南の国の太陽、空の色の獅子

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昨夜、眠気を我慢してブエルタを見終わり、ベッドへ向かう直前に、カンチェのHPの文章を読んだ。目が覚めたが、やっぱり頭があまり動いていないので、早とちりは困る、と、とりあえず寝て、一日置くことにした。
改めて読んで、昨夜の理解でいいんだよね、と確認。

他チームから、いいオファーを貰っている。
ブエルタに来るリースと話をしたい。
来年どこで走るか、ブエルタ後に決まっているといい。

どういう意味か。
彼は、「移籍したい」のだ。心は、そう決まっている。
サクソとの契約が来年まで残っているから、解放してもらうために、リースと直に交渉する。

他の解釈があるか?
残留するつもりなら、他チームからいいオファーがある、とは言わぬし、来年どこで走るか決まるのがブエルタ後、とも言うまい。

自分は先日、契約解除は難しいから、移籍は来年、と予想した。(諦めた)
びっくり。逆転サヨナラホームランか。

さて。リースはどうするだろう。
まずは、カンチェがどういう考えを持っているのか、によるのだろうけれど。

いかに戦力になる選手であっても、もはやチームに残りたくない、という意志がはっきりしている選手を、契約を盾に縛りつけるのがチームのためにいいのか、そうでないのか。
これまでいい関係を築いてきた主力選手とこじれることを選ぶか。

1年前、コンタドールは、アスタナから出て行きたかったが、アスタナは契約を盾に認めなかった。仕方なく、彼は残ったが、翌年、さっさと移籍した。
今回、リースがカンチェを縛りつけても、いや、縛りつけたなら尚のこと、来年、間違いなく彼は出て行くだろう。
そうであれば、コンタドールが手に入ったからいい、とすっぱり諦める手もあるのでは。

ああ、対スポンサーという問題があった・・
サンガードやスペシャライズドの契約が、カンチェのキープが前提だと、ちょっと面倒かも。
サクソバンクは、コンタドールという、宣伝に使える「新しい顔」が手に入れば、それでいいんでしょ、と思うが。



ヴァッテンフォールでのカンチェの発言の後も、リースとカンチェとは、話をしなかった、のだろう、おそらく。
カンチェの発言が気になったらしきデンマークメディアが一度リースに確認をとったが、「契約があるから残る」というそっけないコメントしか出なかった。

サクソチーム側に立って見ると、それはちょっとマズいんじゃないの、と思った。
人間関係において、「話をしていない」のは、一番マズいのだ。

カンチェが、移籍したい、と本気で決めたのは、多分、ツール終了以前ではない、と思う。
コンタドールの移籍や、チームメートたちの離脱や、コンタドールのアシストたちの加入などのニュースは、ツール後にバタバタと発表された。
ツールが終わった後、クリテリウムに連チャンで出て、長く空けていた家にやっと帰って、暫くはへた~として過ごし、落ち着いてから、来季のことを真剣に考え始めたのだろう。
その間、自分で考えただけでなく、家族や、仕事に関係ない友人・関係ある友人他、複数の人と話をしただろう。何が決め手になったのか、誠意のある真摯なラブコールが効を奏したのか、彼に影響力を持つ誰かが背中を押したのか、そのへんは判らないけれど、この1カ月の間に、彼の心を決めるものがあった、んだろうと思う。

その1カ月間、リースが、「契約があるから」とほって、意志疎通を全くしなかったのだとしたら、それはマズかったんじゃないの、と思う。
もっとも、カンチェが自分から出ていきたいと言い出すのを待っていて、賠償金を巻き上げてさようならでいい、という計算づくで、ほっぽっていたなら、計画通りばっちりだが。・・どうなんだろう、これ、ありか?

【関連】
2010/08/18 カンチェの境遇
2010/08/25 カンチェの将来
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・第1ステージ・TTT
1位HTCから14秒遅れの4位。総合を争う相手と比べると、リクイガスに+4秒、ラボバンク-22秒で、問題なし。
終了直後の表示は、12秒遅れの3位だったが、翌日公式HPを見にいくと、+14に修正されていた。「スペインはこんなもん」。

3人切り離し、6人でのゴールで、オグレディが先頭で必死の形相で入ってくるのに、後ろがついてこず、バラバラ。
こういうサクソのゴールも珍しいような。いつもはカンチェがきちんとコントロールしてゴールする印象がある。

・第2ステージ・平坦
ものすごく暑い日。
アエドがスプリント参加。

・第3ステージ・山岳
1級山岳越え。
フランクは無難にクリアし、総合9位に。
アンディは、予想通り、ハイペースについていかれず、さっさと遅れる。
当初から、1週目はコンディションが厳しい、勝負が決まるのは3週目の山岳で、そこで仕事したい、と言っていたので、想定内。

彼は、今年のツールでは昨年以上の仕事をして、得たものも大きかったから、燃え尽きてシーズン終了でもいいのを、「ツールで無念のリタイアをしたフランクを勝たせたい」(「自分だけ」成功してもダメ)というモチベーションで、コンディション調整ができていないのを承知で、スペインに来ている。

フランクに最後まで付き添ったのはラーションで、彼はリムザンで総合優勝したばかり。コンディションの違いがよく判る。
アンディの14:10遅れの集団には、チームメートのルンドの他、ヴァンデヴェルデの名がある。お喋りしたかも。
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・兄弟インタビュー
http://www.marca.com/2010/08/27/ciclismo/vuelta_espana/1282913779.html
ciclismoのトップページの写真に、「あっりゃー。『双子状態に逆戻り』みたいな写真」と思ったら、本文ページに更にそのノリの写真が。
鎖骨の手術跡のみせっこ。「僕ら2人とも、ここ折ってるんだよー」
アンディの傷跡は、昨年のブエルタで、フグルサングの足の突き刺し傷を治療するのを、チームメートたちが周りにたかって見ているとき、僕はここやってる、とカメラに見せたので、知っている。(当方、傷を見ると、痛みを想像してダメなので、ご遠慮したかったが)

色々喋っているが、その中で、ひとつの話題を。

・「08年ツールの傷」

昨年、サストレが、CSCのチームメートたちは、自分をアシストしたくなかった、という発言をし、それを伝え聞いたアンディが、僕等は、彼をアシストした、サストレの言ってることはおかしい、と反論した、という経緯があり、スペインメディアの間では、この両者は仲違いしている、ことになっている。

この件を蒸し返されて、フランクは、今は問題ない、と否定している。相手がスペインメディアだから、当然そうなるのだが、今回のフランクの発言を読んで、「自分がこの2年間抱いていた蟠りは、正しかった」と思った。
スペイン語の細部の正確な意味は理解できないが、発言の大意の理解は多分大丈夫、と思う。

フランクは、08年ツールのラルプ・デュエズの前日まで、総合1位だった。マイヨ・ジョーヌを着ていた。
だが、チーム(リース)は、TTの弱いフランクは、エヴァンスに逆転されて、最終的に1位を守れない、と、調子の上向いていたサストレに、ラルプ・デュエズでアタックさせ、フランクとアンディに、サストレのアシストを命じた。

このチーム戦略は、的中し、サストレは、アタックに成功し、TTも踏ん張って、エヴァンスの逆転を許さず、パリでマイヨ・ジョーヌを着ることができた。

この08年ツールでのCSCサクソバンクのチーム戦略を見た後、私の心の中には、ずっと、一つの疑念があった。

フランクは、一体どれほどの思いをしたろう。
どうやって、現実を受け入れ、乗り越えたのだろう。

彼は、第17ステージまで、マイヨ・ジョーヌを着ていた。
そのマイヨ・ジョーヌを、チーム(リース)の命令で、捨てざるをえなかった。
「チームの利益のため」に。

彼のマイヨ・ジョーヌは、「明らかに、チームの力で与えてもらった」ものではない。あの時点でサストレに対して持っていた49秒のリードは、第10ステージ、オタカムで、「自分が」作ったものだった。

他チームのライバルと競って、勝負して、負けることは、選手の誰もが受け入れる。当たり前のことだ。
今年、マイヨ・ジョーヌを失い、2位に終わったアンディが、その現実を受け入れることは、難しいことではない。

だが、08年のフランクは、ライバルと競って負けたのではなかった。
現時点で順位が下のチームメートに、戦わずして、1位を渡すことを、チームから命じられた。

マイヨ・ジョーヌを守ることを、チームに許されず、諦めた。

ツール後に、フランクは、このことに関する愚痴はこぼさなかった。
当時の私は、今のように広く情報を探していなかったので、どこかにはあって、目に触れなかっただけかもしれない。
だが、少なくとも、広く知られた場では、彼は、チーム戦略を受け入れ、サストレを祝福し、チームの成功を喜ぶ発言しかしなかった。
心の中で何を思おうと、それが、自転車ロードレースのプロの選手の「表でとるべき態度」であり、彼はそれを押し通した。

けれども、彼が、無念と落胆の淵に突き落とされなかったわけがない、のだ。
そんなことは、言わなくても、誰にだって、判ることだ。

私には、彼が、笑っていられるのが不思議だった。
どうしてそんなことができるのか。

マイヨ・ジョーヌは、すべての自転車選手の夢のはず。
違うのか?

件のサストレの発言事件のとき、私の読んだ記事にあったサストレの科白は、「チームメートたちは、自分をアシストしたくなかった」だった。
発言というものは、翻訳の過程で意味が変わることが頻繁に起こるし、サストレが、どういう文脈の中で、その発言をしたかも判らなかった。
だが、引用された文章をとりあげるなら、彼の言ったことは、間違っていない。私は、そう思った。

チームメート=シュレク兄弟は、個人の感情としては、サストレをアシストしたくはなかった。
フランクは、自分がマイヨ・ジョーヌを着続けたかった。
アンディは、兄にマイヨ・ジョーヌを着ていてほしかった。彼は、兄を助けたいがために、尽してきたのだ。サストレを勝たせたかったのではない。ただただ、兄のためだった。

それが、彼等兄弟の本心だ。だが、チームの一員として、個人の感情を殺して、リースの命令に従って、サストレを助けた。

サストレは、シュレク兄弟の気持を、十分すぎるほど判っていたと思う。なぜなら、彼もまた、長い年月、このチームで、同じ思いを味わってきたから。
彼は常に、エースたちに仕えるアシストだった。その境遇に耐えて、今年ようやくチャンスが巡ってきた。

しかし、この年サストレもまた、辛かったに違いない。リースは、ツールのスタート時に、彼に、完全なエース待遇を与えなかった。
状況次第で、エースはシュレク兄弟に差し替える、という方針で、実際に、第10ステージで、フランクがサストレに先着した後、フランクにチャンスを与えた。
サストレは、その状態に耐えて、後半調子を上げていった。そうして、ぎりぎりの所で、フランクより勝つ可能性が高い、とリースに認めて貰えて、エースの地位を取り戻したのだ。

本来は彼がエースのはずだったのに、途中まで、フランクは、ライバルだった。チーム内に競争相手がいる、エースにとって一番厳しい状況だった。

彼は、悲願のマイヨ・ジョーヌ確定後の記者会見で、「犠牲」という言葉を何度も発した。
今になると、当時の自分はまだ、その意味を十分判っていなかったな、と思う。

マイヨ・ジョーヌを獲得した者にも、獲得に失敗した者にも、ツールは、かくも過酷な犠牲を強いる。

08年ツールで負ったダメージを、フランクがどのように乗り越えたのかは、判らない。人の内面は、本人にしか判らないことだ。

ただ、アンディは、明確に、怒ったかもしれない、という想像が湧く。
「どうして、サストレにアタックさせて、フランクをエヴァンスの囮になんかするの!僕は今まで、何のために、仕事してきたの?サストレだって、TTがそんなに速いわけじゃあない。こんなバカな話あるか!」
私が彼の立場なら、そう思った。

