南の国の太陽、空の色の獅子

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●セレモニーの記事・追加

RTL : 写真(78枚)、ビデオ(6分)
Tageblatt : 写真(14枚)
Luxemburger Wort : ビデオ(3分)

発言を掲載した記事
Le Quotidien : プリュドムのスピーチを長く掲載している。
L' Essentiel : シュレク父、プリュドム、フランク、アンディ
RSNT : アンディ

●抗争

フランクとブリュイネールのインタビューが掲載されている。

«Je vais essayer de faire au mieux»(Le Quotidien 5/30)
Fränk Schleck: „Nicht alles Friede, Freude, Eierkuchen“(Luxemburger Wort 5/30)
2つの記事の内容は同一。フランス語とドイツ語で、英訳にかけるとフランス語の方が意味が通じやすい。
«Les coureurs ne sont pas des machines»(Le Quotidien 5/30)
Bruyneel: „Es fehlt an Resultaten und Anhaltspunkten“(Luxemburger Wort 5/30)

フランクは、肩はまだ痛む、TdLでのリザルトは自信がない、と言う。
対するブリュイネールは、TdLとTdSで結果出せ、でないとTdFに出さないぞ、と言っているのである(そういうふうに聞こえる)。
まだ怪我から回復していない、と言っている選手に向かって。

「(TdFの)スタートに当たってリーダーは一人?それとも複数?」
「アンディ・シュレクがキャプテンだ」

2010年TdFの正式な勝者になったセレモニーの日のインタビューで、彼もTdFに出すかどうか未定、とは言わないにしろ、もし、ドーフィネで不振だったら、どうするんだろうねえ。
「アンディとフランクはシャム双生児なんだよ。目には見えなくても繋がってるの」と教えてあげる人、いないんでしょうか。

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●スポーツの本質について

○○は△△とは全く違います。
○○の本質は「理不尽」と「僥倖」、総じて「不条理」です。
・・・・
△△は薀蓄のスポーツでしょう。かなり合理的なスポーツで、実力や采配が直接勝敗に結びつくからです。
だから「負けた理由はこれだ」という薀蓄に情報としての意味がある。○○は不条理なスポーツだから、負けた理由をあれこれ詮索して薀蓄を傾けても、多くの場合は、情報として冗長、すなわち単に無意味です。


○○に入るのはサッカーで、△△に入るのは野球。
出典は、「憲法対論―転換期を生きぬく力 (平凡社新書)」(宮台真司・奥平康弘/2002)
02年のW杯を取り上げ、ナショナリズムの問題を論じている章の中の一文だが、「ああ、そうか」と腑に落ちた。

宮台氏が引用した朝日新聞の細川周平氏のコラムは、当時、自分も印象に残り、サイトに記している。
2002/6/24付「実力ではどうにもならない運命の力を信じることにサッカー愛は集約される」
しかし、多分、そのコラムでは、他の競技はこう、という言及はなく、自分も考えなかったと思う。
宮台氏の指摘を読んで、気づいた。
そう。野球は、実力で勝敗が決まる。そして、F1も。

昔、母とこういう会話を交わしたことがある。
「なぜ、貴方たち(「巨人が負けると飯が不味い」という夫と、ミハエル・シューマッハーが負けると不機嫌になる娘)が、自分の贔屓が勝って当然で、負けるとカリカリするのかが分からない。だって、スポーツの勝ち負けというのは時の運でしょう?」
そう言った(スポーツのファンは全くやらない)母に対して、「そうじゃない。勝敗は、実力で決まるもの。実力を反映してるの。実力が上の者が勝つようにできてるのよ。運で決まるものじゃない」
私はむきになって力説したが、ようやく分かった。

スポーツには、実力が勝敗を決める割合が高いジャンルもあれば、低いジャンルもある。程度に幅がある。
私の見てきた野球やテニスやF1は、実力が反映される割合が高いジャンルなのである。

そして、私は、実力が勝敗を決める割合が高く、「戦略」が正しかった・間違いだった、真の戦闘力はこうだった、勝因・敗因はこれこれだ、とああだこうだと「薀蓄を傾ける」ことのできる競技を、好んで見てきた、のである。

