南の国の太陽、空の色の獅子

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幸せ

<追記>

レース終了直後のインタビューのときの顔が、目を見張るほど「美しく」見えた。

この人の顔の造作は「素晴らしく良い」、という認識は、04年ツールで初めて見たときから持っていた。私の美意識では、チーム・サクソバンクで一番いい男である。
だが最近は、それほどは感じなくなっていた。(多分見慣れたせい)

少し前ツールのTTも勝っている。第19ステージでアンディを迎えたときも、いい顔をしていた。でも今日の顔は、あのときとは違う。

「自分自身の勝利」のために、全身全霊で闘って、勝った後だからか。

落ち着いて考えると、帽子を被っていないので、髪と頭の形が見えて、いつもと違ったとか、角度がちょうど好みだったとか(「あれ、鼻が大きいな」と思ったが、大きいのはOK)もあったのかもしれない。
何であるにせよ、思った。
「この先も、この人のこういう顔を見たい」
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明日はTTエリート男子だが、サクソバンク公式サイトは、今日時点で、世界選に関するニュースを掲載していない。
昨年は、世界選前に、プレビューを書いた。誰に期待するか名を挙げて。(カンチェとブレシェル)

今年は、来年チームにいない選手が勝っても意味がない、からか。アルカンシェルをとっても、他チームにあげるだけ。
カンチェが世界選の調整のためにブエルタを途中で帰るのを許可せず(=アルカンシェル獲得の協力をせず)、一悶着起こしておいて、彼に勝たれたら、ばつが悪いとしか。

更に困ったことに、TTの他の有力候補ポートが、来季残留を決めていない、と言い出す騒動を起こす始末。(これには流石にリースがブチ切れ、許さない構えだが)
サクソとしては、唯一チームに忠実なラーションが一番成績がいいのが望ましいのかも。
さて、明日の結果をどう伝えるだろう。

他方、世界選後のレースの出場予定選手一覧を公表している。
Giro di Lombardiaに向けたイタリア連戦(Giro dell'Emilia、G.P. Beghelli)は、アンディ、フグルサング、ルンド、ディディエ、クリスアンケル、ポート、ラーション、ステンセン。
移籍組4人・残留組4人という編成。(但し残留組の内の1人はチームに対する忠誠を欠く)
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Velonationは、関係者への移籍市場に関するインタビューの際、ルクスチームについて意見を聞くことがある。
Brian Smith interview: transfer market, Team Sky complications and Cervélo’s decision to stop (9/25)
イギリス人解説者・コンサルタントのBrian Smith。
新規立ち上げのチームは、いきなりプロツアーチームではなく、プロコンからスタートさせるべき、という主張を述べるが、「ルクセンブルクチームは?」と尋ねられると、「そこは強い」。選手の名を並べ、「知られている選手のポイントを足すと、世界3位になる」と例外扱い。

その他、スミスの話の中から。

・移籍情報の公表時期

移籍情報の公表が8/1から解禁になったが、世界選後に変えた方がいいと思う。8/1後もいいレースが沢山あるのに、移籍の話題が多くなってしまう。ユーロスポーツのブエルタの解説は、レースより移籍市場の話が多かった。
スミスのこの主張は、ルクスチームに関する自分のかねてからの思いつきにリンクした。

ルクスがいまだに情報をほとんど(スポンサー名も)発表しないことは、一部に不審を招いている。リースも、カンチェ離脱発表のとき、そう口に出した。
解釈として、チーム設立に何等かの問題がある、とネガティブなものも想定できる。
この可能性が絶対ありえない、とはいえない。もしそうなら、それはそれで仕方ない。別に破滅するわけではなし、そういうこともあるさ、ということで。(年と共に肝が据わる)

問題があるわけではないケースで、考えられること。
このチームは、実質的に、「チーム・サクソバンクを割って、作る」という事情上、早くに表沙汰にすると、サクソバンクのシーズン残りのレースに悪い影響が出そうなので、シーズン終了まで伏せる、という方針にした。

移籍が噂されているサクソバンク在籍の選手たちが(シュレク兄弟以外は)全員口にチャックなのは、そのため。互いにおおよそ知っているにせよ、移籍組と残留組が顔突き合わせて仕事するのに必要以上の軋轢を生みたくない。
更に、選手のみならずスタッフたちを引き抜く腹があり、その案件は伏せておきたい。表向きはなるべく穏便に、今シーズンを終わらせたい。立つ鳥跡を濁さず。

ニガードとアンデルセンがそう考えたとしてもありではないか、と思った。
アンデルセンが、予想外に、ツール直前にリースに首を切られたことで、振舞に慎重になったのでは。

自分は、「来年、ライバルチームへ移籍することが発表になっている」ドライバーをエースに丸々1年間チャンピオンシップを戦うこともあるF1を見慣れて、鈍感になっているが、自転車は、F1とは数字のケタが違う小さな世界だから、人間関係で「気を遣う」ことをしないと、不都合な点もあるのではないだろうか。

スミスも、「プロトンは小さな世界」だから、友情を育てないといけない、と述べている。(スカイはそうしなかった、という指摘)

・チームの都合と国全体の都合

スカイは、イギリス人選手たちをかき集めたが、結果として、若手選手たちの戦績が揮わなかった。若手は、他国のチームで経験を積ませた方がいい。

という旨を読んで、ルクスのプロジェクトに、リース(及びデンマークのリース信者)はカリカリだが、デンマークの自転車連盟の人間は、「デンマーク人の関与するチームが複数ある方が、デンマーク人選手の活躍の場が広がっていい」と歓迎する発言をしたことを思い出す。