先日のインタビューの中で、アンディは、リースのチームにいる間、「いつも満足していたわけじゃない」と、口に出した。
ああ、08年ツールは、きっとそうだったろう。と思った。

彼等兄弟は、リースに対する不満を、外野に悟らせないようにしていた。振舞には気をつけていた。その点、彼等は、「プロの自転車選手」なのだろう。祖父も父もそうだから、資質を引き継いだのではないか。

「ルクスのチーム立ち上げがなくても、チームを離れていた」(アンディ)が、真実かどうかは判らない。時間が経てば、明らかになるときがくるかもしれない。

・ブエルタの見込み

各国メディアの中には、アンディを総合上位候補に入れているものが複数あるが、それらの書き手は、選手の事前のコメントを全く読まないらしい。
アンディは、「今回の目標は、総合優勝を狙うフランクを助けること」であることを、早々にメディアに喋り、その後全くブレていない。
こういうときの彼は、アシスト業に徹していて、早々に遅れて、総合順位をどんどん落とす。
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・アンディのインタビュー
http://www.lequotidien.lu/index.php/les-sports/14661-Andy-Schleck-faut-savoir-changer-route.html
文言にダイレクトに反応はしないことにする。
尚、CNは、一部分の抜粋なので、元記事の上記を参照のこと。

・ホルムはHTC残留
http://www.cyclingnews.com/news/holm-turns-down-luxembourg-team-to-stay-with-htc-columbia
メディアに喋っていることから、想定内。食わせ者だ。

・アルヴェセンはなし
http://www.velonation.com/News/ID/5413/Kurt-Asle-Arvesen-considering-a-move-to-the-directors-car-in2011.aspx
話をしていたかも?と思っていたが、なし。噂には出たらしい。

・サーヴェロ終了
サクソバンクのドタバタどころじゃない。移籍市場の大方が決まった今頃言われた選手・スタッフはたまったもんじゃない。
サーヴェロの選手には災難だが、まだ選手の枠を残していると思われるルクスには、予想外のいい選手を取れるチャンスかも。

・ブエルタ開幕
公式HP
http://www.lavuelta.com/indexen.html
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■「服従の心理」(スタンレー・ミルグラム/河出書房新社/2008)

俗称アイヒマン実験といわれる心理学実験の詳細を記述した本。

面白い。
自分の場合、実験結果の概略は既に知っていて、詳細を読み進んでいったわけだが、全く退屈しない。

もっと早くに読めばよかった、「イェルサレムのアイヒマン―悪の陳腐さについての報告」(ハンナ・アーレント)を読んだときに、いもづるで出てこなかったのかな?と最初思ったが、読み終わると、こう思った。

この本の感想は、「読み手の成熟度」を表す。20年前に読んでいたら、感想は、間違いなく今と違う。10年前でも、そうだろう。

今の自分は、「うん、人間はこういうもの。もし私が実験に参加していたら、最後まで電気ショックを送り続けた部類に入る」と、あっさりと言える。
20年前に、そう考えることができたか。無理だろう。

私は、心理学というものにあまり興味を持たず、書物はほとんど読んでいない。若い頃にフロイト等は読んだが、取り入れた知識は最小限だ。社会に出てからは、現実の人間関係の中から学ぶことが優先で、文字で書かれたものに注意を向けなかった。

今、自分が社会心理学の本を読んで感じる面白味は、自分が「経験で」既に知っていることが、理論的・体系的に述べられているので、「ああ、そうなのよね」となる共感・確認、だと思う。

自分だったら、電気ショックを送り続けた、と述べた理由は、こうだ。
自分は、「自分から」、この心理学実験に応募して、「自主的に」参加をした。強制的に連れて来られて、やらされたのではなく、エール大学が行う「科学的研究」に、自分から進んで、参加をした。そういうシチュエイションである。

人間には、一度自分のした決定(選択)を「正当化する」傾向がある。「実験を止めて、放り出す」という行為は、「実験に参加した自分の決定」を否定することになるので、困難なのだ。
これは、権威に対する「服従」とは、種類の違う心理である。チャルディーニが「影響力の武器―なぜ、人は動かされるのか」で、「コミットメントと一貫性」として、「権威」とは別の章立てをして、述べている心理傾向である。

ミルグラムの心理実験は、人間のもっている心理傾向の中の複数を組み合わせた戦略でもって、被験者に実験の継続を承認させようとしているもの、という解釈ができる。

自分は、「一貫性を保とうという傾向」が強く、エール大学という最高学府の「権威」に弱い(権威には様々なものがあり、どういう種類の権威に弱いかは個人差がある)と思われるので、実験を途中で止めることには著しい困難を感じただろう。

おそらく、実験中のストレスは大きい。そして、終了後に真実を聞かされたとき、「電気ショックを送った行動は自分の責任で、指示に従っただけだという責任転嫁はせず」、「騙された(芝居であった)ことを見抜けなかった自分の無能力」に自己嫌悪を感じただろう。・・以上が、自分の予想。

これは、実験結果を受けての著者ミルグラムの主張とは、ポイントがずれているが、訳者が、あとがきで述べているミルグラム批判に通じる「読み方」である。

私も、ミルグラムの主張には同意せず、訳者の述べる「計測されているのは、権威vs個人の道徳ではなく、ふたつの別の権威」に同意するし、「権威への服従」そのものは、否定に値しない、これが存在しない社会は崩壊に向かう、と思いながら、本文を読んでいた。

訳者の主張の中には、同意しない箇所もあるが、最終ページの、「本書は、その読者の信念に応じて、見せる顔を変える。読者諸兄も本書を読むことで、何かしら思うところがあるだろう。だがそれは当然のことながら、自分が抱く信念の反映でもある」は、然り、である。


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アンデルセンが、選手20人を確保済、と発言すると、15人を推測する記事が出た。
http://www.velonation.com/News/ID/5384/Fifteen-rider-names-emerging-in-Schlecks-Team-Luxembourg-project.aspx
引用元のBiciciclismo

Jakob Fuglsang, Dominic Klemme, Stuart O’Grady, Andy Schleck, Frank Schleck, Jens Voigt (Saxo Bank)
Linus Gerdemann, Fabian Wegmann (Team Milram)
Daniele Bennati (Liquigas-Doimo)
Brice Feillu (Vacansoleil)
Maxime Monfort (HTC-Columbia)
Joost Posthuma (Rabobank)←オランダメディアに出た情報なので信憑性が高い
Robert Wagner (Skil-Shimano).

probables son: Anders Lund, Laurent Didier(Saxo Bank)

これまでにすでに名が挙がっている人
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「2012年にカンチェはどこで走るのだろう?」という話題は、今やって意味があると思えないので、ペンディングにしようと思うが、ラボバンクへの移籍発表後のブレシェルの記事を読んだ後に考えたことがあったので、少し。

その前に、こちらを。
来年2011年の移籍は考えていない。
彼の契約には、一定額の違約金を支払って契約を解除できる条項がないので、契約期間中に離脱したいとなったら、「契約不履行による損害賠償」を請求され、揉めて裁判沙汰になる、という立場らしい。

以前、彼のマネージャーが、損害賠償云々という話をしたことがあったが、そのときは、文字面だけ見て流してしまい、「違約金と損害賠償との法的な違い」をちゃんと認識しなかった。
ああそういう意味だったのか、それじゃダメだわ、と今頃になって、理解をした。(かなり迂闊)

解除条項のある契約をしている選手は、「金さえ払えば」契約期間中でも、円満にチームを離れることが可能だ。カンチェは、そういう契約をしなかったので、チーム側に放出する気がなければ、期間満了まで身動きがとれない。
だから、アンディ・リースは、「待つ」の一点張りなのだ。・・という解釈に至った。

さて、ブレシェルの記事から何を考えたか。
「来季の抱負」を読んで、まず、「彼のサクソバンク残留は、『最初から』ほとんどありえなかったのではないか」と思った。

彼の望みの第一は、クラシックでの勝利だ。フランドルのパヴェのレースは彼に合っているが、「カンチェラーラのいるチーム」では、スタートする前から望めない。
フランドル勝利後に、「僕にはマッティが必要」とカンチェは言ったが、ブレシェルにとっては、違った。

更に彼は、総合優勝を狙うエースに徹頭徹尾尽くすことが求められ、自分個人の成功(ステージ優勝)の追求が許されないツールに、満足していない。

そうなると、必然的に、ツールの絶対的エースであるコンタドールの来るサクソは不可、シュレク兄弟のルクスも不可(ルクスが彼にオファーを出したかどうかは不明だが)、ラボバンクが最も彼の希望を満たしてくれるチーム、ということになる。

サクソバンクに在籍している間は、サクソバンクの方針に従うのが「プロとして」当然で、不満があっても、公言はしない。
ブレシェルも、「カンチェラーラとシュレク兄弟のアシストを続けたくない」本音をズケズケ口に出すことをしなかったから、サクソバンク残留もありえる、とメディアは報道していた、のだろう。

ここから、カンチェの話。
カンチェも、サクソに在籍している限りは、チームの方針に従っている。もしかしたら、ブレシェルのように、表で言うこととは別の、本音の望みが心の奥底にある、ことはありうるのでは?

自分の把握している範囲では、彼は、TTでの絶対的地位(敵なし状態)を確立した後のこの数年、毎シーズン、別のレースを、その年のターゲットにしている。
08年は、北京五輪。09年は、地元スイス開催の世界選手権。そして今年2010年は、フランドル1周。
では、この先は?

今年フランドルで勝った後に彼は、モニュメント(パリ~ルーベ、フランドル1周、ミラノ~サンレモ、リエージュ~バストーニュ~リエージュ、ジロ・ディ・ロンバルディア) 制覇を狙って、残りのLBLとロンバルディアをターゲットにすることを示唆した。

ターゲット候補は他に、昨年失敗した世界選手権RRのアルカンシェル、それとアワーレコードがある。
これらを、この先数年間のターゲットにするのであれば、2012年以降のサクソバンク残留に問題はない。
コンタドールは、目下クラシックに興味を示さないので、完全な棲み分けが可能だ。その旨は、コンタドールの移籍発表時にメディアも書いた。GTとクラシックの二大スーパースターが揃う、と。

しかし、ひとつだけ、思い出すことがある。

ツール総合を目指す気持はないか?と問われると、彼は、いつも、「ツール総合は、夢」と返答する。
そして、付け加える。「夢」であって、「目標」は別にある、と。

昨年、TdSでの総合優勝と、ツールでのウィギンスの活躍を見たとき、「カンチェもその気になればできるに違いない」と、自分も思った。

彼が今まで、ツール総合を目標にしなかったのは、「彼の在籍するチームには既に、ツール総合で彼より力を持ち、総合優勝を狙える選手がいる」という現実が、目の前にあったから、だと思う。
いってみれば、クラシックにおけるブレシェルと同じ立場だったから。

私が、アンディ・リースの立場であれば、カンチェを、こういう言葉で誘う。
「夢」を夢のまま終わらせず、目標にして、目指さないか?

