南の国の太陽、空の色の獅子

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シュレク兄弟が、サクソバンクを離れ、兄弟を中心にした新しいチームに移ることが、正式に決まった話として流れたのは、昨年のツール前だった。

新チームに関する具体的な情報がほとんど出回らず、自分も知識を集積していなかったため、長い間、新チームの実態について疑問を抱き続けることになった。

私は、対象に「こうしてほしい」「こうであってほしい」と「自分の願望を押しつける」のではなく、「本人の選択を尊重する」ことを基本のスタンスにしていたから、彼等の移籍も「本人が決めたことだから」と受け入れていた。
だが、「この人たちのやることは大丈夫」という「信用」を持ってはいなかった。砕いて言えば、パーソナリティが「頼りない」ので、彼等が果たして「正しい選択」をしたのかどうかあてにならない、とも思っていた。

「新規立ち上げのチーム」には、「運営の不安」を消せない。
サクソバンクは、オーガナイズのレベルが非常に高いチームと聞いていた。兄弟は、これまでずっと、「整えられた環境」を「リースから与えてもらって」、レースをやってきた、のではないだろうか?

ゼロから立ち上げたチームが、初年度から、サクソバンクと同程度のレベルを保持できるだろうか?
ニガードとアンデルセンは、チームをオーガナイズする手腕を持っているのだろうか?

純粋に「戦績を出す」という観点、すなわち「ツールで勝ちたい」のであれば、リースの指揮下に居る方がよかったのでは?
少なくとも、来季のツールは棒に振る(1回無駄になる)ことにならないか?

時間が経ち、情報が徐々に集まってくるにつれ、サクソバンクから選手とスタッフのメインが移ってくること、設立の事情、資金の出所等が判明していき、今年冒頭のチーム・プレゼンテーションのときには、不安はほとんど消えていた。
しかし、1年前のスカイが思い出される。彼等も鳴り物入りで大きな野望を抱いてスタートしたが、1年目は、順調とはいえなかった。

ツールのチーム・プレゼンテーションを見たとき、「悪いことが起こる予兆」は、感じなかった。「カン」は、何も動かなかった。
けれども、常に、警戒心を抱いていた。
ある日、落車して、リタイアを余儀なくされることは、「いつでも」起こり得る。
「彼は大丈夫」という根拠なき楽観は、自分はしない。

今年のツールの期間中、彼がパリでマイヨ・ジョーヌを着る夢を自分が見たことは、一度もなかった。
今年は取れない。
そして、それは、悪いことでも何でもない。

マイヨ・ジョーヌは最高の目標で、それより上のものは存在しない。
取れたら、それで終わりだ。先はない。
新規に立ち上げたチームの初年度に、目標を100%達成するのは、結構なことだが、達成すると、その後、目標がなくなる。
アンディは、3度も4度も勝ちたいと思うタイプではない。これは、私だけでなく、ヤコブも思っていることで、当たっている可能性が十分ある。

3年連続2位、という戦績を、私は、ネガティブには受け取らない。
なぜなら、彼が、1位を目指してツールに臨んだのは、今年で「まだ」2回目だから。
09年は、目指していない。昨年からだ。2回目で取ったら、トントン拍子そのもので、話がうますぎる。あまりにラッキーすぎで、世の中の他の人から運を吸い取ってるでしょ、少し返した方がいい、と思いそうなくらい。

今年のツールで、私がはっきりと判ったことは、
一、リースと別れて新チームを立ち上げた兄弟の選択は、「正しい選択」だったこと。

一、兄弟は、リースの元から多数の人材を奪うことになったが、それを引き起こすだけの深い人間関係を、チームの内で育み作り上げていたこと。
深く繋がった仲間たちを持っていたゆえに、新チームの設立が可能であったこと。

オグレディとファビアンとフォイクトは、「チャンピオンになる選手」と一緒のチームでツールを走りたいのではない。
「友人」と一緒のチームで走り、「友人を助けたい」のだ。

私も、「チャンピオンになる選手」を応援したいのではない。
彼を好きになったから、応援している。それだけだ。

兄弟が、「他人が作って、他人がコントロールする」チームの一員としてではなく、「自分たちが作って、自分たちがコントロールする」新しいチームで参戦した、1年目のツールが終わった。

次は1年後。7月に、また、夢を追う日々が来る。
それまで暫しの間、気楽に過ごそう。



●ルクセンブルクのGala
http://tele.rtl.lu/waatleeft/replay/v/20110729/0/45683/

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今後のスケジュールで判明したもの。

・シュレク兄弟

Clasica San Sebastian (7/30)
USA ProCycling Challenge (8/22-28)
Fränk Schleck targeting San Sebastian(cyclingnews)より

・モンフォール

JUILLET
Jeudi 28 juillet
CRITERIUM LUXEMBOURG
Samedi 30 juillet
CLASICA SAN SEBASTIAN

AOÛT
Lundi 15 août
CHAMPIONNAT DE BELGIQUE CONTRE-LA-MONTRE (Tervuren)
Du samedi 20 août au dimanche 11 septembre
VUELTA A ESPAÑA

・写真

TdF終了後のパーティーに出掛けた皆さん(sporten.dk)
デンマーク関係中心だが、シュレク兄弟も載せている。
デンマークメディアたちは、「今も」シュレク兄弟を扱う。「読者(視聴者)が関心があるから、メディアがネタにする」と受け取るのが定石だが、実態は不明。

・NHK総集編

BS1 7月31日(日)15:00~16:50
総合 8月7日(日)2:00~3:50 ほか

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●モンフォール

ツール・ド・スイスで確認したモンフォールの力量は、本番で、遺憾なく発揮された。
チーム側は高い評価をしただろうし、彼がこの先、このチームを居心地よく感じて、一緒にやっていこうという意欲を持ち続けてくれたら、嬉しい。

元サクソバンクのメンバーたちの関係があまりに緊密なので、新しく加わったメンバーが溶け込めるかという点は少し気がかりだった。ゲルデマンは1年間とはいえCSCに在籍したから(05年、アンディと同期)、完全な新参は2人だけなのである。

モンフォールが、チームが食事するテーブルで、「アンディの右隣」という場所に収まっているのを見て、安心をした。
(アンディの左はフランク、正面がヤコブ。オグレディが家長の位置)
テーブルの席は毎日のことで、それ以外も、ライプハイマーが同乗したバスシャンゼリゼのパレード中の集合写真、たまたまなのだろうが、右隣にいる。

彼は、ツール中、毎ステージ、自分のHPに短いコメントを掲載していた。
大活躍した第18ステージの最後の一文の冷静さに、自分は信頼感を抱いた。
Demain, il faudra voir la récupération d’Andy mais il est clair que son avantage sur Evans n’est pas encore suffisant ni confortable
「エヴァンスに対するアドバンテージが十分でないことは明白」
こういう冷静さを備えたアシストが支えてくれることは心強い。

翌日の第19ステージは疲弊していたが、第20ステージTTは回復して、2人のエースより上のタイムを出した。

第20ステージ後
« J’étais bien aujourd’hui, comme toujours sur le dernier contre-la-montre du Tour. Les frères ne sont pas déçus : ils ont tout donné et finissent dans les 20 premiers. En outre, il n’y a pas de regret à avoir : deux frères sur le podium, c’est inédit ».
「兄弟は落胆はしていない。彼等は全力を出し切って、20位以内で終えた。加えて、表彰台に兄弟2人が上がるのは前例がない。後悔はない」
アンディ17位、フランク20位。モンフォールは14位。力があるのである。

ツールをもって、今季の兄弟のアシストの仕事は終了だ。フグルサングが、ブエルタにモンフォールと自分が出るような発言をした。最終決定かどうか判らぬが、本人に意欲があるのであれば、自分の戦績を目指して頑張ってほしい。成功を祈っている。

●ポストゥーマ

第18ステージ。
画面に、メイングループと、モンフォールとポストゥーマのいる逃げ集団とが交互に映る。
「ポストゥーマ、珍しく登りで牽いてる」
「まだ牽いてる・・」
「ええ~?君、登れるの?今までず~っとプロトンの後ろの方にいたのに」
びっくらこいたなんてもんじゃない。