ルクスを牛耳るニガードとアンデルセン、更にHTCにいるホルムが、自分のコネで自国人の有望選手を引っ張ることで、デンマーク人選手は分散する。イギリスとは逆のことがデンマークでは進行している、という話。

・Velonationの暫く前の記事
Behind-the-Scenes: Agent Orlando van den Bosche discusses the state of the peloton (9/1)
オランダ人エージェントvan den Boscheのルクスチームについての発言
「内密に垣間見たことしか言えぬが、大きなチームになる。シュレク兄弟がいるというだけでなく、オーガナイズや背後にいる人物という点から、かなりのチームになると思う」



ここまで書いたところで、ジューリックのサクソ離脱のニュースを知る。
Julich leaves Saxo Bank management(cyclingnews)
自分の推理とはいえない推理(9/21)
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●一段落

カンチェ騒動で少々バタバタしたが、この後は基本的に10月の発表まで待ちの体制。
地元紙のLe Quotidienが、けっこうマメに状況を伝えていて、24日付の記事では、現状を整理している。

カンチェは、世界選に出発する前の記者会見で、「移籍先は未決」と発言し、ルクセンブルクメディアたちはトーンが落ちた。
自分の判断を言うと、Luxemburger Wortの情報源が正しい可能性はある。でも間違いの可能性もある。どちらもありだし、どちらでも不思議はない、と思う。

彼の内面の推測は、それができるだけの材料を自分は持っていないので、できない。
どこを選んでも、理由はそれぞれ(今の時点で)想像できるので、どこに決めても、本人の説明をすんなり納得するだろう。
本人の最近の発言は、判断の役にあまり立たない、と思っている。サクソ離脱発表の直前に、彼はいくつかのメディアに喋ったが、離脱が決まったことを隠していた。
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特捜検察に警鐘を鳴らす検察OBの話で、非常にタイムリー。
2週間前、図書館で予約したとき翌日に届いたが、今日確認したら、予約が複数入って待ち状態になっていた。

文章がいまいち読みやすくなく、前半の小沢一郎の政治資金問題は(面倒なら)とばしてもいいが、後半の「特捜検察の体質がこうで、このままではいけない」という警鐘の部分だけでも、読んでおくといいと思う。
少なくとも、こういう内容は、TV・新聞のマスメディアは、一般世間に届けないから。

第一章 陸山会土地取得をめぐる政治資金問題
第二章 ガダルカナル化する特捜検察 
第三章 世間に煽られ、世間を煽る
第四章 検察をめぐる「思考停止」の構造
第五章 検察革命
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●カンチェ

カンチェは、明日(水曜日)9:00、チューリッヒ空港で、記者会見を行う。
ここで、世界選参加の結論を発表する予定。
Cancellaras nimmt aber wahrscheinlich an der WM teil(Blick/9.20)

この記事は、移籍先を断定していないが、tageblatt.lu(昨日紹介分)によると、SonntagsBlickは、ルクスと書いたらしい。 引用で、文脈ははっきりしないが。
おそらく、Blick=スイスサイドは、自分のルートでは、情報を入手していない。カンチェ側は漏らしていない、ということ。
しかしルクスチーム側がリークした。Luxemburger Wortは、煽り記事を日常的に書くタブロイトとは違う。いい加減な憶測を書くメディアではない。「ルクスチーム側の信用できる筋」からの情報(リーク)なので、断定して報じた、と推測することが可能だ。
よって、信憑性が高い、という判断を、Blickもデンマークメディアもした、と思われる。

9/21、今回の報道についてアンデルセンは、「ノーコメント」。(Le Quotidien

●スタッフ

サクソの中のルクスへ行くメンバーは、公式に発表されているのはアンデルセンとシュレク兄弟だけで、他はいまだに全員非公式だが、流布している説は事実、とみなしてよさそうだ。
この記事内のリースの発言から、来季残留するスポーティングディレクターは、マクギーとフロストで、シュミットは噂通り離れることが判る。
シュミットのルクス行きは早くから言われていた。今季スタート時のディレクターは、アンデルセンを加えた総勢4人で、うち2人がルクスへ行く。

チーム公式サイトのcalenderのページで、今季各レースのディレクターが確認できる。誰が、どこのレースを指揮しているかを見ると興味深い。
カンチェの勝った春のクラシックに記載されているのは、全部シュミット。
(アンデルセンの名は消されているので、担当している可能性があるが、確認できない。大きなレースには2人がつくときがある。ディレクター名が全くないレースはアンデルセンと推測できる)

世の中一般に広く知られてはいないと思うが、現在リースは、年に数回の大きなレースにしか顔を出さない。今季間違いないのは、ToCとTdF。カリフォルニアは、スポンサー探しの目的の方が大きかったのではないかと推測している。
つまり、選手たちが日々のレースで顔を合わせ、話をするのは、スポーティングディレクターと、チームメートたちと、メカニックやマッサーのスタッフたち。リースと話をする機会は、滅多にない、おそらく。

話に出ていないが、ルクスへ行くかも?と自分が思っているのが、ボビー・ジューリック。
TT指導を担当しているが、彼は元々フォイクトの親友で、フォイクトの紹介でCSCに来た。そして、フランクの結婚式に出席している。