アピールポイントは、もうひとつある。
うちは、君を、チームの中で最優遇する。スタッフやアシストに欲しい選手がいれば、連れて来てくれ。君が満足できる体制を作る努力を約束する。

カンチェは、来年、30になる。彼より1才年上で、今年、一足先に30の大台に乗ったフランクは、「自分たち兄弟のための、自分の国のチーム」へ移ることを決めた。

「ツール総合は夢」という彼の言葉を読んで以来、彼がシュレク兄弟と共にいるシーズンが終わるのは、さほど遠い先ではないな、と感じていた。
もっとも、正直、シュレク兄弟が先に出ていくことを想定してはいなかったし、彼が夢を追うことはなく終わる、のかもしれない。

客観的に冷静に考えれば、現在ツール総合1位を争う2人に彼が勝つのは難しい。2人は生粋のクライマーで、しかも若い。「目指すなら1位で、2位以下は意味がない」のであれば、やっても無駄、と着手しないのはあり、だろう。
ウィギンスの今年の失敗を見ると、「難しいものだな」という気も起こりそうだ。

ここまで書いてきたのは、専ら「目指す目標」の観点だけで、チーム選択には、当然、他の要素も作用する。
どう転ぶか、答が判るのは、1年後である。

【関連】 2010/08/18 カンチェの境遇
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・フランクの結婚式の写真、更に追加

http://www.tageblatt.lu/index.php/photos/44046.html
・参列者の一部のリスト
Cancellara, Didier, O'Grady, Klemme, Nikki Sörensen, Fuglsang, Bobby Julich, Kim Andersen, Kirchen
(開催中のEneco Tourに出場中の人は、出席したくてもお仕事)
・フグルサングは、美人を同伴。
・黒・グレー系スーツがほとんどの中、「白」の上下のカンチェが目立ちそう・・ゲルマン・ケルト系の集団の中に1人イタリアン、みたいな雰囲気。


■チェーンゲート再考

第15ステージでの、コンタドールがアンディを置いていった件の自分の解釈は、TdF期間中に書いた通り。

改めて考えてみても、どこからみても、「F1GP2002年オーストリアのチームオーダー事件と同じ」である。
「現役最強の評価を得ている、3連覇を目指すチャンピオン殿」の行為は、ルール違反でもなんでもない。
ただ、「観客に歓迎はされない」行為だった。

「待つべき」と否定はしないが、「仕方ない」「やむをえない」といった言葉を用いた「消極的な容認」が、観客たちの感想の中に多くみられるところからすると、「観客たちの過半数は、『待った方が望ましかった』と感じた」という解釈をしていいのではないか、と思う。

「観客に歓迎されない行為」であっても、当事者が、「チャンピオンになるために、やる」という意志をもって行うならば、まかり通る。プロスポーツの世界では、「それもあり」と許容されている。
結果、本人は、連覇達成という「実利」をとり、十分すぎるほど満足している。名誉や、観客からの愛情を、多少失ったとしても、勝利と天秤にかけたら、本人にとっては、取るに足らない。

「美しい敗者となるより、醜くても勝者たる」ことを選択するのなら、世間の一部から批判を浴びることは甘んじて受け入れるもので、理解を求めるな、というのが、「醜い勝者」であった時代のミヒャエル・シューマッハーのファンをやった自分の考え方である。

もうひとつ。
私は、第15ステージでついた差の39秒が、最終のタイム差と一致することに、意味を全く見出していない。

なぜなら、コンタドールは、最終のTTで、「なるべく多くのタイム差をつけることを目標に」走ってはいない、と思うからだ。
レースは、タイムではなく、「順位」を競う。差がたとえ1秒でも、アンディの前にいさえすれば、マイヨ・ジョーヌは守れる。出走順がライバルの後だから、相手のタイムを考慮しながら走り、最後に此方が優っていればいいのだ。

結果が39秒で、世間の人が拘るのをみると、「中間計測時のすれすれでなく、終盤頑張って39秒まで広げたのなら、どうせなら、もう1秒広げていれば、世間からつまらぬことを言われずにすんだのに、運が悪かったわね」
その程度の話。

■認識と行動の乖離

自分は、第15ステージでコンタドールは待つべきだった、と主張しないが、謝罪ビデオの中で彼が述べ、雑誌等の記事でも追随者がみられる、ある主張に対して、「事実誤認」を指摘しておきたい。

コンタドールは、「自分は、スパ(第2ステージ)で、シュレク兄弟を待った」と言った。だが私の解釈では、第2ステージでの彼の行動は、「第15ステージの彼の行動の釈明の材料として」使うには、不適切だ。

第2ステージの状況を、思い出してみよう。
コンタドール、シュレク兄弟、ランスの総合上位候補たちは、全員、落車した。集団は、落車を免れた第1グループ、コンタドールとランスを含む第2グループ、更にそこから遅れたグループ・シュレク、に分かれた。

第1グループには、マイヨ・ジョーヌを着るカンチェラーラがいた。彼は、遅れてしまったエースを待つしかない。
同時に、「エースを後方に残してしまったチーム」は、サクソバンクだけではなかった。

「状況が他チームとは異なっていた」唯一のチームが、サーヴェロだった。サーヴェロは、フスホフトが落車を免れていたため、後ろを待たず、逃げ集団をつかまえて、勝利を得たかった。
中継画面を見ると、最初のうち、サーヴェロが第1グループを牽いている。だが、他チームは、誰も牽かない(協力しない)。
「多勢に無勢」である。やむをえず、サーヴェロは勝利のチャンスを諦めた。後方を待つという合意が、第1グループで成立し、カンチェや総合2位のマルティン、グティエレスたちが前列に並んでコントロールを始めた。

第2グループは、どうしたか。
エースを第1グループに戻すべく、複数チーム(レディオシャック、スカイ、リクイガス)のアシストたちが先頭交代して前を追った。

コンタドールは、第2ステージ終了後に、こう述べた。
自分は、アンディが、自分より後ろにいると知って、彼を待たねばならないと思った。彼は自分と一緒にいなければいけない。だから、チームメートに、待つよう頼んだ。でも、自分のいる集団の他の選手は、前に追いつきたがった。

彼は、心の中で、アンディを待つべきだと思った。チームメートにも頼んだ。だが、実際の行動としては、待たなかった。
彼のいた第2グループはペースを落とさなかったし、彼がグループから離れてアンディの所に下がることもなかった。

第2グループが合流して大集団になった第1グループは、引き続き、まだ後ろにいるシュレク兄弟を待った。
この時間帯を指して、コンタドールが、自分はアンディを待った、と主張するのだとしたら、それは「都合がよすぎる」主張だと思う。
なぜなら、あの場面では、大集団全体が、シュレク兄弟を救済することに合意して、ペースを作っていた、とみなすものと思うからだ。

シュレク兄弟を待ったのは、「プロトン全体の合意」であって、コンタドール個人の意志によるものではない。
その証拠に、彼は第2グループにいるとき、彼個人の意志としては待ちたかったが、集団の多数の意志が異なったため、実行できなかった。集団の多数派の意志に流されるしかなかった。

コンタドールは、第15ステージで、「アンディを待った方が美しかった」認識を持っていた。「マイヨ・ジョーヌのメカトラに乗じて、ジャージを奪い取る」ことは、観客からの批判に値することも、知っていた。
他チームの選手や元選手、解説者たちの中には、「待たなくてよい」という主張が数多くみられた。だが、コンタドール自身は、彼等と同様の確信はなかった、と思う。

彼は、第2ステージでも、第15ステージでも、アンディを待つべきだと思った。だが、どちらも、「実際には、待たなかった」
これが、私の解釈である。

(紳士協定の話、続く)
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昨日8/21は、フランクの教会での結婚式。
wort.luに写真が出ているかな、と見に行くと、日本時間8/22朝、トップにあった。
写真
記事
お祝いに集まったのはご近所の皆さん、というアットホームな雰囲気が微笑ましい。

カンチェが来てくれた。
彼は(普通に考えて)招待されるだろうが、地元スイスで開催されるローレウス財団主催のノンストップスイス一周チャリティライドに参加するという話を読んでいた。スケジュールが大丈夫?と思っていたら、自分の出番を終わらせ、ジュリアーナちゃんを連れて、来ていた。

キルシェンの姿をみつけたとき、嬉しい気分になった。
キルシェンとフランクは、長年「友人」ではなかった、と聞いているが、今年キルシェンが病に倒れたとき、フランクは随分心配した。その後フランクが鎖骨骨折し、相前後して退院するとき、2人が会った、という報道が出た。互いに子供が生まれたばかりの父親の境遇で、判りあえるものがあったのかもしれない、と思った。歳月によって、関係が変わっていくことがあればいいのだけれど、と思う。



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08年ツールのディナーパーティーレポートで、CSCからサクソバンクへの引き継ぎの記述を読んで、思い出したことがある。

自分は、サクソバンクのスポンサード方針の豹変(今年1月に1年前倒しの終了通告、半年後コンタドール獲得発表時に撤回)を愉快に感じないと書いたが、彼等が08年にリースサイクリングへのスポンサードをスタートしたとき、「単独スポンサーを務めるつもりはない」方針であることを、明言していた。

共同スポンサーの予定だったIT FACTORYが、詐欺事件で破産して、ドタキャンになった。発覚したのが新体制発表のチームプレゼンテーションの前日で、サクソバンクは今更引くに引けず、騙されたような話だったろう。
その後、IT FACTORYの代わりになるスポンサーをみつける必要がある、と此方は理解していたが、09年シーズンの間、いつまでたっても名は出て来なかった。

レース観戦をするファンは、レースを見ながら「金繰りの心配」は普通しない。だが自分の場合、「チーム運営するには金が必要。金を調達しないとレースはできない」という認識が、F1で叩きこまれているので、リースサイクリングの資金繰りには、不安を拭いきれなかった。

09年のチーム予算中、シーズン前にIT FACTORYから入るはずだった金額は、ショートしている。理屈上そうなる。ショートした分はどうしたのか?
自分は「OVERCOMING」を09年に見た。あの中で、資金調達の悩みを抱えたリースが、「自己犠牲は続けられない。食べていかれなくなる」と、自腹を切るような科白を吐いていたが、今回、サクソバンクが、当初の予定より負担をしたことは考えられないか?チームの活動を続けるためやむをえず。

これは想像にすぎないが、もしもそうだったなら、サクソバンクが、2011年までだった予定を前倒して2010年で終了することにしたのは、彼等からすれば道理のあることで、リースは不満をいえる立場ではなかった。
スポンサードの金額は別にしても、「スポンサーは共同という当初の約束」を違えたのはリースの方で、サクソバンクではなかった。

企業がスポーツ活動へのスポンサードを行うとき、企業内に推進派と反対派がいて、その力関係の揺れによって方針が変わることは、F1で見慣れている。
サクソバンクが打ち切りを通告しながら半年後に翻したのは、個人の判断ではなく、組織の決定としてそうなったのかもしれない。サクソジャパンの人の記述を、うそくさいと切って捨てたが、ありえなくはない、と気づいた。

そして、チーム・サクソバンクの大変動の元は、「08年のCSCのスポンサード撤退決定から始まった、足掛け3年に渡る、リースサイクリングの資金繰りの問題」という解釈は成立しないか?

選手たちの多くは、深く関知はせず、真剣に悩んではいなかったかもしれない。しかし、多少、経営が判る人間には、このチームの財政の不安は判っていたと思う。
アンデルセンが、ルクセンブルクチームのプランをいつスタートさせたのか不明だし、経緯も本心も判らない。今後も、事実を公表することはないのかもしれない。
ただ、新チーム発足という計画は、「資金のあて」がないと進まない、と思う。こう言ってみよう、「リースとアンデルセンが夫々、いつ、どれだけ、資金を調達できたか」が、今回の結果をもたらしたのだ、と。・・この発想は、(見事なくらい)F1の援用だが。

いまだに、この件の経緯の事実は判らない。あちらのメディアでは、リースが「4月に」コンタドールにオファーを出した、という説が流れたらしいが(CYCLE SPORTS9月号のTdFの記事内)、これが当たっているなら、諸々の事情は一体どうなっていたんだ?と首を傾げる。
スペシャライズドが、コンタドールをかついでサクソバンク入りを企てたのは、いつからだったのだろう?