このときまで、ポストゥーマの仕事は、さっぱり目立たなかった。
しょっぱなのチームTTでは、予想外に最初に千切れてしまった。
その後のステージでも、ルーラー軍団がせっせと仕事する中、彼の姿はなかなかみえない。ときどき見えるが、長くはなく、すぐ消える。

プロトンを後方から捉えたバイクカメラの映像に、レオパードのジャージが映ると、大概、「17」だ。
「プロトンの尾っぽの方の向かって左寄り」が定位置で、そのあたりにレオのジャージが見え、「Pだよなあ」と思い、ズームになると、やっぱり今日も「17」。

ボトル運びとか、此方に見えない所で仕事しているのだろうとは思いつつ、連日必死でエースの護衛を務めているメンバーたちと比べると、仕事量が違いそう。といっても、元々メンバーの最後の1人で、チームもさほどの働きを期待してはいなかっただろうからいいのか、で済ませるつもりでいた。

更に、ここまで、「登る」所を見たことがなかったから、「登れたの??」
そろそろ止めたかなと思っても、映像が切り替わると、まだ牽いている。おいおいおい。
「1人でそんなに牽いてどうすんの?少しは他チームにも協力して貰った方がよくない?・・そうか、モンフォールをガリビエまで温存して運んでいく役だから、一定地点まで牽きまくっていいということか」
「まだ牽いてる。これでモンフォールに足がなかったら、元も子もないが、やるしかないよな」

メイン集団と逃げ集団両方をレオが牽き、フォイクトがメイン集団のペースを上げて、ゲルデマンとフグルサングを千切ると、Jスポの実況解説が、ぐちぐちケチをつける。
「うるさい。いいんです、これで。・・牽く力がなく、ついてくるだけのメンバーを『コマ数だけ』残しても、意味がない。置いていっていいんですって」

作戦が大成功に終わり、思わず、「今日のために、今まで足溜めてたのか」
勿論そんなことはないが、このステージの働きで、彼の存在価値は一気に跳ね上がり、目出度し目出度し、であった。



●写真・ビデオ

L' Essentielから
Andy and Frank Schleck racing in car through Eindhoven

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●フランクの涙

第20ステージTTのゴール後、アンディを抱きしめたフランクは、アンディと別れると、チームバスへ向かった。
バスの外にいたファビアンが彼を抱擁すると、フランクは、涙を流したのだそうだ。
・・BT(デンマーク)の記事によると。
Fränk græd i Cancellaras arme (sporten.dk 7/23)
直訳= 「フランクは、カンチェラーラの腕の中で泣いた」


最終日、中継を眺めながら、私は、敗者の悲哀を、頭の隅で感じていた。
1番を目指して闘ってきた以上、2番は負けだ。それを言い繕うには、私は過去、1番を目指す選手たちに寄り添い過ぎた。

切り替えることができたのは、フランクの姿ゆえだった。
3位は表彰台の一番下だが、あの場所で、彼は、幸せだっただろう。

2008年、彼は、第20ステージのTTをスタートするとき、総合2位だった。終了したとき、6位まで落ちていた。
TTの力そのものよりも、第17ステージ、ラルプ・デュエズで、チーム(リース)から、サストレにマイヨ・ジョーヌを渡す指示をされ、オーダーに従ってサストレをアシストして、マイヨ・ジョーヌを失ったことで気力を失ったため、と私は解釈している。
2位を守りたいという意志がなかった、2位でも6位でもどうでもよかったのではなかったか、と。

08年ツールのことを、その後、彼は口から出さなかった。けれども、昨年、リースのチームを離れることを公表してから、幾度か言及した。あれがどれほど彼を傷つけたか、多くの人はそのとき初めて知った。

2009年。第18ステージのTTは、総合3位でスタートした。前日のアルプス難関ステージをアンディと一緒に逃げ、8位から上げての表彰台圏内だった。
1位のコンタドールとのタイム差が大きかったため、チームは兄弟の2・3位のキープを目標にした。だがTT終了時、6位に落ちた。
第20ステージ最終山岳モン・ヴァントゥーで、兄を表彰台に引き上げようとするアンディの努力の甲斐なく、最終順位は5位だった。
この年、フランクは膝に故障を抱えていた。ツール期間中は認めなかったが、もしこの問題がなかったらもっと強かった、とアンディは後に公言した。

2010年。前哨戦ツール・ド・スイスをTTで逆転で総合優勝するという絶好のコンディションで臨んだが、第3ステージの石畳の上で、彼のツールは終わった。


フランクは、頭の中の一箇所でははっきり判っているのだろうと思う。自分は、もはや、マイヨ・ジョーヌを獲ることはない。獲るのはアンディだと。
世間は、フランクがアンディの足を引っ張る、という表現をする。それは一面から見れば真実だ。しかし、あくまで一面からの見方だ。
フランクの立場から見れば、才能ある弟を持ったゆえに、自分個人の野心を追求することができなくなった。
もしも、彼が、「自分より才能のある弟」を持たなかったら、今もまだ、どこかのチームのエースとしてツールの総合優勝を目標にすることが可能だっただろう。けれども、弟の存在ゆえに、彼にはそれをすることはできない。

離れればいい?それができるなら、とうにしている。
自分は、アンディの兄であり、ジョニーの息子だ。生まれてから死ぬまで、いや死んでも、兄弟は兄弟で、親子は親子だ。
アンディと自分は離れられない。離れてレースをすることはできない。お互いに。
勝つときも負けるときも一緒。幸せになるときも不幸せになるときも一緒。そのことは、決して変えることはできない。

勝つときも負けるときも一緒、の科白は、オグレディが語った。私は、オグレディとフォイクトの言葉から、明白に悟った。
彼等は、それを承知した上で、兄弟にマイヨ・ジョーヌを獲らせるために尽くすことを選んだことも。

リースから離れて、今年新しく作ったチームでは、フランクが幸せにならないといけなかった、と思う。
新チームの設立のために尽力したのはフランクだろう。表に出ていないので確かなことは判らぬが、アンディはほとんど何もしなかったのに対し、フランクは様々に心を砕き、そして、チームのキャプテンとしての責任を負っていた、のではなかったか。

このチームを立ち上げるためには、各方面の大勢の人々の協力と、多額の金が掛かった。ツールは、チームのシーズンで第一優先のレースで、「シュレク兄弟でマイヨ・ジョーヌを獲ることがチームの絶対目標」であることを、最初から公言してきた。
すべてをかけてきたツールで失敗をすることは許されない。
よしんば1位を獲ることが叶わなかったときは、2人で表彰台に上がらなければならない。

シャンゼリゼの表彰台にアンディと共に上がることは、フランク自身の望みであったことも確かだろう。アンディは過去3年毎年上がっているのに対して、彼は、今までただの一度も上がったことがなかった。

彼が流した涙の理由は、複数あったのではないかと思う。
これまで常に失敗し、順位を落としてきた最終TTを踏みとどまり、パリの表彰台を獲得したことは、目標の達成であり、責任を果たした安堵であり、大きな歓びであったろう。
しかし同時に、半身は、今年もまたマイヨ・ジョーヌを失ったアンディの大きな失意に打ちのめされていたことだろう。そのアンビバレントな感情に押し寄せられて制御ができなくなったのではなかったか。

・・というのは、私の勝手な想像で、事実は勿論判らない。
ただ、きっと、ファビアンは、理解していただろうと思っている。だからこそ、フランクは、彼の腕の中で泣くことができたのだろう、と。



●写真

・クマさんと兄弟のハグの状況
どうなっているのか判りにくいが、兄弟とママが一緒にいる所にやってきたファビアンが、抱き寄せようとした相手は「フランク」で、アンディは、物理的にフランクと自分の間にいたので、まとめて一緒に腕の中に入れた、ということのような・・
・シュレク一家全員集合の家族写真。ついに全員パートナー連れ。
・リーアちゃんは人見知りをするのでは・・アンリ大公(ルクセンブルクの元首)にもこれ