フランクの結婚式の列席者というのは、けっこう意味がある。基本的に現サクソの中のルクス行き組なのだ。
結婚式当日時点で、残留確定の例外は、ニキ1人だった。
ここに書いた通り、ニキは、フランクにとって唯一人の先輩に当たる。ニキが一番の古株で、フランクが二番目。
だから、今までお世話になりました、大勢引き連れて出て行ってすみません、という仁義みたいなもので、礼儀を尽くしたのではないだろうか。フランクの性格だとそうしそうだ。
というわけで、ジューリックがルクスに来ても自然、という話。

●写真
アンディ
ページの下の方。こういうのは珍しい。フォトグラファーの肖像写真のうちの1枚。フランクの方は普通。

【Vuelta2010】
●名は預言者

今回、とあるステージで、「Ezequiel Mosquera」と画面に出た文字を見て、はた、となった。
「エゼキエル?」
どうして、今まで、気づかなかったのだろう。ここ数年、ブエルタで活躍するのを見て、馴染みの選手なのに。
今回も、こっそり応援していた。大きなチームに在籍しなかったため、ツールに出ることもなく目立たなかったけれど、こういう素晴らしい選手がいたんだ、という気持を持っていたので。

不思議に思ったが、どうやら、カタカナでは「エセキエル」と表記されていたので、ピンとこなかったらしい。「濁点があるかないか」で、認識が違ったらしい。
預言者の名だから何ということはないが、自分の記憶では、頻繁に見かけるファーストネームではなく、完璧に頭にインプットされた。
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ルクセンブルクの報道。
Fabian Cancellara wechselt zum Team Luxemburg(Luxemburger Wort/9.19)
Cyclisme: Cancellara file également(Le Quotidien/9.19)
Jetzt zum Team Luxemburg(tageblatt/9.20)

デンマークメディアが一斉にLuxemburger Wortを引用。
Riis- rival grabs also Cancellara (politiken.dk)
Avis: Cancellara følger Schleck-brødrene(sporten.dk)
Avis: Cancellara skifter til Luxembourg(TV2sport.dk)

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【チーム・ルクセンブルク】

"Team Luxemburg"Investitionen auch in eine Nachwuchs-Truppe?(wort.lu/9.18)
„Team Lëtzebuerg“ wächst: Brice Feillu und Mercedes(tageblatt.lu/9.17)

ルクセンブルク語は、おおよその趣旨がなんとか判るものと、さっぱり判らないものが混ざる。文意を完全に取り違えることもあり、先が思いやられる。

重要な点は、いまだ不明。正式発表は10月後半の見込み、とwort.luは記載。

●リースがカンチェの離脱をアナウンス(9/18)

http://www.cyclingnews.com/news/bjarne-riis-says-fabian-cancellara-can-leave-saxo-bank
http://www.cyclingnews.com/news/riis-on-cancellara-i-got-the-best-out-of-him
http://www.velonation.com/News/ID/5717/Fabian-Cancellara-buys-himself-out-of-Saxo-Bank-contract.aspx

あっさり発表。早かった。
行き先は決まっている、と思う。多額の賠償金の支払いの問題があるから。
木・金に記事になった彼の発言の中には、「ルクスではない」という推測を招くものがある。

Blickは、コンタドールの移籍発表直後に、「コンタドールはカンチェの助けは得られない」、カンチェはチームを去る、と予想した。
予想でなく「願望」だったのかもしれぬが、結果は当たった。
(当時、その「ズケズケ」っぷりが目をひいた。デンマークメディアが、コンタとカンチェの2人が揃って、最強チームになるぞ、と浮かれているのを、「うちのヒーロー」を、スペイン人の「アシストふぜい」にしたいのかね、そうは問屋が卸さんわ、というノリにみえたので。各国のナショナルバイアスの面白さ、である)
その彼等は、行き先として常にアンディ・リースのBMCを挙げてきたが、今言い切ってはいない。(確たる自信はないのか)
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一夜明けて、デンマークメディアを見に行ったら、事態が急展開。

http://www.sporten.dk/cykling/cancellara-storskuffer-team-saxo-bank
http://www.sporten.dk/cykling/cancellara-maa-taenke-paa-mig-selv

どうやら、sporten.dkは、諸々の情勢から「カンチェとリースの関係は破綻して、カンチェの離脱の意志は固い」と判断した、ようだ。9/16(木)時点で、報道はその方向に向かい、今や一気にその流れ。

カンチェは、昨日第19ステージ途中でブエルタをリタイアした。一般世間では、世界選のため、と疑問を持たれず受け入れられたようだが、デンマークの報道は違う。

現場で指揮をとるブラッドリー・マクギーは、カンチェのリタイアは、計画していたことではない、という。
マクギーが知らぬ間に、帰ってしまった。
「チームは、ファビアンのリタイアに失望している。これは偉大なチャンピオンの振舞ではない」
「リタイアした理由は知らない。彼は、飛行機を捕まえるために、空港へ急いだ。彼は今、携帯電話を持っていない(だから話ができない、という意味だろう)」

片やsporten.dkは、空港で、飛行機に乗る前のカンチェをつかまえるのに成功している。
確定的な言葉は口から出さないので、メディア側は「総合的に判断」して、記事を作ることになる。

feltet.dkによると、リースは、今晩(9/17)ブエルタに来て、最後の2ステージ滞在する、という。メディアは当然、カンチェについてのコメントを求めるから、続報待ち。



