南の国の太陽、空の色の獅子

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「点と線」の小説を読み直しました。

・違和感の正体

ドラマを見ながら感じたムズムズ感は、道理でした。
登場人物の描写が、原作と大きく異なっていたことが原因でした。
というより、原作にない人物描写がゴテゴテ付け加えられていた、といったらいいでしょうか。

此方が原作を読んだのは大昔で、記憶は朧です。「こんな話(設定)、原作にあったっけ?」となる箇所は、自分が忘れたのか、原作は違ったのか、どちらか自信がありませんでした。
忘れていた箇所もありましたが、「原作にはなかった」箇所が大部分で、ちょっとほっとしました。

全体として、ドラマは、えらくしめっぽく作ったもの、と思います。原作は、もっとクールで、理性的です。トリック崩しに特化して、登場人物が過去を引き摺っている描写はありません。
ドラマ製作者は、原作の雰囲気だとあっさりしすぎて魅力に欠けるので、原作にはない人物像を独自に作り上げ、人間ドラマに仕立て上げようとしたのでしょう。

私がはっきり覚えていたいくつかの箇所。
佐山が食堂車で一人で食事したことについて、鳥飼刑事が娘に意見を聞き、娘が「食欲より愛情の問題」という返答をしたこと。
香椎の海岸で、佐山夫婦が互いの連れを殺し、闇の中で、「おおい、亮子」「はあい、ここよ」と会話するぞっとするような場面。
佐山夫婦は自殺したが、これは合意ではなく、死期遠くないことを悟った亮子が、策を弄して、夫を道連れにした、と三原が推理していること。
こうして並べると、どれも「女」の視点であることに気づきます。私が読んだのは中学生のときですが、同性に感情移入をしたのでしょうか。

原作のラストは、三原刑事が鳥飼刑事にあてた報告の手紙で、事件の真相が明らかにされます。
ドラマのドタバタした結末とは異なり、原作では事件は穏やかに終結し、その後、三原刑事と鳥飼刑事は、「時間の習俗」に再び登場します。清張を読んでいれば知っていることなので、2人が喧嘩別れして、その後二度と会わず、年老いた三原が、亡くなった鳥飼を思って涙するというメロドラマみたいなドラマのラストは「??」でした。

・消えた東京駅13番ホーム

「東京駅13番ホームから15番ホームが見通せるのは4分間だけ」のトリックに関する部分を読みながら、ふと気づいたことがありました。

小説では、13番ホームには鎌倉方面行きの横須賀線、15番ホームに特急あさかぜが発着する、とあります。
現在、横須賀線のホームは、地下にあり、13番ではありません。自分は以前、千葉に住み、総武本線を使っていて、総武本線と横須賀線が乗り入れていますので、そのことに、すぐ気づきました。
あさかぜは、分かりません。でも、なんとなくですが、現在運行されていないのでは?と思いました。

早速、東京駅ホームを確認してみました。

13番ホームは、存在しませんでした。
15番は?
15番は、ありました。東海道・山陽新幹線ホームに。

現在の東京駅には、11番から13番のホームはなく、14番以降が新幹線になっています。
予想したとおり、あさかぜも、現在は運行していません。2005年が最後だったそうです。

●ネタ
北岡佳明の錯視のページ
確かに、気持ち悪いときは見ない方がいいかも。
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地元なのでロシア選手枠が多く、これまで見ていなかった面々を見られました。
改めて、「ロシア崩壊」の現実を悟りつつ、此方がうじうじ思ってもしかたないです。

思い出すと、ジェーニャが世界ジュニアで勝った次の次のシーズン、世界ジュニアのリザルトのニュースを見て、1位がロシア国籍の選手で、「うわ、こっちもまだ16なのに、もう次の世代に追われるわけ。きびし~」
ファーストネームが、クーリックと同じというのも・・でも、プロフィールを確認したら、ジェーニャより年上だったので、「そんなに焦ることなかった」と安堵しました。
イリヤ・クリムキンのことですが、世界ジュニア覇者は、95年クーリック、96年ヤグディン、そしてジェーニャで、毎年ロシア人のチャンピオンクラスを輩出していましたから、次もそのクラスの可能性があると思ったのです。