*追記

いま一度考えてみると、フランクの涙は、「アンディの代わり」に流した、という解釈もありえるか、と思った。
アンディは、あのあとドーピングコントロールに行かねばならず、泣きたくても堪えている。アンディと別れた直後は、自分の成功より、アンディの敗北の方に支配されていた、と。

BTの記事が、その解釈を書かなかったので、影響されたが、身づくろいをして、メディアの前に出てきたときは、「メディア向けに」落胆は表に出さず、ポジティブな発言に終始したことは、十分ありえる。
ニガードの発言は、まったくあてにならない。まあ、どこまでいっても憶測でしかないので、追究はやめておこう。

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第18ステージ以降の3日間は「固まって」いて、記事を読みにいかず、書きたいこともなかった。
終了したので、溜まった記事を読み、ぼちぼちと書いていこうと思う。(昨年みたいに)
チームメートのこと、TTの出来のこと、諸々。

●写真

目に止まったものを。
・第20ステージ、アンディの左手
・最終日
2人まとめてハグするファビアン
真ん中の人を無視した振舞。フランクが先に手を伸ばしたのがTV映像に映った。カメラマンたちがシャッター押しまくったな、と思って見ていた。
美しい構図

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●兄弟

終了直後
http://www.youtube.com/watch?v=rA_v_R5Tbk0
http://www.youtube.com/watch?v=cBlfrHvgvBQ

RTLのCyclissem Video News
これには、スタート前のシーンが色々。
フランクがスタート台へ向かう前にアンディを振り返ったときの顔が映っている。

フランクが、「アンディのスーツを着て」走ったことは、リアルタイムでは気づかなかった。
・・それで、タイムが異様なまでに一緒だったのか。
第1計測
21:07(フランク)
21:09(アンディ)
第2計測
42:16
42:15
第3計測
52:06
52:05
ゴール
58:14
58:11

「なんだこの双子っぷりは。まさか同タイムでゴールするということは・・」と思いながら見ていた。

RTLのビデオで目が止まった箇所もひとつ。
ウォームアップするフランクの傍にファビアンが立ち、背中を撫でながら話し掛けているシーン。

●フォイクト

第19ステージ、ラルプ・デュエズのゴールで、フォイクトが、柵際の観客たちとハイタッチをしながら帰ってきた光景を見たとき、「本当に、今年で終わりのつもりなのか。その心積もりがあるからか」という不安が、頭を過った。

まだやれるじゃないか。
シュレク兄弟がマイヨ・ジョーヌを獲れるときまで助けてくれるんでしょう?

・・今年は獲れない。今日で決まった。マージンが1分では無理だ。エヴァンスが途中でコケて怪我しない限りは。メカトラや転倒1回くらいなら盛り返せる。そのくらいの力の差はある。

翌朝、日記を読みに行くと、最後になるかも、と記述している。
万が一にも、アンディが勝てたら、やり残したことはないから、と止めそう。・・負けたら、「獲れるまで」やってくれるよね?

当たり。
Tour de France Stage 20: One More Time

フォイクトに続けてほしかったファンの皆様は、「アンディが勝たなくてよかった~」と喜びましょう。

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Jスポ実況が「アンディファンは本当に残念でした」と、それがさも当たり前そうに喋ったので、一言。
「いえ、そんなことはないです」

TTの実力がそのまま反映された結果で、何の無念もない。
身内は、みなわかっていた。外向きに言わなかっただけで。
ご両親は、本心から喜んでいると思う。兄弟2人が揃って表彰台に上がるんだから。
フランクは初めて上がる。09年、アンディが懸命に引き上げようとしたけれど、実現することができなかった夢だ。それが叶う。

そして、チーム9人全員でパリへ行かれる。誰も欠けることなく全員揃って。
09年も10年も望んだけれど、叶わなかったこと。
だから、残念じゃない。・・私はね。

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●初の躓き

彼がツールで「言い訳のできない躓き」をした初めての日ではないかと思う。(08年オタカムでハンガーノックで遅れたのは1年目という理由で許容、TTの不出来は織り込み済み)
4年目の今までトントン拍子にきて、躓くことがなかった。(昨年のチェーン落としは事故で、自分の責任ではないと本人は思っている)
このままいく方がおかしいわけで、いずれは来た日である。

個人的には、下りで、天気が悪く、路面が濡れているとなると危ないな、と、遅れる可能性を想定していた。
前日、この先のコースプロフィールを改めて見直して、第17ステージの下りでタイムを失う可能性があると思っていたが、今日の最後の下りも本人が嫌がっていたし、悪天候という要素があったので、録画して寝る予定にせず、身構えて観ていたら、大当たり。

それと、休息日のインタビューで、ライバルの名を並べたとき、エヴァンスを外した返答をした記事を読んで、「ふん?侮るとロクなことがないぞ」といい感じがしなかった。
自分の目には、今年のエヴァンスは非常によくみえるし、08年から彼の悪戦苦闘を見てきたから、彼を応援する気持ちもあるのである。
08年、彼はサストレより力が劣ったわけじゃない、チーム力の差だ、と思った。いい環境を得るのも、運も、選手の実力のうち、という見方はそれとしてあるし、サストレもそれまで長い年月耐えた末ということは理解していたが。

「一番の気に入りに悪いことが起こるときは予感がする」自分のカンは、健在なのかもしれない。F1での的中ぶりは抜群で、「当たらなくていい」と度々嘆いたものだが、今年、ピレネーを翌日に控えたstage11終了時、えもいわれぬ恐怖感に襲われた。
彼が千切れるのではというカンが働いたのだ。よくよく信用がないというか、我ながら情けないこと夥しいと思ったが、翌stage12以降、その「予感」は、消えずに残っていた。
(ちなみに、悪い予感がしたあるとき、友人にメールで伝えたら、「言霊になるから、口から出したらダメ」と言われて以降、ネット上には書かないことにしている)

ご本人及びチームと同様に、自分もレース後落胆したが、立ち直るのは難しくない。想定内のことだから。
「いいときもあれば悪いときもある」
それが摂理。これまでいいことばかりが続きすぎた。

ついでに、母親目線だと、「滑って転んで怪我しなくてよかった」。
(言うまでもなく、自分は、「落車・リタイア」も「想定」している)
彼は、お母さんに「下りで危険なことはしない」と約束している、といつも言っていた。今までもそうだった上に、ウェイラントのことがあったから、お母さんはきっと、「勝たなくたっていいから」と言っているだろうと思う。

stage16の彼については、後日に改めて言及したい。
「ウェイラントの死以来、アンディはダウンヒルに問題を抱えていて、ゲルデマンにサポートして貰っている、と最近父ジョニーが話した」という記述が、どこまで真実かは判らない。
だが、これまでアンディは、フランクほど、下りを不得手にはしていなかったし、恐れてもいなかった。2人とも不得手ではあるが、2人を比べると、アンディの方が「まし」だった。そう私は認識していた。

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Andy Schleck: "Une position parfaite pour la bataille"
Tour de France/A. Schleck: "Je ne vois qu'un de nous sur le podium, en jaune"

アルプス前の休息日の記者会見で。

「僕は以前、2人でツールの表彰台に上がりたいと言ったけれど、2位と3位はいやだ。1位と20位の方がいい。片方が犠牲になることを指すけれど、そうする」

2人でそう決めた。

どういう結末になるか。見守ろう。



追記:18日のインタビュー(Tageblatt)
アンディ
フランク

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●疑念と覚悟

「もっと早くにアタックすべきだった」等の「闘い方に対する文句(批判)」を、第三者は、勝手に言える。
けれども、早くにアタックしていたら、その後ペースを維持できず、捕まってカウンターをくらったかもしれない。成功したのかもしれないが、どうなったかは、やってみなかったから、誰にも判らない。
自分個人はそういうふうに思うことにしている。・・批判が出るのはしごく当然だが。