追記

デンマークに追随した18日付の英語記事
http://www.cyclingnews.com/news/saxo-bank-angry-over-cancellaras-vuelta-exit
http://www.velonation.com/News/ID/5712/Vuelta-a-Espana-Fabian-Cancellara-exits-race-on-a-silent-note-relationship-with-team-worsens.aspx

(携帯電話を持っていない、ではなくて、電源を切っている、もしくは応答しない、が正しい訳。自分のデンマーク語の記事の理解は不正確)

さて、細かいことはもうよかろう。方向は見えた。あとはいつ決着をつけるかの問題だけ、だと思う。

ところで、アンディとオグレディ帰宅事件のとき、自分の思ったこと。
「部屋割は、いつものように兄弟一緒だよねえ?オグレディはカンチェ?・・何時に帰ってきたのか、知ってるよねえ、ルームメイトは。それとも、2人とも寝てて知らなかった?・・2人が帰った後の部屋割は?残ったフランクとカンチェを一緒、はない・・よな・・」
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●ルクスチームの背景

いい記事が出た。これまで靄の中だったルクスのプロジェクトについて。
http://www.sporten.dk/cykling/team-lux-faar-150-millioner-aarligt
元記事はドイツメディアで、今やスポンサーがみつからず、プロチームが消滅していく自国と比して、隣国ルクセンブルクの活況ぶりを伝えている。
http://www.sportschau.de/sp/radsport/news201009/13/radsportboom_luxemburg.jsp

ルクセンブルク自転車連盟のEd Buchetteが、ルクセンブルクの自転車界の現状と展望を語り、その中で、プロチームの立ち上げを、長年の夢の実現として言及している。
フラビオ・ベッカは、複数の事業を行うルクセンブルクの富豪の1人で、多くのスポーツのプロジェクトを手掛けている人物。サッカーチームF 91 Dudelange のパトロンで、ルクセンブルクにサッカースタジアムを作った。その彼の最新のプロジェクトが、自転車のプロチーム。
Buchetteによると、資金規模は、20ミリオンユーロ。本当なら最大レベルである。

ルクスにおける自転車プロチーム設立が望まれていた空気をアンデルセンが読んで、シュレク兄弟をかつぎ、サクソの主力のスタッフ・選手を引き抜いて始めたことなら、資金もオーガナイズも大丈夫、と、みながついてくるわけだ。

●カンチェ

レキップのインタビューに応じる。(9/17)
ウェブ掲載はごく一部で、全体はわからず。
http://www.lequipe.fr/Cyclisme/breves2010/20100917_085932_cancellara-au-stade-des-discussions.html
CNが、より多く内容を載せている。
http://www.cyclingnews.com/news/uncertain-future-for-cancellara

重要な件の要点。
来季については、未定。
世界選の参加も、未定。

CNの記事中、目を止めたのは、
I don't want to hurt Bjarne, nor Alberto... not even Frank.
この科白から推測できることは、「彼に働きかけたのが、以前レキップの書いた通り、フランクであること」。

実は、先日のEL PAISのリースの発言で、リースが引き止めるのを諦めた=離脱が決まったのではないか、と思っていた。が、そうでもなくて、決着がついておらず、膠着状態なのかもしれない。

ルクスチームの記者会見日はいまだ不明で、ブエルタ後、世界選の前?と思っていたが、どうなるやら。
完全な憶測だが、ルクスが発表を遅らせている理由のひとつは、カンチェが合流できるか否かの決定待ちかも?と思っていた。

それにしても、「フランクが元凶」という裏が取れると、よくリースがキレないな、と思う。
契約期間の終わるフランクが出ていくのは、ビジネス上やむを得ないし、来季契約のない選手たちを根こそぎ連れていくのもやむを得なくても、契約の残っているカンチェまでも連れていこうというのは。
(あ、キレた矛先が、お気楽アンディとオグレディに向いたのか。・・妄想です)
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【チーム・ルクス】ブリース・フェイユ、ルクス入りをアナウンス(9/16)

J'AI DIT OUI AUX SCHLECK(La Nouvelle République)
いつものことながら、CNの翻訳・引用の文章は、ニュアンスが微妙に異なって伝わる箇所があるので、原文を参照。

●未決案件

サクソバンクとルクス周辺の、関連性のある、未決の案件いくつか。

・ニック・ナイエンス
ラボバンクのクラシックレーサー。08年ロンド・ファン・フラーンデレン2位。
マネージャー談「90%サクソバンクへ行く。契約の準備はできている。カンチェラーラの去就の決定を待っていたが、これ以上待てない」
Nick Nuyens på vej til Bjarne Riis(9/16)

・テイラー・フィニー
アメリカのホープ。トレック・リブストロング所属で、今年、デンマーク1周レースにレディオシャックから出場したが、来季は未決。
当然、レディオシャックは望んでいるが、スポンサードが来年1年しか確定しておらず、チームの将来が不明であることがネック。本人は、長期契約が希望で、いいオファーを出したのは、BMCとルクス。(この2チームは、ここでも争奪戦をやっている)
BMCと4年契約した、との報道が一度流れたが、本人は即否定し、発表はまだ。