実際のところは、この時期、ロシアにはヤグディン、ジェーニャの2大トップ、そしてアブトがいて、その次の選手はシニアの国際大会の代表になかなかなれないので、19の年齢制限ぎりぎりまでジュニアの大会に出ていたのかもしれない、とあとになって思いました。
ロシアでは、他の種目でも、トップクラスが厳然と君臨していて、代表になるのが難しいと、他国に国籍を変える中堅クラスの選手がけっこう出ました。
ロシア国籍だった選手が、ある年他国(元ソ連邦の共和国など)に国籍が変わっていて、でも練習拠点はモスクワのまま、という話は珍しくありませんでした。
ロシアは特例で代表枠4くれないかなあ、なんて話がファンの間で冗談であったものです。

そんな栄華も今は昔。
男子については、ジェーニャの次がさっぱり出てきません。
ジェーニャとヤグディンが、その他の選手全員おいて、2人で別世界のハイレベルのトップ争いをしているのはいいですが、このままだと後が枯れる。
そのうちいずれ・・と待っていましたが、ついに出ず、ジェーニャがひっこんだとき、ジ・エンド。
実際には、ジェーニャが世界ジュニアで勝った97年、10年前に、ロシア男子は終ってたんですね。

ウルマノフ、ヤグディン歴代金メダリストのコーチだったミーシンさんが、ジェーニャに首ったけになって、他の選手に目もくれず、次の世代の子を育てていないことが分かったとき、「まずいよねえ、これ」とは思ってました。
過去10年、ロシアに才能のある子が誰も出現しなかったのではなく、出現したけれど、目を止めて育てるコーチに出会えなかった、といった方が事実に近いのではないかと思います。

今週のNHK杯は、高橋君の点数が注目です。前年・前前年の世界選手権覇者2人の現在までの調子を見ると、冗談抜きで、今季タイトル取れる可能性があると思っています。
日本のメディアは日本女子をメインに取り上げますが、女子より男子の方が、金取れる確率が高いのでは。

NHK杯公式サイト
リザルトのページ
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ロシア杯の放送を見て、印象的だったのは、日本女子選手2人。
村主さんと中野さん。
「執念」を感じました。

2シーズン前、トリノ五輪代表選考の全日本のFPの会場を思い出しました。6分練習に出る前にリンクサイドで待機している6人の顔を見ていましたが、闘争心の炎、一種の妖気すら漂よわせていたのが、中野さん、村主さん、荒川さんでした。
3人ともほぼノーミスでしたが、あの日の村主さんの場内の支配力は圧倒的でした。

村主さんこそが、現在のブーム以前、日本女子フィギュア界のトップを長くひっぱってきた選手でした。荒川さんは、モチベーションを落とした時期もあったけれど、村主さんは常にフィギュアスケートを愛していた、と思います。

今年の東京の世界選手権に出場できなかったことは、どんなに悔しかっただろう。無念だっただろう。
3枠を取ってきたのは、彼女なのに。

若い選手たちの台頭の中、もはやトップの座に戻ることはできないことは、わかっている。でも、自分はまだ向上できる。なによりフィギュアスケート競技を愛している。だから競技を続ける。そういう気持ちが此方に伝わるのが素晴らしいと思いました。

選手たちはみな、うまくいかないときがあります。負傷も避けられない。いいときもあるし悪いときもある。そういう中で、みんな夫々頑張ってる。その努力が、できる限り報われてほしいものと思います。

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テレ朝で松本清張の「点と線」のドラマを、昨晩から2夜連続で放映していました。
地上波民放ドラマにはほとんど興味ないのですが、BS朝日で放映中のフィギュアの番組中、番組予告を繰り返しやっていたため、存在を知り、昨晩フィギュアの放送の終った後、なにげなしにチャンネルを回したら、放送途中で、ついつい見てしまいました。

見終わって、一番思ったことは、「原作本を確認したい」。
記憶にあるイメージと違って、ムズムズして気持ちが悪いのです。それと、映像にどうにも無理がある、と感じました。
昭和31年という時代を表現しようとしているけれど、作り物感がありすぎ。いっそのこと、モノクロにしたらよかったんじゃないか、と思うくらい、違和感だらけです。