コンタドール側は、いつ決めたのか?アスタナ側は、彼はTdFスタート前に離脱を決めていた、と(今は)推測しているふしもある。(スペインメディアを漁れば真実の記述がありそうだが、マクラーレン時代のアロンソを巡るスペインメディアの自己中心ぶりを知って以来、「彼等のチャンピオン」を巡る報道からは距離を置きたいのが本音)
事実は闇の中だが、ひとつだけ、シュレク兄弟のルクスチーム入りの意志だけは、かなり早い時期に確定したのではないか、と思う。リースの言ったように、それがないと、チームのプランが進行することはありえないから、が理由。

●ルクスチーム関係

アンデルセンが、ラスムッセンの獲得を否定。
デンマークメディアは、ラスムッセンの話題で延々盛り上がっていて、こっちのチームにも御鉢が回ってきた。
「年いってるからなあ。うちは若い選手中心を考えてるのよ」は、お茶を濁したような感じもするが、「あの~、フォイクトとオグレディは?」というつっこみはなしか。

Anders Lundが、サクソバンク離脱をアナウンス。ルクス組が噂されている1人。
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・ブライアン・ホルム

ニガードは、HTCコロンビアのスポーティングディレクター、Brian Holm にオファーを出している。と、ホルムが喋っている。
実現したら、けっこうな引き抜きだと思うが、HTCを出たい理由があるのか?返答を待たせてある、とメディアに喋るというのは、今季で契約の切れる現雇用主に対して「待遇上げろ」のアピールの可能性は?

http://www.sporten.dk/cykling/brian-holm-i-dialog-med-team-luxembourg
http://www.sporten.dk/cykling/brian-holm-usikker-paa-team-schleck
http://tv2sport.dk/node/61216

・2011UCIプロツアー・ライセンス

2011年にプロツアーライセンスを得るのは18チーム。10チームが確定、14チームで残り8席を争う。
11/20暫定、12/10確定リスト公開予定。

Six teams that had no 2010 Pro -Tour license:
Bbox (FRA ), BMC ( USA), Cofidis (FRA ), Pegasus Sports (AUS ), The Pro Cycling Project Luxembourg ( LUX), Vacansoleil ( NED )

Eight teams for which the license expires in 2010 :
Astana ( KAZ) , Euskaltel -Euskadi ( ESP), Milram (D ) , FDJ (FRA ), Geox ( ESP), Liquigas ( ITA) , HTC -Columbia (USA ), Telefonica Movistar ( ESP)

Ten teams have their Pro Tour license in 2011 for sure:
AG2R (FRA ), Garmin ( USA), Lampre (ITA ), Omega Pharma -Lotto (B ), Quick Step ( B), Rabobank ( NED ), Sky (UK), Katusha (RUS ), Radio Shack ( USA), Saxo Bank ( DEN)

・ジョヴァンニ・ロンバルディは?

クロイツィゲルのインタビューで名前を見て思い出したが、ロンバルディは、クロイツィゲルの他、バッソやシュレク兄弟の代理人でもあった、はず。
昨年、シュレク兄弟のレディオシャック移籍の否定のコメントは、ロンバルディ名義で出されている。
今年、シュレク兄弟の移籍に関するニュースで、ロンバルディの名を見た記憶がないが、今も続いているのか、それとも離れたのか?

・世界選手権

男子エリート、ルクセンブルクの枠は4人。フランクがツールをリタイアしたため、昨年ほどポイントを荒稼ぎできず、国別ランキングでトップ10から落ちたが、元々選手がいないので、4人枠でも問題なし。
アンディは、勝算のないレースに遥々オーストラリアまで行く気がすすまないが、兄が、「一緒に行くと思う」と言っている

・アンディのおじさん受け

アンディは、女性だけでなく、「男」からも、受けがいいらしい、という自分の認識を作った材料の一つ。
08年ツールのパリでのCSCのディナーパーティーに出席した、サクソジャパン関連の人のレポート。
まだネット上にあったので、未見の方はどうぞ。

サクソジャパンの代表いわく、
「アンディ・シュレックって本当にまじめで純粋な感じなんですよ。本当は黄色のジャージ(総合優勝)が欲しくって一所懸命がんばったんだけど白(新人賞)しか取れなかったんだって言っていましたよ」
「日本にもおいでよって言ったら、えっ、いつ行けるのって言うんですよ本当にかわいいんですよねぇ」


ブログ作者の印象
確かに遠めに見てもアンディ・シュレクは折れそうな純粋さとまじめさが感じられ、ちょっと話しかけにくい雰囲気でした。

「まじめで純粋」という表現に、えっ?という気もするが、この話のポイントは、「初対面の日本人のおじさんたちが、そういう印象を受けた」ということ。
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カンチェは、ずっと言葉を発しなかったため、移籍の憶測が1人歩きしていたが、ハンブルク(ヴァッテンフォール・サイクラシックス)に現れたら、メディアがコメントを求めて、憶測にピリオドが打たれることもあるかな?と思っていた。
蓋を開けたら、喋ったが、状況は前と変わらなかった。「移籍はありません。残留します。憶測はおしまい」でシャン、にはならなかった、という意味で。

元記事
http://www.radsport-news.com/sport/sportnews_65081.htm
velonationは上の紹介
http://www.velonation.com/News/ID/5298/Cancellara-appears-to-rule-out-move-from-Saxo-Bank-to-BMC-Racing-Team.aspx

Radsport(ドイツ)は、「契約が残っているから、多分、移籍はできない。多くの変化があるのに、正式にはまだ何も知らされていない」という発言を伝え、現状を心地よくは思っていない、チームの移籍情報をみなメディアから知らされて、リースから直接話がないことが不満、と解説した。

これを受けて、メディアたちは、リースが資金繰りの問題で放出する可能性があるかもしれない、と引き続き憶測している。
「予算」の観点は、自分もハナから考えていた。元々サクソバンクは薄給なのに、コンタドールのギャラがあまりに高い。今回伝わっている彼の年棒は、今年のアンディの4倍だ。
アンディの年棒は、シャバネルの半分、といわれていて、これまでリースは、選手のギャラを低く抑えて運営してきたのである。ン人分の年棒をコンタ1人に払ったら、どこかにしわ寄せが行くのでは?と疑念を抱くのは当然だ。

そうはいっても、TTで確実に勝利を獲得し、クラシックでも勝てるカンチェは、チームにとって高い価値のある財産なので、そうそうのことではリースが手放す気になるとは思えない。

あとは、契約解除の違約金を負担して引き抜く他チームがあるか。
今、違約金を払わずとも、1年待てば自由になるのだから、待つ方が得策、と考えるチームが多そうに思える。
彼を欲するチームとして、専らBMCの名が書かれるが、08年の契約更新のときは、ラボバンクから、サクソより高いオファーがあったが、「金じゃない」と残留を選んだ、という話があった。来年になれば、複数チームが名乗りを挙げることになるのでは。
(ラボバンクが色気を出したら、ブレシェルが、「ファビアンから逃げてきたのに、そんなバカな」。そうなったら、帰ってこいとリースに呼び戻されるとか)

ただ、チームが大きく変わっていくときに「蚊帳の外に置かれた」と、カンチェに思わせたことは、リースにとっていいこととはいえまい、と思う。留め置きたいのなら、彼に配慮をした方がいい、多分。

今回は、スポンサー決定まで右往左往、決まった後の今も、多くの選手・スタッフを失い、チームの再構築の仕事が山積みで、契約が残っている人にまで気を回す余裕がなく、図らずもほっていることになった、のだろうと思う。
今回の報道を知ったリースが、カンチェに1本連絡を入れて話をすれば、収まる、のかもしれない。リースに対して根本的な大きな不満がある、わけではないのだろうから。

但し、「サクソバンクは、コンタドールには金を出したが、『カンチェラーラには』金を出す気がなかった」という事実がある。
サクソバンクは、シュレク兄弟を見捨てたが、同時にカンチェも見捨てた。今季で契約の切れるシュレク兄弟と違い、カンチェは来季まで契約があり、チームに残ることが決まっていたのに。

シュレク兄弟は、サクソバンクには捨てられても、母国に、金を出してチームを作ってくれる相手がいた。カンチェも、そのくらい尊重されてもいい価値を持つ選手ではないか?
コンタドールの後ろに置かれていい選手か?
カンチェは、過大な自尊心を持つ人柄ではない。だが、実力に見合う程度の自尊心は持っているだろう。

TdS次いでTdFを共にした仲間たちの多くが、来季の自分の道を選択していく中で、彼は、契約が1年長く残っていたがために、選択肢がなかった。いわば、彼は、「取り残された」。
来年1年が終われば、自由の身になる。どういう選択をするにせよ、もう一度、彼が十分に満足できる環境を得て、幸せにレースをすることができることを願っている。(リースの下にいて幸せなら、それでいい)



後日の追記のようなもの:2010/08/25 カンチェの将来
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移籍のニュースが連日続々。

・クロイツィゲルはアスタナへ

リクイガス離脱は既定路線だったし、いいんじゃないかと思う。GTのエース待遇で、引退を延期したヴィノクロフにアシストしてもらえる・・はず。
「コンタドールにあっさり逃げられた」ヴィノに、心なし同情の念が湧いた所で、来年のアスタナは応援できそう。

中野さんから、彼に関する話がきけなくなることだけは残念。(まさか、一緒に来てくれる?)

アスタナからオファーを受け取っている、と本人が明らかにし、アスタナ(ヴィノ)側も名を挙げてから、間もなくの正式発表で、こういうのだと此方は楽だ。(シュレク兄弟絡みが、色々な憶測が駆け回り、発表まで時間がかかり、今も待たされ続けているせい)

ヴィノは、コンタ離脱後、メンショフ、クロイツィゲル、シュレク兄弟を考えている、と公言した(8/4)。シュレク兄弟がルクスと公表し(8/14)、メンショフはカチューシャで決まりそうで(8/16)、話がきれいに収まる。とってもすっきり。

・The Luxembourg Pro Cycling Project

それにしても、シュレク兄弟が、ルクスチームとは確定していない、プロジェクトが間に合わなくて来年レディオシャックへ行くかもしれない、という憶測が流れたのは、不可解だった。

スポンサーも何も情報がほとんど漏れず、キムも頼りない風情なので、そうなったのかもしれぬが、ルクスのプロジェクトが「今更」潰れることは、状況からして考え辛かった。

シュレク兄弟はともかく、引き連れてきた3人のチームメートが困る。兄弟が走るチームは、どこかみつかるとしても、5人まとめて引き取るか?
アシスト陣にサクソ離脱を確定させた、ということは、イコール、ルクスのプロジェクトは確定している、と判断してよかろう。

シュレク兄弟にとって、フォイクトとオグレディとフグルサングは、大事な「友人」だ。フォイクトは5人、オグレディは3人の子供を抱え、食いぶちを稼がなければいけない立場である。
昨年のブエルタ中に、オグレディに3人目が生まれた知らせが届き、チームメートたちがみなで大騒ぎして祝った、温かい話を思い出す。アンディは、こみ上げるものがあって、泣いた、と書いた。
あのブエルタは、戦績をみれば、うまくいったGTとはいえなかったが、あのチームの「仲間たち」の雰囲気のよさが、印象深かった。

ルクスのプロジェクトにまだ不安要素があるのであれば、アシストたちの身の振り方の確定時期は遅らせただろう。移籍市場は8月まで動いているから、ツール期間内に決める必要はなかった。