このことは、ツール・ド・フランスに興味を持った後、長く、クラシックレースには興味を惹かれなかった自分の心理の説明を可能にする。

ツール・ド・フランスは、実力が勝敗を決める割合が高いレース、といっていいと思う。
21日間をトータルで考えて戦い、戦略・戦術がものを言う。文字通り、「総合力」の勝負だ。
対して、1日で決着をつけるワンデーレースは、「運」と「レース展開」が勝敗を左右する割合が高い。

ツールを見始めた当時、私は、21日間のレースの総合計時間を競うツールは、年間20戦前後を行って、ポイント総合計でチャンピオンを決めるF1と似ている、と思った。

特定の一人の選手が何連覇もできるのは、実力が反映する競技であることを示している。
運が結果を左右する割合が高く、実力が高ければ勝てるとは決まっていない競技では、連覇は難しい。

実は、自分が「ワンデーレースも、それとして面白いものだな」と楽しめるようになったのは、この春だ。
自転車RRファンの人には、「はあ?今頃?」と言われそうであるが、このことは、自分の心理の変化、「運に身を任せる」ことを容認できるようになったことを示す、と解釈するのが正しいのであろうと思う。
過去の自分は、「自分にはどうにもならない不条理」を受け入れることを拒否していた。

嗜好は、自分の内面の反映だ。
物事の解釈・評価等の思考が、自分の内面を映し出したものであることは自明だが、嗜好も同様。
昔は気づかなかったそういうことに、段々と気づくようになっていく。

今シーズンのF1は、例年と様相が大きく異なり、「不条理さ」が支配している。
毎戦、勝者が代わり、結果が実力を反映しない状態を、肯定して受け入れることができるか、そうでないかは、夫々の人の内面の反映である。

そして、ランキング表の一番上にフェルナンドの名があるのを見て気分がよいのは、私が今も、彼がタイトルを獲ることを望んでいることを示している。
(開幕時に、「今年もダメだねえ」と諦めたので、ホクホク)

●TdL

Tour de Luxembourg (Lux) - UCI 2.HC (May 30 - June 3)

Riders: Laurent Didier, Jakob Fuglsang, Linus Gerdemann, Andreas Klöden, Maxime Monfort, Gregory Rast, Fränk Schleck & Jens Voigt

Directors: Kim Andersen & Luc Meersman

●本日のセレモニー

Den Andy Schleck krut de Maillot jaune vum Tdf 2010(ビデオ 29分)
TdF 2010: Andy Schleck im Gelben Trikot(写真)
Andy Schleck endosse (enfin) son maillot jaune(写真)

使用言語はルクセンブルク語とフランス語で、理解できない。後日、一部は英語で出て読めるだろう。
写真で確認できる出席者は、ブリュイネール、キム、フグルサング。

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●RSNTの内紛・続き

一旦収まった内紛報道が、ベルギーのTelesportが掲載したブリュイネールのコラムのおかげで再燃。
Luxemburger Wortのサイトは、cyclingnewsの引用記事を孫引きして、5/27のトップ記事にするといううろたえよう。
例年なら、TdLを前に明るく盛り上がる時期なのに。(やれやれ)

ステージレースのリーダー(キャプテン)を任せた選手たちが、ここまで全員、相応しい働きをしていないので、ツール出場は保証しない、シュレク兄弟も含めて、というブリュイネールの発言は、「彼の側」からすれば、十分理がある。
実際、シュレク兄弟の今季ここまでの状態はボロボロだ。これでいいです、全然構いませんと容認するチームボスがいたら顔を見たい。

しかし、である。
私のような「シュレク兄弟側」に立つ人間は、ブリュイネールに対して、冷笑に近いものを向けている。
前回書いたように、「やり方が不味いって。君の指示に大人しく従う相手じゃないのは、最初から分かってるのにさあ。
真正面から説得に取り組む正攻法を最初から諦めて、搦め手で行くと決めて、巧妙・高度な策略を周到に巡らして操ろうとしたならまだしも、何もやってないとしかみえない。
彼等がなぜリースと別れたのか、もしかしたら分かってないのかね?」