どうして、今頃「点と線」?と思いましたが、昨今の昭和30年代ブームの一環でしょうか。

清張は、母親が好きだったために読み始め(自分は子供の頃、母の読書傾向の影響を強く受けたのだな、と後に気づきました)、気に入り、結局本格ミステリーというものを好きにならずに終りました。トリック、謎解きには、さして関心がありません。
清張に魅力を感じたひとつは、文学的な香りでした。(司馬遼太郎はストーリーと人物描写が素晴らしいが、文章の味気なさは気に入らない、と言っていたものです)
「ゼロの焦点」の最後の文章を、今も覚えています。

*追記
最後の文章を覚えている、で出てきたもうひとつが、「時間の習俗」。
これは凝ったトリック崩しがメインの話で、別に好きではありませんでしたが、やはり最後の一文だけが記憶に。
トリックが中心にくる部類は、「点と線」含め、自分はさほど好きではなかったと思います。
じゃあどれが好きだったの、といわれたら、長編より短編を挙げます。
・・なんて言っていたら、10ン年ぶりに(ン10年ぶり?)、読みたくなってきました。
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・最初に訂正。ブライアンは、インフルエンザ、ではないようです。なんであれ、ワールドに間に合ってくれることを祈ります。

・パトリック君
17でなく、まだ16でした。長く見ている気がしたのは、14のときから世界ジュニアに出ていて、既に3シーズン目だからでした。
スケアメに続き素晴らしい出来でした。でも、フランスの観客の皆さんが少々気の毒な感じも。アルバン、4T、3A+2T+2Loを決めていますから。中野友加里さんの演技に大盛り上がりしたのに、点数が思ったほど伸びずに盛り下がる05年シーズンの日本の観客みたい。

でも、アルバンは、これだとPCS出ませんよね。藤森さんが、いつぞや、滑りが汚い!とボロクソ言いまして、それに加えて、昔のキャンデローロに似ている、キャンデローロも汚かった、とまあズケズケ仰ったのが、えらい可笑しかったのを覚えています。
実は自分もそう思っていたので、あら、藤森さんのお墨付きが出たわ、と。

それにしても、パトリックのSS7点台は、おおお、です。この年齢で出るか、と。

・ボロノフ君
東京で見たとき、見劣りする、と思い、その後、世界ジュニアの放送を見たら、「ジュニアの中では充分いい」、今回は、「シニアでも通用する」
多分、私は、ロシア男子に要求する水準が高いので、物足りなくみえるのでしょう。
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エリック・ボンパールが始まりますが、ジュベール君の欠場のニュースに、ふぎゃ。
インフルエンザとか。そういえば、数年前、ロシア杯からロシア国内選手権の頃にインフルエンザが大流行して欠場が相次いだことがありましたっけ。

「男子のトップに座る選手たるもの、SPで4+3跳べ!」が信条の私としては、ブライアン君にはその牙城を守っていただかないといけません。
世界選手権には、コンディションを整えて、のぞんでいただきたいと思います。

同じことは、ステファンにも。
コンディショニングは難しいものです。それを思うと、改めてジェーニャとヤグディンは凄かったな、と思います。ジェーニャなぞは、失敗するのは年にせいぜい1回でした。但し、それを一番大事な所でやるんですが。(どこぞの誰かと同じ・・)

今季ここまでのメモ。
<男子>
・カナダ勢。パトリック・チャン君とソーヤー君。エマがひっこんでも、カナダは魅力的なラインナップを持っています。
パトリック君は、昨季の世界ジュニアがいまいちでしたが、半年で大きくなりました。もう長くシニアの試合で滑っているような感じすらしますが、まだ17・・?