ニガードが、フラビオ・ベッカの名を公表した(7/31)後も、プロジェクト不確定説があったのは、此方には理解し難い。
尚、ベッカが資金の出所、と以前書いたが、正確にいえば、彼が直接金を出すとは決まっていなくて、スポンサーは、彼の関係企業とは限らないかもしれない。
どこからどう金を持ってくるにせよ、ベッカがプロジェクトに関与しているなら資金面は大丈夫で、具体的なスポンサー名が聞こえてこなかろうと気にならない、というのが自分の受け取り方だった。

・ケースデパーニュ

テレフォニカがスポンサーに決まったが、タイムリミットぎりぎりで、土壇場まできて、政治家が動いてどうにかした、雰囲気だ。
選手たちは、他チームとの交渉を進め、行き先の具体的な名が固まっている状態で、ウンスエが「15日まで待って」と言って、12日に発表
テレフォニカが乗り出すなら、ここまで引っ張らず、どうしてもっと早く決まらなかったのか、と思うが、やむをえずというか、苦肉の策だったのかも。
フェルナンドに関しても、政治家が出てきて、なんだかんだドタバタするお国なので、「なんとなく」判るというか。

自転車ロードのチームのスポンサーは、ローカルなものが多く、自分の知るものはほとんどないが、「テレフォニカ・モビスター」は、知ってるなんてもんじゃ。
最近はスポーツ界に目配りしておらず、数年前までの知識しかないが、かつては、「スペイン人アスリートあるところにテレフォニカあり」だった。セテ・ジベルノー、ファン・カルロス・フェレーロ。ルノーF1に金を出したのも、フェルナンド・アロンソゆえだった。

ウンスエは、いずれコンタドールが欲しい、と早速ラブコールを再開したが、色々な意味で、母国にちゃんとしたチームがあるなら、母国で走る方が、選手にとってもチームにとってもいいケースが多いと思う。(勿論、全員にあてはまる話ではないが)

その観点で改めて考えると、ルクセンブルクという小さな小さな国に生まれて、他国のチームで走るしかなかったシュレク兄弟が、君たちのために、君たちの国ベースのチームを作ろう、という話にのったことに、他人がとやかくいう資格はないだろうな、と思う。

(デンマークの人から見ると、「デンマーク人の」アンデルセンとニガードが、「デンマークの」リースサイクリングを割って、他国籍のチーム設立のために働くという、納得し難い話であることは理解できる)
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・Baby Schleckの脱皮

1年前、アンディの一番の問題は、「絶対に勝ちたい」という意志で、コンタドールに負けていること、と書いた。

二皮か三皮剥ける、どころか、「化けない」と、とてもじゃないが、コンタド-ルに対抗できそうにみえない。

とりあえずは、自分もマイヨ・ジョーヌが欲しい、強くなってコンタドールに勝ちたい、という強い意欲を持つかどうか。
今の彼は、脚力だけでなく、「絶対に勝ちたい」という意志で、コンタドールに負けている、と思うので。

2009/08/06 TdF2009補遺(4)

1年前に欠けていたものを、今年彼は得た、と思う。
生まれて初めてマイヨ・ジョーヌを着た日の心の震えと、そのジャージを失った日の悔しさを知ったことで、彼は変わった。
子供の頃から今までは、夢の中の存在であったものを、現実に手にして、これをパリまで自分のものにしたい、という欲望を、本心から持った。

第15ステージ。チェーントラブルで、コンタドールに置いて行かれた後の彼は、火の玉になった。
闘志を露わにして走る彼の姿を、私は初めて、見た。
雑魚はどけ!とばかりに、先行していた複数の選手をぶち抜いて山頂まで駆け登ると、下りを猛然ととばした。
そのときまで彼はいつも、下りは気をつけて、という母の願いを考慮していた。その日の朝も、リスクは負わない、とフランクに電話で話した。その約束を破って、彼はとばした。マイヨ・ジョーヌを失いたくなかったから。

第17ステージ、トゥールマレを、彼は、後ろを振り向かずに、登った。昨年モンヴァントゥーでは、アタックしてもすぐ止めた。すぐ後ろを振り返った。
今年、彼は止まらずに登った。フランクを3位にするためではなく、自分が勝つために。

彼が、ツールの最後の山岳の決戦ステージを、「自分が勝つことを目指して」登ったのは、ツール参戦3回目の今年が最初だ。

昨年の彼は、精神的に、兄にもたれかかっていた。2人でお互いを支えあって、3週間を過ごした。エースの責任も、2人で分かち合い、プレッシャーを「1人で背負う」ことを回避していた。
「僕は今も、"Baby Schleck"さ」そう彼は言った。
今年、彼は、すべてを「1人で」背負った。そして、兄が傍にいなくても、「自分1人でできる」ことに、自分ではっきりと気づいた。

昨年までの、周りの人々から見守られ、真剣な責任感も、リーダーシップも、決意も持つことなく、「生まれ持った恵まれた才能だけ」でレースをしていた「幸せな弟」は、今年、頂点を目指すことのできる、真の意味でのエースになった、と思う。

学ぶことはまだ沢山ある。彼はまだ、自分の頭で考えてレースをしていない。指示に従って、動いている。兄が一緒にいるときは、兄が様々な注意やアドバイスをしていたし、今年は、チームカーに戻るシーンが屡、中継映像に映った。

コンタドールとの駆け引きも、覚えなくてはいけない。今年、「まんまと騙された」のではないか?と検討してみるべきだろう。
トラブルがあったとき、焦らずに処理して、なるべくロスを少なくすること、も必要だ。

プロローグのITTでの失敗は、純粋な走力の不足ゆえではなく、濡れた路面に対応できなかったためで、これも改善しないといけない。今後も、TTで雨が降るときがあるかもしれないのだから。

これらのことを、今の彼は、判っている、と思う。
彼に最も必要だったのは、「アルベルトに勝って、マイヨ・ジョーヌをパリで着てみせる」という決然たる意志だ。
その意志を強く持ち続けることができるならば、彼はこれからも成長することができるだろう。
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・コンタドールの闘いの評価

ぽつぽつと、今年のTdFに関する他者の言葉を読んでいくと、「ほっんとに、見方というのは様々だなあ」と改めて思う。

今回のコンタドールを、強かった、王者の道をまた一歩進んだ、という評は、これはこれとしてありで、来年以降、「その通りになったね」と言う日が来ることは十分ありえる。
ただ、奇妙な違和感のようなものを覚えるのは、自分がアンディ応援だから、というだけでない。「仮に自分がコンタドール応援でも」、そういう見方は出てこないのではないか、と思うのだ。

自分は、長くミヒャエルのファンをやった。彼は結果として前人未到のタイトル数を持つ選手になったけれど、連勝当時、自分が「余裕を持って」見ていた時期は長くなかった。

3つ目のタイトル獲得直後(2000年)は、文句ぐちぐち。
「勝ちさえすればそれでいい」んじゃない。かつての凄みがなくなった、本人比でピークを過ぎてる、ライバルのマシンがボコボコ壊れたから勝てただけ、本人がよかったわけじゃない。
戦績上は圧勝の02年は、「チームメートとのスピード差がほとんどなくなった」ことに延々悶々し、大苦戦してやっとこさっとこ取った03年は、「終わりの始まり」と評価した。
結果は毎年チャンピオンになっていた(5連覇した)ので、世の中には、祭り上げる見方があった。でもこっちは、安穏とできたのは一時期だった。

第17ステージを改めて考えてみると、あのときのコンタは、「アンディにはりつく」作戦をとり、アンディを振り切って勝とうという意思はなかった。
マイヨ・ジョーヌのためには、ここでリードを広げる必要はない、という理屈は、本人が言い、外部の人間たちの多くも賛同した。自分も含めて。

3連覇の「結果」を取り上げて、正しい作戦だった、と「あとから」言うことはできる。でも、よくよく考えると、「どれほどTTで勝てる自信があっても」、たったの8秒差で(事実上の)最終ステージに臨むのは、危険を背負った策だった、とはいえないか?
結果はよかった。だが、レースでは何が起こるか判らない。リードが「2分」であれば、OKだ。だが、「8秒」という数値は、あまりに少なくないか?
マイヨ・ジョーヌを守るためには、「可能なのであれば」、トゥールマレでリードを広げておいた方がよくはなかったか。
「勝利の方程式」をいうなら、そうするべき、とはいえなかったか?

彼が、「トゥールマレで勝負をしない」道を選んだのは、なぜか。
解釈1。TTで負けることは決してない、という自信が絶対的であったから。

解釈2。
トゥールマレで、アンディを千切る自信がなかったから。
アンディについていく自信はあったが、彼を千切れるという自信はなかったから、ここで力を使うことを避け、TT勝負に賭けた。

第17ステージ後の両者のコメントからは、「コンタドールは、アンディに、『自分が強いこと』を信じさせることに成功した」ことを窺わせる。
けれども、すべて終わった今は、アンディにも判っている、のではないか。
「山岳における力では、コンタドールはもはや、自分より強くはない」と。
1年前は、明らかに、コンタドールが、自分より強かった。
でも、今年は、追いついた。優ることはできなかったけれど、追いついた。

TTに最終決着を遅らせたコンタドールの選択は、TT直前の彼に、巨大なプレッシャーをかけた。昨夜眠れなかった、というTT後の彼の発言から、それが読み取れはしないか?

マイヨ・ジョーヌ確定後の記者会見で、コンタドールは、今年の自分は、昨年のレベルでなかった、と述べた。
「アンディが成長して、自分に追いついてきた」とは認めなかった。苦戦したのは、自分の調子が悪かったせい、だと。
彼の言葉が「真実」であったことの証明は、来年、アンディに、山岳でもTTでも、09年以上の圧倒的な差をみせつけて勝ったとき、初めてできる。

第三者の見方(評価)が分かれる原因のひとつは、「2人の走力の差が、昨年比で著しく減っていた」ことと、「勝負の最終結果」のどちらに重きを置くか、の差だろうと思う。

「結果重視」の見方だと、走力の差が減じようが、調子が悪かろうが、その他の要素を含めた「総合力」で優って、結果勝てば、それでいい。
「走力の実力」を重視する見方なら、上の評価はしない。

私は、昨年、コンタドールがランスを突き放して勝ったことを喜んだ。
チーム内に敵を抱え、チームで孤立して、闘う彼に、マクラーレン時代のフェルナンドを連想した。そして、「フェルナンドと異なり」、勝った彼を、賞賛した。

多分、私の中には、コンタドールに対して「強い」ことを期待する気持があって、そのため今年の彼を賞賛できないのだろう。

コンタドールは、もしかしたら、「昨年私が思っていたほど」強くはないのかもしれない。ミヒャエルが、「世間の人が思うほど」強くない、と私が思っていたのと同じように。

・・でも、ミヒャエルになぞらえるというのは、イコール、ン連覇することを想定していることになる。他方で、そうなるかどうか判らない、と主張したり、一体どっちなんだ?と自分で思うが、結論は、「どちらも有りうる、と思う。どちらともいえない」。

とりあえず、来年は、チームTTでリードを作れる。ルクスのメンバーはまだ半分不明だが、サクソはおおよそ判っている。
その戦力から鑑みて、ITTと合わせて、山岳ステージ前に最低でも1分以上のリードを作れると考えられるので、山岳ではひたすらはりつく、という古典的な勝利の方程式で勝てることが見込める。
相手が、TTでの差が「致命的」であることを本心から悟って、「真剣に」対応策を講じてきたら(チームTT含む)、そのときは状況が変わるだろうけれど。