ブリュイネールがシュレク兄弟より立場が弱い、と私が踏んでいる理由のひとつは、シュレク兄弟が不振であっても、チーム内に代わりになる選手はいないこと。

彼の手駒のクレーデンも、今季ずっと不調で、結果を全く残していない。
今年のツールのコースが発表された昨秋、TT距離が長いことは、クレーデンがシュレク兄弟よりも総合で上を取れる可能性がある、アンディのエースの地位は安泰ではないかも、という見方があった。
この可能性はゼロではない、と自分も思った。(それほどまで、兄弟がTTで失うタイムはでかい、とカウントしていた)

もし、クレーデンの競争力がアンディより高そうであるのなら、ブリュイネールの脅しは意味がある。だが現状のクレーデンをみれば、まったく意味をなさない。

シュレク兄弟は、今季の不振の言い訳を、なんとでも言える、と私は思っている。
怠けていたわけではない、今までそうしたきたように、一生懸命やった。
でも病気や落車など運の悪いことが重なった。

フランクは、ツールに向けて、準備をしてきた。それを急遽変更して、ジロに出された。ジロの準備をしていなかった割には調子は悪くなかった。リタイアしたのは、運悪く負傷したから。
ツールでコンディションが悪かったら、ジロでの負担のせい。十分言い訳が立つ。

アンディは?
今季、これまでとスケジュールを大きく変えて、ツールへ向けての準備をした。それがうまくはいかなかった。

うまくいかないときもある。
それがレースだし、それが人生。
今年はこうだったけれど、来年、また頑張るよ。

それで済む、と思う。
人生がこれで終わるわけじゃないし、世界が破滅するわけでもない。
勝てなかったことにぎゃあすか文句言って騒ぐのは、「本人以外」の人間たちだ。

既に書いてきたように、今季の元レオパードの選手たちの不振の原因を考察するなら、第一は、「モチベーション低下」。
シュレク兄弟に関しては、「サボタージュ」という言葉を使っても、全く間違いではあるまい。
当人は当然否定するし、自覚がないという解釈もできるので、登校拒否児童とか雅子さんと同種、程度に言っておこうか。
登校拒否児童は、「本当に」お腹が痛くなるし、現代人は、ストレスで、いとも簡単に、仮病でない「本物の病気」になるのである。
・・以上、現在の私の解釈。

●2010年ツールの勝者

明日、アンディは、2010年ツールのマイヨ・ジョーヌを受け取る。
コメントが出るであろうが、その前に。

彼は、コンタドール事件が未解決の間に、こういう発言をしていた。
「公式の裁定が有罪なら有罪、無罪なら無罪」

文字面だけ読むと、意味がない文章にみえるが、私は、次のように解釈する。

彼は、コンタドールがドーピングをやったか否かの「真実」の追及には、意味を見出していなかった。
三代続く自転車選手一家に生まれた彼は、ドーピングが「そういうもの」であることを知っている。

フランクは、ドーピングが広く行われていた2006年以前からプロで、「フエンテスと関わっていた」選手の一人だ。
2008年末の彼の事件の経緯を、私は、よく覚えている。
これはダメだ、逃げられない、と思った。
私の現在の解釈は、「ルクセンブルクのアンチ・ドーピング機関と自転車連盟がフランクを無罪放免にしたのは、スペインのそれが今回コンタドールに対してやったことと同じ。自国のスターを守った」。

コンタドールとフランクとの違いは、フランクの事件では、WADAがCASに不服申し立てをしなかったこと。
それだけ。

コンタドールの件について、フランクが発言したのを私は一度も読んだ記憶がない。
メディアが気が利いていて聞かないのか、振られても返答を拒否しているのか定かでないが、彼が言及しないのは「自分の前歴」ゆえ、と私は受け取っている。

ここから、「公式の裁定が有罪なら有罪、無罪なら無罪」のアンディの台詞が導き出される。
彼は「フランクと一体」であり、フランクは「公式の裁定が無罪だから無罪」。コンタドールもそれと同じ扱いをする。それが適切な対応。
彼の台詞は、そういう意味ではないかと思う。