・ジョニー、久々の復調。昨季は、見る度びーびー泣いていて、あそこまで泣かれると、最後は此方も引きました・・
シーズン最後まで続くよう、頑張って下さい。

<女子>
・美姫ちゃんのFP、カルメンは、シーズン終わりに向かって滑り込みされていくと魅力的だろうと思いました。
さほど魅力を感じていなかった選手が、「変わって」いって、ある日見た演技に、「わあ、素敵だな」となることがあるのが、このジャンルの楽しみのひとつです。
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<泉岳寺>
明治学院を出て、向かった先は、泉岳寺です。
はい、忠臣蔵でお馴染みのお寺です。来た道を戻っても面白くありませんので、地図を眺め、泉岳寺に行って、都営浅草線泉岳寺駅に出ればいい、と思いつきました。

お寺の裏側に当たる高輪台のマンション街の中の坂道を抜けましたが、築年が古いものが多く、しんとして、途中で誰にも行き会いませんでした。
瑞聖寺に隣接したエリアもそうでしたが、「貧しい」住居があちこちに残っているのが、ちょっと意外でした。このエリアに足を運んだのは初めてで、豊かな街並みを想像していました。

泉岳寺は、討ち入りの日に催される義士祭には、大層な人出で賑わうと聞いていました。何もない日だから、さして人はいないだろう、と思ったのですが・・


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<瑞聖寺>
東京文化財ウィーク(11/3~11)は、普段非公開の施設の公開があります。
最初に向かったのは、都営三田線「白金台」駅すぐの瑞聖寺。
大雄宝殿(重文)の内部公開は4日のみです。14時を少し回った時刻に着くと、お堂の外で幾人かを前に、ご住職がお話をされていました。
慌てて加わり、「お堂への入り方」のご説明には間に合いました。入るときは、50人ほどが集まっていました。

ご本尊は釈迦如来です。ご住職が「お堂の大きさに比べて、小さい」と仰いましたが、私の目には、好ましい大きさでした。
私は、美術館の展覧会で、展示された仏さまを見るより、お寺にある仏さまを見るのが好きです。いるべき場所にいらっしゃるのが本来の姿ですから。

禅宗寺院である認識だけはありましたが、黄檗宗という宗派であることは知らず、ご住職の解説を、ふむふむと拝聴することになりました。

禅宗の中で、臨済宗・曹洞宗は、鎌倉時代に日本に伝来し、日本化が進んだのに対し、黄檗宗の伝来は江戸時代で、中国で発展してきたので、建築・仏像諸々が中国様式なのだそうです。
法衣の形も他の宗派と違い、襞がなく、お経をよむとき畳の上に座らず、座るときは椅子なので、椅子に座ったときにいいように、後ろにスリットが入っています。
ご住職が「こうなっているのです」と法衣の裾をひらりと捲って説明をして下さいました。お堂の中でこんな話を聞くとは思いませんでしたが、「文化財ウィーク」という趣旨を意識してのお話だったようです。
質問時間あわせて述べ1時間お話を拝聴しました。

帰宅後、黄檗宗の本山は京都宇治の萬福寺と読み、納得しました。中国明朝様式が特異なお寺です。

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中国大会、男子FPの放送が終わりました。
ランビエール君は、ジャンプボロボロで、本人シュンとしていましたが、此方は、世界選手権でこのプログラムを見たときの幸福が蘇ってきて、「この人を見られて幸せだわ」。

昨年、いったんはやめると言った人ですから、戻ってきて、これを見せてくれただけでもよかった。
本当に、このプログラムは素敵です。私は、前シーズンの四季に魅力を感じていなかったので、余計に、フラメンコにイチコロでした。
最初、滑りの質で好きになった選手ですし(ジョニーのような中性的ではなくて、筋の入ったしなやかさを持っている選手で、この2人が、自分のお気に入りリストのトップに並んでいました)、勿論独特のスピンも魅力的でしたが、プログラムを好きということはありませんでした。
フラメンコを東京で見られたのは、本当に幸せでした。これだけでこの先数年もつかもしれない。

ジャンプが秀でるわけではなく、特に3Aが苦手という癖をずっと持っていたので、まさか世界選手権で勝つことになるとは全く思っていませんでした。
男子は、跳ばないと上の順位をとれないので、ジェーニャの次にくるのはジュベールだと思ってました。
だから、クワドを跳べるようになり、3Aもなんとかしてきたときは、驚きました。・・ご本人には失礼な話で、申し訳ないですが。

・フィギュアのTV番組もう1本
BS-iで、荒川さんのドキュメンタリー番組の再放送があるのに気づき、見てみると、前半の、技術に関する解説の部分が、面白かったです。
非常に詳しい内容紹介がサイトにありますので、よろしければ↓
http://www.jump.co.jp/bs-i/chojin/archive/084.html