シュレク兄弟の闘い方に対する「疑問」は、毎回のことで、もはや「恒例行事」だ。
2008年、「CSCは何を考えてるんだ?」と理解ができず、延々と悶々・もやもやしていたことを思い出す。
あの年のCSCのチーム力は圧倒的で、レースを完全に支配していた。しかしエースにTT力がないから、このままだと、どうみても、最後にエヴァンスに持って行かれる。
TTで逆転されないよう山岳でタイム差をつけないといけないのに、しっかり稼ぎにいかない・・ように見える。強力なアシスト陣が牽きまくるが、効果的なアタックがなく、エヴァンスを含む総合上位勢を引き連れたまま今日も終わった。

一体どうするんだ?チームがこれだけ強いのに、ロクなアシストのいないエヴァンスに、TTで逆転されてもっていかれたら、立つ瀬がないぞ。そりゃ、孤立無援で頑張るエヴァンスが勝つという話もいいけれど(CSCとのあまりの違いに同情を禁じえない)、それだとCSCのアシストの猛烈な働きが水泡に帰する。

あとがない最終山岳のラルプ・デュエズで、サストレのアタックが決まり、アシスト陣の仕事が無駄にならずに済んだが、決着がつくまで、「TTの前にタイム差稼ぎにいかないと負けるでしょ?なんで今日も攻撃しないの?当人たちはどういうつもりなんだ?何考えてるんだ???」
報道されるコメントは本心なのかブラフなのかさっぱり判らないし、此方の頭はぐちゃぐちゃであった。

あとから言えば、08年はマイヨ・ジョーヌを獲ったから、終わりよければ、で済んだが、落としていたら、激しい批判に晒されていたことは間違いないと思う。

翌2009年。
アンディは、最終決戦場のモンヴァントゥーでコンタドールと勝負をせず、牽制合戦を続けて、フランクを待ったことを、延々批判された。

2010年。
第8ステージ、もっと早くにアタックしていれば、コンディションの悪かったコンタドールはついてこられず、もっとタイム差をつけられた、そのチャンスを逃した、と批判された。
(リースは序盤にアタックを指示をしたが、アンディが従わなかった)

自分の思うに、アンディの「まずくみえる闘い方」には、原因が2種類ある。

「もっと前からアタックすべき」「アタックが短い。止めずに踏み続けろ」
これは、「それだけの足がない」から、もしくは、「足がないと本人が思っている」から、のどちらかではないか。

「足がない」の根拠は、2010年トゥールマレ。
あのステージでは、(待つ相手の)フランクはいないし、あとがなく、ここでタイム差をつけないと敗北が決まるので、やれる限りのことはした、とみるものだと思う。
やれる限りのことはしたが、コンタドールについてこられ、引き離すことができなかった。

彼は、傾斜の度合いに拘わらず、パンチ力を持っていない。リカバリー力が高いので、ツールの最終山岳ステージでは、疲弊したライバルたちが脱落する間に長い登りでペースを維持できるが、逆にいえばそれだけだ。

第8ステージで、早くからアタックするともたない(あとで垂れる)という彼の「自分の力の診断」は、合っていたのかもしれない。
その診断は間違っていて、「やればやれた」のだったとしても、本人が「できない」と思ってやらないのなら、それが、「彼の力の限界」なのだと思う。
選手の力というのは、身体能力だけでなく判断力も含めたものを言う。

「まずくみえる闘い方」の原因の2番目は、「フランクを助けたい」こと。

このことは、09年のツールではっきり気づいた。

アンディは、マイヨ・ジョーヌとフランクのどっちか選べ、と言われたら、フランクを取る。
・・無理ですね、ツール制覇は。

http://leonazul.blog87.fc2.com/blog-entry-453.html

昨日の第14ステージの真相は、原因1の「ライバルたちの様子と展開をみて、ここではタイムを稼げないと諦めた」と、原因2の「自分の調子はよく、行けば行かれたかもしれぬが、フランクの調子がいまいちで、彼にタイムを失わせないための動きをした」、両方の可能性があると思う。

もし2であったなら、彼は、兄のために自分のタイムを犠牲にした。
ありうることだ。フランクは、今、彼より上の順位にいる。彼は、「フランクは強い」と思い込んでいるふしがある。外野が何を言おうと。
今日少し調子が悪くても、お兄ちゃんは強い。だからタイムを失わせるわけにはいかない。自分が助ける。

「それをやったら、君がタイムを得られないでしょ。2人で庇いあう結果として、マイヨ・ジョーヌを失うことになるわよ。
エヴァンスとコンタドールは、貴方とフランクよりTTが強いことを忘れたわけじゃないでしょ。
貴方、今エヴァンスに負けているのよ。TTで失う分数を何分と計算してるの。アルプスでそれだけ引き離せる自信があるわけ。エヴァンスも見損なわれたものね。
そうでなく、とにかく今日フランクのタイムを失わせない、それが第一、あとはあと、アルプスで頑張ればいい、なんとかなる、と目先だけしか考えなかったの?」

こう言いたくはなるが、彼は、「何の躊躇もなく」、フランクと引き換えならマイヨ・ジョーヌを差し出す。それが、彼が選んだ道であり、彼という人間であることを、私はとうに知っている。

LEOPARD TREKの発足時、「ツールで兄弟2人が表彰台に上がるのが夢」というニガードの科白があった。
そのとき、ピンときた。今年もアンディがマイヨ・ジョーヌを取れなくても、兄弟2人が2・3位なら、彼等は、ハッピーと言うだろう。

アンディは、「自分が1位、フランク4位」と「自分が2位、フランク3位」のどちらかを選べと言われたら、後者を選ぶ。
そのことに、私は2009年の時点で確信があった。

それを納得できない、受け入れられないなら、彼等の応援はしない方がいい。

オグレディが言った。「彼等兄弟は、どちらかがアンハッピーなら、片方もアンハッピー」だと。
片方だけ幸福になることはできない。片方を犠牲にして得る勝利なら要らない。
オグレディもフォイクトもファビアンもそのことを知っている。だから、もしもそれがゆえに今年もマイヨ・ジョーヌを失って、彼等の働きが無駄に終わったとしても、許してくれるだろう。

第14ステージの闘い方と今後については、ステージ後、アンデルセンが兄弟ときちんと話し合う(合った)だろうと思う。
何を捨て、何を選ぶか、当人たちが納得して選択する道なら、外野の此方が口を挟む気はない。

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●フランク

父ジョニーが、ピレネーが始まる前、フランクの精神状態が非常に良い、プレッシャーはすべてアンディにかかっていて、フランクは自由だから、と指摘した。
Cyclisme/Johnny Schleck: «Ils sont bien partis»(Le Quotidien 7/12)

フランクは、多少のリードをしてもTTで逆転される、と皆に思われている。自分も、TdSを見て、彼のTTが目も当てられないと思った。
だが、まさか、あれはライバルを油断させるための巧妙な「釣り」で、2分リードがあれば守れる力があるのを隠しているということは・・?

stage12の総合勢の最後の展開をみたとき、自分の頭には、08年のラルプ・デュエズが浮かんだ。
サストレがアタックしたとき、エヴァンスは、フランクをマークして、サストレを追わなかった。CSC勢3人(サストレとシュレク兄弟)に1人で対応するのはきつかったこともあるが、サストレはTTが弱いから、ここで彼にタイムを稼がせても、TTで逆転が可能という見込みもあった。フランクは集団に留まり、サストレを逃がし、ライバルたちを抑えた。
あの日のフランクが今日のアンディ、サストレがフランク。エヴァンスの目からみると。

08年と違うのは、今年は「まだ初日」で、勝負が決まるのは先であること。
しかし、「もしかしたら、フランクのTTは、思ったほど悪くないかもしれない」と頭に置いておこう。(可能性がゼロではないというレベルだが)

