと思うんだけど、この人、それが全然ないんだよねえ。
TTで負けるのは構わない、と、頑張る気がさっぱりないんだなあ。
『同じ負け方』を今後も繰り返しても構わないらしくて、こっちは、え~~、となりそうだけど、しょうがないよな、そういう気質なら。
この人を見てると、負けたからといってキーキーするのがバカみたいな気もしてくる。
自分がずっとそう(負けてキーキー)だったけれど、『負けても傷つかない』『敗北を受け入れることのできる』人が、人生の真の勝者ではないかという気がしてきた」

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早稲田大学坪内逍遥博士記念演劇博物館公式サイト
先日、早稲田大学に出掛けた折に立ち寄った、大学構内にある演劇博物館。
都内に美術館・博物館数あれど、トップクラスの「隠れ名所」ではないか、と思った。

ガイドブックの類に、それほど取り上げられていない。
こんなに素晴らしいとは知らず吃驚した、とストレートな感想を解説員の方に告げたら、「学生でも、知らない人が多いです」

建物の築年は、昭和3年。
木製の扉の真鍮のドアノブを引いて内部に入り、歩を進めると、廊下や部屋の木製の床がギシギシ鳴る。
「耐震大丈夫?」と時節柄の心配が湧くほど、年季を感じる代物。

建築様式は、エリザベス朝時代、16世紀イギリスの劇場「フォーチュン座」を模したものだそうだ。
コの字型の建物の中心部分にある張り出しは舞台で、上部にある2階バルコニーの手摺は、「ロミオとジュリエット」を上演するときに使用するもの。

展示は、所蔵する古代から近代までの演劇の資料の他、企画展が開催されている。
現在は、植田いつ子氏の舞台衣装展で、玉三郎の着たマクベス夫人のドレスや、片岡孝夫さんのハムレットの衣装の実物に、ポスター・写真の展示、また舞台映像を流していて、思わずみとれてしまった。
(かつて歌舞伎をほぼ毎月見に行き、仁左衛門襲名興行に出掛けた程度の孝夫さん好き)

一緒に連れて行った友人たちは、とりたてて芝居に興味を持たない人だったが、建築・展示ひっくるめて、見応えがあり、印象的だった、と好評だった。

その他、友人が口から出した感想
・「只なのは凄い」・・そう、入場無料なのである。「無料で楽しめる都内の施設」のトップクラスでは。
・声をかけてきて、解説をして下さったボランティアの解説員の方について、「いい年のとり方をしているなあと思った」
私「OBでらっしゃいます?と聞いたら、はい、もう一人は違いますが、と仰ってた」

早稲田大学構内には、もうひとつ博物館がある。
會津八一記念博物館
興味をひかれた展示が行われていたことがあり、いずれと思っていた。今回は時間がなくて訪れることができず、次回に先送り。

Category :  自転車
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もし、ドーフィネで不振だったら、どうするんだろうねえ。
「アンディとフランクはシャム双生児なんだよ。目には見えなくても繋がってるの」と教えてあげる人、いないんでしょうか。(5/30


上の文章の裏の台詞。
「アンディが、フランクと同じく落車して、痛くて続けられないとリタイアしたら、ブリュイネールはプレスにどう喋るのかね。顔がひきつりながらも、容認するしかないんでしょ。目に見えてるから、やめときゃいいのに」
落車が言霊になるといやなので、オブラートに包んだ言い回しにしたが、当たり。(いつものことなので慣れた)

落車した直後は、重傷ではない、と言い、リタイアはしない、とブリュイネールを安心させた翌日に、掌を返して、痛くて無理、とレース途中で止めて、ブリュイネールを突き落とす、というのは、フランクのした行動と同じ。
でも、ブリュイネールは、アンディには、フランクにしたのと同じようには責められない。
そういう立場を自分で作っちゃったから、腹の中ではぶち切れそうでも、表向きはどうしようもない、「自分の首を絞めている」状態だ。