2010年ツールで、コンタドールは、いわゆる(故意の)ドーピングをしたのだろうか?
謎のままだ。
しかし、仮に、彼が故意のルール違反をしておらず、CASが示したように禁止薬物の原因がサプリメントであったとしたら、陽性を出したのは、「彼のミス」だった。そういえると思う。

彼は、CASにおいて、検査前にサプリメントは摂取していないし、チーム支給のサプリメントは汚染されていない、と主張した。
CASの仲裁判断は、「サプリメントを摂取していないという彼の主張は嘘」であることと、「チーム支給以外のサプリメントを摂取した可能性がある」ことを指している。

CASの指摘が正しいのであれば、彼は、「サプリメント摂取には最大限の注意を払うこと」を怠ったことを意味する。
チーム支給以外のもの(彼専用の何か)を摂取してはいけなかったし、摂取するのであれば最大限の注意が必要だった。

CASの指摘が間違いで、原因は、彼の主張通り、スペインからの差し入れの肉だったとする。
その場合も、同様に、注意が足らなかった。
ヴィノクロフが同じテーブルに着いて食べていないものを、食べてはいけなかった。

「注意不足」という解釈は厳しい、一歩譲って「不運」だった、としよう。
そうだとすれば、第15ステージで、アンディが、アタック直後チェーンを落としたのと同じことである。

チェーン落としと直す手間に時間がかかったのはアンディの「ミス」という見方もあることと合わせると、お互いに、「不運もしくはミス」という、「同じこと」をやった。

アンディは第15ステージでの「不運もしくはミス」でタイムを失い、コンタドールは第17ステージ前日のドーピングコントロールでの「不運もしくはミス」でレースから除外された。
両者共に「不運もしくはミス」をした場合、「ダメージのより小さかった側が勝者となる」のが、勝負の常である。

もしも「第15ステージがなかったら」、この「素晴らしい我田引水」は、成り立たない。
どこをどうやっても、2010年ツールの勝者は「不在」というのが適切であろう。
しかし、現実には、第15ステージの出来事があった。

もし、アンディが、コンタドールは2010年ツールの勝者として相応しくない、とみなすことがあるとしたら、その理由は、禁止薬物検出ではなく、第15ステージでの行為ゆえだと思う。

そして私が、その主張を否定はしないのは、私自身も、かつて、2003年のツールを見て、「自転車RRは、F1と違って、ライバルの不運につけこむことをしない競技」と感激をした観客の一人だからである。
(それが勘違いであることに気づくまでには時間を要する)

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●シュレク兄弟×ブリュイネール抗争

ブリュイネールが、フランクに対する不満・批判をメディアの前で口から出したことで、メディアたちは、RSNTの内紛激化、とこぞって書きたてた。
Cyclisme: Qui c'est le patron? (Le Quotidien 5/22)
ルクスメディアは、フランクがツールに出られない可能性を憂慮した。

5/22付RSNT公式サイトの記事は、これらの内紛報道の火消しを目論んだものであろう。
「チーム」としては、エースのシュレク兄弟とボスのブリュイネールが揉めているという話を広めるのは好ましくない。
事実がどうであれ、表向きは取り繕う。

ブリュイネールの発言を、「フランクをツールに出場させない」と解釈した人は少なくなかったらしい。
そうではない、誤解である、と「フランクの発言」の形として記すことで、チーム=ブリュイネール側の公式見解を伝えている。

そして、本当に負傷をしていたことや(実際には落車はしていなかった、という見方も流布していた)、ツールのための計画的なリタイアでもなく(この疑いを抱いたのは私だけではなかった)、続けたかったのだ、とあれやこれや説明して、リタイアの正当化に努めている。

私は、「計画的なリタイアで結構。重傷だったら、その方が困る」というクチだし、「ブリュイネールも、フランクにトンズラされた直後、頭に血が上って、自制がきかず、ベラベラ喋ったんじゃないの。頭が冷えれば、自分の失敗を認めて、発言の訂正(説明)をせざるを得なかった、てことかな」