ルクスの持つ優位性は、トレックと契約したこと。
トレックは、明確に、レディオシャックからルクスに乗り換えた。長期的な展望を持ってルクスと組むつもりがあるのなら、もしかしたら「トレックがフィニーを望んで」、芽があるかも。
アンデルセンは、トレックとの契約が4年であることを明かしている。
但し、ルクスはヨーロッパベースのチームであり、アメリカ人としてアメリカベースのチームの方が好ましいなら、負ける。

アンディが、暫く前に、Twitterでフィニーをフォローリストに入れ、ちょっとひっかかっていた。彼のフォロー相手は、基本は「お友達」なので、何かあるのかな?と思った。

・アレックス・ラスムッセン
デンマークメディアたちは、9/9付で、アレックス・ラスムッセンがサクソバンクを去り、HTCへ行く見込みを報じている。
ラスムッセンは、トラックの世界チャンピオンで、昨冬は6日間レースで勝ちまくり、今季ロードで4勝を挙げている。リースの失う、3人目のデンマーク人の若手有望選手。
Verdensmester tabt for Riis?(9/10)

仕掛けたのは、ブライアン・ホルムで、ルクスチームへ行くのどうのと言っていたら、裏でこういうことをしていた。
ホルムいわく、「移籍するグライペルの代わり」を期待しているそうだ。
但し、候補として、HTCの他、GEOXの名が挙がっていて、未決。
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・カンチェ移籍騒動・途中経過

9/13付EL PAIS(スペイン)のリースのインタビュー
「カンチェラーラは、チームに残るのか?」という問いに対する返答が、「判らない。だが、アルベルトのためにいいチームを作る。問題ない」
Alberto es más serio, Andy tiene mucho que aprender

この質問をされると、これまでは必ず繰り返していた「契約がある」を、口に出していない。
解釈:「『我々のチャンピオンのアルベルト』が、おたくに行くけど、ちゃんとサポートしてくれるよね?カンチェラーラは、ツールでアルベルトをアシストしてくれるんだよね?」という意味で聞いてきたスペイン人に、安請負をして、あとで叩かれたくなかったため。

他方、オーストラリアのSydney Morning Heraldの9/14の報道。
Cancellara high on wish-list for Pegasus's bespoke team of stars
オーストラリアの新チーム、ペガサス・レーシングのクリス・ホワイトが、カンチェに興味がある(マネージャーと話をした)旨の発言をしたことを紹介している。
高いレベルの話ではない。現時点で候補のフロントローに並ぶのは、依然、BMCとルクス。
(デンマーク、フランスメディアの記事は引用で、上記が元記事)

・08年ツールの話、スペインメディアの被害者意識

EL PAISのリースへのインタビュー内で記者は、「08年ツールで、リースは、サストレでなく、シュレクを勝たせたかった」という「ひがんだ見方」をしていたことが判る質問をしている。

スペインメディアたちがそうなる事情は判る。彼等は、同胞の選手たちが「チームで正当に評価されて尊重されていない」という「被害者意識」を持つ傾向がある。それを自分は知っている。
アロンソを巡ってイギリス×スペイン全面戦争状態になった07年、敵に回したくないが、味方にもしたくない、とつくづく思った。

08年ツールに関しては、もしも、「サストレが、ツールの時点で、リースとうまくいっておらず、離脱が確実だった」という認識を、スペイン人たちが「明確に」持っていたとしたら、彼等の見方は、理解できる。
離脱するサストレを勝たせるより、来季も在籍することが確定しているシュレクを勝たせた方が、リースにとって「都合がいい」に決まっているからだ。

「実際には」、リースが、その点よりも、今年の目標の達成(マイヨ・ジョーヌと取ること)を第一優先していたとしても、この疑いをかけられることは、やむをえない。

思えば、今年も似たような事態だった。コンタドールと契約できることが判明して以降、リースにとって、アンディが勝つより、コンタドールが勝つ方が、都合がよかった。
もしも、アンディがスペイン人で、コンタが別の国籍だったら、スペインメディアは、リースはアンディを勝たせたくなかった、コンタが勝ったことを喜んだ、と堂々と書き立てたであろうことは、想像に難くない。
(実際の国籍は逆で、ルクスのメディアがお行儀よくて、助かった)
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■一枚の写真

8月に発売されたCICLISSIMO(チクリッシモ)no.20ツール特集号は、買わなかった。
メインの記事を書いているフランス人記者、ケネの記述は、私の感覚に合わない。私は基本的に、選手たちに対して「敬意」を払っている文章を好む。フランス人たちの、偉そうな、皮肉っぽい態度は、合わないときが多い。
アンディに関する1ページの記述は、「家に持ち帰る気が起こらない」ものだった。

文章以上に、購入意欲を削いだのは、表紙の写真である。
発売前に、砂田氏のブログで写真を見て、勘弁してくれ、と思った。「・・なんでこのシーンなんだ?」
記事の中身がよくて、欲しくなったらどうしよう。幸い、中身も欲しくなく、悩むことなく買わずに済んだ。

なぜ、自分がこの写真にそこまで拒否反応を起こしたのだろう、と考えてみた。ツール特集号の表紙がマイヨ・ジョーヌのアップなのは毎年の恒例だし、私は、コンタドールを嫌いというわけではない。
(念のため文字で説明・・表紙の写真は、最終日、コンタとアンディが2人でじゃれておっかけっこしていたときの笑顔のコンタ。背後に小さくアンディが写りこんでいる)