・第15ステージ、アンディのチェーン落としを巡る「あるひとつの」解釈

アンディのチェーン落としは、その後のステージでの彼とコンタドールの勝負の面白さを、「かなり」減じた。

コンタドールは、あのとき39秒を得て、逆転したことで、その後、「守り」の体制に転じて、一切攻撃をしなかった。
もし、あそこで、逆転をしなければ、その後の山岳ステージで攻撃をした可能性はあったのではないだろうか?
「30秒差」は、最後のITTで確実に逆転できる、と判断して、攻撃しなかっただろうか?
その可能性もあるが、したかもしれない。

トゥールマレで、「はりつき作戦」をせず、勝負をしたかもしれない。
2人の間で、「本当の闘い」が展開され、「コンタドールが、アンディを突き放せたのか、できなかったのか」の答が判っただろう。
それを見られなかったのは惜しかった、と言えるのではないか、と思う。
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8/14付ツイート

Andy

Next year, we will be part of an amazing project based in our home country.It will be The New Big Team in professional cycling.More news to follow in the coming month

fränk

Next year,We Andy and myself will be part of an amazing project based in our home country.it will be The NEW BIG TEAM in professionalcycling

More news to follow in the coming month.thanks

Sorry my mistake by writing my home country.lu luxembourg

ブエルタ前に発表か?と国内で報じられたので、「いや、来月です」と反応したのかも。
とはいえ、これが、既成事実化していても、これまで一切言わなかった「移籍先はルクセンブルクベースの新チーム」と口に出した最初。



同日、ニガードも、プロジェクトは順調に進行していて、時期がくれば詳細を発表する大きな記者会見をする、と発言。
http://www.cyclingnews.com/news/luxembourg-team-on-schedule-for-2011-debut
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http://www.lequotidien.lu/index.php/les-sports/14314-Cette-nouvelle-quipe-qui-intrigue-tant.html
http://www.tageblatt.lu/index.php/sports/43760.html

8/11付ルクセンブルクの報道。
新しい情報はなし。
8月終わり、ブエルタの前に発表されるのではないか?という憶測。
出回っていた噂は、9月以降、だったが、シュレク兄弟が8末に始まって9月半ばまで続くブエルタに出場するスケジュールで、ブエルタの最中に発表するのはそぐわないな、とは自分も思っていた。ブエルタ前か後、どちらかでは。
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2007年のツールは、自分の記憶にほとんど残っていない。確認したい件があり、リザルトやレポートを読みにいって、「ああ、そうだったっけ」と、思い出した。

哀しいことだが、この年の印象の1番は、ヴィノクロフの陽性。2番は、マイヨ・ジョーヌを着ているラスムッセンが突然いなくなったこと。
ラスムッセンが消えたためにマイヨ・ジョーヌが「繰り上げ」になった。そのあとの展開は、忘却の彼方。

あのときまで、ヴィノクロフは、魅力的な選手だった。そう思っていた、と思う。朧な記憶だが。
おそらく、彼の犯した最大の罪は、「ヴィノよ、お前もか」という、とどめの一撃を、観客に与えたことではないか、と今になると思う。

今年、ヴィノクロフに対し、わだかまりがあることを否定できないのは、07年に受けた傷のせいだろうと思う。当時の私は、今のようにドーピングについて腹を括っておらず、まだ「甘かった」。
「選手の言うことを信じるな。全員疑ってかかるべし」という自己防衛を固めたのは、この年のあとのことである。

最近、デンマークメディアに通うと、ラスムッセンの名(顔)がせっせと出ていて、ヴィノクロフに加えて「07年の悪夢」を想起させるダブルパンチ。
噂になっている通りサクソバンクに入ったら、ケタケタと虚しく笑いそう。

この暗黒の07年の次の08年に、清々しいバンビちゃんに出会って、復活するわけである。

(近年、以前のような「素晴らしいクライマー」がおらず、赤玉ジャージが地味なのは、「かつての『素晴らしい』クライマーたちは、ほぼみんな何かしらはやってた」からで、浄化が進んだ結果こうなった、という解釈が、妥当性が高いような気がしている。
だって、登れる人は、見事に端から捕まったもんねえ。だから、アンディも、そんなに強くなくても、いいわ。何もやってなけりゃ、あんなもん。人間にできることには限界があって、バカッ速すぎるのはオカしいのである)

●ルクセンブルク新チーム

ルクスチームの発表の日を楽しみに待っている。長い間、情報が少なく、不審感があったが、今は解決している。
資金の出所がはっきりしたことが一番大きい。とにもかくにもまず金で、これの押さえがあれば、あとはどうにかなる、と思っている。

「F1に金出すより、同胞のために金出して~!!」とジェラール・ロペス宛に叫ぶという、何を言っているのか理解できる人は日本国内で20人くらいじゃないかということをやっていたが、さすが金融立国ルクセンブルク、金持ちは他にもいた。

真面目な話として、「個人的な考え」で、兄弟のパトロンになる金持ちが現れてくれないかと思っていた。
そして、金を出すなら、リースサイクリングのスポンサーになる(リースを経由する)のではなく、シュレク兄弟に直接出す、というのなら、それはそれで結構である。

思い出すと、この話の最初のリークは、「Team Schleck」だった。フラビオ・ベッカが、「シュレク兄弟ゆえ」に自転車界に首をつっこむことにした、のだとしたら、大いに結構。
早い段階で、ベッカとシュレク兄弟の間で合意ができていたとしたら、兄弟のサクソバンク離脱は既定路線だったことになる。

チーム発足発表で、ベッカがどういう形で出てくるのか、首脳として誰がどう並んで、どういう話をするのか判らぬが、楽しみである。(フランクがでかい顔している、ということもあるのかなあ)

そして、新チームの運営の不安、という点については、「チーム発足1年目の来年のツールで勝つ、という目論みはなし。3年計画くらいで結構。アンディは、鼻息荒く、来年勝ちに行く、と宣言するでしょうが、勝利を目指して闘って3回や4回失敗するのは、勝負の世界で当たり前。彼の年齢なら、時間は沢山ある。デンと構えて、応援しましょー」・・前向き思考。
Category :  その他
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半年前に記述したもの。
2009/11/06 脳死・臓器移植~生命倫理


Category :  散歩
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迎賓館参観のいいレポートを発見した。
http://wporep.blog.so-net.ne.jp/2010-07-27
写真が上手く、記述も上手い。

「ともかくどの部屋も豪華絢爛。センスがよいところばかりではないけど圧倒される」
この文章は、非常に適切。自分は、「趣味が悪い」と連呼したが。

それと、自分が迎賓館の内部を気に入らなかったのは、前の月に行った東大の建築物が頭に残っていたからではないか、ということに気づいた。
古色蒼然として、アカデミックな雰囲気を、自分は非常に気に入った。「古い書物と書架の並ぶ図書館の雰囲気」は趣味のどまんなかだった。そのため、けばけばしい宮殿が魅力的に映らなかったのでは。

迎賓館の参観(7/31)
Category :  自転車
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フグルサングとブレシェルの月曜のアナウンスの内容は、メディアの憶測通り。

フグルサングのコメント
http://www.sporten.dk/cykling/fuglsang-i-kan-selv-gaette-mit-hold

サクソバンクからの離脱の正式表明と(数日前の「コンタドールのために走らない」発言が離脱宣言と思っていたら、本人はそういうつもりで喋ったのではなかったらしい)、移籍先については「これ以上喋れない」というルクス組共通の答弁。
発表は9月1日以降、という答弁も同じ。

ブレシェルのコメント
http://www.sporten.dk/cykling/se-mattis-stjerneloen
http://www.sporten.dk/cykling/matti-fik-nok-af-cancellaras-skygge

ブレシェルはフグルサングと同い年で、共にサクソバンクを離れるが、2人の事情はかなり違うな、と思わせる。
フグルサングがサバサバしたノリなのに対し、ブレシェルは、けっこう悩んだ跡が窺える。
ルクス組は、複数の仲間とつるんで抜け、事実上の分裂で、新天地に行くのではないのに対し、彼は、ひとり別のチームへ行く。彼は、アンディと同様、プロになってからリースのチームひとつにずっと在籍してきたから、愛着もあったろう。寂しさもあるという感情を率直に口に出している。

しかし彼には、現チームの環境ではキャリアの向上が望めない、という事情がある。クラシックに専念して、パリ・ルーベやフランドルを狙いたいが、サクソバンクでは、カンチェラーラがいる以上、エースになれない。
デンマークメディアの書いた「カンチェラーラの影から出る」という表現は、彼の離脱の選択の肯定に受け取れる。

ラボバンクは、ブレシェルを高く評価して、サポートの体制と高いギャラを提示して、彼の返事を長い間、待った。リースが、ツール開始の日までにスポンサーを見つけられず、チームの将来が決まっていなかった事情を合わせて考えれば、彼の離脱に反対する意見に道理をみつけることは難しいだろう。

リースサイクリングとルクスチームの動きの「事実」はいまもって不明だが、ツールスタート前日のプレカンで、リースは、スポンサーが決まっていない、と公式に表明した。当時、自分はあの時点で、このチームが来年同じ姿でツールに戻ってくることはない、と覚悟した

結果は、当たっていた。チームに残ったツールメンバーは、「契約が来季まで残っている」選手(3人)だけで、来季の契約のなかったメンバー(6人)は全員がチームを離れることを選択した。

●今頃発見

Saxo Bank Japanのブログの自転車ロードレースの記述を、今頃発見した。
2010 ツール・ド・フランス
最終日パリでの恒例のサクソバンクVIPイベントのレポート。
目をひいたのは、ボビー・ジューリックが、TdFのために、毎週、シュレク兄弟のTT強化の特訓を続けたこと、フランクがアンディより上達した、という箇所。
「読まないでいた方が、頭を抱えずにすんでよかったような気が・・(知らぬが仏、というやつ)」

次に、スポンサード契約延長のエントリを読んで、「ここの人の書くことを信用しなくていいか・・」

ここに書かれたサクソバンクの逆転契約延長の事情の説明は、まったくもって、うそくさい。
ツール中に発表されたもうひとつのスポンサーは、サクソバンクではなく、別にいたなど、誰が信じる。
他に現れたので、けっこうです、お引き取り下さいといったら、はい判りましたと「快く了解」する会社が、億単位のスポンサー料を出す気が本気であったというのか。こんな説明を真に受けるのは、小学生くらいだろう。

この件(サクソバンクの豹変とコンタドールの移籍)の事情の真実も、明るみには出ず、謎のまま終わりそうだが、そういう話はF1で慣れているので、まあいいやとスルーしよう。
(つくづく、人間の煩悩の地獄絵そのままのF1界で免疫がついていると、他の大概の話は可愛い)
Category :  自転車
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無事、フグルサングが3連覇した。
彼とブレシェルが2人で抜け出して1-2を決めた第3ステージは、色々な意味で感慨深い、と思う。

あの作戦は、前夜に2人で話をして、リースに、それでいい?と聞き、OKという返事だったので、やった、という話がデンマークメディアに出た。(チーム公式の文章と、それを引用した英語メディアのレポートは、ニュアンスがちょっと違うが)
多分、2人は同室だったのだろう。ツールでそうだったし。2人とも移籍が決まっていて、このレースにチームメートとして参加するのもこれが最後。共に25才、「キャリアはこれから」の2人だから、湿っぽさはなく、楽しんでやったような感じがするが。

2人は、来季について、明日(月曜日)アナウンスする、という
ブレシェルは、今日発表するつもりだったが、リースに頼まれて1日延期したんだそうだ。
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生物がものを食べると、食物を構成する分子は、高速度で身体の構成分子の中に入り込み、同時に、身体の分子は分解されて、外へ出ていく。
生体を構成している分子は、絶え間なく、入れ替わり続けている。