私から見れば、今のブリュイネールの言動は、シュレク兄弟がリースのチームに在籍した末期のリースのそれと大差ない。
「リースと同じ失敗」をしているなあ、が印象。

・・なんで同じ轍を踏むんだろう。扱う相手が、「2人で1人分」という奇天烈な属性を持つ生物であることは、とっくに明白なのに。

アンディ・シュレクは、貴方が扱ってきたランスやコンタドールとは全く異なるメンタリティの持ち主なんだわ。
彼は「全身全霊かけてマイヨ・ジョーヌを求める」気なんか全然ない。
彼にとっては、マイヨ・ジョーヌよりも、血を分けた兄フランクの方が大事。
そのことを分からずに、彼等のマネージメントを引き受けたの?
彼等兄弟の絆を変えられる、と思ったの?

私の意見は、シーズン前に書いた。
ブリュイネールは、今回のプロジェクトで成功を望むのであれば、シュレク一家(シュレク父とフランク)と、互いの意見の決定的な相違に関して「真正面から」話合いをして、合意できるかできないか、きっちりと結論を出して、それからシーズンに臨む必要があった、というもの。

意見の相違があることが分かっているのに、目を瞑ったままずるずる過ごし、騙まし討ちで、突然スケジュールを変更して、ツールの準備を止めてジロに出ろ、なんて「姑息な」方法は、失敗して当たり前です。

再三記すが、別の望みを持っている選手たちを、此方の望み通りに動かすことは、できないのだ。
目標とするものが一致している(双方とも「勝ちたい」と思っている)場合は、衝突があっても、最終的な方向が同じだから、なんとかなる。
コンタドールとの関係が最悪・修復不可能状態になりながら、優勝した09年ツールがそれ。

しかし、アンディは、コンタドールとは違う。彼は、「是が非でもツールに勝ちたい。そのためになんでもする」という意欲は「欠片も」持っていない。
「別にいいよ」とほっぽりだすことは、彼にとって難しいことではない。

今、追い詰められた立場にいるのは、シュレク兄弟ではなくブリュイネール、と私は解釈している。
彼は、チームの成功を、オーナー・ベッカとスポンサー・レディオシャックから請け負っている。
ここまで、RSNTの勝利は、ファビアンの2勝だけ。
シュレク兄弟は、UCIポイントをいまだに1点も稼いでいない。
しかし、チームの戦績の責任を、オーナーとスポンサーに対して負うのは、采配を振る指揮官だろう。

ツールが終わったとき、ベッカが何を言い、どうするのかが、見ものである。

●ファビアン、復帰

予定通り、Bayern - Rundfahrt(5/23-27)に参戦。

●アンディ

「何このメンバー」と先日書いたシエラネバダでのトレーニングの目的は、TTだった。



プロモーションのつもりで作っているのだろうと思うのだが、ファンの私の感想が「この人、TTは永遠に遅いよ・・(そうと腹括るしかない)」では、逆効果のような気も。

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●第3ラウンド

第10ステージ・アッシジゴールで26秒失ったフランクは、翌第11ステージでのクラッシュで更に46秒遅れ、総合優勝争いから脱落した。
本格的な総合争いの始まった第14ステージを、総合上位勢と同じグループでゴールしたが、第15ステージ、28km地点で、肩の痛みを訴え、リタイアした。

私は、第11ステージ終了時に、「これで帰る」と思った。続ければ、この後の山岳で挽回してトップ5や10に入る可能性はあるだろうが、彼にとって、そんな順位は、目指す価値がない。厳しい山岳ステージの前に止めて、ツールに備えることが、当然の選択だ。

現地でも、早晩リタイアするという噂が出回り、第14ステージの朝ジロに到着したブリュイネールは、その夜、フランクと話をし、問い質した。
フランクは、噂を否定し、ブリュイネールは、安心をした。
翌日、フランクが止めた直後、ブリュイネールが失望を隠さなかったのは、そういう経緯による。

負傷の程度がたいしたものではないことは十分考えられる。
落車を巡るラスムッセンとのいざこざは、当初、自分の失敗の責任転嫁のようにみえたが、今になると、リタイアする口実に利用したかのようにもみえる。