答。自分は今年のツールの総括として、「コンタドールは、アンディを心理的にコントロールした」というフィニョンの解釈を、認めたくはないが、蓋然性が高い、と「いやいや」採用していて、そのため、「そのことを象徴しているこのシーンが不快」らしい。

私が購入したのは、CYCLE SPORTS9月号である。
こちらのアンディの記事は、購入する意欲をそそった。
記述だけでなく、写真を、気に入った。

第15ステージ、マイヨ・ジョーヌを失い、マイヨ・ブランの表彰式に現れたとき、人差し指を高く掲げた姿を、真正面から捉えた1枚。
これを見たとき、「私は、この写真が一番好きだ」と思った。

私は、「のんきで、そそっかしくて、自然体で、ノーストレス」で、自転車選手一家の末っ子のストーリーが好き、なわけではないのだ。
一番になりたい、なってみせる、という強い意志を見せる子が好きなのだ。
今でも。

だから、この日の、悔しさに唇を噛んだ姿が、一番、魅力的にみえる。
これが、私が、見たい、と思っている彼の姿。
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アンディとオグレディの2人が、6日の休息日、夕食後に飲酒し、チーム規則に反したという理由で、翌朝リースに帰宅させられる。(第10ステージ未出走)

http://www.velonation.com/News/ID/5571/Andy-Schleck-and-Stuart-OGrady-out-of-Vuelta-for-violation-of-teams-rules.aspx
http://www.cyclingnews.com/news/updated-andy-schleck-ogrady-removed-from-vuelta
http://www.cyclingnews.com/news/riis-explains-schleck-and-ogrady-expulsion

・オグレディの言い分
The Australian
http://www.theaustralian.com.au/news/sport/saxo-bank-drops-stuart-ogrady-and-andy-schleck/story-e6frg7mf-1225915776866
(引用)
http://www.velonation.com/News/ID/5583/OGrady-unhappy-with-exclusion-from-Vuelta-says-Riis-over-reacted.aspx
http://www.cyclingnews.com/news/ogrady-rethinks-his-world-championship-build-up-after-vuelta-expulsion

・ルクスの報道
http://www.lequotidien.lu/index.php/les-sports/14998-Cyclisme-Les-dessous-dun-rglement-comptes.html
http://www.lequotidien.lu/index.php/les-sports/15040-Cyclisme-Une-histoire-qui-termine-mal.html

・フランクの反応
http://www.velonation.com/News/ID/5588/Frank-Schleck-responds-to-brothers-ejection-from-Vuelta-OGrady-blames-team-tensions.aspx


報道が大体出そろったところで一度整理しよう。
「朝5時まで飲んでいた」と、チーム(リース)側の発言としてメディアが広めたが、2人は否定し、言い分が異なる。
事実は不明。

冷静に判断するのは、易しくない。
いい気分にはならない。誰もハッピーにならない。誰も。
だが、誰かを批判する意欲も、擁護する意欲も、ない。

現段階で自分の意見を言えば、「チーム・サクソバンク分裂のとどのつまり」
そう受け取るのが、妥当のような気がしている。

別の言い方をすれば、ルクス(アンデルセン)組は、「自分たちが、『ビャルヌ・リースのチーム』を破壊した」ことの重大性の認識が少々足りなかった、のではないか。

私は、アンディを応援するファンだが、リースの立場に身を置いて考えることも、する。
今のビャルヌ・リースに、私は、フランク・ウィリアムズの名言「ドライバーはいつか去るが、チームは残る」を思い浮かべる。
応援するドライバーがウィリアムズに在籍したとき、利害が反する局面もあったが、私は、己のチームを守り続ける誇り高きチーム・オーナー、フランク・ウィリアムズを、尊敬している。

おそらくは、離脱組たちが、離脱確定後に「ビャルヌ・リースのチーム」でレースを続けることには、無理があった。

フグルサングは、デンマーク1周レース後、チームのマネージメントからほっておかれている(無視されている)、という。
ブレシェルは、ブエルタ参加を強く望んでいたが、リースは彼の要望を却下した。

・・あくまで、解釈のひとつ、である。見方・受け取り方は、色々あると思う。
ただ、自分は、酒を何時まで飲んだ、という事柄は、重視しない。

事件の本質は、「別」だと思う。



ざっと見たところ、「明確にリンクして」指摘はされていない件を書く。

「事件当日」の休息日に、リースは、カンチェと会談した。と思われる。

http://www.cyclingnews.com/news/riis-defends-his-decision-to-punish-schleck-and-ogrady

はっきりとそういう記載はされていないが、前後の事情から考えて、事前の予定通り、会談は行われた、と思う。

Riis has secured his team leader for the Tour de France but admitted that he is still trying to convince Fabian Cancellara to stay with Saxo Bank for 2011 and lead the classics team.