新しいものが古いものと入れ替わるのは、皮膚や爪や毛髪だけではなく、身体の内部のあらゆる部位、一見固定的に見える骨や歯すらも、分子のレベルでは、絶え間なく分解と合成が繰り返され、置き換えられている。

絶え間なく分解と再構成を繰り返す中で一定の状態を保っている、それが生きているということ。

・・という話をしている本



福岡伸一は、あるときTVに出演しているのをみかけ、面白いことを喋っているな、と思い、著作を調べると、見覚えのある上記の本の著者だった。
遅ればせながらもいいところだが、出版時に興味を持たなかったから仕方ない。

「生物と無生物のあいだ」を先に読み、ルドルフ・シェーンハイマーの「動的平衡論」を説明する記述を読んだとき、自分はすぐ、方丈記を連想した。
「ゆく川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまることなし」
20世紀のユダヤ人科学者が述べたことを、日本人はとうの昔に気づいていたんだよなあ、と思ったら、「もう牛を食べても安心か」に、方丈記はちゃんと言及されていた。

人間の頭が考えることは、方法論が違っても、ゴールが近いところにあったりするわけだ。



「もう牛を食べても安心か」の中で、著者は、動的平衡論から、「食べること」の「本質的な意味」を述べ、狂牛病対策に言及し、更に「地球環境全体は、平衡点=バランスを求めている」という観点で、人間の活動を評する。

この考え自体は、面白い。但し、書物全体の構成のバランスの点で、環境問題への意見は、説得力が弱いと思った。
思いつきはいいが、具体的でミクロの話から、生命観や環境論といった抽象的・哲学的な主張に進むときは、かなり高度な論理と文章術が必要だ。

臓器移植は「生物学的に非常に蛮行」で、「究極のカンニバリズム」という箇所は、主張する内容に価値があるだけに、文章表現の稚拙さが勿体ない。
臓器移植肯定派の根拠の大部分は「感情」であって、「感情」に「哲学的思考」で対抗するときは、最高度のテクニックを用いて文章を展開しても尚、力を持たないのが現実なのである。
Category :  自転車
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これにはちょっと驚いた。Paris Matchの表紙に登場したとは。
Jスポ関連の報道では、現地フランスでは、コンタドールより「人気」がある、という話が聞こえていたが、まんざら嘘ではないかも。

フランス人たちは、勝ちまくる選手が嫌いで、敗者を好む傾向がある。だから7連覇中のランスはものすごく嫌われた。復帰後、以前と違って歓迎されているのは、弱くて負けているから。
その傾向からすると、アンディ>コンタドールで道理である。
もうひとつ、アンディは、フランス語を話す。これも、フランス人たちに受けがいい理由のひとつだろうと思う。(コンタドールがフランス語を話すのは聞いたことがない)

人気が出たらしいことは、ツイッターのフォロー数をみても判る。
昨年のツール中に始めた後、4ケタからなかなか増えなかった。内容も、最初は兄弟間で互いの報告をしているような状態で、家族内連絡ツールかい、赤の他人が読んでいる認識がないんじゃないの、と思ったが、大した人数でないから気にしなくていい、と言われたらその通り。
コンタドールのフォロー数の方が多く、「母国の人口の差よね。(スペインの人口は4600万、ルクセンブルクの約100倍)」と思ったものだが、今や、コンタドールを追い抜き(!)、日々増え続けている。
多分、ツールのある時点で、爆発的に増えたのだろうが、気づくのが遅く、気づいたときには、信じられないような数になっていた。(本日時点で96000)
Category :  自転車
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アンディを応援する立場から、ぐでぐで書いてきたが、あることに気付いた。

今、「苦しい」立場にいるのは、コンタドールの方だ。アンディではなく。

コンタドールのパーソナリティや思考の解釈には、自分は全く自信がない。この点を「大外し」でないレベルにするには、相当量の情報の蓄積が要る。アンディに関しては、「『まるっきり勘違い』の可能性がそこそこ下がったのでは」のレベルに達するまで、その気になって取り組み始めてから、丸1年以上かかった。

コンタドールについては、本気で取り組んでいないから、いとも簡単に「間違え」る。

第15ステージで、アンディを置いていった件については、当時、「余裕がなかった、のでは」という解釈をした。
今考えて、その解釈は合っていた、と思う。そして、もっといえば、彼は、多分、アンディを、「恐れて」いた。

あの夜の彼の謝罪を、当時の私は、「あまっちょろい」受け取り方をしたが、あれは、アンディの怒りを知った彼が、「アンディがこの後、怒りというエネルギーで、立ち向かってきたら困る」ので、それを避けたかったがためだった、という解釈の方が事実に沿うのではないか、と思う。

ツール期間中のコンタドールとアンディの「仲の良さ」は、見る者に少なからず奇異な印象を与えた。
アンディの態度は、彼のパーソナリティからすれば不思議はない。彼は、自分に好意や信頼を示す者を拒絶しない。基本的に、他者との間には、尊敬や信頼の関係を築こうとする。
他方、コンタドールは、己の勝利のために、競争相手に対する「心理作戦」を駆使したのだ、というローラン・フィニョンの解釈を後日に読んだとき、思い当たるものがあった。

コンタドールは、昨年のツール後から、最も警戒する相手として、常にアンディの名を挙げた。世間では、復帰したランスとの対決に話題が集中し、アンディはさしみのツマの扱いだったにも拘わらず。
彼がランスを無視して、アンディを挙げるのは、ランスに対する拒絶反応の意味もあるのでは、と自分は差し引いて読んでいたが、今思えば、コンタドールは、本心から「アンディを最も警戒していた」のだろう。

彼は言った。「アンディは、自分より2才半若い。彼は、2年前の自分のよう」
コンタドールは、自分が24才のときから26才までの間にどれだけ伸びたかを知っている。それゆえ、昨年24才だったアンディを恐れたのだ。
彼の洞察は、正しかった。アンディは、1年後、彼を追いつめた。

コンタドールは、1年前から、アンディを恐れ、今年のツールの期間、恐れ続け、今も、恐れているのだ。

アンディは?
アンディは、何も恐れていない。勿論、コンタドールを恐れていない。爪の先ほども。

コンタドールは、王者で、王座を「守らねばならない」立場だ。
勝ち続けても、いずれ負けるときが来る。新しく出現した若い世代が、いずれ王者を追い落とす。
これは、どこの世界でも真実だ。

今年、コンタドールが、どの程度不調だったのか、どの日に不調だったのか、本人は明かさない。だが、彼自身は知っている。
不調の日に、それをうまく隠し通し、アンディを騙して、アタックを封じ込めていたなら、見事な成功だった、といえる。
だが、もし、「不調ではなかった」日に、アンディと互角で、自分のマージンがなかった、としたなら、昨年から急激に差を詰められた、ということになるだろう。

コンタドールは、サクソバンクへの移籍によって、アンディが19才でプロになったときから今までの彼のデータすべてが手に入る、というアドバンテージを得た。(アンディ側からいえば、一から十まで全部「筒抜け」になる)
言われなくても誰もが判る件だが、コンタドール自身が口から出したのを読んで、「どうやら、彼は心底アンディが恐いらしい」と思った。

勿論、これは、ひとつの解釈に過ぎない。
だが、常に、追われる者は、追う者より苦しい。

救いは、年齢差が2才半で、コンタドールにもまだ伸び代が見込めることだ。彼も伸びれば、相手がそれ以上に伸びない限り、追いつかれない。



もし、コンタドールのファンをやっていたら、今年のツールは胃が痛くなって、今も悶々ビクビクで過ごしていそう。
実のところ、誰のファンになるかは、「タイミング」の問題が大きい。私は、2006年と2007年のツールは「存在しないのと同じ」で、コンタドールがキラキラしていた時期はほとんど記憶にない。
アロンソを好きになったことからすると、コンタドールもありえたと思うのだが(王様が好き、みてくれの好みは後回し)、復活したのが2008年で、この年に、「キッラキラ、ピッカピカのバンビちゃん」を見て、コロリ。
その後3年に渡って無茶苦茶楽しい思いをしているから、それでいい、と開き直り。

■移籍市場

デンマーク1周に参加しているサクソバンクのメンバー中の離脱組が、全員意思を公に。
かねてから噂の3人。フォイクト、ブレシェル、フグルサング。
波風立てないようなコメントの2人に対し、フグルサングは「コンタドールのために走るのはまっぴら」という趣旨をズケズケ喋ったと伝わり、ニュースのコメント欄で、デンマークの皆様から顰蹙を買っていた。

RTLの番組(8/5)
ルクセンブルク新チームの見通しを述べているようだが(新チームを立ち上げる場合のスケジュールを説明しているような)、生憎理解できず。
映像は、Galaのレースハイライト、その他シュレク兄弟の色々。
Category :  自転車
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レースの現場に頻繁に足を運ぶ海外のファンの記述を読むと、選手やチームに関して持つ情報、そこから導き出される人物や出来事の見方・解釈に、TV観戦だけの観客とは、本質的に異なるものがあることに気づく。
このことは、他のスポーツのジャンルで経験して知っているので、理解しやすい。

今回のサクソバンクのケースだが、複数の人の話からすると、このチームには、ルクセンブルクを拠点にした、シュレク兄弟とアンデルセンを中心とした一派、いわば「もう一つのチーム」が、チームの中に数年来存在していた。それが分離独立した、という解釈をしていいらしい。
シュレク兄弟をおっかけて、チームバスの近辺で観察していると、兄弟の周りにいるスタッフは常に同じ顔で固められていることが判るのだそうだ。彼等の多くはルクセンブルク在住で、リースサイクリング本家とは距離をおいて、分派みたいになっていたらしい。

チーム内の諸事情・人間関係は、外部からは伺い知れないが、アンデルセンが独立を計画したとき、揃って彼についていく程度の結束力を、この一派は築いていた、ということではないか。

シュレク兄弟は、アンデルセンとリースのどちらかを取る、という局面で、アンデルセンを選んだ。
外野の我々は、アンデルセンとニガードという人物に、チームを運営していく力量があるのかとか、新チームのリスクとか、あれこれと難癖をつけるが、おそらくは、シュレク兄弟にとっては、アンデルセンは、十分な信頼のおける人物で、リスクを承知で、彼と共にいく道を選んだのだろう。

ルクス一派が、リースとの間で、問題があったかどうかは判らない。あったのかもしれぬし、ないかもしれない。
「OVERCOMING」を見れば、リースは、専制君主的な古いタイプのボスであることが判る。選手に対しては、「やれ」「いけ」と有無を言わさず命令するタイプで、自分自身の考えを持って、ああしたいこうしたい、と思う選手は合わない。サストレがいた時代のリースはそうだった、その後少し変わっていったみたいだけれど、という話を、長年リースのチームに在籍し、サストレと共にサーヴェロに移籍したベテランメカニックが語った記事を読んだことがある。
若く経験のないうちは、疑問を持たずに、ボスの命令に従順に従っていても、年を経てゆき、自分の考えを持っていくにつれ、合わなくなるケースはありうるだろう。

シュレク兄弟は、ツールで勝ちたいなら、勝てる環境を得ること、「勝てるチーム」に在籍することが必要で、アンデルセンの新チームは、それに該当するのか?という疑問を、メディアや、一般的観客たちは抱くと思う。
自分も、その1人だった。「サクソバンク離脱は正しい選択だったのか?」という文言は、そういう意味である。