改めて書くが、「アンディをツールで勝たせる」という現RSNTが掲げたお題目に、当の本人・アンディは、全く承服していない、のである。
ブリュイネールは、アンディがただ一人のリーダー、すなわちフランクとのダブルエースにはしない、という方針を、当初から公言した。
この方針を、アンディが納得して受け入れた事実は確認できない。

昨年発足したLEOPARD TREKの目標は、「シュレク兄弟のどちらかをツールで勝たせる」ことだった。
「アンディを」ではない。「アンディとフランクのどちらかを」だ。
そしてもうひとつの夢は、「兄弟2人をパリの表彰台に上げる」こと。
チーム設立の時点で、明確に、そう述べている。
チームとしても、チーム首脳個人も、主力選手も、すべて。(除フグルサング)

私の解釈を言えば、この「兄弟ダブルエースという方針」は、シュレク兄弟が、サクソバンクを離れ、新しく発足するチームに移ることを決めた理由のひとつだったのではないか?
リースも、ブリュイネールの考えと同じように、09年以降、エースはアンディで、ダブルエース体制にするつもりはなかったように見受けられるからだ。

「彼等を引き離すことはできない。引き離したら、彼等は壊れる」(2012/1/6
これは、私個人の想像ではなく、長年兄弟を知る人の解釈で、最初のうち首を捻っていた私は、数年がかりで、受け入れるに至った。

兄弟は、L-B-Lの後、ツールの準備で行動を共にする予定だった。(アンディと一緒にシエラネバダにトレーニングに行く、とフランクはツイートした)
突然変更され、引き離されてジロに送られたフランクは、落車による負傷を理由にリタイア。
次いでドーフィネに出走したアンディも、落車による負傷を理由にリタイア。

TdLとTdSで、旧レオパードのツールメンバー=「信頼する仲間たち」と合流したフランクは、「通常レベル」を示している。
アンディも、「信頼する人々」と合流すれば、ケロッとなる可能性はある。

本人が言うように、彼は昨年、TdSで調子に波があり、ツール前、さんざん不安視された。
だから、ツールまでまだ3週間ある、という楽観もありである。

しかし、ツールは、甘くはない。
悪いケースも、想定しておいた方がよい。

ツールの最中、落車リタイア。そうなれば、「レディオシャックとの合併は失敗」という評価を出すに十分だろう。
えげつない言い方をすれば、兄弟は、一種の「自爆」をすることで、ブリュイネールを叩き出すことになるかも、という話。

自分たちがツールで大失敗をすれば、ブリュイネールを追い出せる、と読んで、計画的に行動しているとは言わない。
そこまでの計画があるとみるより、「やる気が極度に低い結果、そうなる」と受け取る。

戦績は自分のものではあるが、今回に関しては、成功すると、手柄は、ブリュイネールのものになってしまう。
昨年のLEOPARD TREKの指揮官が無能で、ブリュイネールの腕が優れている、そうみなされる結果を、兄弟が望むか。私は、否、だと思う。

ツールの3週間の緊張は、他のレースとは全く違う。昨年、どれだけの総合上位候補が、落車して戦線離脱を強いられたか。
パリの表彰台にのったエヴァンスとシュレク兄弟のチーム、BMCとレオパードは、エースをアクシデントから守るため、最大限の力と注意を使った。
両チームには「ありったけの力で守る」という気概があった。
それだけのことをしないと守り切れない。

今年のRSNTは、昨年のLTほどの集中力でエースを守ることはできない、と思う。エース本人を含めた選手たちのモチベーションが昨年より低いから。
平地で(文字通り)身体を張って兄弟を守ってきたファビアンは、彼自身の目標、五輪のために、例年ほどの力をツールに投入できないだろう。
アンディがアクシデントに見舞われたら、当然の帰結だ、と私は思う。