We’ve talked and we’re still talking. For the moment he’s staying. He’s still got a contract for another year…”

(現在メディアの間では、カンチェは移籍を考えている、という見方が支配的で、それを前提にした文章を書く。その抑えは必要)

この文章からすると、リースは、カンチェに納得して残って貰うべく、努力をしている。カンチェは、はいわかりました、残ります、という最終回答をしていないので、「話合い継続中」と思われる。
残留が決まっていれば、リースがメディアにぐたぐだいう必要はない。「残留する」の一言で終わっていい。

私の推測では、カンチェとリースとは、この件を今までずっと話しておらず、この日に、リースは「初めて」、カンチェがどう考えているかを聞いた。
カンチェ側は、腹を据えて、ぶっちゃけて話したろうが、それを聞いたリースの心の内は果たしてどうだったのか。

カンチェと会談した翌朝、リースは、アンディとオグレディを、ブエルタから追放した。
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9/8に書いた最後の一文に対し、複数の方からコメント・メールを頂戴しました。
コメントは、表示される前提でお書き戴いたと思いますが、基本的に、不特定多数に向けてではなく、「私個人」への呼びかけと受け取り、勝手ながら、表示をしないでいたいと思います。
ご了承下さいますよう、お願いいたします。

pan-toraさん
いち早いコメント、ありがとうございました。ほっとしました。

hanahana2さん
はい、「そんな人」ばかりではありませんでした。有難うございます。

Rさん
身に染みる一言がありました。お伝え下さって、有難うございます。


で、更新を止めていた自転車の話題を再開することにしました。

はあ?と言われそうですが、コメントを戴いたら、コロッと気分が変わりまして。

否定的なコメントを書かれて、いともあっさり更新する気が失せたのは、「肯定的な反応を、いまだかつて1件も受け取ったことがなかった」かららしいです・・

肯定する方は「誰も」いない、と思ってはいませんでしたが、2人から文句が来たら、もしかしたら、その背後には、気分を害している人が20人いるかもしれない、という気もしました。

何を隠そう、自分も昔、「自分の趣味と一致しない」他人の発言に対して、しょっちゅう腹を立てていた時代があります。
「ファンの世界というのは、そういう、心の狭い人間がいるもの」で、自分が気づかぬ間に、見知らぬどこかの誰かを怒らせていることは、いくらでもあります。

勿論、ネット上で、自分の気に入らぬものに出会ったら、「無視する」のが正しい対処法で、相手にケチつけるのは「子どものすること」です。
でも、スポーツのファンというジャンルには、そういう人間がいることを、じゅうじゅう承知しているので、「ああ、鬱陶しいなあ」となった、と。

それで、そういうことです、と一言書きましたら、肯定的なコメントが。

あら。
そうか。それなら、いいか。書いても。

我ながら現金です。おだてられて木に登るナントカそのもの。

心配してソンした、と思われた方、申し訳ありません。
自分でも、ありゃ?となっています。

でも、文章を、自分のPC内に留めておかず、敢えて、不特定多数の目に触れるネット上にアップするという行為は、「誰かに読ませよう」という意識がなければ、行いません。
誰かを不愉快にさせ、文句を言われるだけなら、したいと思いません。

そんなことはないよ、といってくれる人が、今までいませんでしたから、書くな、気分が悪い、と言われて、「こっちの勝手だ!」と開き直る自信がなかったのです。



「好き嫌い」の相違は、どこまで行っても、平行線です。
こうであってほしい、と「望むこと」の違いも、平行線です。
言い合っても不毛だから、夫々の道を歩む、のが正解なのです。

好き嫌い(情緒)でなく、理屈(論理)の観点に立つのであれば、議論が成立します。
(死刑制度の論議と同じです。「情緒」で立場を決め、論理を受け入れない人に対しては、どれほど論理を並べても、転向させることはできません)

自分は、自分の事実認識、解釈、憶測、評価等の意見が、絶対正しい、と思って書いてなぞいません。
簡単に間違えます。当たり前です。そういう認識がありますので、ソースを示して、それは事実誤認だ、とか、その解釈・憶測は、これこれこういう理由で誤っていると思う、そうでなく、これこれの解釈の方が妥当ではないか、といった意見を貰えたら、なるほど、と考え直すことができます。

そういう意見は大歓迎ですし、自分が「どうなんだ?」と迷っている問題について、意見交換ができたら、楽しいと思います。
でも、F1のサイトを持っていた頃も同様だったのですが、残念なことに、そういう議論をする相手にはなかなか巡り合いません。
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■「死刑」(森達也/朝日出版社/2008)



「死刑存置・廃止に関する本を一冊も読んだことのない人」がいたら、「じゃあ、これ読んでみて」と勧められる本。
と、読んでいる最中思っていたが、「最後の20ページ」に、「あ~ら~ら~」となり、勧めるか否か難しいところ。

読み手によっては、影響は少ないのかもしれない。
この本の持つ一番の価値は、廃止の意見を「自信を持って、確定的に主張することのできない」著者が、様々な人にインタビューし、様々なことを調べ、ぐるぐると迷い、揺れ動く「過程」にある、と思う。

死刑というテーマは、著者くらい、真摯に考えぬき、迷うもので、一冊の本も読まず、知識をほとんど持たぬまま、簡単に結論を出すものではない。
そのことが読者に伝わり、著者のように「迷う」きっかけになれば、結論がどこにいっても(著者と一致してもしなくても、結論が出なくても)、本書の価値はあるといっていいのかもしれない。

そういう評価も成立すると思う。
しかし、著者が廃止の結論を明確に持ち、主張する以上、そこに「明らかな欠点(つっこみどころ)」があるのは、廃止派の側からみると、「痛い」。

著者は、存置派の拠り所は、「論理」ではなく、「情緒」、と述べる。
「存置を求める心情の根底には不安や恐怖がある。それが強い権威や安定を求めている」

「解釈のひとつとして」よいと思う。
この解釈を前提とし、「情緒」に目を向け、自分が「存置派への反発」か「感染」どちらになるか見極めたい、それもよい。
しかし、そうであるなら、著者は、光市母子殺害事件の被告人だけでなく、被害者遺族の本村さんにも会うべきだった。