穿った見方ではあるが、フランクにとって、第11ステージでの遅れは、「実は」都合が悪いものではなかった。
順位や調子、落車、負傷に関係なく、最初から、蒙るダメージの大きい本格山岳の3週目は走らない腹積もりがあった可能性がある。

事実は分からない。フグルサングと同じこと。
だがいずれにしても、彼にとってはツールが一番重要で、ジロによってツールを犠牲にするのは御免なのが「本心」であったことは間違いあるまい。

・・言ったでしょ。「レースを走るのは、マネージャーじゃなく、選手なのよ」って。
フグルサングは膝痛い、フランクは肩痛い。ベンナーティは熱出した。
旧レオパード勢は、みな、ジロに向いてないんだわ。

フランクを出場させたことを「してやったり」と思ったなら、お生憎だったわね。
相手は子供じゃないんだから、丸め込もうというのは無理よ。ちゃんと納得させないと。
彼等、納得してないでしょ?

やる気があれば、痛かろうが辛かろうが続ける。今のフランクには、ジロを続ける意味がないんだから、続けないに決まっている。
走りたくない選手を走らせることは、マネージャーにはできない。
フランクに出場を要請した時点で、起こりうる事態として、当然想定しておくこと。していなかったら、どうかしてる。

日曜日、ブリュイネールは、腹を立てていたようで、ルクスメディアの取材に対し、「ツールのセレクションはまだ一人も決めていない。負傷前のカンチェラーラを除いて、誰一人、期待したレベルでないから」と過激な返答をしている。

フランクについては、Tour de LuxembourgとTour de Suisseで様子を見るという。
ジロ出場が急遽決まる前のスケジュールに戻る。
ブリュイネールの意に反してジロをリタイアしたからといって、フランクをツールに出さない選択は、ブリュイネールにはほとんど残されていない。
コンディションの調整ができさえすれば、山岳で彼を上回る力を持つ選手は、チーム内にアンディしかいないのである。

・・ということで、シュレク兄弟×ブリュイネール戦争の第3ラウンドが終了。闘争は継続する。

"Aufgegeben,das Team im Stich gelassen" (Tageblatt 5/21) ブリュイネールのインタビュー
紹介記事:Johan Bruyneel “disappointed” with Fränk Schleck’s Giro exit (velonation)
Cyclisme: Frank Schleck, clash annonce? (Le Quotidien 5/21)

●フグルサング

フグルサングはほぼ回復し、5/21~26に、アンディと一緒にツールの下見旅行に出掛ける。
同伴するのは、クレーデンとモンフォール、ディレクターのアラン・ギャロパン。

Positiv Fuglsang er endelig skadesfri (sporten.dk 5/18)

ブリュイネールが断言したように、ツール出場の決定は貰っていないと本人も言うが、下見旅行に行くのであれば、事実上メンバー入りとみなすのが普通である。
これを知ると、「ジロのドタキャンは、ブリュイネールとしめしあわせたか?」という台詞も、口から出る。
ジロのリーダーにする、という半年前からの約束も、フランクに差し替えることを見越した芝居だったか?とも。

しかし、フランクもジロをリタイアして、最終的には、3人とも望み通りツールに出る。これが、くっついていた3人をバラすことを画策したブリュイネールに対して3人の側が書いた筋書き。

「う~ん。どうしよう」と悩むフランクに、アンディが、「簡単じゃないか。誰がジロに送られようが、途中でリタイアすればいいだけでしょ」とあっさり言ってそう・・・かどうかは、もちろん謎。

●ツールの表彰式にて

先日、エリザベス女王即位60周年の午餐会のニュース映像を見たとき、自分が最初にぱっと認識できたのが、ルクセンブルクのアンリ大公。

なにしろ大公は、ツールの表彰式に、この3年毎回来て、アンディを祝福するシーンがTVにしっかり映る。
といっても多分日本では、さほど知られていない。Jスポ実況が、身分をそうと紹介したことがないから。
昨年は、最初「紳士」と言い、誰かと確認をしたような様子の後に「ルクセンブルク大使がお祝いに来た」と、大間違いを伝え、「自分がTwitterやっていたら、『大使ではなく大公殿下、国家元首です』と訂正を要請しただろうなあ」と思った。
(Jスポ実況陣は、09年には「国歌演奏のかけ間違い」に気づかないという無知を晒している)