けれども、スタンスを変えれば、この問いは、「愚問」と、あっさり却下できる。
シュレク兄弟は、「ツールで勝つために自転車選手をやっている」のではない。自転車選手をやっている以上は、ツールで勝つことが目標だが、物事の順序が逆だ。

彼等にとっては、信頼する人々と共にレースを続けていくことが先にあり、ツール制覇はその後の目標、なのだろうと思う。
7連覇及びその後のランスは、「ツールで勝つことがすべて」だった。ランス信者であった自分は、当初彼のスタンスに疑問を持たなかったが、欧州の自転車ロードレースの伝統の中では、ツール制覇だけを遮二無二目指したランスは、明らかな異分子だった。自転車ロードレースの知識を増やしていくにつれ、自分はそのことに気づいた。

アンディは、常日頃から、自転車は人生のすべてではなく、一部に過ぎない、と繰り返す。彼は、フランクとマイヨ・ジョーヌのどちらかをとれ、と言われたら、フランクを取る、そういう子だ、と以前書いたが、今回の移籍劇も、彼の生き方の露れ、と考えれば、辻褄が合う。
そして、その結果として、マイヨ・ジョーヌをパリで着ることなくキャリアを終ったとしても、彼が後悔をすることはないだろう、と思う。

人生において、一番大切なものは何?
マイヨ・ジョーヌだとは思わない選手に対して、観客が、考えを変えろと要求することは無意味であり、「傲慢」だろう。

今の自分は、そういうふうに考えることができるようになった。

■Gala補遺

ルクセンブルクのGalaの動画が複数あがっていたことに気づく。
盛り上がっていた街の様子がよく判る。微笑ましい。
小さな国の小さな街が、「うちの子」の成功を喜ぶ光景だ。

パレードを待つ街の風景。老若男女総出。
アンディバスのパレード
レーススタート
Category :  自転車
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・解釈の留保

昨日、「シュレク兄弟は、リースのチームに残留を望んだとしても、実現しなかった。結局は離脱する他に道はなかった」という解釈を書いたが、正確な事実関係はまだ不明で、今後、新たな情報が出てくれば、この解釈は変更するかもしれない。
ルクセンブルクチーム成立の経緯や実態は、いまだほとんど明らかになっていないのが現状だから。(ニガードの発言が少し漏れているだけ)

・アシスト陣

昨日時点の表に見える面だけでいえば、シュレク兄弟がアシスト陣を引き連れて出て行くように見え、そう受け取る人もいる。
しかし、コンタドールが、スペイン人アシストたちを伴うことを要望しているので、サクソの選手が押し出されたのか、それより先に、サクソからアシスト陣が流出したのか、「どちらが先だったのか」、判断はつかない。

どちらが先でもいいことで、双方とも、希望通りに、アシストしたい相手のチームにいけば皆が幸福でいいんじゃないの、「仕方なく」アシストするより、と、外野の身は、勝手なことを言わせてもらう。
サクソのツールメンバーは、今年アンディに尽しに尽したのに、アンディが抜けて、その後釜に、直接対決した相手のコンタドールが来るから、彼のアシストをしろ、といわれては、いくら仕事で、プロでも、感情として割り切れないものを持っても不思議はないのではないか、と思う。

ツール期間中に、アンディは、チームメートたちが自分をアシストしてくれるのは、リースに命じられた仕事だからというだけではなく、友達だからだ、と語った。単なる「仕事」で、助けてくれるのではない、それ以上の関係だからだ、と。
今思えば、彼のあの発言は、複数のチームメートたちが、自分と一緒に移籍して、来年も自分をアシストしてくれるという事実に裏打ちされたものだったのかもしれない。

カンチェは、契約解除して移籍することはないだろうと思っていたが、今日、地元スイスのBlickが、離脱の憶測を書いた
何か掴んだのか。髪の毛1本分くらい希望を持ってみようか?
Category :  自転車
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もうひとつのスポンサーはスペシャライズド、という説がこれだけ広まっていたのに、事実は違った。
サクソバンクが、もう1年スポンサードを延長した。
こういうこともあるんだなあ、メディアの「確信的な憶測」が大外れする(事実誤認する)ことがある、という今後のいい教訓だ、という感想と同時に、事実を知って「ほっとして」、心が穏やかになった。

自分は、スペシャライズド説に、愕然となって、強烈な抵抗(拒絶反応)を覚え、「事実として」受け入れることに大苦労した。おかげで、それが覆った今日の発表には、全く驚かなかった。
しかし、心が穏やかになったのは、そのせいではない。

シュレク兄弟の離脱の選択は、正しかった。
いや、「彼等には、残る道はなかった」。
彼等が残ったら、リースは、スポンサーを得られず、プロツアーチームとして存続できなかった、と考えていいと思う。
サクソバンクは、「シュレク兄弟がエースのチーム」には金を出す気がなかった。コンタドールをエースに得られるなら、と金を出すことを決めたのだ。
それが判ったことに、安堵したのである。

サクソバンクの心変わりは、アンディを応援する立場からすると不愉快といってもいいが、私が抱えていた最大の不安は、「シュレク兄弟の離脱の選択は正しかったのか?」であって、今日の発表は、それを十分に解決した。

さて、発表はコンタドールの加入だけで、他の選手に関するアナウンスはなかったが、サクソバンクの継続ということからすると、やはり、「ギャラの問題」で、ルクスへの移籍を決めた選手が多いのではないか、という推測が湧く。
リースのチームの予算は、依然として豊かではない、と思う。コンタドールのギャラが高いから、他に振り向けるパイは大きくない。コンタとカンチェの二大スターがいるのはいいが、この2人だけで金がかかりすぎる。

今年のツールメンバーのうち、残留するのは、契約の残るカンチェとダブルソレンセンの3人、という説は、今日の発表前からのもので、現在も状況は変化なし。
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■リースサイクリング

リースが、明日11:00、コペンハーゲンで記者会見を開く。
これまでの情勢から、スペシャライズド+コンタドール説で確定で、此方もそのつもりで腹を括っている。(*)
速報は、多分、spn.dkが速い。(ツ-ル前日のプレカンをライブで伝えた)

■ルクセンブルグチーム

アンデルセンの発言からすると、こちらは、9月にならないと発表できないらしい。

ドイツ人選手の情報は、ドイツメディアが書く。
http://www.radsport-news.com/sport/sportnews_64778.htm
http://www.sport1.de/de/radsport/newspage_269359.html
ミルラムの消滅で、ドイツ人選手たちが行き先を探している中、ルクスのチームが受け皿のひとつになりそう、という話。
ゲルデマンの名は、早くから出ていた。これに加わりそうなミルラムの選手が挙げられていて、フォイクトは、その付けたし。(デンマークメディアの取り上げ方と違うところが面白い)

フォイクトは、ツールの少し前まで、今年で引退という話が出回っていた。昨年、今季の続行を決めたとき、リースは、選手を辞めた後スタッフとしてチームに残ってほしいような話をしていた。
それからすると、リースは彼に来季のオファーを出していなかったのかもしれぬし、出していても、キムのオファーの方が、条件がよかったのでは。アルヴェセンが移籍を決めたときのように。
もしそうだとすると、オグレディもルクス、という憶測の理由もみえてくる。

その他のサクソからの移籍組の憶測は、異なる説が入り乱れている。明日、ある程度判るかもしれないので、追及はやめておこう。
ひとつ、カンチェラーラについてだけ。

カンチェは、もし来季まで契約が残っておらず、自由に選べる立場だったら、どこを望むのか、本心は判らぬが、契約があるのが現実の大前提で、「昨年のウィギンスのような」真似はしたくないのだろう、と思う。ウィギンスの強引なスカイ移籍は顰蹙を買い、当時アンディも、信じられない、と批判していた。
彼も、残りのキャリアで何を目指すか、きちんと考えて1年1年を過ごしていかねばならぬが、来年は契約を全うして、2012年からどこで走るか、貰ったオファーを見比べて、決める、ということになるのではないだろうか。

(*)「腹を括る」の意味=「スペシャライズドが、コンタを支援したくて、セットで来るう??なによそれ!!」が噂を聞いた最初の反応だったため。
平然としていた皆様は偉い。こういう展開を予想していた人がいたら、教えてほしい。私は腰が抜けるかと思った。(修行が足りない。全然足りない。F1では、もう長いこと大抵のことには動じないのに)
その後、「サンタンデールが、札束みせびらかして、フェラーリにアロンソを押しこんだのと変わらんか・・直接のライバル同士のマクラーレンから、アロンソをエースに据える条件でフェラーリ来たんだし・・」
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スポンサーが今季で撤退し、後継スポンサーが未定という状態で今シーズンをスタートしたチームは、サクソバンクの他にミルラムとケースデパーニュがあり、ケースデパーニュのことはずっと気にかかっていた。
英語メディアには、情報がさっぱり出てこない。サクソは、どこがなりそうだの、発表がありそうだの、ちょろちょろ出ていたし、ミルラムも出るのに(こちらは、絶望的で消滅の見込みという情報)、ケースデパーニュは音沙汰なし。

どうして話題にならないのだろう。古豪の名門チームなので、なんとかなると皆が思っているのだろうか?
バルベルデの出場停止が決まったときは、危機的状況なのではと思ったが、昨年、コンタドールを欲しがっていると専らの話で、コンタドールがスポンサーとセットで来て、丸く収まるとか、そういうことで楽観的なのか?
スペインメディアを見に行けば、何か書いているだろうが、スペインメディアの「色のついた」記事には、過去懲りている。
憶測の山に振り回されることが判っているし、デンマーク語サイトを見るだけでも疲れるのに(ここもかなり振り回す)、スペイン語サイトまで手が回らない。

チームの存亡が発生すると、玉突きで、選手のシャッフルが起こる。だから、関係なくはなく、気になるが、サクソバンクが心配で、他の心配をしている余裕がない。話がはっきりすれば、記事が出るさ、とほっていたら、サクソのスポンサーは決まった他方で、こちらはヤバそうな事態に。

スペイン人の英雄コンタドールを雇えるチームがスペインにないとは。スペインの経済状況や、自転車界の状況が、ドイツと似たような苦境に陥っているらしいが、かたやイギリスやルクスのような新興国のチーム立ち上げもある。栄華が一か所に留まることのない「時代の趨勢」を、改めて感じる。

チームがそうなのだから、いわんや選手においておや。

NHKBSのツール総集編を見て、ランスもまた、「時代の波に追われた」、という科白が思い浮かんだ。

第8ステージ、ランスが総合優勝争いから脱落したちょうどその日に、アンディがツール初勝利を挙げ、総合優勝争いに名乗り出たことを、「世代交代」と評するのを複数聞いた。
当日、私自身は、世代交代という感想は出て来なかった。
昨年時点で、ランスの時代は終わった、と了解していたから。
それはちょうど、05年に、ミヒャエルの時代が終わった、と感じたのと同じだ。
あのときも、世間や本人が、「まだ終わらない」としがみついていたとき、私は、見送る覚悟が決まっていた。

「王様たち」の時代が終わったことを悟った後、私は、F1ではアロンソをみつけ、自転車ロードレースでは、アンディをみつけた。
フェルナンドは、ミヒャエルと通じる資質を持っていて、その後、王様になったが、アンディは王様になる資質は持たない、と思う。
「あれれ?」だが、多分「私の趣味が変わった」のだろう。

・・でも、5回コンタドールに負けても、1回くらい勝てないかなあ?1回勝てれば、それで満足できそう・・いや、やっぱり万年2位か・・今まで、なまじ「チャンピオンになる資質を持つ子」を見染めてきただけに、「今回は違うな」という自信がありすぎるというか・・(ここまで悲観的だと、勝った日には、間違いなく泣きますな)