本村さんに会わず、被告人とだけ会って、彼と会ったから、彼を救いたい、という主張は、説得力がなさすぎる。
直接会って、話をすれば、人は情が移る。今更言わなくても、判りきったことだ。
片方にしか会わず、会った側に肩入れするのは、文字通りの片手落ちだ。

被告人を生かしたいという主張は、本村さんにも会い、本村さんの目を見て、思いを正面から受け止めて、その上で行なうべきだった。
そうしなかった著者は、「自分に都合の悪いものからは、目を逸らした」という批判に値する。

著者は、これまでの人生で、特定の誰かを「殺したい」という感情を、一度も持ったことがないのだろうか。
私は、ある。

小学生の頃、自分をいじめる同級生を、殺したかった。
殺意の記憶は、数年後に、TVのニュースで、いじめを苦にした自殺の報道を聞いたとき、「いじめた奴は死ぬべきだ。絶対に死ぬべきだ」と怒りに震えながら断言した自分自身の姿として、鮮明に残っている。
その場にいた母親は、私の尋常でない激昂に驚いたであろうが、何も言わなかったのは、私がかつていじめられていたことを知っていたからだろう。

私は、自分の殺意を、今でも否定しない。
同級生を自殺に追いやったいじめっ子は死ぬべきという感情も、否定しない。

「人を殺してはいけない」という絶対のテーゼなぞは、ない。

そうとは思わない人は、きっと、他人に殺意を持ったことも、自殺を本気で考えたことも、それでも子供の頃から「自分が死ぬこと」を考えると気が狂いそうになるほどの恐怖に苛まれるために、死ぬことができなかった、という経験も、したことがないのだろう。

死刑廃止を主張する人は、人間が、自分に害をもたらした他者を決して許すことができない、深い怨念を抱くことがあることを直視する「覚悟」が必要だと思う。

同時に、死刑存続を主張する人は、「冤罪(無実)で死刑になる人がいても、やむをえない」と断言し、自分や家族が、冤罪で死刑になるリスクを背負う「覚悟」が必要だと思う。

私は、この本を読んだことが示す通り、現在、死刑廃止派である。
そうなったのは、最初は、「論理」による。どこからどう考えても、論理では、廃止に分がある。
しかし、決め手になるのは実は、論理ではなく、他のものではないか、という思いが頭の隅にある。

私の中にある、死刑を否定する心理の源泉が何なのか、その正体は、自分でもまだ判らない。
「人を殺してはいけない」というテーゼは絶対ではない、と口では言いながら、「国家権力が人を殺すことに対する忌避感情」(「お上」を信用しない意識)が奥深く巣食い、逃れられないのか。

それとも、「悪人を殺せ!」と熱狂し処刑を望む群衆に対する嫌悪感か。
しかし、これは、「本当に嫌」なのか、そうではなく、「自分の内にあるが、醜いとみなしている感情なので、自分で否定している」のか。

己に対する問いかけは、これからも、折々にし続けていくだろう。

*追記

本書の中で、自分が愕然となった箇所。P.56~57

「見せしめのための死刑を望む気持ちが、やっぱり人間すべての意識の奥にあるのでしょうか」
(中略)
「・・もしも東京ドームで公開処刑が行われるとしたら、鈴木さんは見に行く?」
僕のこの質問に、鈴木は一瞬だけ考え込んだ。たぶんそんな状況における自分の心理をシミュレーションしたのだろう。数秒後に鈴木は言った。
「私は、・・・確実に行くと思います」
ああそう、とうなずきながら、僕はどっちだろうと考える。東京ドームの処刑ショー。少なくとも、喜色満面で行くことはないとは思うけれど。


(鈴木:女性編集者)

アンケートをとったら、どういう結果が出るのだろうか。



*ところで
自転車ロードレースに関する記述に対して、 読んでいて気分が悪くなった、という反応があった。
「このブログの読み手はそういう人たちだったのか」と、公開する意欲が減退したため、9/2以降書いたものはクローズしている。
Category :  自転車
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【ルクセンブルクチーム】バイクはトレック

伏せられてきたルクスチームの詳細の正式発表、第一報。
Trek and Luxembourg Pro Cycling Team Project Join Forces

【Vuelta2010】第4ステージ

アンディは、メカトラで、残り15kmで集団から脱落し、またフランクを1人にしてしまったが、フランクは無難にゴール。
好調のニーバリが、ちょっとずつタイム差を広げているが、兄弟側は、自分たちのコンディションの上がっている後半の本格山岳で挽回する目論みだろう。

アンディは、まだ自分の望むレベルになっていないが、昨日よりいい、とコメント。
http://www.sporten.dk/cykling/saxo-bank-tilfredse-trods-schleck-tab

・カンチェの件

sporten.dk は、マネージャーのRolf Huserにコンタクトとるも、返ってきたコメントは、"Sorry , but I have nothing to add."
http://www.sporten.dk/cykling/cancellara-antyder-farvel-til-riis

この記事は、改めて、「カンチェラーラは、契約を金で買うことはできない」、つまり、リースが合意しなければ離脱できない契約関係にあることを指摘している。

関連記事:BMCの補強
http://www.velonation.com/News/ID/5486/BMC-Racing-Team-strengthens-for-2011-with-new-signings.aspx