そして、アンディは、「もしも、自分でなくフランクがマイヨ・ジョーヌをパリで着ることになっても、それでいい」のだ。
08年のラルプ・デュエズを、私が忘れないように、いやそれより遥かに深く、シュレク一家は忘れていないだろう。「フランクのものだったマイヨ・ジョーヌ」を、一家が失ったあの日のことを。

Frank Schleck peut le faire(Le Quotidien 7/14)
stage12前の言及

●ヤコブ

ツールでアンディを助けたいというヤコブの言葉と意欲は偽りではないと思っている(疑ったことはない)が、「第三者がレースを見ている限りにおいては」、それが「実行」されているようにみえない。
昨年第2ステージでは、他のチームメート全員が落車した兄弟を助けるために働いたのに、ひとりだけ何もせず、アンディを置いて行ったし、山岳初日の第7ステージでは、早々に千切れたし、後半戦の山岳でも、それほど戦力にならなかった。
トゥールマレ(第17ステージ)だけは、なんとか発射台を務めたが、目立った働きはこのときくらいで、総合するとクリスの方が仕事をした、というのが私の解釈。

今年も、山岳初日、早々に遅れてしまった。チームプレゼンを見て記した「ん~」(ヤコブの肩の筋肉の付き具合)の意味は、「付け過ぎでは?これだとTTはよくても、登り大丈夫?」だった。
その通りにチームTTに貢献したが(非常にしたと思う)、山岳初日がこうなった。

Cyclisme/Jakob Fuglsang: «Sur le Tour, je suis là pour aider Andy»(Le Quotidien 7/14)
stage12の朝、Le Quotidienに掲載されたインタビュー。
自分のタイプを判っているし、力はモンフォール、ゲルデマンと同程度、ツールの準備は万端、と言っていて、ある程度当たっているのだが、ここまでTV画面で見える限り、2人の方が仕事をしている。

平坦はファビアンとオグレディ、登りにかかるとゲルデマンとモンフォール、が基本の護衛体制で、集団を牽く局面では、フォイクトやオグレディが前に出る。ゲルデマンは、長く兄弟の傍にいるし、登りになるとモンフォールが見える。
兄弟のアシストの仕事をしっかりやっているのは、この5人、とここまで見たところでは思う。

・・先が長いので、後半頑張って下さい。その頃には他のメンバーが消耗しているだろうし。

●フォイクト

stage12のプランは「ゲルデマン・モンフォール・フグルサング」だったが(キム談。山岳は基本的にこの順というのがチームの事前計画だろうと思う)、ヤコブが落ちたため変更を余儀なくされ、「みんな吃驚」のフォイクトの大活躍となった。

ツール開幕直前の記者会見の場で、今年が最後、と発言し、ドイツメディアではヘッドラインで報じられたが、「2年前もそう言ったから、今年の調子次第だろう。今から心配しなくてもいい」と思っていた。

アンディ「2005年から一緒だけど、こんなに強いのを今まで見たことないよ!」
フランク「僕がボスなら、もう4年契約するよ」(これには、「アラ、貴方が実質的なボスでしょ」とつっこみ)

Category :  自転車
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●Twitter

オグレディ、次いでフォイクトが、Twitterを始めた。
これで、選手9人中非ユーザーはゲルデマンひとり。

遡ると、シュレク兄弟がTwitterを始めたのは、2年前のツール。この年、ランスが、自転車界に広めた。
1年後のツールでファビアンが始め、今年のツールでオグレディ。乗り気でなかったフォイクトも引き摺りこまれた、という経緯。

関連で、書いておく。
今だからする話。

「ファビアンはルクスに来るのでは」と自分が推測した材料の「第1号」が、「彼のTwitter」だった。

最初の発信は、ツール最終日の前日、TGVの中からだった。
当然、近くには、アンディがいる。(もしかしたら、打っているのを眺めてすらいたかもしれない)
彼が始めたことをTwitterで伝えたのは、アンディとフランク。
そして、彼がスタート時にフォローした相手は、この2人だった。
シュレク兄弟2人「だけ」。他はなし。

これを見たとき、「ピ」とくるものがあった。
シュレク兄弟と別れるなら、こういう振舞はしないのでは。
今年のツールの決着がついた今、わざわざ、「僕等は友達」と、世間に公然と見せることは、しないのではないか。

こういうことの解釈は、単純ではない。「友達同士」でも、別のチームで走るケースはいくらもある。親密ぶりをあからさまに披露しているからといって、一緒のチームにいると推測する理由にはならない、と考えた人は多いだろう。

ただ、あのときの彼等には、「特殊な事情」があった。シュレク兄弟が、ファビアンに、自分たちと一緒に来てほしいと望んでいたことは、間違いなかった。
ファビアンは、自分が断れば、兄弟を失望させることを知っていた。
もしも、兄弟を失望させる選択をしたのなら、「それでもこれからも僕等は友達だよね」と自分からのうのうと喧伝するだろうか。

もしも彼が、これまで兄弟と一定以上の信頼関係のある友人同士で、兄弟の誘いを断る、もしくは返答を遅らせているならば、こういう行動はすまい。そういう態度は、これまで入手した彼のパーソナリティとは整合しない。

以上が、「Twitter」が、第19ステージ終了後には別れを想定していた自分に、「いや、違う」と思わせる材料になった理由。

それでも、ほぼ確信を得るまでには、その後約2カ月要した。
彼は、自分の選択をずっと隠していたので、「言葉」から証拠を見つけることは、なかなかできなかった。Twitterも、意味を見出したのは、記した「言葉」ではなく、「始めた日と場所、フォローした相手」という「行動」だった。

●ドーピング第1号

コロブネフ、という名を見て、「北京五輪4位で、2位のレヴェッリンのドーピング確定によって、繰り上がりで銅メダルもらったぞ。彼もクロなら、彼の後ろで4位(コース上で5位)だったアンディの立場は一体」

五輪のメダルをよくよく欲しかったらしく、珍しくキーキー怒り、後悔していたので(当時自分の受けた印象)、瞬時に思い起こした。
今陽性を出しても、五輪のときに使用していた証拠はないから、もはやどうにもならない。虚しい話だ。

アンディは、このパターンを複数件持っている。2007年ジロで2位になったときの1位はディルーカだ。
自分は、これは気にかけていないが、万が一にも(京に一といってもいいが)、コンタドールが有罪になった日には笑えない。

連想、もうひとつ。
「改めて考えても、コンタドールの件のUCIの扱いは不審だ」

今回、7月6日分の結果が11日に判明して、コロブネフはさっさとツールを去った。昨年、コンタドールの陽性も、検査日から数日後には判っていただろう。
シャンゼリゼの表彰式の最中に既に判っていた可能性すらある。表沙汰になると、大スキャンダルになって自転車界に傷がつくから、隠して、もみ消そうとした、という解釈の蓋然性が「極めて」高そうに感じる。

反論があれば、是非聞きたい。
表に出たのは、ドイツのメディアが嗅ぎつけたせいと言われているが、それは、検査機関が「ケルンのラボ」だったから、ではないか?
ドイツ人たちはドーピングに峻厳だ。自国人の英雄すら庇わなかったのに、スペイン人を見逃すなどとんでもないとラボの内部の人が情報を流したとか。

事実は不明だが、これを考えると、「UCIはコンタドールを有罪にしたくないので」、CASの結果は無罪になるんじゃないの?という見通しがますます強まるのであった。
(UCIと共闘せず、別の申し立てをしているWADAに、ひっくりかえす意欲がどこまであるのか、さて。)

Category :  その他
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買い替えはしません

私は数年前から節電に取り組んでいるので、今以上やるには、家電を消費電力の少ない新しいものに買い替える方法くらいしかないが、これをやる気は全くない。

まだ使えるものを買いかえるなんて真似できるか。
モノは、使える限りは使うもんだ。


二酸化炭素排出量が少ないとか、消費電力が少ないとかいった理由で、新製品に買い換えましょう、というのは、本質的に、家電メーカーの販促でしょ。

CO2排出削減キャンペーンを、「どうも胡散臭い」と感じたのも、根底にコレがあったのだろう。

CO2排出量が少ない新製品といったって、「今持っている家電を捨てて、新しいものに替える」という行いは、「トータルでみれば」、CO2を沢山出しているんじゃないかと思う。