大公から祝福を受ける昨年のシュレク兄弟を眺めて、改めて思ったことがある。

同じ高さの表彰台に立った2人は、身体の形状だけでなく、「立ち方」まで瓜二つだ。
片足に体重をかけたところが、左右対称の形になっている。
これぞ完全な「一対」。

それを見て、「彼等は、これでいいのだろう」。
一人が上の場所に立ち、もう一人が一段下の場所に立つよりも、同じ高さの場所に並んで立つのが、彼等にとって最も望ましい位置関係ではなかったか。

アンディは、フランクより上の場所に立ちたいとは、一度も思ったことがない。多分、そうだと思う。
マイヨ・ジョーヌを着てパリへ行くのは夢だが、フランクを犠牲にして叶えたい夢ではない。
このことは、09年以降、繰り返し、思った。何度も何度も。

ブリュイネールを始め、自転車RR界の人々(選手、関係者、メディア、観客)の多くは、きっと、納得をしない(できない)であろうが、あの兄弟は、そうなのだと思う。

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●Giro d'Italia 1週目

1週目は静かに過ぎた。
第8ステージを終わって、フランクは総合9位。
準備を全くしていなかった身にしてはコンディションは良い。
といっても、まだ勝負は始まっていない。本格山岳が始まるのは次の土曜日第14ステージから。

リーダーを降り、第2ステージの日曜日(5/6)にデンマークのTV局のスタジオにいたフグルサングは、翌々日(5/8)には、オグレディ、モーテンセンと一緒にトレーニングをしている。(モーテンセンのTwitterの記述)
この3人は、元Leopard Trekの仲間。モーテンセンはルクス在住、ジロのスタート地のデンマーク・ヘルニング出身で、ジロ出場を望んでいたが、ヴァカンソレイユの最終選考から漏れた。

シエラネバダでアンディと一緒にトレーニングしているのは、ポポヴィッチ、スベルディア、ギャロパン。
「何このメンバー。ツール組?」

5/13、TOCがスタートし、ブリュイネールはそちら。
ジロは、アンデルセンが、イタリアステージもみている。

尚、USA国内に足を踏み入れると、ブリュイネールには厄介事がある。
Source says Bruyneel was served with subpoena by federal investigators (velonation 5/12)

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●ジロ・プレビュー

RSNTは「ソープ・オペラ」と化してきた、とDaniel Benson(cyclingnews)に書かれてしまった。(・・否定はしませんわ)
Giro d'Italia: Top ten contenders(5/3)
総合優勝候補を10人挙げている。明確なトップ候補がおらず、混戦状態。

フランクについては、私の考えと同じことが書いてある。
外部から見ると、現在、ブリュイネールとシュレク兄弟の間には緊張がある。
フランクは、実力からすれば、バッソやスカルポーニに勝つことは可能とみなせる。
(急遽参戦にもかかわらず、有力選手たちを招いた大会公式記者会見にも呼ばれたし、ブックメーカーも上位に置いている)
しかし、モチベーションに、疑問を持たざるを得ない。
やる気が出て、コンディションを整えることができた場合に限り、よい戦績を見込める。
・・という趣旨。

兄弟は、ジロの間にツールのコースの下見に行くのが恒例で、今年もその予定だった。一人になってしまったアンディには誰が同行するのだろうか。

フランクのインタビュー
Cyclisme/Frank Schleck:«C'est une grande opportunité»(Le Quotidien)
Fränk Schleck Press Conference(RSNT)

●ファビアン

ダメージが鎖骨だけでなく肩全体に及んでいたため、予想したより回復に時間がかかっているとのこと。
Cancellara: 'Ik voel me als een wielertoerist' (Het Nieuwsblad 5/3)
紹介記事:Cancellara on road to recovery(cyclingnews.com 5/4)

●活躍は持ち回り

上述のジロの記者会見に呼ばれたのは、スカルポーニ、バッソ、ガドレ、ロドリゲス、クロイツィゲル、フランク、フースホフト。
Giro d'Italia 2012: the favourites reveal their ambitions