尚、「ブリュイネールを追い出す」ということが可能か、という点には、自信はない。
スポンサーとの契約、という問題がある。しかし、100%不可能ではないのでは?と思うのは、ベッカは、レディオシャックからの金があった方がいいにしろ、それがないと立ち行かないわけではないようにみえるため。

現実には、現在までの極度の(昨年の方がましの)成績不振によって、ツール終了を待たず、ベッカとブリュイネール、レディオシャック、トレックの間では、既に何等かの話し合いはされているのではないか、そう考えるのが自然、と思っている。

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現況がハッピーではないにしても、誕生日は祝うものだ。
Andyは今日27歳になった。

ドーフィネの最終日に当たるという日程を見たとき、「家族が一緒にいない誕生日なんて今まであったのか?」。
例年なら、レース出走中でもフランクが一緒にいる。家族同様のキムもいる。
あらまあと思ったら、誕生日を前に、家に帰った。

今年はよくない年だったけれど、貴方は、未来をまだまだ手に持っているよ。

憂うことは何もない。

現況と解釈については追って。

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●のほほん

昨日来、「アンディ」「シュレク」「ブリュイネール」「不調」「不仲」等の検索ワードで、多くのアクセスがあり、おやおや。
ネット上を見ると、苛々しているファンがいる「らしい」が、幸いなことに私は平然。

*自転車RRに限らず、ネット上には、苛々しているファンが溢れているようにみえるときでも、現地に観戦に行くと、そんな気配は影も形もなく、ファンは楽しく過ごしているのが常で、「ネット上のファンの空気はヘン。悪感情が集合・増幅している負の世界」と以前から思っている。近年の日本国内フィギュアスケートもそれ。

メディアが騒ぐので、ブリュイネールはまた火消し。
Andy Schleck reveals he was treated for knee problems in May (cyclingnews.com 6/6)
"He literally told me: 'do not panic, I'll be ready for the Tour'. I believe him."
ご愁傷様というかご苦労様というか。(自分で撒いた種だけど)

アンディは、意図的にブリュイネールを振り回しているわけではなく、「自然体」でいて、こうなのだと思う。
うじうじいじいじ、ぐだぐだは、彼の性分ではない。それはフランクのやることで、アンディは「のびのび・マイペース・やりたい放題」の末っ子なのである。(私の認識する限りでは)

●リースの本

2010年11月に出版されたリースの自伝の英訳が出版された。今まではデンマーク語版しかなかった。
関心があるが、自分には辛い。
英語力の低さだけでなく、彼の現役時代の自転車界の知識を全く持っていない(登場する人物、レース、事件を知らない)ので、書いてある意味を理解できない・事実誤認をする箇所続出の可能性が高い。
記述を、どう評価して取り込むかの「判断力」を持たない身にはきつい。

シュレク兄弟登場以降の箇所だけ読む、という苦肉の策なきにしもあらずだが、一部しか読まないのは解釈を間違える元だから、気が進まない。でも、全く読まないよりもまし?

原書については、出版直後、デンマークのBTが引用した「読んで吃驚」の箇所いくつかに言及した。
ファビアンが契約解除を通告してきたのは、TdFの2度目の休息日7/21だった、その日は、コンタドールとの契約の詰めが完了した日で、更に、コンタドールがドーピングコントロールで陽性を出した日でもあった、という「小説ですか?」となった話など。

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●結果がどうなるかしらんよ、私は


レオパードとレディオシャックの合併に関して、9ヶ月前に私が記した警告を再掲。

(合併は)「会合に出席した人間たちが全員ハッピーになるアイデア」であったことは納得したが、彼等が「考慮をしなかった」大きな点は、「アンディ・シュレクとそのチームメート」を望んだのはブリュイネール側だけで、アンディたちは、ブリュイネールを選んではいないこと。
この点を「甘く」みて、選手をコマ扱いして、結果がどうなるかしらんよ、私は。
2011/9/18