「ゴミを生んで」、「新たに商品を生み出している」んだから。
原則的に、「生産活動をすれば、必ずCO2は出る」。だから、CO2を出したくないのなら、何もせずじっとしているのが一番効果がある。これが、CO2排出に関して私が本を読んで理解した理屈だ。

そして、私は、地球温暖化CO2原因説懐疑派に与しているので、CO2排出削減を意識しない。
CO2どうこうを考えなくても、子供の頃から、「モノはできるだけ大事に長く使うのがよい」と、「モノを次々買い替えることをよしとしない」たちなのである。

ものもちのよさの一例・・・・コンタクトレンズをなくしたり壊したことは一度もない。現在使用している眼鏡は15年目。

14年前に買った冷蔵庫を使い続ける代わり、カーテンをつけてあるし(これをやったら電気料金が月500円安くなった)、強弱は季節で調整するし、中身は詰め過ぎないし、壁から離して設置してある。(以上、基本の対策)

PCの節電

現在の電力不足は、日中のピーク時の問題で、基本的にエアコンを使わない自分は、ほとんど関与できない。
(昨年は、9月に残暑に音をあげて使い始めたが、前年09年の夏は一度も使用しなかった)

ピーク時以外に節電しても、電気料金の節約にしかならないが、それも悪くないと思い、新しい試みとして「PCの節電」をやってみることにした。(今月から)
1.輝度を落とす
2.1時間半以内に再使用するときは、シャットダウンでなくスリープ

契約アンペアを下げた

自分の場合、節電にはならないが、先日、「契約アンペア」を下げた。
電気料金の節約方法の一つとして以前から知っていたが、「今の30Aより下げるのは無理があるのでは?」と今まで手をつけないでいた。
震災後、改めて確認をすると、要は、「複数を同時に使用さえしなければいい」ので、20Aでも問題ないという結論に達し、5月に工事に来てもらった。
*東電がアンペアチェックというページを作っている。

家族人数の多い家庭では、節電の効果をもたらすので、どんどん推奨するといいと思うのだが、電力会社が大声でいわないのは、ひとつは、「使用量に関係なく徴収できる基本料金を安いものにする客が増えると、売り上げが減って、都合が悪いから」、もうひとつは、「電力不足だと大衆を脅して、原発を維持したいのが本音で、節電してくれなくて構わないから」だろう、と思っている。

*尚、契約アンペアが設定されているのは、東日本の電力会社だけ。
関西電力など西日本では料金システムが違い、契約アンペアというものがないので、この方法は使えない。(このことは、今回初めて知った)

地デジ

ついで。地デジも、「家電メーカーの販促」でしょ、と思っている。
1年以上前から、今のTVが見られなくなる、対策しましょう、と騒いでいたが、「TVを買い替えないといけない必要は全然ない。チューナーつければ済む。今はまだ市場にないが、直前になれば、数千円で発売されるに決まってる。ほとんど詐欺。まだ使えるTVを山ほどゴミにするなんて」

「電気ないない詐欺」と同種。と思ったら、「巨悪は東芝」とは、飯田哲也氏が「原発製造メーカー」としての観点で発した科白だが、東芝・日立・三菱重工、という三大原発メーカーは、そのまんま家電メーカーなのであった。

Category :  自転車
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●ミッション「最善を尽くして守り切れ」

クラッシュが多発した第一週、LEOPARD TREKは、影響を受けなかった数少ないチームのうちのひとつになった。
9人のメンバーの誰も傷を負わず、エースがタイムを失うこともなかった。

勿論、運に恵まれたが、チームはそれに値する努力をした。
レースコントロールは基本的に他チームに任せ、先頭に出てくるのは強風区間などの一部だが、コントロールするチームのすぐ近くに陣取っているのを、中継画面で長い時間確認することができた。「集団の中に埋もれて、どこにいるのか判らない」時間は、長くなかった。

プロトンの前方のポジションを確保し続けるには、力を要する。彼等は、力を使うことと、アクシデントに巻き込まれるリスクとを天秤にかけて前者を選び、徹底的にリスクを回避する戦略を採用した。

昨年は、第3ステージでフランクを失った。あのとき、フランクは、アンディの車輪につくことができていれば、事故を避けられた。「パヴェでは自分の前に他チームの選手を決して置かない」というミッションを完遂したアンディは、生き残った。
どれほど注意を払っても、それでも事故に巻き込まれてしまうことはある。だが、避ける努力をしなければ、しない分だけ、巻き込まれる危険は増大する。

ファビアンがフランク、オグレディがアンディにつく、という布陣で、1年前の教訓を無駄にせず、できる限りのことをした。その甲斐あって、一週目を、無事に、乗り切った。

●もう白のジャージは似合わない

10日夜NHKが放映したアンディのドキュメンタリーを見て感じたことの一番は、「1シーズン前と顔が違う」。
昨シーズンは、まだ、初々しさ、可愛らしさが残っていると感じた。この番組に映っている顔には、そういった要素が全くない。
03年の鈴鹿で、フェルナンドの顔を見て、1年前の子供っぽさが跡形もなく消えうせたと度肝を抜かれたときのことをふと思い出した。

そして、stage 9で、大落車が起こった後、プロトンの前列で身体を伸ばし、手を打って、ペースダウンを促した姿が繋がった。

最前列では、マイヨ・ジョーヌ(フースホフト)とマイヨ・ヴェール(ジルベール)、そしてLEOPARD TREKの4人が横に並んで、蓋をしていた。
昨年のstage 2と同じく、中央にいるのはファビアン。1年前は、マイヨ・ジョーヌを着る彼が、リーダーシップをとってペースを落とさせた。
今日、LEOPARD TREKは、マイヨ・ジョーヌを持ってもいなければ、チャンピオンでもない。けれども、こういうことを自分がする、という意識を、今のアンディは持っている。・・のだろう、と自分は解釈した。



・NHKの番組の内容については、あれやこれやあるが、要確認で、とりあえずひとつだけ。
「バスルームで足の毛を剃るシーンがない・・まあ確かに、『コレ、NHKが流すの?』とちらとは思ったけど」

Category :  自転車
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■stage 1

チームが臨むTdF最初のレースを、集中し、注意を払って闘ったことは、無駄にならなかった。
中継画面を見ていると、LEOPARD TREKのメンバーがプロトンの前方に上がってくると、首を回して周りを見る光景がよく映る。
チームメートの特定の誰かを探している場合も、特定せず誰がどこにいるか確認している場合もあるだろうが、とにかく、誰もかれも、TVに映ったと思うと、首を回している。

今までは、ここまで「チームメートの位置を確認する」光景を見なかったような気がする。
初戦で、プロトン全体の動きや、チームメンバーの互いの動き方もまだ掴めていないため、確認に精を出していたもので、この後はそうでもなくなるのかもしれぬが。

逃げ集団が捕まり、ユーロップカーがペースを上げると、オグレディがアンディを連れて、すぐ後ろにつけた。まもなくフランクも上がってきた。
前方からのカメラにちゃんと映っているくらいプロトンの前方に陣取っていたので、大落車が発生したとき、巻き込まれていないことは全く疑わなかった。

そのため、Jスポ実況が「アンディはどこだ」、ゴール後は「アンディも遅れた」と連呼するのが不審だったが、彼等が間違ったのは、ひとつには、大落車後、LEOPARD TREKが前の集団を牽くことをしなかったせいもあったのでは、と気づいた。
前方に出てきて牽引すれば、シュレク兄弟が前の集団にいることは確実で、誰も間違うまい。

アンデルセンが、牽くことを指示しなかった理由の一番は、うちが牽かなくても、BMCやレディオシャックなど牽くチームが多数いて、ペースが十分速かったこと、二番は、明日のTTTに備えて、体力温存したかったこと、ではないか。
そして、もしかしたら、ツール・ド・スイスでラボバンクの恨みを買ったことが頭を過ったのかも。
コンタドールの不運につけこむ真似をすると、昨年のことを蒸し返し、ねちねち言う人間が湧いて出てくることが予想できる。敵を作るのは利口でない。今日は、欲をかかず、身をひそめている方が得策。