フースホフトの姿を久々に見る。北欧地元枠らしい。
彼は、昨年のパリ~ルーベで、ファビアンに次ぐ走力を持っていたけれども、ガーミンのチーム戦略で、チームメートのファンスーメレンに勝利を持っていかれた。BMCに移籍した今年は、昨年の悔しい思いをせずにすむと思ったら、いたのかいないのか分らないくらい存在感なし。
昨年アルデンヌクラシックで手がつけられないほど強かったジルベールも、BMCに来た今年は、上位にはきたものの勝てずに春を終わった。

春のクラシックを総括すると、
今年。北のクラシックをボーネンが完全制覇、アルデンヌは伏兵ばかり。
昨年。北のクラシックは伏兵ばかり、アルデンヌクラシックをジルベールが完全制覇。
一昨年。北のクラシックをファビアンが制覇、アルデンヌは有力勢が分け合う。

活躍する顔ぶれが、年ごとに、ガラッと変わる。
長いスパンでみれば、ボーネンのようなスーパースターもいるが、短期で見ると、入れ替わり立ち替わり。
そういうものなんだろう、と受け取っている。

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●フグルサング

フグルサングが、ジロのリーダーを降りた後、初めて口を開いた。
Twitterの書きこみ及びBTに記事。
Fuglsang: Jeg skal køre Touren for Andy (sporten.dk 5/2)

彼はそもそも、アンディと一緒にいたくてレオパードについてきて、アンディのアパートの下の階に引っ越してきたくらいだ。
でも今季は、ジロのリーダーを任せるということを理由に、アンディとは別のレーススケジュールを過ごしてきた。
これで、アンディと一緒にツールに出られることになれば、「実は」その方がよかった、ということは・・

「うまくいかないとき、締めるのが早い」というミカエルセンの指摘をぱっと思い出した。
「痛みの程度」というのは、本人にしか分らない。万全でない体調で、結果を求められる「大きな責任」を背負うことを望まなかった、ということも考えられる。
彼は、アンディと同じく「達成欲求の弱い」タイプで、似た者同士で仲がいいんじゃないか、と思っていた。

事実は謎だが、少なくとも、彼は今、「とても気落ち」はしていない、のかもしれない。
自分が降りると、フランクが代わりになって、フランクのツールでの地位を脅かすことになることまで考えていたか、という点も謎。

●Tour of California

ジロと同時期に開催されるToCは、「スポンサーのために」、RSNTにとって非常に大事なレースで、ディフェンディングチャンピオンであるホーナーのタイトル防衛に注力する。
ブリュイネールは、4/6という早い時期にメンバーを公表している。(ブリュイネールのブログ
ホーナーをサポートするのは、George Bennett, Matthew Busche, Markel Irizar, Ben King, Tiago Machado, Gregory Rast & Jens Voigt.

旧レディオシャック8人+旧レオパード1人、という強烈に偏った布陣。
ToCは、サクソバンクそしてレオパードも主力を送っていたレースで、昨年は、アンディ・フグルサング・ゲルデマン・フォイクトが参加したが、今年行くのはフォイクトだけ。彼は、アメリカでも人気が高い。
そして、昨年、ジロにエースナンバーを付けて出たマシャドが、今年はこちら。

●1年前

昨年のジロがどういうレースで、どういう勝負が展開されたのか、私には記憶がない。
TV放送を録画して見たはずであるが。
それとも見ずに消したのか、それすらもはっきりしない。

LEOPARD TREKは、第4ステージ終了後、ジロを撤退した。
ウェイラントを失ったチームは、続けるか否かを選手たちの判断に委ね、彼等は去ることを選んだ。

ウェイラントのチームメートであった8人のうち、今年ジロに戻ってくるのは、ローレッガーとザウグの2人。
第4ステージのフィニッシュラインをレオパードの隊列に加わってゴールしたウェイラントの親友ファラーも、戻ってくる。

1年前、彼等が見なかった(そしておそらく私も見ることのなかった)最終日ミラノのフィニッシュラインを、今年は見よう。みんなで見よう。

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