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●Tour de Luxembourg

RSNTが必ず勝たないといけないレースで、フグルサングが無事総合優勝。

フランクも、口では「まだ痛い」と言いながら、きちんと仕事を完遂。
クイーンステージの第3ステージで、フグルサングをゴールまで連れて行き、自分も総合3位に。

ストリーミングがないので、レース状況とメンバーの仕事ぶりを正確に掴めていないが、レポートからみると、ツールメンバーセレクションに向けて、ほぼ順調だったようである。
上記2人+クレーディ、フォイクト、モンフォール。

●Critérium du Dauphiné

対して6/3から始まった此方は、少々不穏な雰囲気。
アンディが、2日目の中級山岳で、早々に遅れる。

後方をのそのそ走っている姿をのほほんと眺めていた私は、RSNTのレポートを読んで、思わず笑ってしまった。
・・なんか、むきになって言い訳している感じが。
だ~から、確定のツールメンバーはカンチェラーラだけ、なんて下手なことを口から出さなければよかったのにねえ。
アンディが調子悪かったら出さないのか?!とメディアのネタにされてもしょうがないでしょうが。

メディアたちも、ブリュイネールの発言の標的はフランクで、アンディを含めた他の選手たちではない、と分かっているのは一部なのだろう。
フランクに仕掛けた攻撃が、最終的には彼の負けと決まっていること、も。

フランクに対する恫喝は、アンディに対して刃を向けたのと同じこと。彼等は一体となって対処する。
フランクはTdLとTdSで文句を言わせない力を見せ、アンディはドーフィネで結果を出さない。・・のが、いたって自然。

別の観点からも、ドーフィネでのアンディの序盤での遅れは、100%想定内である。
彼は、L-BーL以来、全くレースをしていない。休み明けのレースでいきなり強い負荷を掛けることはしない。
過去、彼は、L-BーLの次のToCで、序盤で遅れ、総合争いから降りてノーマークになった後半の山岳で、登攀力をテストする、ということをしていた。

昨季は、ToCの次のTdSでも競争力に不安を残したまま、TdFに臨んだ。
今季、ToCに出ず、TdF前のレースがドーフィネ1本というスケジュールを知ったとき、自分は「それでうまくいくか?」と首を傾げた。

ブリュイネールが、ToCにアンディを連れていかなかったのは、彼の調整のための選択ではなく、旧レディオシャック組で真剣に総合を狙う必要があったためだろう。
調整目的の選手をメンバーに加えることはできなかった。その点、ツール1本に集中してスケジュールを組んだサクソバンク及びレオパードとは違った。

ドーフィネは、当初メンバーのポストゥーマが直前に病気で欠け、アンディ以外には旧レオパードの選手が一人もいない状態になっている。
Tony Gallopin, Markel Irizar, Tiago Machado, Yaroslav Popovych, Hayden Roulston, Andy Schleck & Haimar Zubeldia
directed by Alain Gallopin & José Azevedo
アンディは、「アンデルセンがツールに来ないなら、毎日電話する」としゃあしゃあと公言したが、現在既に電話していたりして。

Andy Schleck: "Ik zou het anders doen dan Bruyneel"(sporza 6/3)
ドーフィネ初日。複数メディアが引用しているアンディとブリュイネール夫々の発言の元記事。
紹介記事の一つ:Bruyneel confirms he and the Schlecks are bound to the same team for two and a half years(velonation 6/3)

ルクスのメディアは、移籍の噂に着手している。
Wechselgerüchte: „Man sollte nicht alles glauben“(Luxemburger Wort 6/4)
まだ証拠はない。が、現状が「2010年」に酷似していることは間違いなく、確実なことは不明の状態。

私は、TdFも惨敗に終わったとき(アンディがツール参加以来初めて、パリで全く表彰台に上がれないという事態)、ベッカがブリュイネールの続投を許すのか疑問を抱いている。
ブリュイネールは、シュレク兄弟も自分も2014年まで契約がある、と発言しているが、契約期間を全うしないケースはいくらもある。
どうなりそうかは、もう暫くたたないと分からない。