お陰で、集団の前方にいなかったアンディが2回目の落車に巻き込まれ、遅れてゴールして、実況と視聴者の混乱を招いたが、3kmルール適用のおかげでタイムを失うことはなかった。

■stage 2

TdS後に「フランクがどうにかなるのか」と自分が危惧を抱いたTTTだが、「首尾は上々」。

アンデルセンが正しい作戦を立て、メンバーがそれを遂行した、と言っていいと思う。
事前に立てた計画は、「第一計測までは、全員で回す。その後は、まずフランクをローテーションから外し、次にアンディを外す」
2人より力のあるチームメートが、総がかりで、2人をゴールまで連れて行った。

ファビアンは、「フランクを千切らない」絶妙なペース配分をした、ということになるだろう。誰でもできることじゃない。頭が下がる。(足を向けて寝られない)

トップのガーミンから5秒遅れ、スカイからは1秒遅れ、僅差でHTCの上、という成績は、予想していなかった。
チームメートに力があっても、2人がついていかれなかったらどうしようもない、と辛辣なことを書いたが、ついていく力はあったらしい。(自分が辛辣すぎ)

09年がトラウマなのだろうが、メンバーは、あの年と「5人」同じなのである。やはり、加わった3人の力の高さがものをいったことになるのでは。(ほんとに、皆さんより遅いエースで申し訳ない・・と私が言うのはへんか)

ひとつだけマイナス点は、ポストゥーマの不調。
彼はTTの力を買われてメンバー入りした、と思う。第一計測後に最初に千切れたのは予想外だった。
ただ、ドーフィネのTTでも成績を出しておらず、調子をチームが把握していないとは思えないので、この後をみよう。先は長い。



・NHKBS1
「アンディ・シュレク ツールへの情熱 ~ツール・ド・フランス2011~」
7月10日(日)午後3:00~午後3:50(50分)
内容説明がまだないが、デンマークで製作されたドキュメンタリーではないかと思う。

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Jスポのチーム・プレゼンテーションの放送での、コンタドールへのブーイングに関する発言を聞いて、福島第一の原発事故後の、TV局・新聞社のロクでもない大本営発表・大政翼賛会報道を連想した。

「まっとう」なメディアであるならば、「コンタドールがなぜ現地でブーイングを受けるのか」の事情を、「正しく」説明するもの、だと思う。


●コンタドールがなぜ現地でブーイングを受けるのか

短くまとめると、
「昨年のツール中のドーピング検査で、なんとまあ禁止薬物が検出された。本人は、事故で、故意ではないと主張して、揉めて、その件の決着が、1年経ってもいまだについていない。
つまり、『昨年は、ドーピングをして、勝った可能性がある』ということ。
最終結果が、ツール開始前に出る予定だったのに、コンタドール側が日程延期を要求して、その結果、推定無罪ということで、今年のツール出場を認めさせた。
今年優勝しても、そのあと出る判決で、有罪になったら、昨年と今年2年分が剥奪になる。

・・そんなドッチラケる話があるかい。クロかシロかちゃんと決着をつけて、無罪を確定させてから、出場しろい。
審理引き延ばしなんて、姑息なことしやがって、潔白なら、引き延ばす理由はないだろ。『分が悪い』以外にどういう理由があるのかね」

以下詳細。

1年前のツール終了後、天王山ステージのトゥールマレ決戦前日のドーピング検査で、コンタドールの検体から禁止薬物が検出されていたことが、明らかになった。

当人は、汚染食物が原因という弁明をした。
専門家によれば、検出の原因は、食物汚染と血液ドーピングの両方の可能性がある、という。
一部の人は、コンタドールの弁明を信じ、一部の人は、血液ドーピングを疑った。
どちらなのかを判断するに十分な確定的証拠が明らかになっていないため、人々の判断はまっぷたつに分かれた。

しかしながら、世界ドーピング防止規程に則れば、禁止薬物の検出は、異論の余地なく規則違反であり、制裁措置の対象となる。
摂取ルートと、競技力の向上を目的としていないこと、それに加えて、摂取に過失がないことを証明した「例外的ケース」に限って、制裁措置が取り消される。

ルールに則れば、原因が食物汚染であり、かつ過失がないことの証明義務は、コンタドール側にある。
論理上、完璧な証明は、非常に困難だ。汚染食物の現物は、どこにも残っていないからである。

処分を決める機関であるスペインの自転車連盟は、今年の初め、一旦は、1年出場停止を考えた。ところがそれが公になったら、スペインの首相を初めとする国内の権力者たちから無罪を要求する声が上がり、一転して、制裁処置はなしとされた。
この経過が逐一報道されたため、逆転無罪は、スペイン国内の「自国の英雄を庇う政治力の結果」という印象を、スペイン国外に強く与え、不信を呼び起こした。

スペインは、オペラシオン・プエルトを初めとしてドーピング事件を数多く起こし、「スペイン人はドーピングに甘い」という国際的な「悪い評判」がある。それが今回も発動した、という見方を招いた。

UCI(国際自転車連盟)とWADA(世界アンチ・ドーピング機関)は、スペイン自転車連盟の決定を追認せず、CAS(スポーツ仲裁裁判所)に不服を申し立てた。

食物汚染による禁止薬物の検出は、近年中国や南米で事例が相次いでいるため、コンタドールの主張を信じる人も多いが、EU圏では、今回の例以外に発生していない。
WADAは、自転車だけでなくスポーツ界全般のドーピングを世界規模で監視している機関であり、食物汚染を主張した複数の事例の各国機関の制裁処置なしを追認したが、コンタドールに関しては、追認しなかった。

CASの判決は、スケジュール通りに進めば、ツール開始前の6月末に結果が出る見込みだった。ところが、審理日程の延期をコンタドールの弁護団が要求し、認められて、結論がツール前に出ないことになった。

ツール主催者ASOは、ツール前にシロクロの決着がつくことを望んでいた。コンタドールが、それをさせず、未決状態にして、ツール出場の権利を保持したことは、ASOを失望させた。

WADAのディレクターは、裁判の公正を期するため、日程の延期を了承したが、コンタドールは、今年のツールには出場しない方がいい、と、ツール前にスペインの有力紙に話した。



●強ければ、許されるのか

チーム・プレゼンテーションでのコンタドールに対するブーイングは、以上の事情の上での、「お前は、ここにいるべきではない」という意思表示だと思う。

更に言えば、コンタドールは、出場して優勝すれば、無罪になることを、読んでいる。「これだけ強い僕を有罪にはできないよね?」という見込みの元に、審理を延期する裁判戦術を取った。
実際に、アクシデントがなければ、彼は勝つ。そして、無罪になる。
ツール2連覇を、剥奪はできない。自転車界にもツールにもダメージを与えるから。判決は、そういう事情によって決まる。(私の見通し)

つまり、「強ければ、何をしようが、許される」。
この現象は、他のジャンルでもみられることで、珍しくもなんともないが、それを肯定しない価値観を持つ観客は、ブーイングをとばすだろう。

私は、彼がブーイングで迎えられることには確信があった。もしそうでなかったら、腰を抜かした。
(出場表明後のフランスの世論調査で、反対63%、OK12%、と数値が報道されている)
もっと盛大でもよかったくらいだが、一般的にTV放送が拾う会場の音声は絞られるので、TVで聞くより大きかったのかもしれない。

事情説明をしないメディアは、「3連覇を目指す最強の王者がドーピングでクロであっては都合が悪い」と、「臭いものに蓋」をしたいのである。

彼等は、WADAのCASへの不服申し立てをなんだと思っているのだろう。
WADAは、無実の選手を訴えている、と思っているのか。

3週間後に優勝が決まったとき、何というのだろう。この後、裁判が控えていて、剥奪される可能性がありますが、無実であればいいですね、とでも言うのか。
それとも、全く触れずに無視するか。どうするのか、お手並み拝見しよう。

コンタドールを出場させれば、観客からブーイングが起こることは、予想できた事態だった。想定外では全くない。
チーム・プレゼンテーションの華やかなショーの最後に登場する、優勝候補ナンバーワンの王者がブーイングで迎えられることは、気分がよくなる光景ではないし、TV画面に映したくはない、醜悪な光景といえる。

しかし、その事態を引き起こしたのは、彼に出場を許したUCIとASO、なにより、コンタドール本人である。
ツール前にCASで決着をつけていれば、出場するときは晴れて無罪確定だし、有罪なら出場しない。
無罪確定でも、一部の人は疑い続けるし、昨年のチェーンゲートで、すでに彼はフランス人の半分くらいからの好意は失っていて、それに輪をかけるので、やはりブーイングを受けることが予想できるが、今回よりは少なかったことは間違いない。
審理日程を引き延ばして、決着をつけず、ブーイングを招いたのは、誰でもない、本人だ。



●WADAは、「何か」を掴んでいる

先日、「ひっかかる」点を記したが、改めて整理をすると、一番に挙げるべき点は、「WADAは、食物汚染の主張を、複数の事例では追認したのに、コンタドールだけは追認しなかった」こと。

私は一次資料を何も持たず、二次以降の資料だけで判断するしかない一観客だ。誰の判断(意見)を重視すべきかと考えると、最重要は、「一次データを保有するWADA」ではないか、と思う。

現況では、「WADAは、本件は食物汚染ではない(のではないか)とする論拠を何か持っている」ように思う。
それが、私のように「ひっかかる」程度なのか、かなり高いレベルの疑いなのか、程度は定かでないが、「何か」があるのではないか。



●行き着いた果て

この機会に、続けて記す。

私は、アンディが「シロ」の選手だ、と確信してはいない。
今回コンタドールに起こったことと同じことが彼の身に起こったなら、私は、今回と同じように考える。
「クロの可能性はある」と。

「気持ち」の部分では、「やっていない」と思う。これまでに集めた情報で「こういうパーソナリティ」と作った像からすると、考えにくい。
「どこぞで得体のしれないものをつまみ食いして、悪いものに当たっちゃったんじゃないの。用心なんて全然しなさそうだから、やりかねない。そこら中にモノ忘れる、スケジュールも忘れるような人なんだから、怪しいものを飲み食いしたって覚えてなさそう」

本人が、必死の顔つきで、「(ドーピングは)やってないって!」と言ったら、「うん。そうだよね」ときっと思う。
コンタドールのファンの多くが今そうなのと全く同じに。

けれども、私は、「理屈」を知っている。
私は、彼本人ではなく、赤の他人だから、彼が何をしたかも、嘘をついているのかそうでないのかも、本当のことは判らない。
仮に、自分の息子であっても、同じことだ。自分自身以外の人間の心の内の真実は、判らない。当たり前だ。

ただ、自分の息子であったなら、目の前で「こんなことになって」と愚痴られたら、「うん、うん、うん」と、黙って相槌を打つ。
「嘘かもしれないな」と心の内で思ったとしても、やっぱり、「うん、うん、うん」と、黙って話を聞く。

そういうものだと思う。

これが、ミハエル・シューマッハのファンをやって、「97年ヘレス」に、何年もの間、苦しみ続けた人間が、辿り着いた域。
97年ヘレスについて、先日、やっと判ったことがある。「14年目の97年ヘレス」は、機会があれば書こうと思う。



●デンマークでは
Danske mænd støtter Contador - kvinderne er lunkne(7/1)
デンマークでの世論調査では、コンタドールの出場は、OK50%、反対33%
男女で差があり、男性はOKが多く59%、女性はノーが増えて、ほぼ半々、だそうだ。

デンマークには、リースの支持者が多いと思われるが、反対派がこれだけいるのは、報道が、客観的な事実(クロである可能性)をきちんと伝えてきたからだろう。
2011/06/19 : 【コンタドール事件】経過と見通し

そして、男は「強ければいい」し、女は「強ければ許されるということはない」という価値観の反映では。

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●TdF team presentation

なんて、美しいんだろう。

シンプルなデザインのジャージは、シーズンが始まって間もなく見慣れ、中継を見ていれば、すぐ目に入るようになった。
だが、今日の舞台の上に並んだ姿は、いつにもまして、美しい。

白と黒、そして水色のラインが、すっきりと、涼しげだ。
先日、国籍を確認した通り、色目の薄いケルト、ゲルマン系が中心で、すらりとした長身が揃っている。
そうか、帽子。帽子を被っているので、頭の形の違いが隠れて、揃って見えるのか。

いや。見目形だけのことではない。
新しいチーム、信頼する仲間たち、胸に希望。煌めいて映るのは道理。

背に翼が生えた姿の幻想が、一瞬浮かんで、消えた。

選手1人ずつが紹介されている最中、アンディが、くしゃみをした。
隣のファビアンだけでなく、その隣のヤコブまで振り向いて、アンディを見た。
アナウンスの音声はかなり大きいようだったが、よほど大きなくしゃみだったのか、それともエースに常に注意を払うお仕事を、レース前からやっていたのやら。



●仲間たち

Le Quotidienの掲載したオグレディ(6/28)とフォイクト(6/29)のインタビューを読み、ようやく、すべてを了解した。
1年前、チーム・シュレクの話が出てから、ずっと探し求めていた件。チーム・サクソバンクの中で、どの選手がどういう関係だったのか。固く結びついていたのは、誰と誰か。

シュレク兄弟、オグレディ、ファビアン。
この4人が、互いに離れない関係だった。この中で重要なポジションにいたのがオグレディ。
彼は、シーズンを通してファビアンとレースを共にし、ファビアンを助けた。そして、ツールでは、シュレク兄弟を助けた。
彼は、ロードでキャプテン役を果たす。シュレク兄弟は彼が必要で、ファビアンも彼が必要だった。
4人は友人同士であると同時に、レースで欠かせないチームメートだったのだ。

フォイクトは、シーズンを通してシュレク兄弟とレースを共にすることが多く、兄弟を愛した。
オグレディとフォイクトとファビアンの目から見て、シュレク兄弟は、「2人で1人」の、世にも珍しい、愛すべき存在だった。ツールで兄弟を助けて、マイヨ・ジョーヌを獲らせる夢を叶えることができたら、友人として嬉しい。

彼等は、08年に、サストレにマイヨ・ジョーヌを獲らせた。我々が獲らせた、という「仕事の達成感と誇らしさ」は得たが、個人的感情としては別のものがあった。彼等は、友人であるフランクの落胆を知っていた。

これで、昨年ブエルタでのオグレディとアンディの追放事件の真相が、やっと明白になった。
あの日の昼間、ブエルタにやってきたリースがファビアンと話をし、話題が契約解除の件であったことは疑いようがない。
リースは、「彼等の関係」を知っていたから、諦めるしかないことは判っていたが、シュレク兄弟とオグレディが、契約の残っていたファビアンを連れていくことを鷹揚に許せるほど仏様にはなれなかったのだろう。

(最近のインタビューで、帰ってきたのは1時だ、とアンディが発言していて、朝5時まで飲んでいた、と広められたことの恨みがあるような気配もある)

ファビアンの昨日のツイートを見て、吹き出しそうになった。
Dinner table discussion @leopardtrek.... Is the moon landing true....!!?? There are meany opinions about a big hugh lie. Is it true.??

月面着陸は嘘という話題は、「09年」のツールで繰り広げられていた、とクリスが記した。
まだ飽きずに繰り返しているのか?

いや。同じ話を飽きず繰り返し、喋りに喋り、「今までと同じように」振舞うことのできる、気心の知れた仲間たちのいる環境を望んで、彼は契約を解除して移籍することを選んだのだろう。

・・丸々1年かかった。これから大きく変える必要に迫られることは多分ないだろうと思うが、追記があればそのときに。